風紀委員長一誠くんと幼馴染み朱乃ちゃん   作:超人類DX

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変身シーン……の前に割りと真面目っぽいお話


心の中の怒りと憎悪

 三大勢力のトップが集って会談をこの学園で行う。

 

 

 …………………なんて聞かされて準備の手伝いをリアスとソーナ達と一緒になって行ってた一誠なのだが、ぶっちゃけ正直その三大勢力のトップが何をしようが興味の欠片も無かった。

 

 

「え、堕天使も来るの?」

 

「当然じゃない。三大勢力の会談なんだから」

 

「……そっすか」

 

「……? あまり嬉しく無さそうですね一誠?」

 

「……………。ちなみに来るのって誰なんすか? バラキエルのおっさん?」

 

「いいえ、恐らく来るのは総督のアザゼルだと思うけど……」

 

「ふーん、アザゼル……ね」

 

 

 だが、堕天使のトップも来ると知った瞬間、一誠はチラチラと朱乃の事を気にしながら、リアスの口にしたアザゼルとシェムハザなる堕天使の事を考えてか、顔を一気に曇らせた。

 

 

「………。ひょっとしてだけど、一誠って堕天使の事が嫌いだったりするの……?」

 

「嫌いというか、良い印象なんてバラキエルのおっさん以外持ってないっすよ。

へ、もし人間のままの力の落ちてない状態だったら、二・三発殴り飛ばしてやりてぇとか思ってたかもしれませんけどねー……」

 

 

 ギャスパーも加え、リアス、ソーナ、朱乃、椿姫の計五人で大富豪というトランプゲームを開かずの間だったギャスパーの部屋でやりつつ、堕天使について『ぶっちゃけ嫌い』と言い切った一誠。

 

 その理由はお察しの通り、堕天使の話になった途端チラチラと朱乃を気にし出したソレが理由であり、一誠にしてみれば朱乃と朱璃に襲い掛かった堕天使も、そのアザゼルという堕天使も皆同じ認識なのだ。

 

 

「別に私は気にしてないわよ? アザゼルの事は知らない訳じゃないし」

 

「あー……うん。ねーちゃんってバラキエルのおっさん以外にゃ大人な対応出来て尊敬するよ。

俺の場合、バラキエルのおっさん以外のカラス見てるとどうしても拒否反応が起こるっつーか……」

 

 

 ギャスパーに聞こえてしまう為、マイルドな言葉使いを心がける一誠。

 こうして聞くと、ある意味じゃ朱乃以上に堕天使を嫌ってるとも取れるその態度は、ソーナやリアスや椿姫も何と言って良いのか分からず、言葉を詰まらせてしまう。

 

 

「でもま、今は会長さんとグレモリー先輩の部下やってるし、余計な事は言わないように努めさせて貰いますよ。

一応、現状は悪魔なんですし………おっと、9のトリプルだぜ」

 

 

 あの日の夜の出来事は、現実から逃げるマイナスを覚醒させる材料となった今でも、一誠の中にトラウマとして深く残るものだったのだ。

 

 

 

 それから暫くはトランプしながら時間が経つのを待っていた一誠達にいよいよ呼び出しが掛かる。

 その呼び出した相手とは、既に学園の会議室で会談を前にしている魔王さーゼクスからであり、先日の聖剣破壊事件についての証人として出席しなければならないのだが……。

 

 

「え、ギャスパー連れていかないの? 何で?」

 

「この子はまだ自分の神器が制御できないのよ。だからもし会談中に神器が暴走したら迷惑が掛かかってしまうから……」

 

 

 事件当日は旧校舎で引きこもりをしていたのと、まだ己の力を上手くコントロール出来ないギャスパーは、出席させる事が出来ないとリアスは判断し、待機を命じたのだ。

 

 

「ふーん……?」

 

 

 それを聞いた一誠は、軽い調子で返しつつちょっと落ち込んでるギャスパーに目を向けつつ言う。

 

 

「じゃあ俺も此処に残るぜ…………って訳にはいかないよね?」

 

「えぇ、言彦に乗っ取られていたとはいえ、聖剣を破壊した当事者になってる以上は……」

 

