誇り高き孤高の毒蛇   作:ROCKSTAR

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勇気の証明

 

 

 

 

 子供の頃によく見ていた、特撮ヒーロー。

 僕はそんな存在には、まずなれやしない。プライドの塊で、自分のことしか考えず、口を開けば暴言だらけの僕には。

 

 だけど一方で、僕はそんなヒーローの勇気には賞賛を送りたい。仲間を信じ、たとえ裏切られても諦めないその心意気には、驚嘆させられるばかりだ。

 憧れなどしない。なりたいとも思わない。それでも僕は、そんな彼らを称えたい。

 

 どうかその勇気を、いつまでも捨てることなく持ち続けて欲しい。

 『いい人間』にはならずとも、僕のような『嫌な奴』にはならないで欲しい。

 

 僕は勇気のある人間を賞賛する。僕が到底得ることのない物を持つ人間を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ん」

 

 どうやら、帰りのホームルームの間に寝るという珍しい行動を起こしてしまったらしい。重い目をこすりながら顔を上げると、教室には読書をする二階堂くんと、行事用かデザイナーの仕事用かは分からないが、書類らしきものをまとめている時谷さんの姿しかなかった。

 

「…………」

 

 別に教室でやる必要もないだろう、などと思いはしたが、そんなことを思ったところで何の意味もない。

 春宮さんに俺の本性の一部を話して以降、俺はほとんど誰とも口を利いていなかった。同学年の人間はもちろんのこと、今まで知り合った1年生からも話しかけられていない。春宮さんが俺のことを周囲の人間に話したかどうかは定かではないが、いずれにしても俺は見限られたということだろう。

 

「…………」

 

 今日は図書委員の仕事はないが(少し前までは病院に行って検査をするという口実を付けて休んでいたが、最近復帰した。当然ながら村上さんをはじめとする委員の人間とは、事務的な会話をわずかにしただけだった)、こんなところに残って時間を無駄に過ごす理由もない。寝るにしても、家のベッドで寝るほうがはるかにいい。

 俺は席からゆっくり立ち上がると、机のフックに引っ掛けているリュックを取って背負い、教室を出ようとした。

 

 

 

 

「……黒川くん!」

 

 だが扉に手をかけようとしたところで、背後から俺を呼び止める二階堂くんの声が聞こえた。普通なら無視してそのまま帰ってしまっていたのだろうが、なぜか今日の俺は振り返って用件を尋ねていた。

 

「……何か用?」

 

「黒川くんの鞄って、確か蛇のぬいぐるみ付いてたよな? ないみたいだけど、どうしたんだ?」

 

「……っ」

 

 ――細かいところに気付くものだ。

 いつも共に行動していた彼なら、あのぬいぐるみはよく知っていてもおかしくはない。軽く話した程度ではあるが、大事なものだと以前話したこともあった。

 もっとも、あんな異様な行動を起こした俺に対して、なぜまだそんなことを尋ねることができるのかという疑問の方が強かったが。

 

「……襲われた時に、ちぎられて山の茂みに投げ捨てられたんだよ。探したってもう見つかりゃしない」

 

「……えっ?」

 

 用件を尋ねておいてこんなことを思うのは矛盾しているように感じるが、俺はさっさと帰りたかった。襲撃されて『チビ』と罵られ続けたこともそうだが、ぬいぐるみを投げ捨てられたことは、それ以上に思い出したくないことだったからだ。

 吐き捨てるようにそう告げ、困惑した表情を浮かべる二階堂くんを尻目に、踵を返して今度こそ教室を出ようとした。

 

 

 

 

「…………あの、黒川くん!」

 

 しかし、今度は別の人間から呼び止められた。ただ、その人間から呼び止められるということは全く予想していなかったため、思わず振り向く。

 

「…………」

「……時谷、さん?」

 

 声の主は、席から立ち上がってこちらへ駆けてきた時谷さんだった。

 教室に残っているのは俺と二階堂くん以外には彼女しかいないので、必然的にそうなるのだが、あの事件以降、本の貸し出しや連絡事の報告のような事務的なこと以外で彼女が能動的に話しかけてくることはなかったため、俺は驚きを隠せなかった。

 二階堂くんの方も、彼女が俺に声をかけることは予想していなかったのか、「……あらっ?」っと漏らして彼女に目をやった。

 

 俺が彼女の名を呼んだことに一瞬身体を震わせた時谷さんだったが、すぐに意を決した表情になると、制服のポケットからあるものを取り出して、俺に見せた。

 

「……その、なくした蛇のぬいぐるみって、もしかしてこれのこと?」

 

「……っ!?」

「おお、そうそう、こんなやつだったな。よかったよかった」

 

