戦姫絶唱×シンフォニックライダー   作:コンテンダー。

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60話 いざ、ロンドン!

ー間もなく、搭乗となります。搭乗券をお持ちのかたは3番ゲートまでお越しくださいー

 

「……………………………」

 

空港のターミナルの人混みをすいすいと進んでいく蒼いベストを羽織り、赤いネクタイをたなびかせるその姿。

 

キャリーバックを引く冴刃奏貴はなぜここにいる?どこに行く?そして、何をしに行く?

 

「まさか、先輩達のいるロンドンに行くことになるなんてな。ま、なるようにはなるかな?」

 

その奏貴の後ろには当たり前のようにクリスがいた。旅行鞄を背中にかけるように持つその姿はカッコ良くも見える。

 

「……何が待っているのか、吉か、はたまた大当たりか……」

 

奏貴はきっかけになった弦十郎とのやり取りを振り返った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『……風鳴翼とマリア・カデンツァヴナ・イヴ……知っていますよ。こう見えて、取材は重ねていましたから』

 

マグネ・アポカリプス撃破の一報を、S.O.N.G本部に報告した時の事であった。弦十郎から、この二人の話をされたのは。

 

奏貴からすれば、マリアは知っている程度だが、翼とは浅からぬ因縁があった。

 

「……そうか。ならば話は早い。奏貴君、実はロンドンに向かって欲しいのだよ」

 

『……ロンドンですか?また急な……つまり、何かがあったと言う事になりますね?』

 

長々と話しても話は伝わらない。なら、簡潔に。が癖である奏貴らしい切り込みだ。もちろん、弦十郎も無言での首振りで肯定した。

 

「……ロンドンにいる二人と通信が出来ていない。それどころか、こちら側がいかなる手段を使ってもロンドンにアクセスすることが出来ないと言う事態が起きている」

 

『シャトル墜落未遂と同じようにですか?』

 

「その通りだ。もし、この案件にアポカリプスの影があるとすれば、非常に危ない」

 

確かに年長組のこの二人はどうも突っ走りそうだ。特に翼あたりは。

 

『……確かに……翼さんは……』

 

『……奏貴、その言い方……。なんか先輩とあったみたいじゃねえか!』

 

落ち着きを取り戻したクリスが話に割って入ってきた。敏感な乙女レーダーと言うやつだろうか。

 

『……………………………』

 

そして、奏貴は黙ったまま、目線を反らしていた。

 

「これはクロみたいですね」

 

「……奏貴君、何をやったのかな?」

 

呑気なあおいと尭藤のやり取りが響く。

 

『言えよ、先輩と何をしたんだよ!』

 

『取材しただけだって!いや、本当に!』

 

犬も食わない見事な痴話喧嘩である。ただ、オペレーター達は冷ややかな目で見ていた。

 

二人の関係はかなり早い勢いで公認扱いになったようだ。

 

「……クリス君、そんなに心配なら着いていけばいいだろう。二人と話す上で、緩和材はあったほうがいいからな!」

 

そこで弦十郎がスパッと簡単な答えを導きだした。

 

『『えっ?』』

 

「では、奏貴君、クリス君!頼むぞ!」

 

出来る大人の気遣いで、二人揃ってのロンドン行きが決まった瞬間だった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……………………………」

 

思い出しただけで弦十郎が指令を張れる理由がよくわかる。兎に角、ロンドンに行くまでのフライトは二人っきり。この時間を逃すわけにはいかないのだ。

 

「クリス、さあ、行こうか?」わさとらしく手を出してみる。

 

「……あ……、もしかして……」

 

クリスが奏貴の行動に確信を得た。手を繋ごうとしていると。

 

「いや、いや、いや!そう言うのは……ほら、まだ早ええし……その……場所をわきまえろよ!」

 

クリスが恥ずかしさのばかり文句を言うが、全く涼しい顔をしたまま奏貴は強引に彼女の手を引いた。

 

「……行くからな?」

 

「ちょっ!お、おい!?」

 

ここまで強引にされればクリスはなすすべがない。二人は搭乗ゲートに向かっていった。

 

「……妬けるわよね……」

 

そんな二人の様子を遠くから見ていた人物がいた。

 

「よく見れるな。俺は全く興味が無いんだが?」

 

光溜とリーサの二人だ。なぜ、ここにいるのだろうか?

 

「それじゃ、こっちの事は頼むわね」

 

リーサは奏貴達が搭乗したゲートと同じ方に足を踏み出していた。

 

「ああ、頼む。こっちでアポカリプスが出たら、マッハで倒してやんよ!」

 

光溜はリーサに手を振って、その場から離れなかった。

 

どうやら、リーサはロンドンに向かうようだ。恐らく同じ異変を掴んだからだけでなく、本部への伝達もあるようだった。

 

「……ドキドキワクワクなデートにお邪魔してごめんなさいね」

 

それだけで終わる気がさらさらなさそうなのはご愛敬である。

 

役者の揃うロンドン、待つのは果たして。

 

 

「……ロンドンで待つのは、この僕さ……。さあ、世紀のマジックライダーショーと行こうか!」

 

ロンドンではたなびくコートを踊らせ、マジシャンが待っていたーー。

 

 

 

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