風邪を引いたらシンフォギア装者が看病してくれた(旧題:風邪を引いたらきりちゃんがデスデス言いながら看病してくれた) 作:リベリオン
遅れてすまない、色々と立て込んでいてね。このテキーラはほんのお詫びとサービスだ。
とりあえず出来たんだけど、1つだけ注意して欲しい事がある。
きりちゃんが好きで好きでたまらないって人は相応に覚悟してほしい。
いや、きりちゃんは好きだよ? シンフォギアのキャラは皆好きだ。
でも自分の中で1番好きなキャラは? と訊かれたら、間違いなくクリスちゃんと答えるんだよ。
だから、きりちゃんが好きな人、そして翼さんが好きだと言う人には、こう言いたい。
お み ま い し て や る 。(大泉さん風
それじゃあ本文どうぞー。
「祝☆完全復活おめでとお~!」
「デーッス!」
……………。
わいのわいのと騒ぐ響&切歌。周りにはとりあえず付き合ってあげるか、みたいなノリの未来に調、クリスちゃんに翼さんとマリアさん。
近所のファミレス、全員にドリンクは行き渡り、定番とも言うべき山盛りポテトフライは注文済み。
あ、ごらんの通り風邪は完治しました。あれから本気を出して回復に努めましたよ、ええ。
熱は無事下がり、体調も万全。完全復活を果たしていざ学校へ!――と繰り出したのが『2日前』のこと。
はい、2日経ちました。治ってから。
「いやぁ~、ずっと心配してたんだよ! 結構風邪が長引いてるって聞いて大丈夫かなって心配してたんだ!」
「でも響がお見舞いに行ったら2人とも騒ぎそうだし、私が止めていたんだよ」
うん、響さんや。心配してくれていたのは嬉しいんですが、気持ちだけで結構でした。未来さんが怖いですから。
それより気になってるのが、なんで2日たった今にお祝いなんてするんですか。
「本当は登校してきたその日にって思ったんだけど、みんなの都合が合わなくて今日になっちゃって……」
あはは…と苦笑いする響になるほどねえ、と納得。
確かに自分でも驚くくらい(自業自得なんだけど)休んでいたが、こんな催しはちょっとオーバーじゃないかと気が引けてるんだ。
「なに言ってるんデスか! あなたがいなかった間は……そう! 梅干の入ってないおむすびみたいな感じだったんデェス!」
「それってただの塩むすびだよね、きりちゃん」
「……はっ!?」
うん、相変わらず調の冷静かつ的確な突っ込みは見てて安心する。
けど梅干と同レベルの存在なんですか、自分。食べて残った種は吐き捨てられる存在ですか。
「さすがに梅干はかわいそうだよ切歌ちゃん。せめてラムネが入ってないソーダキャンディくらいじゃないと」
「おおっ! そうデスね!」
あの未来さん、フォローしてくれてるのかもしれないけどそれは本当にフォローなんですか? 梅干と同じレベルですよそれ! そして切歌も納得しないでっ!
「うーん、私は酸っぱいのより甘い方が良いかなぁ」
それはマジなんですかボケてんですか響さんっ!?
「どーにかしてくれよ、先輩」
「はっはっは、良いではないか。こうして彼が戻ってきてくれて元通りになったのだからな」
呆れたクリスちゃんが翼さんに助けを求めるけど、防人モードじゃない翼さんってボケる事多いからミスだったようだ。
あっ、そうだ。ねえねえクリスちゃん。
「っ! ふんっ!」
ぷいっ。声を掛けたら慌てて顔を背けられた。がぁーんっ! やっぱ嫌われたのかぁっ!