「ですよねー……」

 

 

 会議だか会談だかに出るくらいなら、ここに残ってギャスパーとオセロでもしていた方が万倍マシと一誠は思っているのだが、如何せん聖剣というものを破壊したのは他でもない一誠自身だ。

 

 たとえその時は言彦に乗っ取られ、更に言ってしまえば只突っ立っていただけで向こうが斬りかかって来たら勝手に折れただけにせよ、壊れてしまった要因である事には間違いないので、その時の状況を聖剣管理をする天使側に改めて説明をしなければならないのだ。

 

 なじみは暫くサーゼクスの所にでも居るのか姿を見せないし、行かずにリアス達に説明させるのも色々と相手方に失礼になる。

 

 結局の所、一誠が人間のままならそれでまかり通せたかもしれないが、転生悪魔である以上はある程度合わせてあげなければならないという事だ。

 

 

「仕方ないか。なぁギャスパー、ちょっと居眠りしちまいそうな会談に証人として出席してくるからよ」

 

「は、はい……」

 

 

 仕方ないから出るぜ。

 ヘラヘラと笑う一誠の言葉にギャスパーは少しだけ不安そうな表情を浮かべた。

 

 出会ってまだ数日と経っちゃいないが、随分と一誠に懐いたらしく、最初に聞いた『新しい眷属が見つかるまでの代理』という話も正直な所、一誠のままの方が良いとすら思い始めているギャスパーは、適当にやったらさっさと戻るぜという、信じられないくらいに優しい一誠に肩をポンポンされながら言って貰う事で何とか頷く。

 

 

「あのギャスパーがあんなに人に懐くなんて信じられないわ……」

 

「そりゃ封印してたんだから、それを知る機会が無かったんでしょうよ」

 

「それもあるけど、一誠くんが妙に優しいからというのもあるんじゃないかしら?」

 

「優しい? ……別に普通だろ」

 

「……。正直私の時との差が半端じゃないくらいですよ。自覚してないのですか?」

 

「貧乳に人権があると思ってんすか? へっ、これだから貧乳は……」

 

「うぐ……! や、やっぱり差別してるじゃないの……!」

 

「会長、どうどう……」

 

「私は馬じゃないわよ!」

 

 

 

 

 

 「…………」

 

 

 それが一つの失敗である事に気付くまで、後少し。

 

 

 

 

 

 

 ギャップを感じさせれば良い。

 そうすれば、いくら何でも認めざるを得ないと少なくとも私は思う。

 

 

「…………」

 

「どうしたというんだセラフォルーは? あんな普通の格好をして……」

 

「さぁ、噂によると兵藤様とひと悶着あったとか……」

 

「え、一誠君と? あー……そういえば授業参観の日に何かあったって言ってたっけ。

でもそれとセラフォルーがあんな普通の服装なのと何の関係があるんだろう? 見てよ、アザゼルもミカエル達もある意味ビックリしてるぜ?」

 

「普段が普段ですからね……仕方ないかと」

 

 

 うん、今日の会談に於ける表向きの格好はサーゼクスちゃん達のリアクションを見ればオーケーだね。

 後はリアスちゃんとソーたんが連れてくるだろう、あの子の前で……ふっふっふっ☆

 

 

「失礼します……」

 

 

 今か今かと待ち続ける事数分後、会議室の扉を叩く音が聞こえ、1拍間を置いてから開かれた扉の先には緊張した面持ちのリアスちゃんとソーナちゃん。

 それに追従する椿姫ちゃんと朱乃ちゃん……。

 

「来たね……」

 

「アイツがバラキエルの言ってた……」

 

「聖剣を完全に破壊した少年ですか……」

 

 

 「…………」

 

 

 そして、私の事を散々ボロクソに言いたい放題言ってくれた子……ギルバちゃん疑惑最上位の兵藤一誠君が、更にその後ろから若干眠たそうな眼差しで入室してきた。

 その姿を見た瞬間、天使のミカエルちゃんや堕天使のアザゼルちゃんが品定めする様に彼を見つめてる中、私は授業参観日の事を思い出してちょっぴりムカっとしてしまう。

 