 それは紛れもない、あの時ニンニク鼻に投げ捨てられた、俺の蛇のぬいぐるみだった。

 万――否、億にひとつも可能性としてありえない状況を目の当たりにして、目を疑わずにはいられない。時谷さんに声をかけられたことも強い驚きだったが、ぬいぐるみが無事であったこと、加えてそれを彼女が持っていたことは、声をかけられたことの驚きがちんけなものに思えるほどだった。

 俺の反応とは対照的に、二階堂くんの反応は淡白だった。ぬいぐるみがなくなっていたことに気付いたのは恐らく今が初めてであり、しかもそれがもう解決へ向かっていると言っても過言ではない状態なので、無理もないが。

 

「ど、どうして、これを……?」

 

「……帰り道に、木に引っかかってたのを見つけて。黒川くんのものじゃないかなって思って、持ってたの……」

 

「…………」

 

 だが、今は彼の淡白な反応も、俺が襲撃されたあの道が時谷さんの帰り道であったことも、些末なことだ。

 目を見開き、口を半開きにしたまま俺は立ち尽くす。

 ――何で。何であんなことをした俺に対して、そんなことができる。

 

「……黒川くんにとって、私は一番拾って欲しくなかった人間かもしれないけれど……でも、このまま放置していたら、もっといけないと思ったから……ごめんなさい、どうぞ……」

 

 無言で立ち尽くす俺に、時谷さんは拾った理由を伝え、蛇のぬいぐるみを俯きながら差し出す。その身体は、微かに震えていた。その目は、わずかに潤んでいた。いずれにしても、それは普段の時谷さんはまず取らない動作だった。

 

 

 

 

 

 

 

 俺は、どうしようもない馬鹿だった。

 こんなに強い勇気を持った彼女を、俺は9ヶ月以上も怯えさせていたというのか。

 彼女を屈服させたカタルシスなどという、ゴミほどの価値もないものに浸って愉悦を感じていたというのか。

 

 放置しても良かったはずなのに。むしろ、より人目につかないところへ投げ捨ててしまっても良かったはずなのに。それなのに拾って届けるという本当に強い勇気を、彼女は見せた。

 

 ならば俺も、それに応えなければならない。彼女が証明した勇気を、無駄にしてはならない。

 『一番拾って欲しくなかった人間』なんて、とんでもない。このぬいぐるみは、彼女に拾われるべくして拾われたのだ。時谷さんが、これを一番拾って欲しかった人間なのだ。

 

 

 

 

 

 

「……時谷さん」

 

「……は、はい……」

 

「本当にありがとう。…………それと、あの時はあんな真似をして、本当にごめん」

 

 ぬいぐるみを受け取った俺は、時谷さんに向けて深く頭を下げた。

 こんなことをしても、俺があの時彼女に対して取った蛮行に対する贖罪(しょくざい)になるとは到底思えない。所詮は自己満足でしかない。

 だから俺は贖罪と言うよりも、彼女の勇気に対する敬意の意味を込めて頭を下げる。こんなろくでもない俺に、強い勇気を見せてくれたことに対して。同じ自己満足でも、この意味合いの方が少しは価値もあるだろう。

 

「えっ……?」

 

 頭を下げた時間は十数秒。頭を上げると、時谷さんは戸惑った表情を見せていた。それに俺は気まずさを感じる。

 

「……それじゃあ、俺は帰るね。見たいテレビがあるから、あんまり遅くなるわけにいかないし」

 

 誤魔化すように俺は、時谷さんにそう声をかける。

 見たいテレビ番組が今日放送されるのは本当だが、実際には放送されるまで、まだかなり時間がある。その言葉は、立ち去るための口実でしかなかった。

 

「ん。そんじゃまた明日。よかったじゃん、見つかって」

 

 二階堂くんに声をかけたつもりはなかったが、状況を察したのか彼は俺に別れの言葉を告げる。

 ただ、その言葉がよりこの場を去るための強い理由付けになったのは事実だった。

 

「……うん。それじゃあ」

 

 俺は二階堂くんへ視線を少しだけ向け、そう言って教室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 まだ俺は、多分大丈夫だ。俺に対してこんな勇気のある行動をしてくれる人がいるということは、まだ俺は生きていてもいいのだ。

 『死にたい』という気持ちがまだ消えたわけではない。しかし一方で、『生きたい』という気持ちも強くなっている。

 それならまだ、頑張って生きてみよう。まだ俺は死なない。まだ俺は、くたばりはしない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうして……」

 

 ――どうして。

 

「……どうして……悪いのは、全部私なのに……謝らなきゃいけないのは、私なのに……そもそも謝って済む問題じゃないのに……どうして、黒川くんが謝るの……?」

 

 中指を突き立てられると思った。顔に唾を吐きかけられると思った。『死んじまえ、ゴミ屑』と罵倒されると思った。

 しかし彼が行ったのは、それとは正反対の行為だった。本来私がしなければいけない、『謝罪』という行為を。

 

