side ユリウス
「そんなにかしこまらなくて良いよ、同じ部隊の同僚になるんだ」
やさしく話しかけて来てくれたのはランスター大尉だ、さすが小隊の指揮を何度もしてきただけはある、こちらを気遣いが感じられる。
「ティーダの言う通りね、それに私たちだけじゃなくてあなた達も有名よ、珍しい風の魔力変換もちで訓練生のときに、数多くのレコードを抜いたの風見正悟少尉、閃光の二つ名を訓練生で言われるようになった、最速の魔導師アリシア・テスタロッサ少尉、正確無比な砲撃魔法と圧倒的な収束砲を持つ、マジックガンナー高町なのは少尉、夜天の魔導書の主で優秀な捜査官として期待されている、狸八神はやて、そして英雄カール・フォン・ディートリヒ特別大将の孫にして、祖父と同じく稀少技能
はやては狸やあらへん!と叫んでいるが、さすが有名になるだけはある、同じ部隊で気になる人間の情報を集めておく、重要だが強くなると抜けがちになることがしっかりできている、本当に強いって言うのはこの人たちみたいなんだろうと思った。
「まあぁ、最初は新人と同じ部隊だって心配したけど、おまえさんたちや他の面子を見て中々優秀どころの新人が多いし、名門もちらほら居るってことは実績を積ませたい上の考えもわかるわ」
「そうなんすか?でも先輩ら三銃士や戦闘隊長なんかもいるし、俺らが上に意見の心配っすけど」
正悟の何気ない一言、それは俺も思っていた、英雄と呼ばれる人やエースと呼ばれる人は何人か居る、俺たちがその場所にいけるのか不安になる、爺さんはお前らしく好きにやれというし、父さんもプレッシャーをかけてはこないけど、名門であるディートリヒ家の名に恥じない活躍をする、それが最低条件だと思っていた。
「そんなことないさ、俺たちもエースなんて呼ばれているけど、エースだって皆が勝ち続けているわけじゃない、年間数百人の殉職者が出ている、その中にはエースと呼ばれていた人間も含まれているし、一度紛争が起こればさらに殉職者が増えるんだ。エースはいくらいたって足らないのさ」
確かに大きな戦いがないだけで、武装組織との衝突や他の組織との諍いで幾人もの人が亡くなっている、そのためミッドの中心部には英雄碑と呼ばれる殉職者を奉った碑がある。大きな戦いがないから平和だそれは間違った認識だったのかもしれない。
「まぁ、難しい話はやめにして、明るい話題に変えようぜ」
グランセニック中尉の一言で暗くなった話題は終わりにした、その後は他愛のない世間話をした、思っていたのと違ったエースたち、でも俺らはそこに居続けるつらさを少し感じた。
午後 訓練施設大講堂
午後は訓練の説明会だ、訓練に参加するのは戦闘部隊60名、捜査部隊100名の計160名だ。俺たち戦闘部隊は5人小隊を12チームつくり、ローテーションでさまざまな訓練を受けて、実地でテロリストの潜伏場所の制圧任務に参加する。捜査部隊は捜査説明を受けて証拠分析、情報分析、心理分析などの分析作業を行ったうえで、実地での捜査に参加することになっている。
まぁ、実地でやるにしてもまず最初の試験であるサバイバル訓練を合格しないと、任務に就くことなく交代もありえるらしい、チームはこの後行う個々の知識を調べる学科試験と、明日行う身体能力と実技の試験の結果で総合力を持ったチームを決めるらしい、おそらく俺たちはばらばらのチームになるだろう。
今のそんな偏ったチーム分けをするはずもないか、考えている内に用紙が配られ試験が始まった。
試験が終わると、一気に緊張が抜けてどうだったなどの話し声が聞こえる中で、一人だけうつむいて暗い雰囲気を出しているのが一人いた正吾だ、周りも関わりたくないと近付かないようにしていた、なのは達もどう声をかければいいの変わらないようだ。
「そう落ち込むなよ、お前は生粋のアタッカーなんだ最前線で戦ってこそだろ?」
「そうはいってもよ、なのはは戦闘も指揮も出来るアラウンダーだし、アリシアも同じな上に捜査官の資格も持ってるし、はやては最年少の特捜官で指揮官としても優秀で、あげくにお前は小隊指揮の資格持ってる上に中尉に昇格も決まってんだろ?」
「ユリウス君ホントなの!?もう昇格が決まってるなんて!?」
「すごいなぁ、ユリウス君はもう昇格決まっとるんか」
「すごいね、ユリウスは」
まさかもう正吾が知っているのなんて、こいつもそこら辺の人間関係はあるようだ、逆になのはたちは知らないようだ。はやては捜査局の人間だからわかるが、アリシアは情報部に内定してるんだから、逆に知ってなきゃダメだろ。
「あぁ、前の部隊で無人戦闘機の撃退時に指揮を採ったのが評価されたからね」
あぁ、俺もそんな活躍してぇな、と復活した正吾を連れて講堂を出た。
やったね、明日から久しぶりの連休だね。