魔法が無いので剣や素手で異世界謳歌   作:α+#

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《Ⅳ話》 お風呂が終わると寝て朝ご飯

「ふぅ……。」

 

 俺は安堵の息を吐いた。

現在はエルフの老人が経営している宿屋の風呂場の入り口に怪しげに俺は突っ立っている。

 理由は、もしかしたら誰かが入っていて、しかも変態扱いされるかもしれないからだ。

 もしここで誰かが入っていたら俺の短い人生に黒歴史が刻まれ込むだろうと確信していた。

 しかし神様は優しく見守っていてくれたらしく、少し広めの脱衣所の中には脱がれた衣服類はなく、綺麗に整えられているだけであった。

 ましてや肝心な風呂場には、物音一つなく落ち着いた雰囲気が漂っていたことだ。誰かがいるはずはまずあり得ないだろう。そう思いたい。

 すると後ろからの気配に俺は気付かず―感じ取れなかった―ふと声がかけられた。

 

「どうかしましたか? 何か問題でも……」

「あ、い、いや何でも無いですよ」

 

 エルフの老人が俺を心配した様子で声をかけてくれた。

だが内情を知られると恥ずかしいので、何も無い素振りを見せ、何とかやり過ごす。

 俺は変な目で見られると困るのでさっさと脱衣所の中へ入っていく。

そして、アンナから貰った衣服を脱ぎパンツだけの状態になった。(ここだけの話だが、この世界に来た時は裸だったのだ。恥ずかしい……)

 そして唯一のパンツを脱ぐと、扉が取り付けられていない大きめの縦長ロッカーの中に入っている籠

かご

に服を丁寧に仕舞いこみ、見られると恥ずかしいのでにすぐに浴槽内に繋がっている扉を開けた。

 浴槽の中は俺の行きつけの銭湯の広さには劣るものの、大きめになっていた。

これくらいだと、中学の時のクラス位の広さはあるだろうか。シャワーは置かれていなく、床は綺麗な大理石風の石が、丁寧に敷き詰められていた。

 目的のお風呂は、大きさの似たゴツゴツとしている石に囲まれて、ふわふわと湯気を漂わせている。

 

「雰囲気は日本に近い……かな?」

「日本……?」

「ウオォォォォッッ――!!! えっ!? な、何でいんの!?」

 

 俺が振り返ると、そこには先程この宿屋の案内をしてくれた『マリィ』が産まれた時の姿で、体を少し前かがみにして上目遣いでこちらを見ていた。すごく可愛い。

 双丘も女の子の花園も丸見えなので、俺は初めて見る女の子の裸にどういう反応をしていいか分からず、普通にガン見をしてしまっていた。

 すると俺の鼻からケチャップ―血―が出ているのに気が付き、やっと正気を取り戻した俺はすぐに反対側に体勢を戻した。

 

「ちょ、な、何で入ってきてんだよ!?」

「い、一緒に入ろうかな、って思って……。嫌、だったかな……?」

「初対面の男と一緒にお風呂入りたいとかどこの痴女だよ!?」

「痴女……? よく分からないけど嫌なら出て行くね……。」

「別に構わねぇけど……。 急に入ってくるのはアウトだろ!」

「なら良かった♪ それと私、男だよ?」

「ブフォッッ!!!」

「えへへ〜、信じちゃった?」

「………………」

 

 俺はよく分からない。マリィがどんなキャラなのか。

そもそもドジっ子キャラなのかと最初は思っていたが、次はビッチなのか……?

 ま、まぁ個性人それぞれでいいのだが……。度は超えないでほしいと思う。

それよりまず、この状況下で俺はどうしろと……

 

「と、取りあえず俺は風呂に浸かるから……」

「うんっ」

 

 そういうと4mほど進んで湯に浸かった。

深さは……5〜60cmほどだろうか。ここのは俺的にかなり低い。

 あの銭湯は長年続いている銭湯のため、ここの風呂の倍近い深さはあった。

小さい頃は深すぎて入れないため、わざわざ改装を爺さんはしてくれて、なんとか浸かれる状態までにはなったが、本当にあの爺さんはすごい。

 そして、ここの風呂は普通の家庭の深さと同じくらいなので、慣れないものの悪い感じはしない。

 一番厄介なのが俺の隣にわざわざ一緒に浸かったマリィだ。

 

「気持ちいいけど……、女の子と風呂とはな……。どうすればいいのか……」

「私もこの家に男性客は初めてだから、どうすればいいのかよく分かんないかな。」

「初めてって……、ここの宿屋っていつから始めてんだ?」

「えっとね〜、3年前くらいかな」

 

 そんな話題があがり、ここの宿屋が3年前に開いたことを聞いた。

不思議なことにここ3年間で初めて来た男性客が俺だけらしい。

 そこは何かと引っ掛かるが、深入りしたら色々と気不味い空気になるので素っ気なく返事をする。

 

「へぇ〜……」

「それでアントはどこから来たの?」

「まぁ言ってもしょうがないと思うけど地球ってところだよ」

「う〜ん、知らないなぁ……。そこにさっき言ってた日本って場所があるの?」

「うん、そうだよ」

 

