アクセル・ワールド レジェンド・ドントゥール   作:四つ葉

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4.<親>の<親>

 ――まさか…早速アーチャーさんの<親>に会うとは…。

 

 テイマーは、唖然としていた。

 確かにアーチャーからは、機会があれば紹介すると聞いていたが、こんな早くとは予想していなかった。

 

「いや、アーチャーからお前の事を聞いて、気になったから来てみたんだ。

それが…インストールしてから1ヶ月経ってるのに、まだLv2なのか!」

 

 最初は、小さい声だったが、終盤は声を荒げて怒鳴る。

 

「す…すいません…。

中々勝てなくて…ポイント安全圏までポイントが溜まるのにも時間がかかりまして…」

 

 しょぼん、と、若干テンションが下がりながらも説明するテイマー。

「…ふん、そんななら、すぐに全損するぞ」

 

 ラビットは、冷たくそう言うと、素早くテイマーから離れた。

 そして、拳ではなく脚を構える。

 

「…さぁ来い。 私が、お前の戦闘を見てやる」

「…え?」

 

 テイマーがキョトンとしていると、再びラビットが怒鳴った。

 

「え、じゃない! お前は何をしに加速しているんだ!

来ないなら私から行くぞ!」

 

 そう言うと、脚に力を込め、尋常じゃない動きで蹴りかかってくる。

 

「わわっ…」

 

 テイマーは、何とかその攻撃を避ける。

 

 ラビットはそのまま、テイマーの背後の建物に脚をつけ、思いっきり跳ぶ。 そして、また蹴りかかってきた。

 テイマーは、今度は焦らずラビットを見つめる。

 

 ――相手の動きを…。

 

「<セジール・フウェ>!」

 

 ――利用する!

 

 彼は、Lv2で覚えた必殺技を、ラビットに放った。

 鞭はラビットの腕へと伸び、肩辺りに巻きつく。

 

「てやぁ!」

 

 テイマーは、必死に踏ん張ると、鞭に繋がったラビットを、思いっきり地面に叩きつけた。

 

「よしっ!」

 

 テイマーは小さくガッツポーズをする。

 

 ――かなりのスピードだったし、結構削れたろ…。

 

 そう思って、ラビットのHPゲージを確認する。

 

「え…!?」

 

 何と、ラビットのHPは一割も減っていなかった。

 

「発想は面白い。 しかし、私の脚をなめるな」

 

 気がつけば、ラビットはテイマーの目の前に居た。

 

「ぶ…」

 

 ラビットの脚がテイマーのマスクを蹴る。

 その攻撃で、テイマーのHPは0となり、勝負は終わった…。

 

△▼△▼△

 

「うわっ!」

 

 現実世界に戻った光馬は、歩いていたことを忘れていて、転ける。

 

「光馬君、大丈夫か?」

 

 健人が、心配そうにこちらを覗き込む。

 

「あ…だ、大丈夫です。

ちょっとボーっとしてて…」

 

 光馬は、苦笑いしながらそう言うと、立ち上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ」

 

 加速世界から戻ったラビット――――()() (アイ)は、一つ溜め息を吐いた。

「ふぅ…って…容赦無さ過ぎだよ、藍」

 

彼女の溜め息を聞いていた真治が、そう指摘する。「手加減しても為にならないだろう、()()()

 

 彼女は、そう言って立ち上がる。

 

「まぁでも、私にダメージを与えられた点は良かったんじゃないか?

一割にも満たなかったけどな」

 

 彼女は微笑みながら、一口チョコレートを取り出す。

 

「あの子がどう成長するか、楽しみだ」

 そう言って、チョコレートを口に放り込む。

 

「“あの子”って…。

お前の方が年下なんだよ…?」

「歳はそうだが、経験で言ったら私が上だ。 それににいにも、私よりは経験が少ないんだぞ?」

「まぁ、そうだけど…」

 

 真治は、呆れたように藍を見ると、小さく溜め息を吐いた。

 

△▼△▼△

 

「Lv上げ…ですか?」

「そうだ」

 

 翌日、学校が終わった後、光馬は真治に呼び出され、またあのファストフード店に来ていた。

 光馬を待っていたのは、真治と、見知らぬ少女。 驚くことに、彼女は真治の妹であり、昨日光馬が戦い、敗北した真治の<親>だった。

 彼女――藍から告げられたのは、Lv上げの誘いだった。

 

「今日で、Lvを2、上げようと思う」

「はぁ…」

 

 光馬は、本当にそんなことが出来るのか、と半信半疑で返事をする。

 

「勿論、お前だけでは勝率は微妙、下手したらポイントが余計に減るかもしれない」

 

 藍は、光馬にとってかなり心に来る言葉を普通に言う。

 

「だから、私の<子>である…にいにとタッグで戦って貰おうと思う」

「よろしく」

 

 真治が微笑んで、そう言う。

 

「あ…はい、宜しくお願いします…」

 

 光馬は、小さくお辞儀をする。

「これ以上言うことはないな。 それでは二人とも、行ってこい!」

「え、え、もうですか?」

「…今やらなくていつやる」

「いや…」

 

 ――ちょっといきなり過ぎないか。

 光馬がそう思っていると、藍がイライラした様子で口を開く。

 

「つべこべ言わずに行ってこい! そして早くLv4になれ! Lv4になったらちょっとした特典が待ってるんだ!」

「はい…」

 

 光馬は、藍の声に耳を塞ぎながら、そう返事をする。

 

 

 そして光馬と真治は、半ば無理矢理に、加速世界へと行くのであった…。

 

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