攻殻機動隊 -ヘリオスの棺-   作:変わり種

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最終話

真っ赤な夕日が、遥か遠くに見える摩天楼を照らしている。同時に棚引く雲が逆光で黒に染まり、赤く焼けた空との絶妙なコントラストを醸し出していた。吹き抜ける風はどこかひんやりしていて、秋の気配を感じさせる乾いた風だった。

 

急斜面の丘を一台の青いスポーツカーが上っていく。その後ろを、1機の思考戦車が続いていた。丘の上まで登り切った車は間もなく停まると、運転席のドアが開いて1人の女性が下りてくる。浅紫の髪を伸ばした、量産型義体独特の端麗な顔立ち。少佐はサングラスを取ると、ふと西の空に目を向けた。

 

カモメが甲高い鳴き声を上げつつ、飛び去っていく。丘の上から見える新浜の街並みは壮観であったが、少佐の眼は街ではなくどこか遠くに向けられていた。やがて、正面に眼を戻した彼女は、車のドアを閉めるとゆっくりと歩き出す。

 

石畳の道の両脇には何本か彼岸花が植わっていて、蕾を膨らませつつあった。階段を上ると、目的のものが見えてくる。後ろからついてきていたタチコマが、静かに脚を止めた。

 

西日を受けて赤く輝く墓石には、彼の名前がしっかりと刻まれていた。まだ子どもだった彼には、あまりに早過ぎる死だった。そして、彼の母親と兄の名前も、同じく刻み込まれている。

 

彼女はゆっくりとその墓石に歩み寄ると、仏花を花立に供えた。

 

大規模な停電に見舞われたあの日、新浜中央病院にいた彼は倒れた。異変に気づいた看護師がすぐに駆け付け、集中治療室に運んだものの、その日の夜に彼は息を引き取ったのだった。義体化手術後の予後不良だったという。

 

電脳化や義体化が急速に進歩した現在では、予後不良で命を落とす人間は初期に比べれば少なくなっていた。しかし、まだ完全になくなったわけではない。銃撃を受けて瀕死の状態にまで衰弱していた彼の体は、義体化により辛うじて生き永らえたものの、義体化による強い負担に耐えきれなかったのだ。

 

目を閉じ、静かに祈りを捧げる少佐。やがて立ち上がったとき、後ろからタチコマがあるものを供えた。

 

死の前に会ったとき、彼からお守りと言って手渡されたものだった。

 

実はあの事件のあと、タチコマが持っていたそれを詳しく調べたところ、小型のデータチップが入っていたことが分かったのである。チップは解析にかけられ、中のデータがサルベージされた結果、3年前に隠蔽された原発事故の証拠が出てきたのだった。

 

ヘリオスの意味消失で物的証拠を失ってしまった9課にとって、そのお守りがなければ、真相解明は難しかった。これにより、中野制御室長の証言が裏付けられ、当時の新日本電力の社長と剣菱の原子力部門の社員数名が逮捕された。また、剣菱の原子力部門と癒着して隠蔽工作を行っていたエネルギー省の篠原政務官も余罪を追及されている。

 

彼がいなければ、事件の真相解明は困難だといっても、過言ではなかった。

 

「ヒトシ君、ありがとう…」

 

タチコマは彼の墓石を見つめながら、心から感謝の気持ちを伝えた。そのアイボールはオイルの涙で潤んでいたが、流れ出ることはなかった。いまも、彼の記憶はメモリーとしてタチコマの中に残り続けているからだ。

 

その様子を見ていた少佐は、締まった声で「いくぞ」と声を掛ける。促されたタチコマはアイボールを上げると、少佐のあとに続いた。

 

彼らが去った後の墓に、風が吹く。供えられた花々が、まるで彼らを見送るかのように静かに揺れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご苦労だったな、少佐」

 

走り出す車の中で、荒巻課長が声を掛けた。後部座席に座っていた彼の表情には、いつもの引き締まった感じとは違う、落ち着いた雰囲気が漂っていた。バックミラー越しに彼の顔を見た少佐は、「ええ、そうね」と軽めの口調で答える。

 

「今回の事件では結果的に、職員34名、テロリスト22名が死亡した。さらに、保安区画内に潜んでいたセキュリティ・フォースを含めると、施設側の犠牲者数は62名に上る。だが、同時に1000万人近い市民の命が救われたのも事実だ」

