戦姫絶唱×シンフォニックライダー   作:コンテンダー。

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57話 ロッキン・ファイター!

《フォルテッシモ!サウンド・ロック!》

 

大地からの旋律がスコアに集まった時、新たな力が彼の身体を包んでいた。

 

群青色のアンダーアーマーが真っ赤に代わり、鎧がさらに重厚な銀のモノになる。

 

マスクには変化はほぼ無いが、明らかに分厚くなっているのがわかる。

 

「来たぜ、この力……。ロックの力なら、イケるッ!」

 

力を確かめるように2度、3度手のひらを動かしたスコア。

 

「それじゃ、とびきりの爆音、響かせてやんぜ!大地に、空にッ!」

 

再びメトロセイバーを地面から引き抜き、重りをセットしなおすスコア・ロックサウンド。

 

《オーケー!グラビトン!》

 

「オラアアアアアアッ!」気合にエネルギーをメトロセイバーに集中し、目一杯に地面に突き刺す。

 

すると、どうだろうか。マグネ・アポカリプスのフルパワーに対し、トロイメライでは対抗しきれなかったグラビトンの力が明らかに上がっているのだ。

 

それは浮き始めた土地が急激に高度を下げたことから見えた。

 

「これでまずは計画はぶっ潰しきれたか!」

 

スコアは完全に地面が引き戻されたことを確認すると、急ぎナイトコンダクターに飛び乗り、戦いへの参加に走っていった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……ッ!高度が下がってきた……」

 

「……光溜、やってくれたわね」

 

急な高度変化に背中を向かい合わせていたクリスとリーサが驚く。

 

逆にこの二人は息があっている気がしないでもない。

 

「「イケるッ!」」

 

クリスの弾丸サーカス、リーサの炎刃がパズルノイズを一掃した。

 

「……先輩、凄く生き生きしてる気がするデス」

 

「相性は悪そうだけど、息はぴったりだもんね」

 

二人のフルスロットルの働きに完全に仕事を取られた切歌と調は楽しそうに見ていた。

 

「クリスちゃん、もう、なんか妬いちゃう!」何故か分からないが、響は嫉妬していた。

 

問題は別な戦いだ。

 

『な、何!?私の斥力が……ぐああああああっ!』

 

スコアに邪魔されたとは露知らず、ファルべと交戦していたマグネ・アポカリプスは力の暴走に苦しみ出していた。

 

「……高凪か……。フッ、恩に着るか!」

 

マグネ・アポカリプスの前よりも早くなった能力の切り換えにロンドのスピードで対応して、攻撃に移っていなかったファルべがついに転じた。

 

「フッ!」

 

まずは苦しむマグネ・アポカリプスの上を通り越すハイジャンプで、背後をとる。

 

『は、背後をとら……』

 

「ハアッ!」

 

後ろを振り向こうとした瞬間、身体を捻ったファルべの回し蹴りが脳天を襲う。

 

『うっ!これで!』

 

だが、斥力を封じられたマグネ・アポカリプスは重力でファルべを捕らえた。ずしんと、沈むファルべ。

 

「ッ!」

 

そんなファルべにマグネ・アポカリプスが今まで隠してきた武器を繰り出す。

 

『今まで痛い攻撃をありがとう。この一撃をあげるわ!』

 

マグネ・アポカリプスの砂鉄のドレスが回転し、ノコギリのようにファルべに迫ってきたのだ。

 

「おい、おい……」

 

予想外の技に離脱しようとするが、重力に捕らわれて動けないファルべ。

 

『切り刻んであげる……』

 

マグネ・アポカリプスが一歩一歩、ファルべに近づいてきた、その時だった。

 

「見つけたぜ!この……傍迷惑野郎!」

 

ナイトコンダクターに跨がったスコアが強引に割って入り、そのままマグネ・アポカリプスに前輪をぶち当てたのだ。

 

『キャアアアアアアアッ!』

 

突然の衝撃に投げ出されるマグネ・アポカリプス。ここで、重力も途切れた。

 

「ッ!」

 

重力を振り切り、ファルべはその場からバックステップで離れた。

 

「……さあ、さあ、行くぜ?」

 

メキリメキリと拳をならしながら、迫るスコア。首都高の借りを返す気満々である。

 

「……新しいフォーム?明らかにごり押しじゃないか……」

 

銀の甲冑に嫌な予感を覚えたファルべはすぐにスコアに向かって行く。

 

『な、何よ……。その野蛮な姿は……』

 

「野蛮?嬉しい誉め言葉だ!」

 

恐怖を覚え、後ずさるマグネ・アポカリプスのドレスを無理矢理掴むスコア。そして、そのまま踏みつけたのだ。

 

『アガッ!な、な、この馬鹿力……。前よりも……』

 

スコアの特化した一撃の重さに今まではないダメージを受けるマグネ・アポカリプス。

 

「そりゃ嬉しいね!お次はこれだ!」

 

ダメージを受けたマグネ・アポカリプスの顔を鷲掴みにし、スコアが持ち上げた。

 

『アガガガガガッ!?』

 

スコアのアイアンクローにマグネ・アポカリプスは逃げようとするが、全くもって逃げられない。

 

「そらっ!」

 

そして、そのままマグネ・アポカリプスを地面に叩きつけ、放り投げる。なんと言うごり押しっぷりなのか。

 

『ガッ!』

 

徐々にマグネ・アポカリプスの体組織が崩れ始めた。

 

「高凪!」

 

マグネ・アポカリプスを投げ捨てたのを確認したファルべが近寄ってきた。

 

「……おい、冴刃。速く中の人間を救わないと、俺は完全に倒しちまうぜ。それじゃ、どうするか考えろ!」

 

つまり、それが彼なりの協力しろと言う合図だ。

 

「……仕方無い……お前はマグネ・アポカリプスの能力を封じる事を第一に暴れてくれ……策はある……」

 

そんなスコアの言いたいことを理解したファルべは再び共闘を選び、並んだ。

 

「行くぜ!」

 

メトロセイバーを引きずりながら、強引にマグネ・アポカリプスに襲いかかるスコア。

 

そんな彼を尻目に、ファルべはベルトに手をかける。

 

「簡単な事か……。体を突き破れば、それでいいッ!」

 

《アインザッツ!ピース!ノクターン!》

 

ファルべが選んだ手札は、ノクターンのピースだった。

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