FAIRY TAIL 雷神衆の少女   作:雨宮ラキ

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バトル・オブ・フェアリーテイル開幕

 

 

収穫祭当日。

 

ルーナは普通に収穫祭を楽しんでいた。

みずみずしい林檎を買ったり、街の人が奏でている音楽を聴いたり。

 

「…ん?…なにこれ。」

 

誰かが落としたのだろうか、ルーナの足に絡みつくように一つの紙が張り付いていた。

その紙にはミス・フェアリーテイルコンテストの案内が書かれていた。

 

「……エバなら、黙っておかないだろうな。ちょっと見ていこっか。」

 

エバと言うのは、雷神衆の一人、エバーグリーンのことだ。

 

ルーナは一人でクスリと笑いをこぼしながら、会場へと足を動かした。

 

 

いつもマグノリアは騒がしいのだが、今日はいつもよりも騒がしい。

いつもならルーナの外見に驚いて声を掛けてこない人も今日は収穫祭だからなのだろう。たくさんの人に呼び止められてしまい、色々と買い込んでしまった。

 

ルーナはマグノリアの人間が好きなのだ。いや、悪人以外ならみんな好きだ。

人間というのはたまに面白い行動をするのだ。

それに予想外のことを普通にする。そんなところが面白くて堪らないのだ。

 

その為、「買っていかないかい?」そう問われると、買ってあげたくなってしまうのだ。

そのせいか、会場…ギルドに行くのに少し時間がかかっていた。

 

ルーナがギルドにつくと、8の札をつけた金髪の少女が、ステージに立っていた。

 

「えっと、精霊とチアダンスをします…。」

 

だが、あんな見た目の少女をルーナは知らない。

一度、ラクサスがギルドに戻ると言っていたことがあったが、その時は好みのゴスロリ服があったため、それを見ていたのだ。

 

いたとしてその頃からだろう。

 

ルーナが首を傾げていると、金髪少女…ルーシィの後ろから見覚えのある顔が出てきた。

 

「エントリーNo.7。」

「ちょっと、まだあたしのアピール終わってないんだけど。」

 

出てきたのは雷神衆の一人、エバーグリーンだった。

 

「美とは私の事。だから、優勝はこのワタシで決定!はい!こんなコンテスト終わりよ!」

 

ルーシィが抗議しながらもエバを見る。

フェアリーテイルの一人が目を見るな!というがもう遅い。

ルーシィは石となってしまっていた。

 

そのことに驚きながらも司会進行している男は客達を外へと出す。残ったのはフェアリーテイルだけだ。

 

「エバーグリーン、祭りを台無しにするつもりか!」

「おーい!エバー!久しぶりー!」

 

マカロフが怒鳴り、ルーナは嬉しそうに近付いてくる。

正反対だ。

 

「あら、ルーナ。久しぶりね。」

 

そして、ルーナがステージに上がるという所を見計らってエバが垂幕となっていた布を燃やし、その全貌を露わにする。

そこにはミス・フェアリーテイルコンテストに出場してたであろう女性たちがいた。

 

ルーナはそれに驚き、ステージに飛び乗ろうとしていたのだろうが、バランスを崩して落ちる。

 

「いったぁ…。」

 

ルーナはマカロフが怒鳴っている中、ぶつけてしまったお尻を擦りながらステージに登った。

その時、雷鳴がとどろき、ラクサスと雷神衆の残りの二人が現れた。

 

「よぅ…フェアリーテイルの野郎ども。祭りはこれからだぜ。」

 

ルーナは話についていけず、頭にはてなを浮かべながらラクサスたちを見ている。

 

「ええと、これは…どういう?」

「あ?ルーナ、居ねぇと思ったらオメェもここに来てたのか。」

「エバなら、ここに来るかなーって思って。」

「まぁいい、今から説明する。お前も黙って聞いてろ。」

 

ルーナはまだ首を傾げながら頷く。

 

簡単に言うと、最強が誰なのか決めようというものだった。

ルールは絶対。破れば石となった女性を一人ずつ壊していく。

最後まで生き残れば勝ちというものだった。

 

「『バトル・オブ・フェアリーテイル』」

 

皆、苛立ちからかラクサスを睨みつけて動かない。

だが、一人は違かった。桜色の髪をしたマフラーが特徴の少年。

ナツだ。彼はテーブルを宙へと殴り飛ばし、ニヤリと笑った。

 

「いいんじゃねぇの?わかりやすくて。燃えてきたぞ!」

 

「なるほど、確かに面白そうだけど…あんまり人様に迷惑かけたらダメだよ?不可抗力なら良いけど、わざと家を壊すとかさ。」

 

いや、一人ではなかった。その静寂を破ったのは赤い瞳を光らせたルーナもだった。

 

「そうだね…部外者に危害を加えたら……んー、んー…。」

 

ルーナはそこで一つ区切り、うんうん唸る。加えたらどうなるのか、その先は決めていなかったのだろう。

閃いたのか、ニッコリとした笑顔で言った。

 

「ああ、そうだ!3分間、その家の人に殴られてこようか。勿論、弁償もだよ?」

 

一般人が3分間も延々と殴ることがまず無理な気がするのだがルーナは気にしていないようだ。

どこからか、えげつねぇな…という声が聞こえてくる。

 

「3時間のうちに私達5人を倒して見せなさい。それまでに倒せなかったら…砂にするわ。」

「そっち100人近くいるよな、俺らのほうが不利じゃん!」

「って、5人?あ、私も?」

「当たり目ぇだろ。っと、フィールドはマグノリア全域。俺達を見つけたらバトル開始だ。」

 

マカロフが激怒し巨大化魔法を使うが、変身しているうちにラクサスは雷を目くらましに落した。

 

「バトル・オブ・フェアリーテイル開始だ!!」

 

そして、その間に雷神衆は居なくなる…ルーナを残して。

頭に血が上っている人たちはラクサスがいなくなったのを切っ掛けに外へと出る。

 

「あれ?……んー…。これはさすがに逃げないとまずいかな。」

 

そう言いながら、ルーナは地面に手をついた。だが、マカロフに止められる。

 

「待てぃ、ルーナ。お前は…なぜラクサスを止めない?」

「マスター、ラクサスはそんなに馬鹿じゃない。彼なら自分で気付くよ。私はそれまで見守るだけ。だから、今回は敵同士ってことで。」

 

ルーナはそう言い残し、闇魔法で自分を包み込む。ルーナを包み込んだ闇が小さくなり数秒経つと跡形も無く消えた。

後数秒遅かったらナツに殴られていたであろうことは明確だった。

 

 

 

 

 

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