多分ほとんどの方が知らないか忘れてると思いますが更新を待っていてくれた方は本当にすいませんでした。
一応この物語のラストまでは考えついているのですが、なにせ自分の文章力が乏しいのでそれを表すのにかなり苦労しています。
ですので多分これからも投稿ペースは遅いと思いますが読んでいただいている皆様方、これからもよろしくお願いします。
この生活にも慣れてきた。校庭にゾンビが存在し、生徒などがいなくなった学校に居ることに。
この生活にも慣れてきた。由紀がめぐねぇと一緒に授業に出て、くるみが見回りに行き、りーさんが野菜などを管理する生活に。
この生活にも慣れてきた。そんな彼女達に何もせずただ傍観するだけの自分に。
*****
「よーいどん!」
そんな由紀の掛け声とともに、クラウチングスタートの姿勢にうつしていたしていた胡桃は廊下を走り始めた。まずまずのスタートダッシュ、時間の経過とともに胡桃は加速していき、やがてストップウォッチを持っていた由紀の目の前を走り抜けた。
「タイムは?」
息を吐きながら胡桃は自分のタイムを由紀に聞く。
「ん」
由紀はその返事とともにストップウォッチの画面を胡桃の方に向ける。それを見た胡桃は落ち込んだ顔で「あちゃぁ」と言った声を出す。
「どしたの?」
「タイムだだ落ちだ、練習さぼってたからなー」
何故そんな落ち込んでいるのか疑問に思った由紀は胡桃に問い掛けるが、結果は明らかだった。胡桃は昔のタイムと今のタイムの差が予想以上に広がっているのを落ち込んでいるのだ。
「鍛え直さないとダメだなこりゃ」
「あのさ、くるみちゃん……もしかして……」
そんなことを言い始める胡桃に由紀は
「シャベルつけてるけどいいの?」
ずっと思っていたことを口に出す。
「あ、そうだった!」
その言葉を聞いて、胡桃はようやく自分がシャベルを背中に背負ってたことによって、遅くなってたことに気づく。
「忘れてたの? 本当に?」
「うっ!?」
由紀の妙に鋭い疑問に、胡桃はバレたかと思い、冷や汗を流す。
「くるみちゃんの愛には妬けちゃうよ、もうシャベルと結婚しちゃいなよ」
「なっ……いやほら、道具は体の一部になるまで使いこなすって言うだろ」
しかし次の由紀の発言によってバレてないのがわかると胡桃はそれらしい言い訳を考えながら話す。
「どうする? シャベルなしの計る?」
「いやいい、これならいける」
由紀はそう言いながらストップウォッチの設定を元に戻そうとするが、胡桃は断る。
「遠足でもなんでもこい!」
胡桃は気合の入った声で構えながら言うが、由紀には何故そんな気合が入ってるのかがわからなかった。
*****
「おっ来たな」
とある教室の部屋で、俺とりーさんはくるみが部屋に入ってきたのを確認する。りーさんはくるみが来たのを確認すると、黒板に駐車場までの行き方を書き始める。
「玄関からじゃ無理だな」
「非常はしごを使って三階からまっすぐ降りれば駐車場まで150mだけど、シャベル背負って全力疾走よ?」
りーさんはくるみに駐車場までの行き方を説明し始めた。
「いけるいける、さっきタイム計った」
「本当に一人でいいの?」
「速いほうがいいさ。追いつかれて囲まれたら何人いても同じだろ?」
くるみは大丈夫だと言うが、りーさんの方は心配している。無理もない、駐車場までのルートにはゾンビが何人かいる。そこを一人で行くのに心配しないほうが無理な話だ。
「そうだけど……気をつけてね」
はい、と言いながらりーさんはくるみに車の鍵を渡す。それをくるみは任せとけってと言いながら受け取る。
何故こうなったかのにも理由がある。2日前、由紀達がご飯を食べていると、由紀が突然、遠足いこうなどと言ったのが始まりだ。何故遠足なのかくるみが聞くと、由紀は、学校行事なら学校を出たことにならない。と言ったとんちんかんな事を言い、それに呆れながらもくるみとりーさんはそれに賛成した。とあ言っても遠くに行くので何か移動方法が必要になる。そこで由紀達はめぐねえの車を使うことにしたわけだが、車はあいにく学校の駐車場にあるので一旦外に出る必要がある。そこでくるみは自分が車を取りに行くと言ったのだ。
*****
俺とくるみしかいない教室で、くるみは部屋の隅に行った後、シャベルを床に置き、自分の髪の毛を束ね始めた。多分気合を入れ直しているのだろう。
「よし」
そう言うとくるみは、非常はしごをゆっくりと降り始める。
「よーい……どん!」
ある程度降り始めた所で、くるみはジャンプして地面に着地し、そのまま駐車場までゾンビをかわしながら最短ルートで走り続けた。途中どうしても邪魔なゾンビに対しては、身をかがませ、元に戻す時の反動とともにシャベルをゾンビに打ち付けることで対処した。
「すげぇ……」
俺ははしごを使って降りる
くるみはそのまま駐車場の所まで来るが、そこで右往左往し始めた。それを見る限り、どうやらどの車がめぐねえのかがわからないようだ。ゾンビどもはそんなことお構いなしにくるみにどんどん近づいてくる。
「よし入った!」
車に鍵を入れ始めてから数分、ようやく鍵があう車を見つけたようだ。しかし、車を見つけた時にはもうゾンビはくるみのすぐ横まで来ていた。
「くっ」
ゾンビの声に反応したのか、くるみは近づいてきたゾンビの方を向き、シャベルを構えた……
*****
学校の玄関の隙間からこっそり抜けた由紀達は、柱の後ろに隠れて、胡桃が来るのをただひたすらに待っている。
1分、2分、3分……
時間がどんどん経過していくが、なかなか胡桃が帰ってこない。時間の経過とともに悠里は段々と焦りを感じ始めている。
「大丈夫だよ」
悠里の焦りが分かったのか、隣にいた由紀は、悠里の手を優しく握りながらそう言う。それを聞いた悠里は由紀に笑顔を返す。すると突然
キキー!!
「きゃっ」
こちらに向かってきた車が由紀達の目の前で急に停車した。
「早く乗れっ!」
車の止まった音に対して、悠里はびっくりしたが、それが胡桃が操縦してきたものだとわかると、由紀と一緒に急いで車の中に乗り始めた。
「しっかりつかまってろよ」
「待って、シートベルト」
「揺れるぞ」
由紀達が乗ってきたのを確認すると、胡桃は再度車のアクセルを踏み始める。
ドガッ!!
学校を抜けるとき、校門の前に立っていたゾンビを何人か轢いたが胡桃はそれを気にもとめずにアクセルを強く踏む。
「「「それじゃ遠足に、しゅっぱぁつ!」」」
由紀達はそう言うと、車を更に走らせた。目的地のショッピングモールに向けて……
*****
(なんとか学校から出られたようだな)
くるみが車を走らせている中、俺は車のトランクの中にいた。ここなら由紀にもバレることはないだろう。
本当なら俺は学校の中に残っているつもりだった。自分がいてもどうにもならないと思ったからだ。しかし、キャンプの時にめぐねえから聞いた言葉を思い出した。
「だから私はどんなことがあってもあの子たちを守っていこうと思う」
その言葉を思い出した時、俺は由紀達と一緒に行くことを改めて決意した。
後悔だけはしたくない、たとえいてもいなくてもおんなじだとしても、やれる限りのことはやろう。
俺はそう思いながら車の中で揺らされていった。
めぐねえの車にトランクがないなんてそんなことはないよね……