 けれど今日は作戦の為に相当地味な服装にしてるし、何よりもここでこの前の事を蒸し返したら作戦が台無しになっちゃう。

 だからここは、魔王然な態度でサーゼクスちゃんと共にどっしりと構える姿勢を崩さない様に心がけようと思ったのだけど……。

 

 

「………………」

 

 

 不意に私と目が合った彼が、私を見るなり唾でも吐き捨ててやりたいぜって見下し顔で一瞥し、それ以降は一切私を見ることもなく、ただただ黙って最後尾に立っていた。

 

 その時点で、今すぐにでも目の前で変身ポーズしながら衣装チェンジして、その澄ませた顔をビックリ仰天のそれにしてあげたくて仕方ないという衝動に駆られちゃったけど、今のタイミングではまだインパクト性に欠けちゃう。

 

 だからまだここはグッと堪えて……うん、私の方がおねーさんだもんね。

 ソーたんもギョっとした顔をしてるけど、変身のインパクトは大事だから……。

 

 

 

 ……。なるほどなるほど、本当に言った通りの見事な弱体化じゃないか一誠君。

 リアスとソーナさんに何か思うところがあってとの事らしいけど、直接見ると結構深刻なレベルに思えてしまうよ。

 

 

「私の妹とセラフォルーの妹。

それと女王と……二人の眷属だ」

 

 

 情に弱い……聞こえは良いかもしれないが、見方を変えたら流されやすいとも言えるその性格は僕としては決して嫌いじゃないぜ? けどね、そのまま弱体化したまんま成長まで止まってしまうともなれば、正直キミの評価を下げなければならない。

 

  何せ、一度はどうであれ僕を倒したんだ。

 その強さを失ったままなんて僕が許せない。

 

 グレイフィアをエロメイド呼ばわりした借りだって、キミが転生したままの状態で戻った実力状態で返したいしね。

 

 

「噂はそのまんまだったか。

ソーナ・シトリーもリアス・グレモリーも色々あって一部を除いて眷属の殆どを失い、その代理をそこの小僧が引き受けているって話」

 

 

 さて、そんな彼だが実は三大勢力間ではコカビエルの引き起こしたしょうもない事件後から、急激にマークされている。

 悪魔でありながら聖剣を完全に破壊したばかりかコカビエルをも絶命させた少年。

 

 ミカエルはともかくとして、意外な事にアザゼルもあの様子だと初めて見たって顔だ。

 てっきりバラキエルの伝か何かで知ってるかと思ってたのに、どうもバラキエルは一誠くんの事を完全に黙っていたみたいだな…………この場に居ないけど。

 

 

「先日はコカビエルの件で世話になったな。

俺の事はバラキエル辺りから聞いてるだろ?」

 

 

 というか堕天使側だけ連れのひとつも連れてこない辺りがアザゼルらしいというか、早速色々と探りでもしたいのか、最後尾に立って若干斜め下を向いてる一誠君に比較的ラフな口調でアザゼルが話し掛ける。

 

 

「………………」

 

「あれ?」

 

 

 が、一誠君は軽くアザゼルを見るなり頭を……それも様子からして相当に嫌々に下げるだけで何の返事もしようとしない。

 リアスとソーナさん達もそんな一誠に目で訴える様な仕草をするけど、それでも一誠君はアザゼルに声で返事をすることはしなかった。

 

 

「聖剣の件でアナタ方には随分と迷惑を掛けました。この場を借りてお礼と謝罪を致します」

 

 

 そんなアザゼルを他所に今度はミカエルが挨拶をしてみるんだけど……。

 

 

「そんな事を今更こんな所で言うくらいなら、どいつもこいつも最初からテメーが出張ってあの迷惑カラスを駆除しろよ……」

 

「「……」」

 

「い、イッセー……! 聞こえてる聞こえてる……!」

 

「付けた仮面がもうズレてますよ……!」

 

 

 あーあ、なるほどねー……一誠君的にはミカエルもアザゼルも嫌いらしいや。

 今の言葉で完全に分かっちゃったし、今思うと僕なんか全然マシだねこれは。

 

 

「大体、聖剣なんてガラクタの管理も人間に任せた挙げ句、奪われたら一切役にも立たずに持たせたガラクタ奪われる様な役立たず送って、偉そうに『悪魔側の干渉は控えろ』だぁ?

