ここ「白き姫と黒騎士の集う学び舎」
通称・白黒学園は
選ばれしエリートだけが通う超名門校である

生徒たちは
いずれもその将来を
政治、経済、藝術、芸能、スポーツ、
あらゆる部門のリーダーおよび
トップランナーとして嘱望されており

そのため、本来持つポテンシャルを極限まで高めるべく
特殊なカリキュラムが組まれている
その代表的なものが
「ヴァイスシュヴァルツ」という
カードゲームを使ったファイトである。


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──むかし、むかし、未来の向こう。

女の子たちは余所の星から来た生き物と取引をした。

願い事をひとつだけ叶える代わりに、

恐ろしい魔女と戦うことにしたのである。

戦うために魔法を授けられた女の子たちは、

魔法少女と呼ばれた。


何人もの女の子が願いを叶え、

数えきれないほどの魔法少女が

魔女の前に倒れていった。

願いから生まれた魔法少女が力尽きると、

呪いと災いを振りまく魔女へと変貌していく。

新たな女の子が願いとともに魔法少女になり、

その魔女と戦うことになる。

悲しみばかりを繰り返す、残酷な連鎖。

その嘆きは途絶えることなく繰り返された。

だけど、その永遠の迷路は

とあるひとりの女の子の願いによって

終わりを告げる。


──鹿目まどか。

彼女は「すべての魔女を生まれる前に消し去りたい」と願った。

それは世界の因果律に叛逆する願い。

だが、その願いは聞き届けられ、

宇宙の法則が再編されてしまう。

それはまさしく奇蹟のようだった。

──新しく再生された世界で。

まどかは円環の理と呼ばれる概念になり、

力尽きた魔法少女たちを

この世から連れ去る存在になったのである。

いなくなった魔女の代わりに現れた敵は魔獣。

この世界で生まれた魔法少女たちは

魔獣と戦いつづけるのである。


──暁美ほむら。

時間を操作する魔法をもつ少女は、

その願いを見届けていた。

新しい世界で魔法少女のほむらだけが、

まどかのことを覚えていた。

いつか訪れる終末の日、

魔法少女たちは円環の理を待ちながら戦いつづける。

悲しみと憎しみばかりを繰り返す

この救いようのない世界で。

あの懐かしい笑顔と再び巡り合うことを夢見て。



[短編]淡白な物語

『……ここは』

黒髪の少女が目を醒ました、

そこは──漆黒の空間でした。

上も下もわからない。

果てがどこにあるのかもわからない。

自分が中学二年の、魔法少女として契約した少女であるという自意識の他──

何も確かなもののない世界でした。

 

 

≪まどかがもたらした新しい法則に基づいて、宇宙が再編されているんだよ≫

 

 

聞き覚えのある声が、少女の頭の中で響きます。

憎しみと、奇妙な懐かしさの入り交じった、そのどこか呑気な声。

それで、彼女は理解します。

 

そこが大宇宙の始まりの場所であるということを。

ここから、無限の増殖が始まり、すべての銀河が構成されていくということを。

 

次第に、少女の瞳には幾つかの光点が浮かび始めます。

それは、やがて幾つもの連なりを見せ、原初の銀河へと揺らめいていきます。

 

 

≪──そうか、君もまた時間を超える魔法の使い手だったね≫

 

声は、どこか安心したように告げました。

 

≪じゃあ、一緒に見届けようか。鹿目まどかという存在の結末を≫

 

 

 

 

【……に……を…………せない……ッ!】

 

 

私はまどかが魔女の姿になるところなんて見たくなかった

 

ひとつの惑星程もある巨大なソウルジェムに黒い染みのようなものが浮かび

 

瞬く間に周囲に広がり、滲み、やがて惑星全体を黒色に染め始め……

 

その光景は、魔法少女として戦いに明け暮れた私にとって──見慣れた、苦い景色。

 

消し去ることの出来ない数々の、絶望……その記憶とともに甦る、魔女の孵化。

 

 

私は……

 

だけど、その瞬間──

 

私の意識は白い清潔な世界へと弾け飛んでいた。

 

そこはなにかが違っていた

 

私はその日いつもの見滝原中学とは違う学校に転校することになっていた

 

厳しい校則で管理、統制される全寮制の学園──

その高等部に、今日、

一人の女子が転校生としてやってきた……。

 

手にしたパンフレットには

 

さぁ、「カードゲーム」で

「恋」を勝ち獲れ!

