オーバーロード ー 死の女王 ー   作:溶き卵

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 すみません大変遅くなりました!

 いろいろ頭を悩ませたり、モチベーションの問題でずるずる伸びてしまいましたが本日更新です!

 読者の皆様の期待の展開になってないかもしれませんがこれからも読んでいたはだけると嬉しいです


私の答え

「久しぶりねンフィー」

 

「うん、久しぶり」

 

 離れた場所で互いに笑いあっている二人。

 漆黒の剣のメンバーはその光景を見て微笑ましそうに見守っている。

 

「「「・・・・・」」」

 

 ちなみに私と義兄さんはネムとにらめっこしていた。

 正確にはヴィヴィの容姿をしているヴィヴィではない誰かと一緒にいる私達に対してだれなんだろう?と首を傾げている。

 事前に私達の到着をしらされてたが来たのは見知らぬ人達。

 ナザリックで会ったことのあるナーベラルはいるけど・・・誰?

 疑問符が沢山出ているだろうキョトンとしたネムが可愛くて笑みを浮かべる私達。

 そんな彼女に不可視化したモココがニコニコと歩み寄って小さく耳打ちしてあげる。最初はビクッとして見えない声の主を探してキョロキョロとしていたが再びモココが説明するとパアアァッっと笑顔になった。

 

「こんにちわー!」

 

「こんにちわ。お名前をきいてもいいかな?」

 

「ネムです!」

 

「礼儀正しいいい子だな」

 

 義兄さんに褒められて擽ったそうにはにかむネム。

 ナーベラルがこっそりとエ・ランテルのお土産がありますので楽しみにしていてくださいと言っているところへ

 

「これはこれは冒険者の皆さんようこそカルネ村へ」

 

 やってきたカルネ村の村長。

 初老といった位の年齢である彼は私達に向かって頭を下げて挨拶をする。

 私達も会釈程度に礼をして今日来た目的やこの村でのキャンプの許可を貰うために交渉を始める。

 そんな中、村長はふとヴィーに目を向けた時、その顔を見て目を見開いて

 

「ヴィヴィ殿ではございませぬか!いやいやお久しぶりです!」

 

 愛娘に詰め寄った。

 突然の出来事に目を丸くして硬直する私達。

 

「あら、妹が此方に来てたんですか?はじめましてヴィヴィの双子の姉、ヴィーです」

 

 なんとか平静を保って自己紹介をした彼女に村長は更にテンションを上げる。

 漆黒の剣のメンバーは双子!?妹がいたのかなどざわついている。

 

「なんと!姉君でしたか!これは失礼しました。いやはや、ヴィヴィ殿もそうですが姉君でらっしゃるヴィー殿もなんとお美しい。どうですかな?私のせがれのーーーー」

 

 村長が最後まで言い切ることはなかった。

 1歩で懐に飛び込んだその女性は最大限に捻った上半身から放たれる拳に日頃畑仕事で鍛えた下半身から伝わる力を余すことなく乗せて村長の鳩尾に叩き込んだ。

 分類的にはアッパーだろう。

 村長顔が健康的な肌色から赤へ変わりそして青く染まり。

 表情も笑顔から無表情、そして何とも言えない顔になった。

 魔導騎士だから見えた見たくもないスーパースロー映像。

 拳を叩き込んだエンリに

 

「・・・お見事です」

 

 ナーベが賛辞の言葉を贈った。

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

「そう、そんなことが・・・」

 

 隣で、幼馴染みが小さく呟く。

 冒険者さん達に挨拶した後、村の外れにある両親の墓の前で私はこの村に起こった顛末を語った。

 突如襲ってきた“帝国騎士の格好をした輩”について。

 両親が身を呈して私達姉妹を助けてくれた事について。

 そして、“ナナシス・ヘル・ゴウン様”と“アインズ・ウール・ゴウン様”ご兄妹が村を救ってくれたこと。

 横目で彼を見てみれば小さく唇を噛み、拳を握りしめている。

 きっと彼の事だ。私を差し置いて、怒りや悲しみの感情を出してはいけないと思っているのだろう。

 そしてそれは自分に向けての感情。

 昔からそうだった。

 大して強くもないのにケンカするときは矢面に立ってボコボコにされて。

 負けても相手にではなく、力のない自分に悪態を吐く。

 私がからかわれてたときも

 ネムが苛められてたときも

 その細い体で庇い、ボコボコにされた。

 端から見たらカッコ悪いかもしれないけど私はそれが格好いいと思っている。

 