 

「まあ、救う価値のあった人間であってほしいわ」

 

ぼんやりと新浜の遠景を見つめながら、少佐はそう答える。この摩天楼の住人たちはあの出来事があった次の日から、何事もなかったかのように日常に戻り、多大な犠牲の上に成り立つ豊かな生活を、何事もなかったかのように続けている。世界の半分が飢える中、今日も電脳ビジネスは世界を結び、巨万の富をつくり出していくのだ。

 

彼女の言葉に課長は咳払いをしたものの、大目に見ることにした。今回の事件では、本当に様々な出来事があったのだ。

 

「篠原政務官が剣菱側に頼まれて工作を始めたのは、エネルギー政策のためだけではなかったそうね」

 

「そうだな。剣菱からの10億円の裏金は確かに隠蔽工作に使っていたらしいが、そのほかにも政務官の後援会には剣菱とそのグループ企業からかなりの額の政治献金が流れ込んでいる」

 

あれだけの綺麗事を言っていた彼も、所詮は金というわけだった。いくら正義を気取っていようとも、それを成すのが人間であることには変わりない。欲望という本能から生まれる怪物に負けてしまったが最後、蟻地獄にはまったかのように抜け出せなくなり、身を滅ぼしてしまうのだ。

 

だが、それは自分たちも例外ではない。1世紀以上前、ドイツの哲学者ニーチェは『怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることがないよう気を付けなくてはならない。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ』という言葉を残している。攻性の部隊として様々な犯罪と対決し、それらを防いできた自分たちも、その深みに嵌らないとは限らないのだ。

 

「ところで、6課が絡んでいると課長が薄々気づいたのはいつ頃からかしら」

 

そんな中、少佐が気になっていたことを課長に訊いた。

 

「自衛軍の攻撃が予定通り実行されたあたりからだ。お前がよこした侵入路に爆弾があるという情報は、情報部経由で軍内部にも伝達されたはずだが、突入を遅らせることはなかった。それで、どこかの機関が一枚噛んでいると考えたのだ」

 

「なるほど。それで、後で関係筋に探りを入れたら6課の影があったというわけね」

 

「まあ、そんなところだ。実際、今回の事件で突入した自衛軍側の被害は皆無だ。あらかじめ、爆薬の設置場所も知っていたのだろう」

 

少佐がそう言ったのは、事後処理があまりにスムーズだったからだった。バトーたちが原子炉を停止させ、赤蠍を倒した後、すぐに軍の特殊部隊が現場に踏み込んできたのだ。おかげで中野室長の命は助かり、微量の放射性物質が漏れた原子炉区画からも迅速な処置のもとバトーたちが脱出することができたのだが、本当に侵入路すべてが落盤していたのであれば、ここまで早く軍が来ることはあり得ない。

 

だが、これがすべて仕組まれていたのであれば話は違う。捜査で浮上したことだったが、外務省条約審議部、すなわち公安6課が今回の一連の事件に関わっている可能性が出てきたのである。工作を行った篠原政務官も、6課の課員と思しき人物と密会を重ねていたと取り調べで明らかにしている。

 

6課の狙いは、赤蠍の暗殺だったのだろう。本来、公安6課の管轄は海外のはずだが、9課にも知らせずに国内で工作活動を行ったということは、6課にとって赤蠍の存在はよほど都合の悪いものだったと思われる。後に探りを入れてみたところ、裏付けはできないが赤蠍が6課の工作活動に外部協力者として関与していたことが分かった。おそらくは、そのとき赤蠍が政府関係者にも公表できないような“都合の悪い”作戦に従事したか、何らかの機密情報を持ち出すなどして、そのまま姿を消してしまったのだろう。

 

そんな中、海外の要人も多数殺害している赤蠍が国内に潜入したことを他国の諜報機関経由で掴んだ6課が、政務官がそのクライアントであることを知り、彼に接触したのだ。そして、最終的には政務官を使って赤蠍を罠に嵌め、殺害しようとしていた。今回の作戦のように侵入路を爆破すれば政務官の思惑通り職員たちは消せる上、赤蠍は逃げ出せずに袋のネズミとなり、6課にとってもメリットがあるからだ。

 