 

と、大きくルビが振られていた…。

 

 

 

 

 

ほむら『ここが今日から通う、白き姫と黒騎士の集う学び舎、通称、白黒学園……か。』

 

ほむら『良家の子女が通う小中高一貫の超名門進学校って聞いてたけど、想像以上の広さね。』

 

ほむら『しかし、寮に持ち込む荷物の検査が、こんなにかかるとは思わなかったわ。』

 

ほむら『まあ、選りすぐりのエリートが集まってる場所だし、仕方ないと言えばそれまでなんだけれど……。』

 

ほむら『でも殺菌シャワーってのは、やり過ぎだっての。どんだけセキュリティ厳しいのよ。』

 

ほむら『……って、こんなとこでボヤいててもしょうがない。職員室に行かないとね。』

 

ほむら『えーと、職員室は、と…。ここがグラウンドだから…。』

 

ほむら『う~ん……。』

 

???『ねぇ、どうかしたの?』

 

ほむら『えっ?』

 

???『なにか探し物とか?この辺りはさっき掃除したけど特には……。』

 

ほむら『いえ、そうじゃなくて……職員室を探していたの。』

 

???『職員室?もしかして、あなた、転校生とか』

 

ほむら『ええ、今日からここに通うことになったの。クラスは2年2組だって聞いてるんだけど。』

 

???『へぇ、私の隣のクラスなんだ。よろしくね、えーと……。』

 

ほむら『私は暁美ほむら。こちらこそ、よろしくね。』

 

???『え……暁美?』

 

ほむら『ん?どうかしたの?』

 

???『ああっ、やっぱりほむらちゃん!』

 

ほむら『へっ……?えーと……。』

 

 

まどか『やだなぁ、忘れちゃったの?私だよ、私!昔よく遊んだ鹿目まどか!』

 

ほむら『まどかって……ええーーっ、まどか!?』

 

まどか『久しぶりだね、ほむらちゃん。』

 

ほむら『私が小学校入る前にこの町を出てって以来だから、ざっと10年ぶりってとこかしら。』

 

まどか『またこの町に戻ってきたの?』

 

ほむら『ううん、住んでるところは引っ越し先のままよ。ここに来ることになった私だけ戻ってきたという訳。』

 

まどか『そうなんだ。でも、どうせなら新学期初日から来ればよかったのにね。』

 

ほむら『いろんな手続きやら何やらが予想より多かった上に、とにかくチェックが厳しくて……。ああ、おじさんやおばさんは、みんなは元気?』

 

まどか『うん、元気だよ。』

 

ほむら『おじさんには、よくカボチャのマドレーヌ、ごちそうになったっけ。』

 

まどか『今はあまり作らなくなっちゃったけどね。ほら、私も寮生活だし。』

 

ほむら『この学校って、全寮制生活なのよね。まどかの家、近いんだから通いでもいいのに。』

 

まどか『私もそう思うけど、決まりだから。特別な事情とかがない限り、年末年始しか帰れないんだよね、ここって。』

 

ほむら『パンフに書いてあったけど、校門を出るだけでも許可がいるって、ずいぶん校則厳しいのね。』

 

まどか『仕方ないよ。クイーンやナイトを目指すんだから、それくらい耐えなくちゃ。』

 

ほむら『クイーン?ナイト?……なに、それ?』

 

まどか『簡単に言えば、あらゆる部門における将来の指導者、みたいなものなんだけど……聞かされてないの?』

 

ほむら『え、ええ……。実はこの学園のこと、あまり知らないの。今年の頭に前の学校の先生に言われて、いろんなテストさせられてね……。気がつけば自分の知らない間に転校が決まってて……そんなこんなで、今ここにいるって具合なの。』

 

まどか『あはは、そういう呑気なとこ、変わってないね。』

 

ほむら『そういうまどかは……(笑顔が昔のままね)笑った顔があの頃のままね。……なんていうか、見ていてほっとする。』

 

まどか『え……そ、そうかな。自分じゃ、よくわからないけど……。』

 

ほむら『それにしても広いわね、ここ。』

 

まどか『初等部から高等部の生徒が生活する上で必要な設備がすべて揃ってるからね。勉強にスポーツ、余暇にヴァイスシュヴァルツ、etc、etc……。』

 

ほむら『ヴァイスシュヴァルツ?』

 

まどか『この学園はね、ヴァイスシュヴァルツっていうカードゲームの実力がものをいう世界なんだよ。』

 

ほむら『……え、えーと……からかってない?』

 

まどか『ううん、大まじめ。』

 

ほむら『……。(落ち着くのよ、私。よく考えてみなさい、そんな非常識な世界があるわけないじゃないの。きっとまどかは私をからかっているんだわ。うん、そうよ、絶対そうに決まってる!)』