「あれ? クリスちゃんと何かあったの?」
自分とクリスちゃんの間にただならない様子を感じ取ったのか、響が顔を覗き込みながら訊ねてきた。
いや、風邪で休んでいた時にクリスちゃんがクッキー焼いてくれたから、そのお礼が言いたかったんだけど……。
「「えぇ~っ!?」」
ありのままに起きた出来事を説明すると、聞いていた響だけじゃなくて未来まで驚いたんですけど。
「詳しく聞きたい! 何があったの? ねえ教えてよ~…ぴぎゃぁっ!」
「響ぃっ!?」
目を輝かせながら追求してきた響が、突然尻尾を踏まれた猫みたいな叫び声を上げて飛び上がって周りは目を丸くする。
悲鳴を上げた響は涙目で左膝を抱えていて、見ると脛が赤くなっていた。
「な…何するのクリスちゃん~!?」
「知るかバカッ! あたし急用思い出したからもう帰るっ!」
そう言いつつ、テーブルにお金を叩きつけるとこっちに目もくれずクリスちゃんは店を後にしてしまった。
ジャ・ジャ・ジャ・ジャアーンッ!(ベートーベン『運命』交響曲第5番第1楽章より)
オワタ……完全にオワタ。クリスちゃんに嫌われた……。
「ど……どうしたんデスかクリス先輩。ってあなたもどうしたデスか!? 真っ白になってるデスよ!?」
「これが有名な「燃え尽きたぜ……真っ白にな」ってやつなんだね」
漂白、どころかそのまま線画まで行った自分の姿に仰天した切歌がグラグラと揺する。確かにそんな心境なんだが、なぜ調がその台詞を知ってるのか。それ何十年前の作品だと思ってるんだと。
「いったいどうしたというのだ、雪音は……?」
「あー……なんと言うかあれよ。意識しすぎてるのよ」
「どういうことなんだマリア?」
「それは本人たちの口から聞くほうがいいんじゃない?」
そう言ってこっちを見るマリアさん。つられてこっちを見る残ったみんな。こっち見んな……なわけにもいかんですよね。中心人物ですから。
でも根掘り葉掘り包み隠さず言わなきゃいけないんですか?
「言わなきゃいけないね」
「言わないといけないよ」
「言わなきゃダメデス」
「言わなきゃダメだよ」
「言わないといけないな」
「要するにみんな気になってしょうがないってことよ」
……はい。包み隠さずさらけ出します。
/
「「おおおおぉぉぉ~!?」」
女の子ってコイバナ本当好きだよね。包み隠さず全て言ってしまいました。
と言うか、特にひびみくの食いつきっぷりが半端なかったです。そう言えば良子さんのコイバナにも興味津々でしたっけ。
まあ、と言うわけで勢いで告白したものの、直後にシャングリラシャワーと言うみっともない醜態を晒してしまいうやむやになっちゃったんですよ。
「なんとも君らしいオチをつけたな……」
はい…自分で自分に突っ込みたいオチです。
「けど納得かな。最近のクリスって挙動不審と言うか、ソワソワしてる感じがしたから」
「そう言われてみるとそうだったかもなぁ~。常に何かを気にしてる感じだったよ」
凹んでテーブルに突っ伏した自分の姿を見ていたひびみくの2人が思い出したようにポツリ。
「確かにあの子の性格からして、こんなに積極的に動いた後なら周囲の目を気にしそうね」
「じゃあ、まだ先輩を意識してるってことじゃないかな」
なのかなぁ。してくれてるといいなぁ。ワンチャンあると思う?
「それは先輩次第だと思う……ね、きりちゃん?」
「…………」
「…どうかしたの? きりちゃん」
「――ひゃいっ? な、なんデスか?」
「なんだかボーっとしてたみたいだけど……」
「な、なんでもないデスよ! いやー、ポテトがおいしいデスねー」
「じー……」
なんだか反対サイドのしらきりが騒がしいな。どうかしたの?
「いやいや、なんでもないデス! チョコレートパフェでも頼むデスかねー!」
「……食べすぎだよ」
うん確かに。山盛りポテトやらピザやらもあるし、これ先に片付けないと。
まあ人数は多いし、ポテトの早食いは得意分野だからすぐ食べ終わるかぁ~……。もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ……。
「ボーっとしながらただひたすらにポテト食べてる……」
「クリスのことがよっぽど気になって、心ここにあらずって感じだね」
そりゃあ気になりますとも。って言うかこれは男女問わず気にならない? その場で即返事をもらえたならまだしも、タイミング失ってどうにも出来ないこのもどかしさ。
あーもーどうすればいいのこれ。クリスちゃんがあの調子だと当分避けられるパターンじゃない。
「確かにクリスならやりそうかも。普段気が強いけど、あれで実は結構な恥ずかしがり屋でもあるから……」
「――だったら! 私たちで応援しようよ!」
こっちの状況に納得し、多少なりとも同情の意を示してくれた未来に被せるように声を上げた響に、周りはぽかんとしながら言い出した響を見た。
えっと……いきなり何を言い出すのかなこの子はって思ったけど、響の思い付きは意外といつもの事だったっけ。
で、何をしようってのさ?
