「あっ…は、ぁっ…」
小さく声を漏らして体を捩る彼女。
可愛い、かわいい。
するすると、私の指が、上から下へ、下から上へ。
行ったり来たりする度に彼女の身体が微かに跳ねる。
伏せられた目、寄せられた眉、緩んだ口元。
鎖骨にキスを、一つ。二つ。落とすとまた、跳ねる。
かわいい、可愛い。
彼女の唇をそっと指でなぞり、軽く口づける。
下唇を食み、つぅ、と吸う。
舌を尖らせ軽く突き出す。
彼女が、こちらを見つめて軽く口を開く。
首を傾け舌を差し込む。
「ん…んっ」
おずおずと差し出された彼女の舌を絡めとる。
ぴちゃ、くちゅり、と口の中を掻き回す。
その音が恥ずかしいのか、先程よりも赤く頬を染め、目を瞑る彼女。
私は微笑み、わざと唾液が糸を引くように口を離す。
彼女の舌と、私の舌を繋ぐ細い糸。
舌を突き出したまま、は、は、と荒い息をつく彼女。
ああ、どうして君は、こんなにも。
する、とまた手を滑らせる。
するする、と、上へ上へ。
臍を、鳩尾を、胸を、鎖骨を、首を、滑って、彼女の頬を包む。
そのまま、額に、瞼に、鼻先に、唇に軽く口づける。
少し顔を上げ、こちらを見る彼女の目を見つめ返す。
はぁ、と感嘆のため息を漏らし、また手を滑らせる。
するり、と下に。彼女の、首に、手を添える。
私がこれから何をするのか、悟った彼女は少し怯える。
恐怖を目で訴え、「ぁ、あ…」と不安気な、小さな声を。
そんな彼女が可愛くて、私はまた微笑む。
「大丈夫」
それを聞いた彼女が少し目に光を戻す、と同時に。
「あ゛っ…!」
きつく、きつく、力いっぱい。彼女の首を絞めた。
「…!……っ、っ!!」
彼女が目を見開く、何か叫ぼうとする。
けれど、声は出ない。出せないように、きつく絞めているから。
ぼろぼろと涙をこぼして、彼女は苦しむ。
悲哀に、苦痛を混ぜた、その表情。
その表情が、彼女に一番似合うのだ。
その表情の彼女が、私の一番のお気に入りなのだ。
真っ赤になったその顔、だんだんと力の抜けていく体、どろりと濁り、上を向き始める眼球。
もう少し、もう少し、大丈夫。
気を失うぎりぎりのところで、手を離す。
「…ぁ、ごほっ!え゛ほっ!う゛、はぁっ…!」
体を捩り、酷くせき込む彼女。
ひゅーっ、ひゅーっ、と喉を鳴らし、胸を上下させる彼女の顔を、そっとこちらに向けさせる。
怯えた表情、眉を寄せ、瞳を揺らし、カチカチと歯を鳴らしている。
そっと背に手を入れ、彼女を抱き起こす。
未だ涙を零し続けるその目に、その目元に、私は口づける。
その涙を舌で、掬って、舐め取る。
びく、と肩を跳ねさせる彼女が、また可愛い。
「…ごめんね。痛かった、よね。…ごめんね」
彼女の背と、彼女の首についた赤い跡を撫でながら、私は謝罪する。
彼女は首を、横に振る。
「だ…じょ、ぶ。だい……じょ…だか、ら…」
酷く掠れて辛そうな声で、ずきずきと痛むであろう喉で、彼女はそう言う。
いつも私は、彼女のあの顔が見たくて、彼女の首を絞める。
強く、強く、できるだけ彼女が苦しむように。
酷く苦しみ涙を零す彼女は、私が知っている何物よりも綺麗で、可愛らしく、美しいのだ。
未だ力が入らず震える手で、私に縋っている彼女の、額に、私は。
そっと、キスをした。