 

まどか『どうしたの?』

 

ほむら『(って、何なのよ、あのツッコミようのない真っ直ぐな眼差しは!?……もしかしてマジなの!?そういえばテストの中に「好きなゲーム・アニメ」というものもあった気が……。ぬあああーーーっ、気づきなさいよ、私!!進む道を間違えたかーー!?)』

 

まどか『もしかして、ヴァイスシュヴァルツ初めて?』

 

ほむら『へっ……あ、うん、まあ……。』

 

まどか『うん、わかった。じゃあ、説明してあげるね。こういうカードなんだけど……もらってない?』

 

ほむら『あっ、それならたしか入学案内なんかと一緒に送られてきたはず……。えーと……。たしか……このへんに……。あった!これね?』

 

まどか『うん、それそれ!それが「初期デッキ」だよ!』

 

ほむら『(デッキってなに?)あの……「デッキ」って何かしら?』

 

まどか『あっ、初めてなら知らなくて当然だよね。じゃあ、簡単に説明してあげるね。「デッキ」っていうのはね、ヴァイスシュヴァルツで使うカードの束の事だよ。カードの組み合わせによって、いろんな戦略が立てられるから、これはとても大事なものなの。ちなみに、自分の戦略に合ったデッキを作ることを「デッキを構築する」っていうから覚えておいてね。とりあえず「初期デッキ」の中には必要なカードがひと通り揃ってるから、それで対戦できるよ。「デッキ」についての説明は以上なんだけど、わかったかな?』

 

ほむら『ええ、わかったわ大丈夫。』

 

まどか『それなら、さっそくやってみよう!ここでの生活はデッキありきだからね。』

 

ほむら『そ、そうね……。(デッキありきの生活っていったい……。)』

 

まどか『ルールとかデッキの組み方なんかはマスターするのにちょっと時間がかかるから、追い追い、ね。』

 

ほむら『ええ、わかったわ。当面はこれでやっていくわね。』

 

まどか『そうだね。まあ、慣れてきたら、徐々にカードを増やしていけばいいと思うよ。』

 

ほむら『「カードを増やす」って?』

 

まどか『購買部でも買えるしヴァイスシュヴァルツの対戦に勝っても貰えるよ。』

 

ほむら『なるほど……。入手ルートはいろいろあるみたいね。……って、いけない、もうこんな時間だわ!』

 

まどか『ああ、そうそう職員室だっけ?ここから真っ直ぐ前にある建物があるでしょ?ほら、あのミルクココア色の校舎。』

 

ほむら『ああ、あれね。』

 

まどか『その奥にある校舎の1階にあるんだけど……。』

 

ほむら『そうなの。うん、ありがとう。だいたいわかったわ。』

 

まどか『本当は案内してあげたいんだけどね、まだ朝の清掃が残ってるから……。』

 

ほむら『いいのよいいのよ、ひとりで行けるから。』

 

まどか『そう?じゃあ、また後でね、ほむらちゃん。』

 

ほむら『(まどか……か。朝から思いがけない相手と出会ったわね。それにしても憶えていてくれたなんて……。この学園に来てよかったかも。……おっと、余韻に浸ってる場合じゃないわね。とっとと行かないと……!)』

 

 

鹿目 まどか をカードファイトの

パートナーに選択できるようになった。

 

 

担任教師『あー、ホームルームを始める前に、今日からこのクラスの一員となる子を紹介するわよ。暁美さん入ってきて。』

 

ほむら『…あ、はい。』

 

担任教師『それじゃあ、自己紹介よろしくね。』

 

ほむら『はい。今日転校してきました、暁美ほむらといいます。ヴァイスシュヴァルツは初心者ですが、頑張りますのでよろしくお願いします!』

 

男子生徒A

こちらこそ(パチパチパチパチ)

 

女子生徒A

ようこそ、白黒学園へ!(パチパチパチパチ)

 

ほむら『(よかった。雰囲気良さそうなクラスで。ちょっとほっとした……かな。)』

 

担任教師『えっそれだけェ?ちょっと淡白すぎない?他になんかアピールするもんとかないわけ?』

 

ほむら『アピール……ですか?』

 

担任教師『この学園には全国各地から異能を持つ子ばかりが集められてるのよねェ。人の心が読めるとかぁ、一撃でゴリラを倒せるーとか、そんなのない?』

 

ほむら『あ……いえ、特にそういう面白い設定は……。(どこの世界の華撃団よ!)』

 

 

 




ほむら『はぁ…大丈夫かしらこの学園…』

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