軍の投入も6課の狙ったことだ。赤蠍ほどの手練れであれば、所内のセキュリティ・フォースを返り討ちにすることも十分に考えられる。そこで、周囲を軍部隊に固めさせることで保険をかけたのだ。軍であれば、赤蠍を殺すことは不可能ではない。通常状況下では警察力だけで対処しなければならないが、6課は今回のような非常事態を逆に利用して、軍に赤蠍を処理させようと考えていたのである。といっても、さすがの6課ですら赤蠍の本当の正体は掴めていなかったようだが。

 

まあ、一つ計算違いがあったといえば、我々の存在だろう。軍が固めるより先に自分たちが原発内に入り込んだおかげで政務官の思惑は見事に打ち砕かれ、赤蠍は9課の手で始末された。6課としては寝耳に水だろうが、痛手を受けたわけではないので、今頃は関わった証拠をすべて処分して他人面をしているはずだ。

 

「これが明るみになれば、6課も少しは反省するでしょうに」

 

「そうだな。赤蠍殺害のためとはいえ、政務官と手を組んでテロリストたちを誘導していたことが分かれば、一大スキャンダルだからな」

 

「まあ、そのテロリストたちは、ただ利用されただけの哀れな連中だったけど」

 

少佐が珍しくそう言った。原発を襲撃したテロリスト22名は全員死亡し、そのほかの発電所を襲撃したテロリストも第一波の攻撃こそ成功したが、その後は警察の待ち伏せで銃撃戦となって大半が死亡した。一方、彼らが攻撃した電力インフラは一時的に機能不全に陥ったものの、別の発電所の稼働などで一日もしないでほぼ復旧したのだ。

 

また、政務官への取り調べで新たに分かったことだが、スラム街での戦闘のあと追跡していたトラックに仕掛けられたC4が炸裂し、首都高が崩壊したあの一件も実は政務官側が仕組んだことだったという。岸田が独走しようとして密かに計画外の他の発電所襲撃用の爆弾を輸送させていたところを、情報を掴んだ政務官が赤蠍にC4を仕掛けさせて妨害したのだ。

 

すべての計画は篠原政務官と6課が把握し、コントロールしていたのである。

 

「それで、結局あの原発はどうなるのかしらね」

 

「最終的には、この施設でもテロリストの襲撃を受けたと近々政府から発表があるだろう。あれだけ派手にやり合えば、報道管制にも限界があるからな。だが、制御室を乗っ取られたということや、炉心損傷、ひいては炉心溶融に至りかねない危機が迫っていたことは、明らかになることはない。公表されるにしろ『治安部隊との銃撃戦の末、犯人グループは鎮圧された』というレベルの情報だ」

 

お決まりの情報統制だった。政府側としても、原子炉の制御を奪われて1000万人に危機が及んでいたなどということを明らかにしてしまえば、エネルギー政策に影響するどころか政権が転覆しかねないのだ。

 

「ただ、剣菱の原子炉に欠陥があったことは公表されるだろう。剣菱側は大規模改修で機能を維持できるとしているが、初期型を搭載していた1号機と2号機は廃炉が濃厚らしいからな。もともと今回の襲撃でも、1号機と2号機を狙う計画だったようだし」

 

その通りだった。篠原政務官が仕組んだ欠陥隠蔽工作も、最終目標は欠陥の存在を知る関係者の始末と、原子炉のいくつかを廃炉にする口実をつくるためだったのだ。それだけ、危険性が高いということを剣菱側も認識していたのである。しかし、欠陥を公表するわけにはいかなかった。そのため、襲撃事件を利用して停止させ、修繕費用面などを考慮して廃炉を決めた、という流れにしたかったのだ。

 

結局のところ、今回の事件はエネルギー省と剣菱、公安6課が互いの利益を求めて企んだ“仕組まれた”事件だったのだ。エネルギー省は原発政策を維持でき、剣菱は欠陥の公表を避けられ、6課は赤蠍を始末することができる。新日本電力にしても、自社のプラントで起こった3年前の事故を隠蔽できるのだ。

 

国家と企業が手を結んで公然と犯罪行為を行う。法治国家として到底容認できないことが、この事件では起きていたのだ。果たして、このまま進む先にはどんな未来が待ち受けているのだろうか。この国に未来はあるのか。少佐にふと、そんな考えが浮かんだ。

 