 俺はこうして普通に話している訳だが、まず直視したら俺の頭と身体《かはんしん》

が持ちそうにないのでそっぽを向いている。

 それからも俺がここに来る前の話や、俺を拾って居候させてくれたアンナの話などを、30分少々はしただろうか。多分だが現在は深夜3時位だろう。なぜかって? 予感だよ。睡魔が来る予感のね。

 

「ふわぁ〜、眠くなってきた……」

「聞いた話だと全然寝てないからもう上がって寝た方がいいんじゃない?」

「あぁ、そうするよ……」

「うんっ、なら朝起きたらご飯は用意しておくからしっかり寝るんだよっ」

「え、あ、あぁ。ありがとな」

「気にしないで(^^♪」←の様な笑顔

 

 そして俺は裸―もう見られているであろう―を見られないため早く浴槽を出て、ロッカーい1枚だけかけられてあるタオルの様な物で体に付いている水を拭き衣服を着た。

 そしてお風呂場から囁くように「アント……」と小さく響いたのは気付かないで、Aー1と書かれている自分の部屋へと戻った。

 

「ふぅ……。今日は疲れたな。もう夜遅いけど寝てこの後の事に備えるか……」

 

 そしてお腹は減っていたもののすぐに、スースーと寝息をたてながら俺は就寝についた。

 

◆ ◇ ◆

 

 それから5時間ほど寝た俺はゆっくりとまぶたと開く。

そこに映っていたのは変わりない木製の天井。

 扉の隙間からは少しだが料理の匂いが鼻に入り込んでくる。

俺は「んっ……」と両手を伸ばし身体を目覚めさせる。

 まだ眠たいながらも床に脚を起き体を立たせる。そして、ふらついた体で部屋の扉を開け、リビングへと向かう。

 その際に一人の、女性エルフとすれ違うが挨拶もせず通り過ぎ、風呂場を横に過ぎリビングへ着く。

 「おはようございます。」とエルフの老人に声をかけられ、俺も元気無さそうに返事をする。

 リビングに1つ置かれているテーブルを見ると、そこには鮮やかな料理が添

えられていた。

30cmほどの切れ目の入ったフランスパンの様なパンと、どこの野菜かは分からないがお皿に綺麗に盛りつけられている。その横には湯気がたちこめている美味しそうなスープ。そして見た目も余りよろしくはない紫色のゼリーの様な食べ物の4品である。

 

「あ、おはようアントっ! ご飯出来たよっ」

「あ……うん。戴こうかな……」

「ほら元気出してっ」

 

 むにー、と俺のほっぺたを笑顔で引っ張ってくる天使みたいなマリィ。それを心優しげにカウンターから眺めるエルフのおじさん。

 俺は笑顔で向き合っているマリィに少し頬染めながらも活気を含めた口調で「も、もういいよマリィ」と言い席についた。

 俺はまず、フォークを持ち、眼の前に置かれているサラダに刃を立てて数枚レタスのような物を口に含んだ。

 それが意外と美味しかった。何もかかっていないと思っていたが、食べた瞬間オリーブオイルの様な風味が、ぶわっと口に広がった。風味とレタス―もう面倒いのでレタスでいい―のシャキシャキ感が口の中で混ざり合い最高のマッチを味わった。

 それから俺は一気にサラダを平らげて、パンとスープを交互に食べながら「うめぇ……、うめぇ……」と言いながら10分ほどで全てを食べ終わった。(ゼリーの方も食べてみたが悪くはなかった)

 そしてマリィが心配そうな様子で「どうだった……?」と聞くものだから馬鹿正直に答えると天使のような笑顔で俺に抱きつき

 

「良かったっ!!」

 

と言い柔らかい胸の感触を感じながらマリィに今日の予定を伝えた。

 

「ギルドはとっくに開いてるはずだから焦らずに行くほうがいいよっ」

「確か、4時から開いてるんだっけ」

「うんっ」

「それじゃあ一回荷物を取りに行ってくる」

 

 俺はそう言い自分の部屋に戻った。

部屋の扉を開け、ふと囁く。

 

「ギルドってどんな場所なんだろうな……」

 

まぁそりゃ冒険者はいっぱいいると思うけど……。まぁ行ってみればわかるからいいかな

 

 そんな事を考えながら腰に『物質保存鞄』をかけて、すぐ近くのギルドへ向かう準備を終えた。

 俺は再びリビングへ戻りカウンターのすぐ近く取り付けられてある扉に向かって、進んでいる際にマリィから声をかけられた。

 

「私も付いて行っていい……かな?」

「構わないけど……」

「やったっ」

 

 マリィは嬉しそうに言い、俺の腕に引っ付いた。

なぜか腕に抱きついているマリィに、エルフの老人は「気をつけて行ってくるのですよ。」と言い、俺達は2軒先のギルドへと足を運んだ。

 もう歩道には、昨日とは比べ物にはならないくらいの人間と、それ以外の種族の人達で埋め尽くされていた。

 人が多いせいか、俺とマリィの密着度が高まり、Eはありそうな胸が俺の腕へと沈んでいく。

 俺は照れながらも数時間にも思えた道程を終えて、ギルドへとたどり着いた。

そしてそこには。

 

――そこには、色々な装備を付けて盛大に強ぞアピールをしている、冒険者達が何人も出入りしていた。

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