お久しぶりです。
昨年以来の久しぶりの更新。
リハビリがてらの執筆なのでいろいろ拙いところがありますがよろしくお願いいたします。
「今日はお疲れ様でしたモモンさん。皆さんもお疲れ様です」
漆黒の剣のリーダー、ペテロさんから労いの言葉を受ける私たちは無事(?)薬草を集め終えカルネ村へと戻ってきた。
アルベドとパンドラズ・アクターは転移で一足先にエンリとネムの所に飛んでもらい。
私たちはハムスケを連れて彼らと合流。
「いやぁー、何度見ても立派な魔獣であるな!」
「ギルド職員がコイツを見たらおったまげるんじゃね?」
「もしかしたら特例の昇格もあるかもしれませんね」
その際、ハムスケを見て漆黒の剣の面々は驚きと感嘆の声を上げて義兄さんを讃える。
実際、屈服させたのは私だけど。私はハムスケ関連の功績はいらないと言ったので結果的に義兄さんの功績になった。
しかし、正直微妙。
これのどこが立派な魔獣なのか。
どこをどうみてもどでかいハムスター。
手乗りサイズだったら私も愛でていただろうに。
昔読んだネット上の小説だったらフカフカー!かわいい!とか女の子がキャッキャしながら言うのだろうが実際に見ると全くかわいいとは思わない。
ハムスターは小さいからかわいいのだ。
「どうでしょうか。ギルド幹部は頭が固いと聞きますし。なんともいえませんね」
「いやいや!ギルドの連中だってきっとヴィーちゃん達のこと認めるって!」
しかし、私と義兄さんを除く皆はコイツを立派な魔獣と云う。しかもナーベやヴィーの親衛隊であるドッペルゲンガ-の影武者(レベル80)までももそれなりの評価を下したのだ。
先入観の違いなのかはたまた別の要因なのか。
「私達から見た視点とはまた違った見え方してるのかしらねぇ……。良かったわねハムスケ。この分なら私の娘達からもそれなりの評価ももらえるかもね」
「お、畏れ多いでござるぅ」
そして今、私達のグループはンフィーレアを連れて自分達が泊まる空き家に向かう前にエンリ達のところに顔を出すために足を伸ばしているところ。
ハムスケの背中に腰掛けて頭を軽くペチペチ叩きながら誉めてやる。
アルベドが暴走したおり、コイツはなんとアルベトから逃げ切ったのた。
義兄さんが止めるまで格下のハムスケが圧倒的強者であるアルベドから逃げ切ったのは称賛に値するといえるだろう。まぁ、本人はホントに命かながらといったところだったのだか。
「とりあえずこの村にいる私の娘に会わせてあげる。いっとくけど変なことしたらその毛皮剥ぎ取るからね」
「わ、わかったでござる」
一応顔合わせさせておこうと思いながら愛娘に会えることに心を踊らせていると義兄さんが《伝言・メッセージ》を繋げてきた。
『………ソイツの名前は間違えないんだな』
『そりゃ、まちがえないわよ。顔やられてムカついたけどコイツはもう義兄さんの家族じゃない。それに、もしかしたらエンリとネムがお世話になるかもしれないしね』
そう、このジャンガリアンハムスターはもうアインズ・ウール・ゴウンの末席に加わって、モモンガ直属の部下となったことにより、義兄さんの家族になった。義兄さんの家族ということは私の家族。
名前を付けたのは私で私はもうコイツを身内と認識している。
だから私は娘達に会わせてあげることにした。
身内と認識した証として私の宝である娘達に。
「ンフィーレア君、日が暮れてしばらくしたらウチに行くから貴方もついてらっしゃい。ハムスケ、あんたもよ。兄様もいらっしゃいますよね?」
「へ?」
「あぁ、パンドラズ・アクターもそちらへ顔を出すと云っていたからな。私も顔を出そう」
「あの、どちらに?」
ンフィーレアが首をかしげる。
そんな彼に私よりもヴィーの影武者であるドッペルゲンガ-が答えた。
「女王陛下がおっしゃっておられるのは《地獄の万魔殿/ヘル・オブ・パンデモニウム》。我らが女王陛下、姫殿下方がお住まいになられ、エンリ様、ネム様のお二人におかれては第二の御実家にあたる宮殿です。以後覚えておくように」
「あ、あの。そんなところに僕がお邪魔してもいいんですか?」
「かまわないから来なさい。今晩はみんないるからンフィーレア君の顔を見せるつもりなのよ」
