クラスメイトの放課後の雑談、そして学校の屋上でのやりとり。よく読んでみれば何やら話がおかしいような気もします。

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第1話

どこにでもある学校のどこにでもあるクラス。当然のように男子は男子と女子は女子とグループを作り、中立の人間は慎重に、どこかの派閥にいるならばメインの人間を立てるようにして、表面上は平和なクラスを演出していた。しかし、それはどこにでもあることであり、特筆すべきことではない。それよりも驚くべきことがあるのだ。

 

「……しっかし、未だに信じらんねぇよな。学校一の美少女と称されているカエデが、お前の彼女だとはな」

「あははっ、まぁ、確かにそうだよね。僕は結構地味だし、この二年間基本的に喋らない主義で通してたし、それにまだこのクラスにしか知られてないんだよね。まぁ、色々と厄介だから無闇矢鱈に話さないでね」

「確かに。アキラとカエデが恋人同士なんて、なんかこう、色々とややこしいことが起きそうだな」

「このクラスのみんなはちゃんと受け入れてくれたけどさ、それでもやっぱり、こう、思うところがあるみたいだし、からかわれたこともあったしね」

「まぁな。何せ――」

 

「ねぇねぇ、カエデ。カエデはさ、一体アキラのどこを好きになったの?」

「ん~、なんだろうな。ちゃんと私のこと思ってくれてるところかな。アキラって教室じゃ暗いとか地味とか物静かなイメージがあるけど、あれって全部演技なんだよね。私はアキラと中学同じなんだけど、運動神経がどの男子よりもずば抜けて優れててさ、それで嫉妬っていうかなんていうか、虐められてたことがあったんだ」

「そうなの? そういえば、カエデとアキラが通ってた中学校から、この学校に来た人っていないよね。それと何か関係あるの?」

「うん。それで中三の時にアキラに告白されてさ、その中学校からかなり離れたこの高校に二人で入学したの。幸い、私とアキラの両親って結構仲いいから、同棲とかもすぐ許してくれたしね。まぁ、両親にはまだ付き合ってることはまだ言ってないから、それ言ったら変わるかもしれないけどね」

「そうなんだ。それで?」

「うん。それで、一回だけ私、変な人に連れ去られそうになったのよね。その時に一度だけ「カエデに手を出すなら殺す!」って叫んでボコボコにしてくれたことがあったのね。それで、ああ、愛してくれてるんだな」って、あの時は改めて惚れちゃったのよね」

「うわぁ、ノロケないでよ」

「えへへへ、いや、だってやっとこういう話が出来るようになったんだよ? 今まで我慢してた分、数万倍ノロケないと」

「まぁ、二年間も隠し通してたら反動とか凄いだろうね」

「本当だよ。もう、しんどいったらしんどい。けど、隠さないといけない理由は分かるでしょ?」

「まぁね。何せ――」

 

「意味が分かんねぇ。俺のことを振った理由が、アキラのことが好きだからだと?」

「落ち着けって。カエデがアキラのこと好きなんて、そんなのあり得る訳ねぇじゃねぇか。男避けとか、そういうことなんじゃねぇの?」

「そうだろうけどさ! でもなんでよりによってアキラなんだよ」

「そりゃ、俺にも分かんねぇけどさ、何か縁でもあったんじゃねぇの?」

「まぁ、そうだよな。何せ――」

 

「えっと、君は確か、隣のクラスのケイスケだっけ? 僕に何のようなのかな?」

「その、えっと。実は……」

「あぁ、待って。待って。ごめん。忘れていた。そういえば、そうだったね。僕はそうだった。あのクラスメイトが特別なだけで、普通はそうなんだね」

「……?」

「ごめんね。何回も何回も謝るね。だけど、僕は君の気持ちには応えられない。僕はね、君が思っているような人間じゃないんだ」

「あの、何を言って?」

「知ってる? キリンって同性愛があるんだよ。カブトムシもオス同士で交尾をするんだよ。同性愛なんてあり得ないとか、性同一性障害なんてまやかしだとか、生物の本質とかなんとか、理論をまくし立てる馬鹿がいるけど、そんなのは理想の押し付けかただの無知でしかないんだ。だから、同性愛とか、そういうのは、僕的にはいいと思うんだ」

「…………」

「だけど、それでも僕は一つ条件が付くと思うんだ。それは、両者が納得しているってこと。逆に言えば、納得していれば物であろうが人であろうが他の動物であろうが、恋愛してもいいんだよ」

「あの」

「まぁ、回りくどくなったけど、ケイスケ。僕は君の想いには応えられない」

「っ、どうしてですか!」

「だから、さっき言ったじゃんか。それに僕には恋人がいるからね」

「カエデさんのことですか? でも、そんなのはおかしいじゃないですか! どうしてカエデさんがアキラさんの恋人なんですか! 何せ――」

 




――の続きには共通した文章が入ります。
よく考えてみてください。ヒントは全て本文に書かれています。

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