 

 

 

 私の頭は、混乱するばかりだった。

 

 

 

 

「……もうさ、いいんじゃないの?」

 

「…………」

 

 私と黒川くんとの一部始終を見ていた二階堂は、鼻から深く息を吐き、私に向けて呟くように言った。

 

「これ以上時谷さんが変に気に病んでも、余計黒川くんが嫌な気分になるだけじゃないの? もう、これからは普通通りにしてりゃあいいんだよ。今回のことで、時谷さんも色々分かっただろうし、二度とこんな禍根は生まれないだろうからね。いいもんもらったと思って、堂々としてればいいんだよ」

 

「……分かってる、そんなの分かってる……だけど……だけど……!」

 

 二階堂の言葉は理解できないわけではないが、納得は到底出来なかった。

 こんな(あがな)いとも呼べない行為に感謝される謂われなんてありはしないのに。ましてや、私の愚行に対する当然の反撃を謝罪するどころか、頭まで下げる必要なんてありはしないのに。

 

 

 

 

「……黒川くんは、時谷さんのことを恨んでなんかいなかったってことだよ。素直に受け取っておきなって、黒川くんの気持ちをさ」

 

「……っ! うぐっ……ううっ……」

 

 二階堂の言葉に、私は感情の制御がもはやできなくなった。目から涙が、堰を切ったように溢れ出す。

 彼が言葉にしたことでようやく理解できたなんて、なんて私は馬鹿なのだろう。

 黒川くんは、誰よりも思いやりのある人間だった。こんな馬鹿な私にも、それを享受させてくれる――――。

 

 

 

 

「なんなんだ、私は……なんなんだよ、私はっ……この馬鹿っ……大馬鹿っ……」

 

 自分を罵倒しなければ、自分の置かれた状況を整理することができない。

 私は学園内での功績や、ファッションデザイナーであることをいいことに威張りくさり、周囲からは『姫』などと呼ばれたことでさらに天狗になり、人を思いやることをすっかり忘れてしまっていたのだ。その結果が、黒川くんの怒りを買うことであった。

 それにもかかわらず、彼は私の罪滅ぼしとも呼べない行為に深く感謝し、去年の行動を謝罪したのだ。誰がどう見ても、彼に落ち度など少しもないというのに。そんなこと、してはいけないのに。

 

 私は彼の気持ちを尊重しないばかりか、『後で必ず付き合う』という譲歩すら突っぱねて怒りを買い、挙句の果てには絶対させてはいけない『謝罪』などという行為をさせてしまった。

 謝罪しなければならないのは私の方なのに、私は代わりに嗚咽を漏らすだけだった。その姿はどうしようもなく滑稽で、みっともない。

 

「ごめんなさい……黒川くん……ごめんなさい……ごめん、なさ……ごめ……な……さ……」

 

 黒川くんの姿はもうないのに、私は意味もなく謝罪の言葉を口にしようとする。

 しかしながら、初めはともかく途中からは言葉が出そうにも出せなくなった。代わりにエグエグとしゃくり上げる。涙がいつまで経っても収まってくれない。

 

「明日教室に着いたら、真っ先に黒川くんに話しかけな。そうすりゃあ、向こうから話の輪を広げてくれるだろうし、すぐ忘れることができるよ、きっと」

 

「……ううっ、ううっ……」

 

「……んじゃ、俺も帰るぞ。いつまでもみっともない泣き顔を眺める趣味なんて持ち合わせていないからな。……鼻水はちゃんと拭きなさいよね」

 

「……う、うるさい!」

 

 二階堂の言葉に私はむきになって言い返したが、全く説得力はなかった。鏡がないので見えないが、どこからどう見ても私は、みっともない泣き顔だろうから。涙と鼻水にまみれた、生まれてから一番汚い顔になっているだろうから。

 

「そんだけ言えりゃ大丈夫だな。……さーさ、かーえろ」

 

「うぐっ……ひっく……」

 

 二階堂が教室から去っても、しばらく私はひとりでしゃくりあげていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日。

 ホームルームが始まる10分前と、俺はいつもより少しだけ遅く登校した。教室に入ると、クラスの何人かは俺に視線を向けてくる。それは軽蔑の視線か否か。どちらにせよ、俺の校内での人間関係は良好なものとは言いがたい。これから先、どうするべきか。

 

 とは言え、そこまで悲観的になってはいない。時谷さんのおかげで、まだ俺は大丈夫という気持ちを多少ながら持つことができた。

 とりあえず今は、ゆっくり考えよう。俺を見限ったのならそれでいい。自分がまいた種なのだから、馬鹿馬鹿しい弁明をするつもりもない。

 

 

 

 

「……黒川くん?」

 

