ずっとゲームやってました…あとネタ切れでした…。
急いで書いたのもあって、雑な文になってしまいましたが、どうぞお楽しみください。
「あわわわ…」
全身で風を感じる。
――これが、飛び降り自殺をする人が感じる最期の感覚かぁ…。
って、そんなこと考えてる場合じゃない!
テイマーは、頭を正気に戻すと、何か逃れられる術はないかと、方法を探し始めた。
――今持っているものは…鞭……だけ…。
いやいや、絶望を抱くな! 希望を抱け!
大丈夫だ、鞭は万能なんだ!
遠距離攻撃にもなるし、近距離にもなるし、拘束したり、引き寄せたり出来……うん?
テイマーはその時、自らが初戦で使った戦法を思い出した。
――あの時は…確か……そうだ! これでいけるかもしれないぞ!
テイマーはマスクの下で微笑むと、鞭を構えた。
そろそろ…見える…!
テイマーは、クライメトの姿を確認すると、クライメトまで鞭を伸ばした。
――<セジール・フウェ>を使えば確実…でも今は必殺技ゲージがない!
テイマーは、感覚でうまくクライメトの体に鞭を絡めた。
「うわっ…何!?」
クライメトが戸惑っている。
テイマーは、何かされる前に、すぐに行動に移した。
伸ばしていた鞭を、急速に縮める。
鞭がほどけないか心配になるが、そんなことはなく、クライメトはテイマーのすぐ近くまでやってきた。
「うぉぉ!」
クライメトの首を掴み、鞭をほどく。
と、共に鞭を再び伸ばした。 狙いはもう一人の敵、ハード。
先程の攻撃の痛みをまだ引きずっている所を狙い、ハードの身体に鞭を絡めた。
「え? え?」
戸惑っているうちに、再び鞭を縮める。
今度は先程と変わり、自分が相手に引き寄せられるように縮めた。
やったことは無かったが、そうなってくれと考えたら、実際にそうなり少し驚くテイマー。
テイマーの視界に、ぐんぐんと大地が迫る。
素早くクライメトを足元に配置すると、ハードが、クライメトと衝突するようにして、着地した。
「うがっ!!」
足元から衝撃が伝わってくる。
同時に、テイマーと、敵二人のHPがゴリゴリと削られていった。
――HPが一割きった…!
だけどクライメトもハードもどっちも僕と同じぐらいのHPだ! これはいける!
「アーチャーさん!」
テイマーはそう叫びつつ、ギリギリ溜まった必殺技ゲージで<セジール・フウェ>を発動した。
「うぉりゃぁ!」
二人を纏めて掴むと、踏ん張って二人一緒に投げる。
「アロー・<
アーチャーの、無慈悲で、強力な一撃が放たれた。
糸のように細く、隼のように速いその矢は、くっついていた二人を貫き、HPを0に削りきった――。
「終わっ…たぁ…」
身体も心もヘトヘトになり、リザルト画面が視界に写っているなか、座り込んだ。
「大丈夫かい、テイマー?」
「あぁ…はい。 …ちょっと疲れましたが…」
「おいおい、君をLv4にするまで続くんだよ?」
――そうだった…。
テイマーは、今になって藍――ラビットの言葉を思い出した。
“そして早くLv4になれ!”
