FAIRY TAIL 雷神衆の少女   作:雨宮ラキ

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エドラスのルーナ

 

ルーナは城内を歩いていた。

 

歩いている、と言ってもなにか意味があるわけではない。

 

ただ、暇なのだ。誰かと遊ぼうかとも考えたがそんなに暇な人も居るわけがなく、こうやって1人悲しく散歩をしている。

 

 

ふと、前方に紅い髪の目つきの鋭い少女と、金髪の手が縛られている少女がいた。

 

エルザとルーシィだ。

 

 

ルーシィはエルザの槍の先端だけで支えられていて今にも落ちるのではないかと思ってしまう。

 

ルーナは面白いものを見つけたと言わんばかりの顔で声をかけた。

 

「あらあらあら…。エルザじゃない。その娘、アースランドの?」

「…ルーナか。仕事はどうした。」

 

エルザは普通にしているがルーシィは目を見開き驚いている。

 

当然だろう。エドラスのルーナもエルザと同じ敵側だったのだから。

 

ルーナは水色と白のロリータ服を着こなしている。

 

アースランドとの違いは眼帯を付けているか付けてないかという事と、その笑みの違いだ。

 

アースランドのルーナは無邪気な笑みが多いが、エドラスのルーナは含みのある笑みが多い。

性格は全くの正反対だし、同じという点は腰まである金髪と赤い瞳、そして勘の鋭い所か。

 

 

「仕方ないじゃない。みーんな仕事くれないんだもの。

警備でもやろうかと思ったらリリアに取られちゃうし。」

 

「……リリア?」

 

ルーシィはポツリと呟いてからその人物を思い出す。

いつもマキナと呼んでいたから気付くのが遅れたが、リリア・マキナのことだろう。

 

「確か、ルーシィだったかしら。…自己紹介できてなかったわね。

 

 

私は五番隊隊長、ルーナ・エルガトスよ。どうせ死ぬのだからよろしくすることは無いと思うけれど…まぁ、この際だから天国に名前を広めてくれれば嬉しいわ。」

 

「おい、ルーナ。そうやすやすと敵に名前は教えるな。」

 

「いいじゃない。さっきも言ったけれど、今すぐにでも殺せるのだし。」

 

ルーナのその目はとても楽しそうに煌めいていて本心からそう言っているのだということが伺えた。

 

「それにしても、惜しいわね…この娘、とってもいい声で泣いてくれそうなのに…殺しちゃうなんて。」

 

舌舐めずりする姿は妖艶だが、アースランドのルーナが見たら吐くかも知れない。

 

「…陛下のご命令だ。そんなことを言っても通らんぞ?」

「分かってるわよ。っと、お邪魔して悪かったわね。迎えが来たみたいだから行くわ。」

 

ルーナの目の先にはマキナ…いや、リリアが少し眉間に皺を寄せながら歩いてきているのが分かる。

 

ルーナがそちらに行くと、リリアが怒鳴り散らしてくる。

 

「どこに行っていやがった?隊長なんだから単独行動も程々にしろよ。」

 

リリアは副隊長だが、ルーナの幼馴染でもあるため、上下関係にありながらも口調は柔らかだ。

 

「アースランドの人間を拝見しに、ね?

元はといえばリリアが私にお仕事をくれないのが悪いんじゃない。」

 

「リリアって言うんじゃねぇよ。ラストって言えっつってるだろうが。」

「嫌よ。可愛くない。」

 

リリア…もとい、ラストが額に青筋を浮かべるもルーナはそれを無視して歩き始める。

 

「で、何かお仕事回ってきたの?」

「……侵入者の排除だとよ。何でも、護衛を一瞬にして倒したらしいぜ?」

「へぇ…それは愉しそうね。武器は持って来てくれたかしら?」

 

ルーナがラストに手を出しながら聞くと、ラストは背中にかけていた大剣をルーナに渡した。

可愛い方が好きという彼女だが、その大剣は可愛くもなく、それどころか、血が染みとなって残っている。

 

「ああ、そうだ。その侵入者。テメェにそっくりだってよ?」

「という事は…アースランドの私かしら。」

 

ああ、本当に…暇だったのが嘘のように愉快で楽しくて、愉しくて堪らない。

 

 

ルーナは笑みを深くし、すぐそばに居るラストにも聞こえないような声で言った。

 

 

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