ルーナは広間から離れ、路地裏にいた。
人が少ない人の場所を探していたら、そこについたのだ。
なぜ人気のない場所に行く必要があったのか、それは魔力の暴走を抑えるためだ。
エドラスの住民に腹が立っているのにその人たちのそばにいては良くなるものも良くならない。
「はぁ…。それにしても、私もまだまだだなぁ…。」
ルーナはなくなってしまった眼帯の代わりに新しく取り出した眼帯を付けながら、呟いた。
そのそばにいるのは一人の猫だ。
ルーナの独り言にみゃあおと、返事をしながら、慰めるようにルーナの足を軽く叩いた。
ルーナはその猫を優しく抱きあげ、膝の上においた。
体育座りをしているため、結構猫にとっては座り辛いのだが、そんなことルーナには伝えられない。
「…それにしても、許せないよ。あのクソ陛下。」
フェアリーテイルには口が悪い人ばかりであり、ルーナも多少それが写っているため、もともと口が悪い。
いつもはゆるい口調の彼女だが、怒ると口調がおかしなくらい豹変するのだ。
「……よし!正面突破で行ってみよう!」
どうやってみんなを助けるかの算段を考えていたのだが、面倒になったようで、猫を地面に置いて立ち上がった。
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そして、ルーナは城内にいる。
適当に敵をあしらいつつ、前へ前へと進んでいるのだが、人数が多くあまり進めないのだ。
先程から峰打ちで倒しているのだが一向に減る気はなく、体力もおちてきた。
「ああ、もう!面倒臭い!」
たまに魔法を撃ちつつ、敵を一人一人確実に討って行く。
その時だった。
「あら、貴方ね?アースランドの私は。」
突然道が開け、そこからルーナと瓜二つな少女が現れたのだ。
だがよく見ると眼の色が多少違ったり、変化が見られる。
「…そうだけど、君誰?」
「分からない?私はエドラスのルーナよ。ルーナ・エルガトス。ここの5番隊隊長をやらしてもらってるの。」
「そうなんだ。私はルーナ・マクレシア、フェアリーテイルの魔導士。」
二人は真正面から向き合い、話し始める。
「ダサい格好ね。その黒いロリータ。」
「そう?私的には君のほうがダサいと思うけど。」
「……ま、いいわ。服の好みは人それぞれだもの。」
「一応同一人物みたいなものだけどね。」
苦笑しながら嫌味半分で言うルーナ…いや、ここではマクレシアと言っておこう。
マクレシアにエルガトスは少し苛つきながらもいつもの余裕を醸し出している。
「ああ、そうだわ。」
エルガトスは自分の後ろにひかえている兵士たちを一瞥してから言った。
「貴方達。帰ってもいいわよ?マクレシア…だったかしら。まぁいいわ。この娘は私一人で倒す。」
「し、しかし…。」
「というか、帰りなさい。外の手助けにでも行きなさい。これは命令よ?」
「………はっ!」
兵士は少し迷いつつも、隊長の命令だからと言って兵士たちを引き連れて外に行った。
その様子を見ながらマクレシアは問いかけた。
「良かったの?」
「あら、何がかしら。」
「兵士を引き下がらせて。大勢のほうが強いと思うけど?」
「貴方と一対一で戦いたかったと言ったらダメかしら?」
エルガトスは手に持っていた大剣を構えながら言った。
服で言う着られてる感のあるほどの体格差だが、エルガトスは軽々と持ち上げている。
「反吐が出るね。」
マクレシアは刀と脇差しを手にし、相手の出方を伺いながら言った。
「ああ、やっぱり私達はおんなじね。私もそう思っていたわ。」
くすりと笑いながらいい、エルガトスは大剣を持っているとは思えないスピードでマクレシアの前に立ち、剣を振るう。
マクレシアは2つの刀を交差させ、その間に大剣を挟むことでその攻撃をガードし、弾いた。