「わ、わかりました」
顔を強ばらせたンフィーレア君を横目に小さく苦笑しているうちに私達はエンリ達の家に辿り着いた。
例のごとく、ジョン君が家の前で門番をしていたので義兄さんが労いの言葉をかけ、私も労いの声と褒美として頭を撫でてやる。
この際にンフィーレア君とハムスケも挨拶を交わし家の中に入る。
まず目に入ったのはリビングに置かれているテーブル。
以前にはなかった真っ白いテーブルクロスが敷かれたテーブルの上には料理の盛られていない白く金細工の施されたお皿、銀色のスプーンやフォークといった食器が二人分並べてあり、その前に背筋を伸ばして椅子に腰掛けているエンリ。
真剣な表情で食器を見つめる彼女の傍らにはなにかを説明しているアルベドとパンドラの二人がいた。
「ただいま。エンリ」
「あ、おかえりなさいませ御母様!伯父様!皆様もお疲れ様です!」
私が変身をといて声を掛けるとエンリは静かに腰をあげ、スカートの裾を小さく摘まんで淑女の礼を取る。すぐさま影武者が跪き頭を下げる。
義兄さんも変身を解くとパンドラとアルベドが跪いた。
ンフィーレアも慌てて跪いていたのを見て皆に楽にするように義兄さんが言って立たせる。
「なにをしていたのかね?」
「見た感じテーブルマナーのお勉強かしら?」
「Das ist richtig(そのとおり(通り)です)。伯母上、エンリは優秀ですよ」
「ハイ、飲み込みが早くて教えがいがありますわ。ムササビ様」
「そ、そんなことまでしてるのかい?」
「当然よンフィー。私は御母様達にとって恥ずかしくない娘にならなくちゃいけないんだから」
小さく胸を張る幼馴染みに驚きの表情をみせるンフィーレア。
そんな彼にアルベドは小さく咳払いすると目の前まで歩み寄っていく。
「貴方がモモンガ様がお弟子におとりになられた人間ね」
「はじめまして!ンフィーレア・バレアレと申します!栄えあるアインズ・ウール・ゴウンを御守りする守護者統括であられるアルベド様におかれましては師より聞き及んでおります!」
「そう、貴方のその地位はナザリックにおいて誰も手にしたことのないモノ。貴方の失態はモモンガ様のご尊顔に泥を塗るものだと覚えておきなさい。…………で、アインズ様は私のことをなんと仰ってたのかしら!?」
「あら、ネムはどうしたの?」
視界の端でンフィ-レアに詰め寄るアルベドにぶれないなぁあの子。と苦笑いを浮かべながら姿の見えないネムはどこかと尋ねる。
「あの子は一足先に万魔殿に行きました」
「え?ジョン君を置いて?」
聞けばアルベドとパンドラが家に来たことによりハイテンションになったネムは今晩パンドラも万魔殿に行くと知りテンションMAX。
お姉ちゃん達に教えてあげる!と意気込んでジョン君と一緒に万魔殿に向かおうとしたのだがエンリが慌て止めた。
村人はジョン君とネムがいつも一緒なのを知っているので家の周りからジョン君まで消えては怪しまれると思ったのだ。
自分も同行してやりたいが。今はアルベドとパンドラが来ており授業を放りだしては失礼になるし、兄貴分にあたるパンドラの前でそのような真似は妹分としてやりたくない。
そこジョン君の代わりにヨミを万魔殿までの護衛兼お目付け役としてネムが真っ直ぐ万魔殿まで向かえるようについて行ってもらったのだ。
「あらあら。あの子ったらせっかくアルベト達が来てくれたっていうのに」
「ネム様のお年頃はまだ遊びたい盛りにございますし、私が組みましたカリキュラムではテーブルマナーを覚えていただくのはもうしばらく後のご予定と考えてなっております。今は公式の場での立ち振舞いを繰り返し反復して覚えていただく時期となっておりますので問題ございません。」
「………家庭教師が板に着いてきたな」
義兄さんが椅子に腰掛け、疲れた表情で関心している。そのとなりでは弟子もこれまた疲れた表情を浮かべていた。
たぶん迫られたのを二人でなんとか押し返したのだろう。
「ちょうどいいから貴方も私が見てあげるわ。」
「は、はい!」
アルベドに呼ばれ慌てて姿勢を正すンフィーレア。
私と義兄さんはへぇ、と小さくアルベドの対応に驚く。