そこの頭の上にアクセサリー乗っけてる天使とやらが直接出たらもっと簡単に纏められたんじゃねーのかよ……」

 

「い、いや、その……言いたいことは分かりますが、私も私で色々と――」

 

「おっと、お忙しい天使様につい余計な事を……すいません、もう黙ります」

 

「……」

 

 

 にっこり笑うその表情に遂にミカエルは完全に何も言えなくなった。

 これは言彦に乗っ取られた事もあって相当根に持ってそうだね……。

 

 良かった、あの夜全部終わった後だけど現場に行っておいて……。

 

 

「はっはっはっ、随分と嫌われたなミカエル!」

 

「……」

 

 

 そんなミカエルを見てアザゼルが煽るかの様に笑い、ミカエルが無言で睨み返してる。

 けどなぁ……僕の予想だとミカエル以上に――

 

 

「バラキエルに聞いてりゃもっと早く会ってみたかったぜ兵藤――」

 

「黙れカス、とっとと死ね。苦しんで死ね。永遠に死ね」

 

「」

 

 

 アザゼル……いや、バラキエル以外の堕天使に対する風当たりは多分この世の生物の中でトップクラスなんじゃないかなーという予想は、我慢できずについといった様子でばっさりと切り捨てる台詞で大当たりだ。

 

 

「チッ、ここ来る前までは小市民気取ってやろうと思ったのに、やっぱり堪え性が無いからこんな事になっちまった。

だから俺なんか居ない方が良かったんだ……」

 

 

 アワアワとするリアスとソーナさんの手前があるせいか、それともそこまで弱体化をしてしまってるのか。

 殴り掛かるということはしなかった一誠君は茫然とする二人をそれ以降一切一瞥くれる事なく、ちょっと罰が悪そうに仲間達に謝る。

 

 

「ねーちゃん、やっぱり無理だ。

俺ってバラキエルのおっさんとまだ修復できる芽があるねーちゃんとは違って、どうしてもおっさん以外の堕天使を見ると殺意が抑えられねぇよ……」

 

「一誠くん……」

 

「「「……」」」

 

 

 安心院さんの言った通り、バラキエルの娘さん……リアスの女王の朱乃さんの件が例え今の堕天使達がそうじゃないにしても許せないといった心情が、罰の悪そうに謝りながらも言葉の節々から痛いほど僕たちにも伝わってくる。

 

 そりゃあ、言彦が完全に一誠くんの中で自我を持って復活する要因でもあるあの事件を考えたら、寧ろ今まで絶滅させようとしなかっただけ、バラキエルが如何に一誠君に慕われているのかはがよく分かる。

 

 いくら現実から逃れるスキルで死を無かった事にしても、記憶はずっと残るのだから。

 

 

「……。申し訳ありませんでした」

 

「いや、悪魔としてなら注意すべき所だが、今日の僕はどちらかといえば素だからね。

特に何も言わないさ……二人は何か彼に言い返す事でもあるかい?」

 

「いえ……特には」

 

「…………。俺も無いが、ひとつだけ聞かせろ。お前……俺達が憎いのか?」

 

 

 ミカエルは少し戸惑いつつも僕の言葉に頷くが、アザゼルは何故ここまで言われたのかという理由を察しているらしく、改めて一誠君に問い掛ける。

 すると一誠君は――――っ!?

 

 

「バラキエルのおっさんが居たから、バラキエルのおっさんの友達らしいから俺は何もしないと誓った。

だが、本当なら全員皆殺しにしても足りないくらい――っ!?――――――――げげげ……!」

 

「一誠くん!?」

 

 

 まずい、トリガーが強大な殺意と憎悪ってのも本当だったのか! アザゼルの問い掛けに淡々と答えようとした一誠君が一瞬苦しみだしたかと思ったら、その瞳の色を変化させながら、あの妙な笑い方を……!