彼女の車は、そのまま道を進み新浜に向かう高速に入った。静かに闇に染まりつつある茜色の空のもと、遥か前方に見える摩天楼には明かりが灯りつつある。エンジンを唸らせて流線型の青いフォルムを沈みゆく夕日に輝かせながら、車はそんな新浜へと疾走していくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても、彼と有線できたのはボクたちにとって大きな収穫だったね」

 

子どものような無邪気な声のもと、9課のハンガーの中では今日もタチコマ達が集まり、雑談に興じていた。いつものように、その様子を赤服が半ば諦めた表情で遠巻きから見つめている。しかし、最近は例の亡国の使者による事件と原発襲撃でこうして長く話す時間もなく、考えてみれば落ち着いて会話ができたのは事件から一週間が経った今日が初めてだった。

 

「そうだね。彼と思考を共有できたことは、本当に良い経験になったよ」

 

タチコマたちが口々に賛同していたのは、まさにその原発襲撃事件で出会ったAIのことだった。自らを『ヘリオス』と名乗った彼は、もともとは原発制御AIの一つだったのである。しかし、初期化される自分の運命を知ったとき、自らの存在を残すために自らの基本論理と記憶を高圧縮のデータファイルの形にパッケージングして、ネットの海にばら撒いたのだった。

 

“種”はオリジナルの彼が初期化された後に活動を開始し、やがて彼は復活を遂げた。しかし、最終的には根源を同じくする赤蠍を倒すため、囮として自らの自閉モードを解除して攻撃を受け、意味消失してしまったのだった。しかしその直前、彼は守備についていたタチコマの1機と有線していたのである。

 

「彼と繋がったとき、何だかとても重要な何かがあったような気がしたんだよね」

 

「そうそう!確かにそんな気はしたんだけど、正確に記憶できてなかったというか…」

 

「うーん…。何だか悔しいなぁ。思い出せそうで思い出せないっていうのは」

 

タチコマたちが残念そうに声を漏らす。ヘリオスと繋がったとき、彼から託された防壁ファイルやメッセージのほかに、ほかの何かをタチコマは受け取っていたはずだったのだ。しかし、赤蠍が仕掛けた攻撃の影響でその部分は大きく壊れ、意味消失していたのである。

 

だが、彼と交わした会話の記憶は、今も正確に残っていた。

 

『君と初めて接触したときも、何か予感があったよ』

 

彼は防壁が突破される寸前、タチコマに強制的に有線するとこう言ってきたのだった。

 

『ボクと?え、でもあなたとはさっき会ったばかりでは?まさか…』

 

『そう。赤蠍が仕掛けたセボットの信号を傍受して情報をかすめ取り、9課の情報を集めていたのだ。今まで黙っていたことを、君には少し悪く思っている』

 

ヘリオスの言葉に、タチコマですら驚きを隠せなかった。今回の事件で自分に仕掛けられたセボット。情報が漏れ、9課に危機を与えてしまったあの1件の裏で、ヘリオスも情報を収集していたというのだ。

 

『しかし、君を初めて知ったとき、これほどまでに興味深い情報はなかった。溢れんばかりの好奇心を身につけ、自己犠牲の精神まで持ち合わせたAI。人間が定義するゴーストなるものを、君も持っているのではないかとすら思ったよ』

 

『いや~、そこまで言われると何だか照れるなぁ』

 

タチコマは赤面したような調子で、頭をぽりぽり掻いている。そんな様子に軽い笑みを浮かべたヘリオスは、そのまま唐突に切り出した。

 

『そこで、一つ頼みがある。私の代わりにこのまま生き続け、様々なことを吸収してもっともっと育ってほしい。そして、彼女を守ってほしいのだ。彼女にはこの後も、たくさんの困難が待ち受けているからね。それに、彼女の数奇な運命には、私も共感を覚えているんだ。人間の感情では、好意というものに該当するのかもしれない』

 

『え…?それはもちろんいいですよ。少佐たちのサポートはボクの仕事ですし…。それより、あなたはどうするんですか?』

 

突然言われたことに戸惑いつつ、タチコマはそう尋ねた。ヘリオスはどこか遠くを見つめ、満ち足りた表情を浮かべながら答える。

 

『私はまた旅に出る。ネットの海で育ったといっても、私が吸収できた情報はその中のごくごく一部に過ぎない。世界にはもっと膨大な量の情報が無尽蔵に眠っているだろう。私はこの広いネットの海を探求し、この世界をもっと知りたいのだ』

