里を捨てた少年   作:落ち葉崩し

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第23話 復讐者VS人柱力

第5試合が始まる。

 

まず先手を取ったのはサスケ。

 

以前までとは桁違いのスピードで打撃を加える。

 

だが我愛羅は目を閉じたまま砂のガードで全てを防ぐ。

 

「くっ、全部砂がガードしやがる。だったらさらに速くだ!」

 

さっきよりもスピードが上がる。

 

我愛羅は目を見開き全てを把握する。

 

『やつから感じる、予選の時とは全く違う動き」

 

サスケの連打が止まる。

 

一旦距離を取り、相手の出方を伺う。

 

「お前は何のために力をつける?一月前とはまるで別人のような動き、さらには普通の上忍レベルに匹敵するスピードと威力。お前の強さを感じた。その強さはなんのためにある?」

 

我愛羅は足を止めたサスケにたずねる。

 

「俺は兄貴を殺す為に強くなった。一族を殺し、父さんを殺し母さんを殺した兄貴に復讐するため、そのためなら力をつけるさ、いくらでもな」

 

サスケは続ける。

 

「俺は、復讐者だ。やつを殺すことができるなら、俺はどんな修行にも耐えてみせる。どんな苦痛にだって耐えてみせる。それが俺のさだめだからだ」

 

サスケの言葉を聞き、我愛羅はナルトを思い出していた。

 

初めて会った時のナルトを。

 

こいつも同じ目をしている。冷たく、悲しい目だ。

 

「それがお前か、小さいな」

 

我愛羅が吐き捨てる。

 

「なに!?」

 

サスケが食ってかかる。

 

「じゃぁお前はなんだ!お前の強くなる理由は!俺の何が小さいんだ!」

 

サスケの飛び蹴りが我愛羅を襲うが、砂のガードに触れた瞬間足を砂で掴まれ、そのまま投げ飛ばされる。

 

「そんなちっぽけなもので強さを求めるなら俺には勝てない。俺には守るべきものがある。お前のような安いプライドは持ち合わせていない。お前と違って今は家族もいる。だからこそ俺は強くなる。この両手で守りたい人がいる、守るべきものがある。それがないお前に強さなどない」

 

我愛羅は最初の立ち位置から全く動かない。

 

「お前はそのチンケな野望のためなら強くなれるといった。なら俺くらいかんたんにたおしてみろ、俺からは手を出さん。その代わりお前が力尽きた時、最後にとどめだけはさしてやる」

 

我愛羅が印を結ぶと我愛羅の上下左右前後全てに巨大な盾が現れる。

 

「守鶴の砂盾装」

 

サスケは我愛羅のセリフにかたを震わせる。

 

「いいだろう、これは使わないつもりだったが…」

 

観客席の壁の上に飛び上がりチャクラを放出する。先ほどのカカシと同じように腕に電撃をまとう。そしてそのまま走り出し盾を貫かんと突き出す。

 

「千鳥!!!」

 

会場が噴煙で包まれる。

 

 

煙が晴れるとたてに腕を突っ込んだままのサスケがいた。

 

ただ突き刺さっているのは手首までであり、盾は全く貫かれていなかった。

 

「所詮はそんなものだ。復讐などという憎しみの力は。憎しみは争いしか生まん。自分のために戦うのと守りたいもののために戦うのとではな。お前はまだ見つけられていないだけだ、守りたいものが。気付いてないだけかもしれない、近くにありすぎてな」

我愛羅は腕組みしたまま言葉を発する。

 

その言葉はサスケには届かなかった。

 

「何を綺麗事を!あの時俺は誓ったんだ!兄貴を超える、イタチを殺し、うちは一族を復興すると!」

 

我愛羅はサスケの叫びを聞いてため息をつく。

 

「お前は何もわかってない。大切なものができるということは、自分を大切にしてくれる存在がいるということだ。そしてその存在を守るために戦う。強くなる。そんなこともわからないのならお前は永遠に強くなれない」

 

そう言うと我愛羅は両手を前に掲げる。

 

「気が変わった。お前もここで潰す」

 

そう呟くとサスケの体を砂が包み込む。

 

 

「潰せるもんなら、潰してみろ!」

 

包み込み始めた砂が全て爆散する。

 

サスケの体には呪印が広がっている。

 

「我愛羅、今の俺にお前の技はもう通用しない。お前に勝って俺の強さを証明してやる」

 

サスケはナルトと同じようにチャクラで爆発的なスピードを出し攻撃を仕掛ける。

 

それでも砂はそれに追いつきガードする。

 

「お前の攻撃じゃ俺に傷一つつけられない」

 

我愛羅がサスケに告げるもサスケは止まらない。

 

「お前がそのつもりなら俺もお前を殺す気で行く」

 

 

我愛羅は印を結ぶと周りの砂が我愛羅に集まった。

 

 

途端に我愛羅は獣のような鎧を着たような姿になる。

 

「守鶴の鎧、砂塵」

 

我愛羅は右半身に鎧をまとい、周りには砂が舞っている。

 

 

サスケは怪訝な顔をしながらもまた千鳥で突っ込んでいく。

 

「千鳥!!!」

 

2発目の千鳥、先ほどとは威力が桁外れである。

 

ものすごい砂埃が舞い、それが晴れると会場の観客は驚きを隠せない。

 

サスケの腕から血が流れている。

それもおびただしい量である。

 

そして我愛羅は全くの無傷。

 

「お前の力はその程度だ。恨みとはその程度しか力をひねり出せん」

 

そう告げると倒れるサスケを鎧の腕で掴み締め付ける。

 

「ぐぁぁぁ!」

 

うめき苦しむサスケ、もはや印も組めず写輪眼も意味をなさない。

 

「貴様は俺がここで始末する。お前の負の連鎖はここで止める」

 

腕を上にあげサスケの頭を地面に叩きつけようと構える。

 

その瞬間我愛羅に悪寒が走る。

 

さらに我愛羅の耳に声が聞こえる。

 

『その子は私のものよ、離しなさい』

 

その言葉に我愛羅は周りを見渡す。

 

すると会場の屋根に白い影が見える。

 

その影はタンと飛ぶと闘技場に降り立つ。

 

それを見た火影は驚き声を上げる。

 

 

「なぜここにいる…大蛇丸!!」

 

 




ついに大蛇丸登場です
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