「ネムもいるし、悲しんでばかりじゃいられないわ」

 

「エンリはやっぱり強いね。僕なんかよりも全然」

 

 彼が小さく苦笑するが私は首を横にふる。

 そんなことないよ。ンフィーレアはいつも私達を守ってくれてたよ。私なんかよりも強い心で。

 

「なに言ってるの!ンフィーレアだって強いじゃない。いつもボコボコにされてたけど」

 

「これでもちょっとは力付いたんだよ!?ホラ!!」

 

「う~ん。村長さんよりは付いたね!」

 

「カルネ村最弱と比較とは、相変わらず容赦ないね」

 

 ふざけあって笑いながらお母さんに挨拶した後私達は再び村へと足を向ける。

 道中、彼は村の防御壁をジッとみていた。

 

「それね。アインズ・ウール・ゴウン様からいただいたマジックアイテムで喚んだゴブリンさん達に作ってもらったの」

 

「へ?ゴブリン?」

 

 キョトンとした彼にクスクスと笑いながら私は右手を上げた。

 それに合わせて建物や畑、木の陰から出るわ出るわゴブリンさん達の一団。

 ざっと15人が私の前に整列し跪いて頭を下げた。

 

「・・・・」

 

「フフ、気付かなかった?彼等村の入り口からずっと私を護衛してたのよ?」

 

 呆然とする幼馴染みを他所に私は悪戯が成功したと口許を押さえながら笑う。

 耳元で本当の護衛である近衛のヨミさんがお戯れが過ぎますよ。と小さく笑いながら呟いてきたが問題ない。

 というかこの程度で驚いては困る。

 なんせ

 

「おねえちゃ~ん!!」

 

 ンフィーレアの後方からネムを肩に乗せたジョン君が走って来てるのだから。

 

 

 

「・・・・・・」

 

 呆然としている幼馴染みを他所に、私はゴブリンさん達にゆっくり休むように言って解散させる。

 

「ネム。お客様の案内は終わったの?」

 

 ネムには今日来たお客様。

 御母様と伯父様達と冒険者の方々が泊まられる事になっている空き家へと案内してもらっていた。

 その後ジョン君と一緒に此方に来ると思わなかったがまぁいいだろう。彼にもジョン君を紹介するつもりだったのだし。

 

「ンフィー、彼はジョン君。アインズ・ウール・ゴウン様が村を助ける為、村を守るために召喚してくださったの」

 

「そ、そうなんだ。はじめましてンフィーレア・バレアレです。この度は村を、僕の幼馴染みを救ってくださってありがとうございます」

 

 幼馴染みがネムの騎士に頭を下げたのを見て私は一人小さく頬を緩める。

 ジョン君は小さく唸って剣を眼前に掲げた。

 それはまるで“私はやるべきことをやったまで。だが礼は受け取った”と云っているよう。

 紳士的な態度を見せた自分の騎士にネムは誇らしく胸を張る。

 彼女としても彼が受け入れられているのは嬉しいのだろう。

 私としても彼がジョン君を受け入れてくれているのが嬉しかった。

 今では彼も私の大事な家族なのだから。

 

『ご友人とのご談笑を妨げてしまい申し訳ありません』

 

 ヨミさんの囁く声が耳に入った。

 表情を変えないままその言葉に耳を傾ける。

 

『女王陛下からの使者が参りました。姫様をお呼びとの事です』

 

「・・・わかりました」

 

 小さく返事をした後に私は妹に視線を送る。

 彼女の方にもヨミさんが話を持っていっていたようでキョトンとした表情で“おかあさんが呼んでるの?”とアイコンタクトを送ってきている。

 “ええ、巧く話を合わせてね”と返した後、ンフィーに話を切り出そうとした時。再びヨミさんが

 

『あとご友人もお連れするようにとのことです』

 

 と囁いたのを聞いて私はどうしようと頭を悩ませた。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 エンリのご両親の墓に向かう道中散歩しながら私は小さく苦笑する。

 村長の計らいというか娘のお願い(物理)で私達と漆黒の剣のメンバーには今夜、宿として村の空き家を提供させてもらう事になった。おそらくエンリが気を効かせて万魔殿に帰る時間を作ってくれたのだろう。