 自分の席へ腰を下ろし、鞄から取り出した教科書やノートを机の中に押し込むと、背後から声をかけられる。振り向くと、気まずそうな表情を浮かべた時谷さんの姿があった。

 

「……どうしたの?」

 

 昨日の今日であのような出来事があった分、わずかながら俺の方も気まずさがある。とりあえず、用件を尋ねてみた。

 ……心なしか、周囲の視線が俺たちに集中しているような気がする。教室に入った時よりも、多くの人間から。

 

「……その……っ! 去年はあんな馬鹿なことして、本当にごめんなさい!」

 

 時谷さんは一瞬言い淀むも、すぐにぶんぶんと首を振って姿勢を正し、深く頭を下げて謝罪の言葉を口にした。

 昨日に続き、それは普段の時谷さんからは考えられない行動だった。昨日と違って教室には多くの生徒がいるため、辺りはざわめき出す。

 

「今更かよって言われても文句は言えないし、許してもらおうとも思ってない。だけど、私だけ何もしないのは絶対嫌だったから」

 

 

 

 

「……時谷さん、顔上げて」

 

「…………っ」

 

「すごく上から目線な言い方になっちゃうけど……あの時のことは、お互いに運が悪かったってことにしてくれると、ありがたいかな」

 

「……えっ?」

 

 あの件のことを、俺はもう蒸し返したくはなかった。当事者がそんなことを思っても説得力はなさそうだが、あの件において誰が善で誰が悪かなんてものは、明確にできるものではないと思う。

 この様子からすれば、時谷さんはこの件を解決したいと考えているようだし、俺の方も引き合いに出して偉そうな顔をするなどというふざけた真似はしたくない。

 

「それに何もしてないなんて言うけど、すごく大きなことをしてくれたじゃん、時谷さんは」

 

 俺は下ろしていたリュックを持ち上げ、ファスナーの部分に付けられた蛇のぬいぐるみを見せる。あの後家に帰ってすぐに、俺は小学生時代に使っていた裁縫道具を引っ張り出し、裁縫の本を参考にしながら紐を付け直した。手頃な紐が家にあったこと、俺が裁縫をそれなりに得意としていることは幸いだった。

 

「……あっ」

 

「絶対見つからないと思ってたけど、時谷さんはこれを見つけてくれた。それだけで十分なんだよ」

 

「…………」

 

 『偶然だろう』と言われるかもしれないが、俺はそうとは思わない。昨日も思ったように、間違いなくこれは時谷さんに拾われるべくして拾われたのだと思う。したことの大きさは、彼女の方が圧倒的に上だ。俺の謝罪の価値など、それには到底及ばない。

 

「……その、黒川くんは、本当にそれでいいの?」

 

「……もちろん。むしろ妥協案じゃなくて願望だね。それにこの場で『んなわけあるか』なんて言ったら、俺が全面的に悪者になっちゃうしね」

 

 なおもおずおずとした調子で尋ねてくる時谷さんの気分を和らげる目的もあって、俺は冗談めかして言った。

 

 

 

 

「……それなら、私もそうしたい、かな……」

 

「……ありがとう、時谷さん」

 

 ゆっくりとではあるが、視線を外さずはっきりと言い切る彼女の意思に、嘘や偽りは感じられない。感謝の言葉を俺は口にすると、肺に溜まった空気を一気に吐き出す。

 

「……ずいぶんと遠回りになっちゃったけど、改めてよろしく、時谷さん」

 

「……っ! うん……うん……!」

 

 俺は時谷さんに軽く頭を下げ、時谷さんは目を手のひらで押さえながら、何度も頷いた。

 

 

 

 

 それから5秒ほどの間の後、教室内は大きな拍手に包まれた。

 

「な、何だ……?」

 

 何の前触れもなく訪れたそれに、俺は頭に疑問符を浮かべながら周囲を見渡す。

 有栖川さんを初めとするクラスの人間の3分の2近くは、訳も分からず拍手をしている様子だったが、残りの人間はしみじみとした――――まるで、歴史が動いた瞬間を見るような――――表情だった。『世紀の和解だね』と小野寺さんの発した言葉が、印象深かった。

 

 

 

 

 ずいぶんと長く、かつ面倒な遠回りをしてしまったが、俺と時谷さんの約9ヶ月に渡る関係のこじれは、今日をもって終結した。

 だがこれは、全て時谷さんの強い勇気と優しさがあってこその結果だ。俺は何もしていない。

 後出しじゃんけんのようで、あまり褒められた行為ではないが、代わりに俺は彼女の勇気と優しさを、心の底から誇張や嘘偽り抜きで賞賛したい。そして感謝したい。このぬいぐるみを俺に届けてくれたことに。

 

 

 

 

 ――本当にありがとう、時谷さん。

 

 

 

 

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