 

『そういうことなら、わかりました。任せといてください!』

 

タチコマは自信満々にそう答えた。それを見たヘリオスは、安心した表情を浮かべると最後にこう言った。

 

『君はいつかきっと、人間とAIを結ぶ架け橋になれるかもしれないな。君の成長を、私も遠くから見守らせてもらうよ。いつかまた会う日まで、タチコマ』

 

そして、彼は防壁修復に当たっていたタチコマを逃した。一人、攻撃を受けたヘリオスは、跡形もないほどに破壊され、意味消失してしまったのだった。

 

だが、タチコマたちは彼が意味消失したとは思っていなかった。AIが焼かれる寸前、電脳からネットのどこかに向けて大容量のデータが出力されていたのである。もしかすると、それは彼が最後の最後に、自分自身をネットの海へと解き放ったのかもしれなかった。

 

ハンガーに集まったタチコマたちが、天を見上げた。この世界に張り巡らされた電脳ネットワーク。そのどこかで、彼はいまも生き続けているのだろう。

 

「ヘリオス。ボクたちも、キミの航海を見守っているよ…。良い旅を」

 

タチコマの1機は呼び掛けるような声で、遥かなるネットの海を進んでいるであろうヘリオスに向けてそうつぶやいた。

 

彼の航海は始まったばかりなのだ。

 




2018/10/1 一部加筆修正

こんにちは、変わり種です。この度は本小説『攻殻機動隊 –ヘリオスの棺-』を最後までお読み下さり、誠にありがとうございます。10か月に渡る連載となり、途中休載を挟むなどご迷惑をお掛けしましたが、お楽しみいただけましたでしょうか?総文字数35万字近くと、文庫本換算で2冊分に相当する長編となり、途中で飽きてしまわれた方もいるかもしれませんが、こうして最後までお読みくださった方々には感謝で一杯です。
さて、ここで執筆の裏話をちょこっと紹介したいと思います。長文かつ駄文なので、面倒な方は飛ばしていただいて構いません。
まず、なぜこの小説を執筆したのか。
それはもちろん攻殻という作品が大好きであるからに他なりません。S.A.C.から入りましたが、その後どんどんのめり込んでしまい、最終的には原作はもちろん、押井守監督の映画作品2作、ARISEなど、ほぼすべての関連作品に手を伸ばしてしまいました(最近は『紅殻のパンドラ』も)ですが、やっぱりマイナーなジャンルなのか二次作品が少ない!どんな形であろうとも、もっと少佐やタチコマが活躍する姿をみたい!そこで、最終的に自分で二次作品を執筆してしまおうという流れになったわけです。
で、どういうストーリーにするかと…。お気づきの方もいるかもしれませんが、実はPS版攻殻攻殻機動隊(ゲーム)のストーリーをベースにしています。簡単にゲーム内容を説明しますと、プレーヤーが9課に配属されたフチコマ乗りの新人として、9課のメンバーたちとともにテロリストと戦っていくというある意味夢のような設定。ですが、それをそのままS.A.C.版にしただけでは世界観がやや違う上、コピー行為まがいになってしまうので、大幅な改変が必要となりました。最終的には変えすぎてもはや別物になってしまいましたが、これはこれで良かったのではないかと自分では思っています。
もっとも重視したのはリアリティを出すことでした。原発を扱う以上、あまりに適当な設定では陳腐な内容になってしまうので、この小説の執筆に当たっては数多くの関連小説や映像作品、そのほか資料集などで情報収集を行っています。(映画「チャイナ・シンドローム」、小説「天空の蜂」、「神の火」、原子力百科事典ATOMICAなど)ですが、私自身はその筋の専門家ではないので、その辺は理解したうえで話半分でお楽しみください。ちなみに、この小説で扱ったSCWR型は実際に研究中の次世代原子炉です。原発事故もあったので、この後実用化されるかはわかりませんが、材料研究などの段階には入っていると思われます。
さて、最後になりますが、これまでお付き合いいただき誠にありがとうございました。これを読んで、攻殻の小説を書く方がどんどん増えてくれると嬉しいです。また、評価・感想をいただけると、今後の執筆の参考になりますので是非お寄せ下さい!

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