戦姫絶唱×シンフォニックライダー   作:コンテンダー。

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59話 彼らが正直になるのはいつの話か?

「まずはお前のおかげだ、高凪……。その力がなかったら、今頃、マグネ・アポカリプスの計画は完全に成されていたかもしれない」

 

真っ先に変身を解いた奏貴が一番最初にとった行動は、仮面ライダースコア/光溜への感謝を述べる事だった。

 

丁寧に頭を下げ、クールに挨拶する奏貴。

「フン!今回だけの特別サービスだ、これで貸しは作った。次は俺の好きなままにやらせてもらう!邪魔しないでもらおうか?」

 

強めの口調で頭を下げた奏貴に向かって話す、スコア。

 

「……とか言って、自分から共闘を呼び掛けてきたくせに……お前はどうしていつもそうなんだ?」

 

スコアは嫌みを含んだなんやかんやの悪口を言いながらも、協力してくれた事実は動かしようがないのだから。

 

「クッ……また、人の揚げ足を!?……おい、リーサ!今日は引き上げるぜ!虫のいどこが悪いんでな!」

 

痛いところを見事に突かれたファルべは期限を損ねた様子で、S.O.N.Gの奏者達と無言の視線を送り合う相棒の名前を呼んだ。

 

「はい、はい……。今日は私のギアの御披露目と言う事で、詳しい話はまたしましょ?ね、私が苦手な雪音クリスさん?」

 

リーサは立ち止まると響、切歌、調とじっと目線を流し、最後にクリスを名指しした。このわざとらしい言い方は彼女の猫被り振りを見せつけた。

 

「クリスちゃん、指名されたよ!なんか言っちゃって!」

 

「そーデス!ここで先輩らしくバシーンと見せるデスよ!」

 

そんなリーサに陽動されたようにかなりテンション高めでクリスへの期待値をはね上げる響と切歌。

 

調はと言えば、複雑な笑みを浮かべ、なにも言わず引いていた。

 

「……お前ら……」

 

わなわなと込み上げてくる怒りと、なにか言わねばならないと言う使命感に板挟みとなったクリス。

 

その光景はどう見ても一発芸を待つ飲み会そのものだ。

 

「……ッ!言ってやんよ、ああ、言ってやるよ!」

 

クリスの歯車が大きく狂った。

 

「私は……オメエの事が大ッ嫌いだ!奏貴にちょっかい出してみやがれ!蜂の巣にしてやっからな!」

 

バシッと人差し指を突きつけ、リーサに嫌いと宣言した勢いで、彼女は実に恥ずかしいことを口走ってしまっていた。

 

「……クリスちゃん……」

 

「……先輩……」

 

響と切歌に格好のエサを与えてしまった事にまだクリスは気づかない。

 

「ああ、なんて素直なの?やっぱり私たちは覆しようがないほどのそっくりさんみたいね」

 

リーサはどうやら自覚があったようだ。自分とクリスがよく似ていることに。

 

「な、何なんだよ!?」

 

そんなことは露知らず、じわっじわっと迫ってくる二人に得たいの知れない不気味さを感じるクリスは後ずさる。

 

「もう、クリスちゃんのツンツンデレデレめ!いやあ、奏貴さんの事、そんなに好きなんだ!」

 

「分かりやすかったデスけど、そうも言っちゃうなんて、ほの字デスね!」

 

「……あわわわわっ!ほの字じゃないッ!奏貴とはそういう関係じゃ……」

 

「でも、嬉しそうですよ?」

 

まさにクリーンヒットなトドメ。調の一言が決定打であった。

 

「うあああああああっ!」

 

顔を真っ赤にして、クリスは退散していった。なんと言っても火をつけたリーサ、恐るべし。

 

「フフフッ……また、会いましょう。ロードのメンバーとして、S.O.N.Gのみなさんと会えるように尽力するわ」

 

クリスの後を上手いこと乗せられて、追いかける響と切歌を傍目に、調に頭を下げるリーサ。

 

「聞かせてもらえませんか?ロードは……」

 

調は話を向けられた側として、問いをリーサにぶつけてみた。

 

「ロードは、あなた達と上手くやって行きたいわ?話をまとめるのは上の役目だけどね。じゃ」

 

そんな調の疑問を察し、答えたリーサは手をあげて、既にナイトコンダクターに股がり、変身を解いていた光溜の方に歩いていった。

 

「……どうなるんだろう……」

 

新たな敵に、食わせもの揃いの組織・ロード。

 

どうここから繋がっていくのか、調はふと思うのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ロード側からの答えは協力したいか……」

 

「通信を聞く限りそう言い切れますね」

 

リーサの発言を考える弦十郎とクルー達。

 

「……どうやら話を聞けるのはまだ先のようか……。友里、緒川との通信はついたか?」

 

弦十郎はもうひとつ危惧していた事を、あおいに尋ねた。

 

ロンドンにいるはずの部下・緒川慎次との通信が取れないのだ。

 

「いえ……。ロンドンからの通信自体が何者かにジャグミングされているようで……」

 

「……何かあるのは間違いないか……」

 

一体、ロンドンで何が起きているのか?

 

それはーー。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ロンドンの市街地の裏通り。おしゃれからかけ離れたこの場所に全ての答えがあった。

 

「な、何だコイツ!?」

 

青年が壁際まで追い詰められていた。何者が、彼を追い詰めているのかは分からない。

 

ただ、言えるのは1つ。

 

『我のために、貴公の不味い血を捧げよ』

 

月に牙が光る。その黒いマント。

 

そいつの正体は吸血鬼/ドラキュラだ。

 

そして、牙が身体に食い込んだ。

 

ーうあああああああっ!ー

 

耳をつんざく悲鳴が裏通りに響いたーー。

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