ツイッターで、こんなことがあったのかもしれない。

1 / 1
#RTされた数と百の積だけ寄付する

 ツイッターというSNSがある。百四十文字のツイートをRTなどの機能を用いてフォロワー同士で共有していくのが主だが、『#』という記号を頭に付けて文章を作るとリンクが張られ、同じ文章をツイートした人のツイートが見れるという『ハッシュタグ』という機能がある。いや、これも個人的な名称やら理解の仕方であり、本来の趣旨を理解したいのならばツイッターのヘルプなり何なりを見ればいい話だ。ともかく、そんなものがあるということさえ理解できれば、この話は簡単に理解出来るはずなのだ。

 はてさて、そのツイッターに、とあるツイートが投稿された。要約すると「#RTされた数と百の積だけ寄付する 期限はこのツイートから一週間後」といった内容だった。添付画像には、人差し指と中指で挟んでいる百円玉のバックにとある孤児院の画像があった。

 そのアカウントは突然現れたものだが、誰かが偶然見つけ、それをRTし、そうして徐々に広まっていった。期限である一週間後には五万四千七百八十四RTが集まった。

 ここからが本題。

 そのツイートが初ツイートであり、それ以降一つのツイートもされなかったそのアカウントには多くのリプライ、つまりは個人宛のツイートが集まっていた。

 

「一万円超えおめでとうございます笑」

 

「一万五千円超えwwww ザマァみろwwww」

 

「四万円www 無駄な金使ったなwww」

 

「とうとう十万超えてやがる笑 お前、ちゃんと払えよ?」

 

「五十万円だぜ。ここまで来てやっぱ嘘でしたとか、あり得ねぇよな?」

 

「百万円wwww どうだ、俺達の力思い知ったか」

 

 などなど。草が生えたり、「笑」という文字や「大笑」、はたまた本来は周囲が大笑いしている様子を指す意味の「爆笑」という文字が語尾についていたりするリプライ。

 様々なアカウントが、たった一つのアカウントに対してリプライを送っていた。

 そのどれもに共通するのは、善意の欠片のない、ただ純粋なる悪意。

 迂闊なツイートをした初心者を痛い目に遭わせてやろう、などというくだらない先輩風。

 それらの悪意に対して、そのアカウントは六つのツイートで返答した。

 

「五万四千七百八十四RTありがとうございます。金額に換算して、五百四十七万八千四百円の寄付をすることになりましたが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「約束と違ったことをして誠に申し訳ありませんでした」

 

「また、このアカウントに沢山の応援のリプライを頂きましたが、全て無視させて頂いております」

 

「あなた方のくだらない文章入力と、数回のタップよりも、私が持っていたお金の方が人の役に立つことがお分かり頂けたでしょうか?」

 

「あなた方がいくら集まったところで、たった一人の財力には勝てなかったようですね。百分の一程しか影響がないようです」

 

 どうやらそのアカウントの主は、性格の悪いことで有名な世界的な大富豪の一人だったらしい。

 

 後に聞いた話によると、そのアカウントはRTされた多くの人間からブロックされ、その日の内に凍結したらしい。

 

 果たして、大富豪は、ブロックした人たちに何かしたのだろうか。




 人の為になる善と書いて偽善。果たして、偽善と悪の違いとは。そして人間は根本的に善なのか悪なのか、それとも偽善なのか。
 そんなこと別に考えなくてもいいです。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。