 

 

「!? な、何……? 急に様子が……」

 

 

 セラフォルーもアザゼルもミカエルも流石に気付いて顔色を変える中、最悪ここで言彦に乗っ取られた一誠君と一戦交えなきゃいけないとすら覚悟した僕とグレイフィアだったんだけど……。

 

 

「「「「セイッ!」」」」

 

「ぶへぇ!?」

 

『!?』

 

 凶悪に嗤い始めた一誠君の左右の横っ面にリアス、ソーナさん、朱乃さん、椿姫さんの張り手が渇いた良い音と共に炸裂する。

 それも中々いきなりの事だったので、言彦だのという事情を知らないセラフォルーやアザゼルやミカエル達はギョっとするんだけど、僕とグレイフィアが驚いたのはそこじゃなかった。

 

 

「いっててて……な、中々良い腕してるぜ……」

 

 

 それまで乗り込まれ掛けていた一誠君の意識が、完全に戻っているのだ。

 いつの間にそんな方法を身に付けていた事も含めて結構な驚きだよ。

 

 

「な、何なんだよ……?」

 

「まるでサーゼクスとグレイフィアが時折見せる雰囲気を持つ少年ですね……」

 

「いいなー……私もビンタしてみたい」

 

 

 うん分かるよアザゼルにミカエル。

 意味なんてわかる訳無いもんね、だってキミ達は僕達とは違うんだもの。

 彼本来が持つその異常性も、そして危険な人格を宿している事も。

 

 セラフォルーだけ微妙に違う気がするけど、もしこのままだったら和平の会談もへったくれもない地獄に変わってたんだぜ?

 

 

「ほ、ほらぁ……やっぱし俺居ない方が良かったんだって……! 今完全に意識飛びかけたし……!」

 

「大丈夫よ。そうなったらまたビンタすれば良いし」

 

「そうよ、貧乳とバカにした分キッチリとビシバシしてあげるわ」

 

「……。朱乃ねーちゃん並みに会長さんの顔が嬉しそうなのが嫌すぎるんすけど……」

 

 

 ……。まあ、あの分じゃ大丈夫そうだし。話も完全に脱線してたからそろそろ始めようかな……。

 

 

「ん、そろそろ始めたいし、キミ達はそこに座りなさい」

 

「あ、はい……ほら座るわよイッセー?」

 

「うぅ、頬がジンジンするよぉ……」

 

「ちょ、な、泣かないでくださいよ……。

姫島さんにお仕置きされてる時は全然泣かないのに……さっきからゾクゾクするのが止まらないじゃない」

 

「会長、それは開いちゃダメな扉です」

 

「言彦に乗っ取られかけた所を無理矢理引き戻したせいか、精神的に不安定になってるわね……ほら、一誠くん泣かないの」

 

「な、泣いてねーよ! 痛くて涙が出るんだよ!」

 

 僕もさっさと終わらせてグレイフィアと人間界デートしたいし。

 

 

「泣いてる……ソーナちゃんが然り気無くとんでも無い事を言った気がするけど、私も何だろう? この変な気持ち……」

 

 

 セラフォルーがボソボソ言ってるけど気にしない気にしない。

 

終わり。

 

 

 

 

 

 

 

 会談事態は始まれば何て事なく進行する予定だった。

 しかし、そうでも無かった。

 

 

「ご機嫌よう、現三大勢力のトップ達」

 

 

 サーゼクスにとっての余計な邪魔その1

 命乞いしたから生かしてやった連中からのクーデター

 

 

「セラフォルー……アナタだけは許さない。私からレヴィアタンの称号を奪ったアナタだけは……!」

 

「悪いけどこの称号は絶対に渡せないよ? だって私は――」

 

 

 だがこれを好機とばかりに、襲撃者に対して派手に啖呵を切った魔王は……。

 

 

「そう、だって私は――」

 

「……!?」

 

 

 ペカー! とセラフォルーの全身がお約束っぽい光に包まれると同時に、無駄にしか思えないポーズと共にその衣装が変化する。

 

