ーーー前回のあらすじーーー
火の龍族の里に着いた
そこの門番、ゴラと友好関係を築いた
里の長を待つことにした
ーーー終了ーーー
龍三とヒイロとゴラは里を探索(という名の観光)をしながら長の家を目指していた。
その途中でいろいろな龍人と出会って挨拶をしながらゴラと話をしていた。
「へぇ~、てことは火の龍族の他にも別の龍族がいるのか」
龍三はその話を聞いた時、面白いなと思いながらきいていた。
「ああ、今の人間が支配している国々はもともとは龍族の領地だったんだ」
「それって人間が横取りしたって感じか?」
「ああ。だが最初はそんなに嫌悪感はなった。領地が広すぎても困るだけだったし、有効活用してくれるならとも思っていた。だが・・・」
「人間がその土地を広げ始めたってか」
「そうだ。そして龍族をも殺して、すべて人間の領地にしようとした」
ゴラは無意識のうちに手を握り締めており、その手は震えていた。
「それは・・・すまない。人間の代表でも何でもない俺が謝るのはあれだが許してくれ」
ヒイロはそれを察したのか頭を下げて謝った。
その行為にゴラは驚いたが、すぐ首を横に振り、「いや、いい」と言った。
「そもそもお前がしたわけでもないのにお前が謝る必要はない。第一この里に攻めてきた人間はみんな追っ払ったし、長も許している」
「・・・いや、これは人間が、俺たちがバカなことをしたけじめの意味だ。そして、これから友好関係を築いていくのに大切な事なんだ。そのための謝罪だ」
ヒイロはそういってもう一度、「すみませんでした」と、謝罪の言葉を言った。
その時のヒイロは、小屋で親と喧嘩をしていた、モンスターに無謀に突っ込んでいたヒイロとは違っていた。
「ふむ、ではそのことを踏まえて受け取っておこう。長にもこの事を伝えておく」
「ありがとう」
龍三は、ヒイロの意外な一面を見た気がした。
「さて、湿っぽい話になってしまったが着いたぞ。ここが長の家だ」
龍三達一行は長の家にたどり着いた。
長の家に着いてから一時間後・・・・・・
「なぁ・・・まだ来ないのか?」
「そんなに時間はかからないはずだが・・・」
「いやでもさぁ、俺たち一時間待ってるよな龍三」
「ああ・・・」
長は一向に里に帰ってくる気配はなく、龍三、ヒイロ、ゴラの三人は家で待機していた。
時間にして七時か八時暗いだろう。夕日が沈んで星が見えている。
「なぁ、ゴラ。長の行ったところってここから結構遠いのか?」
「いや、そんなに遠くはない人間でも歩いて一時間もかからん」
「それって結構遠く・・・、あれ?でもここに来るまでに半日費やしてるからそんな遠くないのか?分からなくなってきたぞ、俺」
「我ら龍族ならばニ十分もかからん」
「だそうだ。すげえよな~。なあ龍三」
「ああ・・・」
さっきからゴラとの会話に全くかかわろうとしない龍三に質問を投げかけたりするヒイロ。
だが、だが龍三はそれに相槌を打つだけだった。
「さっきからなんで会話に入ってこないんだ龍三?」
「ん?・・・ああ、すまん。少し考え事をしていた」
「なに考えていたんだ?」
「いや、ゴラがさっきこの里の長とは言っていたが、じゃあこの国を統べている龍は誰なのかと思ってさ」
「え?それって長の事じゃねぇの?」
「よく考えてみろ。ゴラはこの里と言っているのに対して龍族はこの炎の国全体を領地としていた。そしてここの里の場所を考えてみろだいぶ奥の方だぞ。それで、この地図を見てくれ」
全く考えていなさそうなヒイロに説明をし始めた龍三。自分の持っていたバッグから地図を取り出し、火の国のある場所を指した。
「ここが火の国の首都だ。地図からわかるように内陸の方だ。じゃあこの周りは火山地帯かっていうとそうじゃないと思うんだ」
「あ、そっかここみたいに地図に記されていない龍の里があるかもってことか」
「そうだ。現にここも地図に記されていない。もしほかにも里があるとしたなら・・・」
「まとめ役がが必要ってことか」
龍三は無言でうなずくとゴラの方を見る。ゴラはその問いに言いにくそうに話し始めた。
「龍三の言う通り確かに他の里もあるが、俺もどこにあるかまでは知らん」
「てことは、それを統治している奴が居るんだな」
「ああ、その龍は龍王と呼ばれていてな、おそらくお前らが捜しているのはその龍だろう。龍王には旅人に力を与える義務があるらしいからな」
「らしい?らしいってどういうことだよ」
「そのことを知っているのは龍王だけだ。ついでに会ったこともないし、噂だけだしな」
「じゃあその噂を教え「長が戻りました!」ん?帰ってきたか」
その事を聞いた龍三は、その噂を聞き出そうとしたが長が帰ってきたことを知らせに来た龍族にさえぎられてしまった。
その龍族はひどく慌てた様子で、一刻を争う雰囲気だった。
ゴラはその事に妙な違和感、そして嫌な予感がした。
「どうしたんだ、そんな慌てて」
「長が帰ってきたのですが、ひどく衰弱しておられる上に重症です!」
「「「なっ!」」」
その伝えに来た龍族の言葉に息をのむ三人。
「それは本当か!?」
「はい!ですから早く運ぶのを手伝ってください!」
「分かったすぐ行く!お前たちも手伝ってくれ!」
ゴラのその言葉話聞いた二人はうなずいて、長を運ぶためにゴラについて行った。
その場所では長が血まみれで倒れており、早く運ばないとしにいるような出血量だった。
「これは・・・!早く担架を持ってこい!長の家に運ぶぞ!ついでに薬箱もだ!」
「俺たちは何したらいい!?」
「担架が来るまで止血しといてくれ!少しでも血を出したら死んじまう!」
「「分かった!」」
その後、龍三達は担架が来るまで長の止血をし長の家に運んで様子を見ることになった。