 その事に感謝しつつ村を眺める私は今後について少し思考を回転させる。

 さっきの娘とその幼馴染みの様子からするとまだ互いに意識してはいるが勇気がでずに踏みきれていないようす。

 私がただの鈴木沙織ならばさっさとくっ付けよ!といっていたことだろう。

 けど、ムササビとしては頭を悩ませている。

 きっと他の娘達はエンリの交際に反対するだろう。義理とはいえ、母親であるムササビですら“多少なりとも”難色をしめしているのだ。

 

「どうするかなぁ・・・あっ」

 

 そんな矢先。

 エンリのご両親の墓の前で笑いあっている二人を見つけた。

 咄嗟に麦畑の中へと隠れる私。

 何を隠れているのだろう。普通に偶然を装って出ていけばいいではないか。

 まるで娘に会うのを恐れている自分に溜め息を吐いた後に影から二人の様子を伺う。

 エンリとンフィーレア君の二人は墓に向かって手を振った後に村の方へと歩いていった。

 それと入れ替わりに墓へと歩み寄る私。

 アイテムボックスから母親の為に花束と父親の為にお酒の小瓶を引っ張り出して供える。

 

「久方ぶりだなご両人。余り顔を出せなくて申し訳ない。本来なら逐一お二人の愛娘たるエンリとネムの様子を報告せねばならないのだろうが妾もそれなりに多忙でな、許せ」

 

 私が此処に来たのはエンリとネムのこれまでを二人に報告するためだ。

 娘として迎え入れたこと、姫としての任を全うしたこと、姉達に可愛がられていること、二人に過剰戦力とも云える近衛が付いたこことなどできる限り細かく報告した。

 

「きっとお二人が存命されていたら腰を抜かしていただろうな。だが案ずるな、そなた達の娘は妾が驚く程の適応力の持ち主だ。それにもしもの時は妾が守ってやろう。お二人の娘の幸せは妾の願いでも・・・」

 

 二人の幸せ。

 ネムの幸せ。

 エンリの幸せ。

 母親としての約束。

 二人に不自由などさせない。

 あぁ、私は何を忘れていたのだろうか。

 なんて勘違いをしていたのか。

 

「そう・・・ですね。二人の幸せは私の願いでもあります。ところであのンフィーレアという少年はお二人も知っているんですよね?将来的には薬師として大成し、尚且つ婿養子希望だそうで。なかなかの好青年ですね」

 

 私は、ムササビは無意識にエンリを束縛していたのだ。

 己のエゴを押し付けて。

 まるで鳥籠に閉じ込めるように。

 はぁ、今更だが姉達がいないと此処まで我が儘に、自己中心的になってしまうのか。

 姉様がいたらお説教&お仕置きのフルコースではないか。

 エンリは私の娘以前に二人の娘。

 二人から任されたならば彼女達の幸せを最優先とせずしてなんとする。

 

「実は困った事に私の娘達、みんなシスコンなんですよ。皆が互いに溺愛している姉妹なんでいろいろあるかもしれませんが。まぁ、私は本人の意思を尊重するつもりです」

 

 私にできることは二人が選んだ相手が二人を幸せにするに足る男かどうかを見極めること。

 あと他の娘達がろくでもない男に引っ掛からないか目を光らせること。

 あの子達はもうただのNPCじゃない。私のお人形じゃない。

 

「ここに来なかったらきっと気付きませんでした。あはは・・・駄目な母親ですね」

 

 私には私の人生があるようにエンリにはエンリの人生がある。

 ムササビはまだ少し不満を抱いてはいるが最初程ではない。

 けどこれなら納得できる。

 母親として手元に置くのではなく。

 母親として見守る。

 娘が笑うなら共に笑い。

 娘が喜ぶなら共に喜ぶ。

 泣くならば慰め

 悩むなら助言を施す。

 

 いつまでも末の妹でいてはいけない。

 小娘の我が儘ではなく母親らしく。

 母親らしく娘を愛して、娘を支える。

 大変かもしれないが他の子達も分かってくれるはずだ。

 

 

 

 さて、そうと決まればエンリにンフィーレア君を紹介してもらおう。

 ンフィーレア君には悪いが君には此方側に入ってもらっていろいろ勉強してもらわなければ。

 最低でもうちの七女忠ぐらいには力を付けてもらわないと。他の娘達も納得しないだろう。

 

「それじゃ、また今度きます。お二人とも仲良くお休みください」

 

 墓に眠る二人に挨拶した後、私は《転移門/ゲート》を開いて宿泊先の宿へと跳んだ。

 

 






 毎度毎度短くて拙い文章ですが
 今後ともよろしくお願いいたします!
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