 それは正直もろにアレだったが、その中で唯一その意味を知ってる少年はただただギョっとする。

 というか、わざわざセラフォルーが少年の目の前までひょこひょこと移動しながらそれをするもんだから、他は見えなくても少年には色々とバッチリ見えちゃったのだ。

 

 

「魔王☆少女レヴィアたんだから……!!」

 

「……………」

 

 

 そして変身完了と共に、それまでセラフォルーらしからぬ地味な服から一変……魔王☆少女レヴィアたん衣装へとチェンジ。

 名乗りと共に魔法のステッキをクルクル回すその姿に一人を除いてドン引きだ。

 

 

「ふ、ふざけてるのですかお前は!!」

 

 

 キレる襲撃者。

 

 

「う、お……お……おぉっ!」

 

 

 思わず目がキラキラする少年。

 

 

「どうギルバちゃん? 認める? それとも認めない?」

 

「……け、ケッ! ポ、ポーズの完コピくらい俺だって出来るし、偽物は所詮偽物だぜ……」

 

 

 無視して少年のドストライク姿で迫る魔王少女。

 

 

「ふーん?」

 

 

 でも魔王少女は先程ビンタされて泣いてた少年を見たせいか、やけに余裕だった。

 

 

「そっかー……ギルバちゃんってファンじゃないのだとしたら残念だなー。

近々一日抱き枕券を何時も応援してくれるギルバちゃんに送ろうと思ったんだけどなー?」

 

「な、な、ななっ……!」

 

「でも偽者呼ばわりされるとそんな気も起きなくなるなー?」

 

「そ、その話本当なんだろうな……?」

 

「さぁ? それはギルバちゃん次第?」

 

 

 結果……。

 

 

「し、知らねぇ。ち、違うもん……違うったら違うぅ……!」

 

 

 意地張りが災いし、泣きながらそれでもセラフォルーじゃないと言い張り続けた。

 

 

「違うんだぁ……お前なんかレヴィアたんじゃねぇよぉ……!」

 

「ぁ……。(きゅん)」

 

 

 変なフラグが立ってしまっても、一誠はそれでも認めたくなかったのだ。

 

 

「どうしよう、ねぇリアスちゃん達?

この子……つまりギルバちゃんを今すぐ持って帰ってお部屋でめちゃめちゃにしても良い?」

 

『却下』

 

 

 その態度のせいで、変な扉を開けてしまったとしても。それはもう多分運命なのだ。

 

 

 

 

 

「死になさいセラフォルー!」

 

「っ!?」

 

「ぐぁっ!?」

 

「!? な、なんで……」

 

「チッ、邪魔するな下等な転生悪魔が!!」

 

「く、クソ……か、身体が勝手に動く。クソォ!! 偽者庇ったって意味なんかねーのに! クソッタレェェ!!!」

 

 

 襲撃者の攻撃から思わすセラフォルーを庇った一誠。

 偽者だと思ってる、けど身体が勝手に動いてピンチのセラフォルーを庇ってしまう。

 

 そんな矛盾した己に訳が分からず雄叫びをあげた一誠は、それを払拭するかのごとく、襲撃者の女悪魔めがけて突撃し、容赦の無い拳をめり込ませる。

 

 いやそれだけじゃない!

 

 

「消えてなくれィ!!!!!」

 

「がっ!?」

 

 

 女悪魔をまるでボールをヘディングするかの如く何度と無く頭で打ち上げる。

 そして何度かやった後に、飛び上がると……。

 

 

「マッスルリベンジャー!!!」

 

 女性にかけるには少しアレな体勢の技を一誠は血塗れの獣の雄叫びと共に掛けるのだった。

 

 

 

「く、レヴィアたん……くぅ……」

 

「…………………」

 

 

 それもまたフラグになってしまう。

 

 

 

 

似非予告終了。

 

 

 




補足

堕天使と天使はある意味悪魔よりもアレに思ってたりする一誠。

特に堕天使に関しては原作の朱乃さん以上に、間違ってると自覚しつつも憎悪を抱いている。

というか、言彦に乗っ取られるトリガーに最も近い。


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