そう言われ、仕方なく加速したが、何故Lv4にこだわるのか、テイマーは気になった。
が、何気なく見たリザルト画面を見て、テイマーのその思考は吹っ飛んだ。
「えっ…!?」
彼には、かなりの量のバーストポイントが入っていたのだ。
「け…結構な量ですね…」
テイマーは驚きつつも、アーチャーにそう言った。
「まぁ、一応相手はLv3とLv4のタッグだったからね。
どっちも、君より上だし結構入ったと思うよ」
はやくもマッピングリストを見ながら、そう答えるアーチャー。
「は、はぁ…」
「次も同じような相手を選ぶから、頑張れテイマー」
アーチャーはそうマスクの下で微笑むと、次の対戦相手のタッグを選び、バトルを始めた…。
△▼△▼△
次の対戦相手は楽勝だった。
ステージが原始林ステージという、アーチャーにとって有利なステージで、テイマーが敵の気を引いている間、アーチャーがあっという間に狙撃し、圧勝した。
だがしかし、その次の試合は鉄鋼ステージという、異様に足音が響くステージで、アーチャーの狙撃も役に立たず、ましてや敵がパワー系で何度も鉄に投げられたりと、一方的にやられ負けてしまった。
そして四戦目。
先程負けたことが悔しくて糧になったか、テイマーが奮闘し、世紀末ステージの暗闇を利用して勝利。 次の試合も見事に勝利を収めたのであった。
ここでようやくテイマーのLvがLv3に上がり、テイマーは鞭の攻撃力上昇を選択した。
そして、六戦目。
「よし、張り切っていこう」
<世紀末>ステージに降り立ってすぐ、アーチャーがそう言った。
「…どうしたんですか? 何だか嬉しそうですけど」
「え? あぁ…いや、この戦いに勝ったら自分もLvアップ出来そうだな、って思ってね」
そこまで言うと、持っていた弓に矢を引っ掛ける。
「そんなことより、そろそろ来そうだよ」
アーチャーに言われて、テイマーがガイドカーソルが消えた事に気がつく。
「うぉぉぉぉ……!」
そして、前方から聞き覚えのある雄叫びがやってくる。
――この声…もしかして…!
「スティール!?」
そう思い、対戦相手の名前を確認すると、やはりそこには初戦の相手だった、ホーステール・スティールの名があった。
「久しぶりだなぁ!」
彼は、テイマーの視界にうつり、そう言うと共に、こちらに向かって跳躍してきた。
「だりゃあああ!」
早速小手と拳を銀色に染め、殴りかかってくる。 しかし――――。
「<アソー・フウェ>!」
重量があるそのアバターでは、飛距離も、速度もあまりなかった。
二人の前で着地し、攻撃を空振ったスティールは、テイマーの攻撃をもろに喰らう。
「うぎゃあぁ!?」
情けない悲鳴を上げて、のけぞるスティール。
テイマーは、若干呆れながらも鞭をしならせる。
「それ!」
かけ声と共に、腹部に鞭の攻撃を喰らわせる。
「うぉわぁっ!」
更にのけぞり、後ろに倒れ込む。
更に追撃をしようと、テイマーが一歩踏み込むと…。
「危ないっ!」
アーチャーがやってきて、テイマーを押しとばす。
同時に、さっきまでテイマーが居た場所に、とてつもない大きさの大剣が振り下ろされた。
「びっくりした…。 敵がもう一人来てたのに、何で追撃したのさ」
「え、あ、そうだったんですか!? 気付かなかった…」
テイマーは、スティールの仲間である、大剣の持ち主のアバターを見た。
――<
「全く…しっかりしてくれよ?」
ディフェンダーは、大剣を肩に担ぎ、やれやれという様子で言う。
「はあ…それにしても重量系が二人か…」
アーチャーが、弓の弦を弾きながらそう呟いた。
弓での攻撃を主とするアーチャーは、通常攻撃では威力に欠ける。
必殺技を使えば、装甲もどうにかはなるが、必殺技ゲージには限りがあるため、そう多発は出来ない。
故に、アーチャーは緑系のアバターとは相性が悪かったのであった。
「…でも、対戦相手はアーチャーさんが選びましたよね?」
「う゛っ…。 実は、Lvだけ見てて名前はよく見てなかったんだ…」
ごめん…、という様子でそう言う。
「まぁ…別に良いですよ。 僕なら盾とかも剥がせますし」
テイマーは<セジール・フウェ>を会得している。 それを持ち上げる力さえあれば、どんな重そうな盾があろうが、関係ないのだ。
「よーし…じゃあ、とにかくやろうか! これに勝てば僕のLvが上がるぞ!」
アーチャーが、嬉しそうに声を上げる。
こうして、二人の第六戦が始まったのであった。