「だから~! 君とクリスちゃんがくっつくように私たちで影ながら助けようって話だよ!」
「要するにいつもの人助け……に、なるの? でもこういうのは本人たちで解決するしかないんじゃないかな」
「解決しようにも、クリスちゃんあの調子だとずっと逃げ回りそうだよ」
「確かに……さっきの反応だと彼を避け続けそうね」
「ですよね? クリスちゃんだってきっと思いは同じなのに、言い出せなくて見ているこっちがヤキモキしますよね! と言うことで、ここは私たちが一肌脱ごうってわけですよ! 何より友達としては放っておけません!」
拳を握ってなんだか力説しているけど……もしかしてほんのちょっとは楽しんでないですか、響さん。
「うぇぇっ? そ、そんな事ないよ……?」
「……まあ、響がちょっとノリノリかどうかはさておいて、確かにこのままってわけにもいかないよね。私もちょっと手伝おうかな」
おぉ……理由はなんであれなんだかんだ言っても、手伝ってくれるのはやっぱり嬉しいですっ!
「ありがとう未来! 未来ならそう言ってくれるって信じてたよ! みんなはどう!?」
「私は構わないわよ。と言うより元々応援するつもりだったから。翼たちはどうするの?」
「あ……ああ。そうだな、私もできる事があれば手伝おう。恋愛事に関しては経験はないが……荒事に関しては任せてくれ」
「いやそれどんなフォローよ」
むしろ告白の返事貰うためだけに荒事になるって言う状況が気になるんですけど。戦場で告白ってそれなんてアニメですか?
「響先輩ナイスアイデアデスよ、とーぜんあたしも協力するデェス!」
「きりちゃん……」
ありがとう、ありがとうっ、切歌……! 時に調はどうなんでしょうか?
「えっと、あの……」
「ええっ、調は手伝わないデスか!?」
「そうじゃないけど……でも、きりちゃんはそれでもいいの?」
「いいに決まってるデスよ!」
調ってば何言ってるんデスかねー、とからから笑う切歌を調はなんとも言いがたい目で見つめている。なんだろう……何か言いたげだけど、言うのを迷っているような?
やっぱり何かあったのかと訊ねてみるけど、切歌はこっちの話デース! とはぐらかしてしまう。
2人だけの問題……って事なのだろうか。関わってほしくないなら無理に首を突っ込まない方がいいのかもしれない。それで問題がややこしくなる事だってあるだろうし。
「じゃあ皆手伝う……って事で、良いのかな?」
改めて響が確認すると、皆はそれぞれ頷いたりした。
ああ、素晴らしい友達に恵まれてるなぁと感極まって目から汗が流れそうになる。一部思惑とかあるみたいだけど、前向きに応援してくれてるみたいだし。
「よーし、それじゃあクリスちゃんと君が結ばれるように、景気づけにぱーっとやろう!」
「さんせーデェス! それじゃあもう1度乾杯デース!」
いや、あんまり騒ぐと周りに迷惑掛かるからほどほどに……って聞こえてないし。
にしても……応援してくれるのは有り難い、それは紛れもなく本心だ。けど……本当に大丈夫なのかなぁって不安も拭えないんですが。
「大丈夫! へーき、へっちゃら! 泥舟に乗ったつもりで安心して良いよ!」
「泥舟じゃなくて大船だから! それだと沈没するから!」
うん、やると思ってた。お約束みたいなものだし。
本当に大丈夫なんだろうか……やっぱり不安だよなぁ。
インターミッション的な今回。
あ、きりちゃん好き、翼さん好きな方々、まだ『お見舞い』は終わってないですよ? 覚悟してくださいね(にっこり