先程もそうだがあのアルベドがまさかンフィーレアにこのような接し方をするとは思っていなかったのだ。
前もって義兄さんが詳細を話していたとはいえ、私の予想では義兄さんの弟子になったという事実に嫉妬してもっと邪険に扱うと思ってたのだがこれはいい変化だと思う。
そう思い私達兄妹は互いに目配せをして小さく笑うのだった。
しかし私達は知らない。
アルベドがニヤリと小さく笑ったのを。
私達は知らない。
現在進行形で義兄さんの外堀を埋める計画が進行中なのを。
「ンフィー。何作ってるの?」
アルベド様の授業と新しく配下となったハムスケさんへの挨拶を終えた後、御母様達は村の人や一緒に来ていた冒険者の方々に怪しまれないようにするために今晩止まる予定の空き家にお戻りになられた。
晩御飯を冒険者の方々と一緒に取ると云っていたので出発するのはもう少し後になるだろう。
今私はこの村にあるンフィーの家(管理人私)兼工房で彼の作業を後ろから覗き込んでいる。
いつもの薬草をゴリゴリとするのではなくて。たくさんある色とりどりの液体が入ったガラスの容器に一滴ずつ、それぞれ違う量の液体を入れては匂いをかいではまた別の液体を入れている。
目元を隠している髪を邪魔にならないように上げて。作業している彼の表情は真剣そのもの。バレアレのおばあちゃん以外では私しか知らないかっこいい彼。
普段はよわっちいのに。いざというときには頼りになる彼。
私の好きな彼。
彼がこの村にいた頃、薬師見習いとして調合の作業をいつもこうやって後ろから覗き込んでいた。
「ん?エンリのお姉さんや妹ちゃん達に渡すお土産。お香の原液なんだけど。作れるだけ種類をね。たくさんいるんでしょ?」
「うん。41人程」
「………多いね」
「内、7人はまだ小さいけど可愛らしい妹なんだ」
「………大森林で沢山種類取ってきておいてよかったよ」
「お薬以外も始めたんだね。それってどうやって使うの?」
「最近はお香がブームらしいんだけど灯りの燃料に混ぜたり、この木の棒の端を漬けておくと部屋にうっすらと香りがひろがるんだ。安くて庶民でも手が出せるものだったり。貴族の人用に高級なのだったりといろいろ出してるよ」
「………ンフィー。私、まだもらってない」
「そう云うと思って新作のお香ともう一つそこの箱に入ってるから良かったらもらってやってくれるかな?」
「ほんと!?」
拗ねたように頬を膨らませる私と小さな笑顔を浮かべる彼。
はしたないように見えるがこれが私と彼のいつものやりとり。彼の一番を私は欲しがり、彼はそんな私に嫌な顔をせずに付き合ってくれる。
彼が指差した部屋の隅の箱を開けると中にはピンク色の液体が入った瓶と紅色の液体が入った瓶。
片方は今ンフィーが作っているモノと似た瓶に入っていて、もう片方はとっても細かい彫刻が彫られたガラスの瓶に入っている。
「ピンク色のは新作のお香でエンリの好きなあの薄いピンクの花の香りがするんだ。で、もう一つの紅色のは身体を拭くときのお湯に一滴垂らすと拭いた時に香るよ。効果は大体翌朝まで続くから寝にくい日にいいと思うよ。ちなみにそれを手にしたのはエンリが一番だからね」
「わぁ………」
目を輝かせて手の中にある小さな小瓶を見つめる。
嬉しい。という感情を表情で作り、ありがとうと感謝の気持ちを言葉に乗せて贈る。
やっぱり私は彼が大好きだ。
御母様は私が持つ彼への好意を許してくれた。
クロア義姉様は応援してくれた。
ンフィーを逃したらもうこんな感情を抱けないだろうし、婚期も逃すことになるだろう。
だから私は絶対に諦めない。
御姉様達を説得するし、ンフィーを口説き落とす。
そしてンフィーが御姉様に認められるよう頑張る。
もしも、ンフィーが盗られそうになったら私はソイツを全力で殴り飛ばしてでも取り返してやる。
ンフィーは私のだ。
感想放置ですみませんでした。
今晩にでもお返事を書こうと思います!
《アニメ。オーバーロード二期を見て》
分かっていたけどトカゲの恋愛というか、ラブコメを見てるとなんかこうジワジワくるものがありますね。
そして4話のアインズ様マジ魔王様w