「以上が事の真相だ。今までナルトをナルトとして存在を認めようとしなかった者たちもおる。だが貴様らはナルトを悪者とし、自分たちのエゴで傷つけてきた。その報いは当然しかるべき措置を取らせてもらう。そして木の葉の子供たちよ。お前たちの中にも心当たりがあるものもおろう。だが過去は変えられん。だが未来なら今からでも変える事は出来る。それを心に刻め。だがすべての責任はわしにある。よってわしはここで火影の名を次の者に譲ることとした。こちらへ」
「私が5代目火影、綱手だ。私は先代様たちが守った木の葉の里を再建する。そして、これからの木の葉の里において、ナルトのことを蔑むことは私が断じて許さない。やつはこの里を守るため犠牲となった。生まれながらにだ。そんなやつをお前ら汚い大人たちは汚し、壊し、追い出したんだ。その罪はお前らの命より重いと思え」
そう告げると綱手は続ける。
「そして過去2年以内に下忍となったものたちに告げる。第3演習場に1時間後に集合しろ」
そう告げた綱手は踵を返す。
「これより里の再建に尽力せよ。それがお前たちに課せられた使命だ」
そう言うとそのまま綱手は去っていく。
火影の交代、子供達に真実を知られたこと。大人たちは動揺を隠せない。
子供たちも同じこと。自分たちがどんなひどいことをしてきたのか。なぜ友達にならなかったのか。なぜ、なぜ。そんな気持ちが胸の中に溢れてくる。
カカシ達は自分の班員に声をかけ、なんとか第3演習場に連れて行った。
集まった下忍はちょうど100人。
その前に綱手は立ち、話し始める。
「お前達には酷な話だったかもしれない。そしてこれが里の真実としれ。そしてお前たちこそ木の葉の宝なのだ。若いお前達がこれからの木の葉を支えていく礎になる人財なのだ」
「だが、半端な覚悟ではそれは務まらない。これは私がお前達を試すための呼び出しだ。お前たちはスリーマンセル、そして私は1人。それで私に膝をつかせることがお前たちの勝利条件、こちらの勝利条件は3人の戦闘不能だ。だがこれはに挑戦するかはお前たちの自由だ。そして挑戦しないものに関しては帰っていい。だが帰っていくものにこの里の未来を託すわけにはいかんからな。その場合上忍になろうがならまいが、そいつらに私は何も期待はしない」
そう告げられ下忍たちは押し黙る。
里を良くしたいとは思う。でも相手は伝説の3忍、万に一つも勝ち目はなく、最悪死に至る可能性すらあるのだ。綱手がそういう目をしていたからだ。
そこから10分も経たないうちに、中忍試験の1次試験を合格した者以外は全員そこから消えていた。残ったのはたったの11人、そして担当上忍は木陰からその様子を見守る。
「あんたたちはやるんだね?言っておくけど手加減はしないよ。そしてサスケが抜けたカカシ班は2人でもやるのかい?」
サクラとサイは静かに頷いた。
「その意気やよし、では、まずはガイ班、かかってこい」
綱手の言葉にリーが飛び出す。
「ふっはっせぃや!」
すべての攻撃がガードされるのではなくかわされる。全くかすりもしない。
「リー、離れて!」
テンテンは上空高く舞い上がり、忍具攻撃を開始
できない。
綱手が目の前に現れると叩き落された。
「甘いんだよ、全然なっちゃいない」
叩き落されたテンテンはもう動くことができない。
「テンテン!」
リーが駆け寄るもテンテンには届かない。
「仲間の心配してる暇があるのか?」
リーは振り向くと同時に目の前に綱手の顔がある。
そこから綱手はリーの頭を掴み地面に叩きつける。
「ぐぁぁ!」
リーの叫びが聞こえる。
「リー、テンテン!きさまぁ!」
ネジは綱手に対し柔拳を放つ。
だが綱手はネジの技を見切り腕を掴む。
「お前は確かに動きはいいがまだまだ隙が多い。そして白眼を使いこなせていない」
そう告げると空いている手で拳を握りネジの腕を引く反動での逆突きが腹に突き刺さる。
「かはぁっ」
ネジが吹き飛ばされる。
そして3人は苦痛に顔を歪め立ち上がることすらできない。
「次!アスマ班!」
・・・・・・・・・・・・・・・
「次、カカシ班」
すでに2人以外は意識を保つのがやっとの状態である。
「行くわよ、サイ!」
「鳥獣戯画!」
サイが描いたのは龍、それも大きな龍だった。
「ほぉ、面白い術だが…」
龍目掛けてチャクラのナイフを振るう。
その瞬間龍は墨へと変化する。
その瞬間サクラはクナイを持ち墨の中から飛び出る。
「よく考えられた作戦だ。だがお前の動きでは遅い」
クナイを弾き飛ばしサクラを捕まえんとするその手に向かいサイの描いた獣が襲いかかる。
ほぉ、いい連携だ、一手目で仕留められなかったか」
そう呟くと綱手は地面に拳を突き刺す。
その瞬間2人の足場が砕け散り、バランスを失う。
「ま、まだまだその程度だ」
サイの後ろから聞こえた声。振り返る間も無くサイは殴り飛ばされる。
サクラは体制を立て直しあたりを見回すが綱手を見失ってしまった。
「終わりだ」
その声とともにサクラは木に激突する。体ごと叩きつけられたのだった。
「お前たちの覚悟は感じた。だがそれだけ、お前たちは弱い、心も体もな」
そう言うと綱手は背を向けて歩き出す。
「まだ…終わりじゃない、ナルト君は…ナルト君の感じてた苦しみはこんなもんじゃないはず」
綱手が振り返るとヒナタが立ち上がっていた。
「私は…まだまだ弱い。けれどこれからナルト君のように悲しむ人が出ないように。ナルト君を傷つけた大人たちのような人が出ないように。里を変えるために力をつけたいんです」
そう言うと痛みをこらえて綱手に立ち向かう。
「はぁ、やぁ、せぁっ!
綱手はヒナタの攻撃を軽々避ける。
「私は、もっと強くなる。そして、木の葉の里の忍として、胸を張ってナルト君に会いたい!」
綱手は内心だはヒナタの言葉に感心していた。
『こいつ、忍としてはまだ全然だが、人としての芯はこの中の誰よりもしっかりしている。そして私にまだ向かってこれるとは』
「牙通牙‼︎」
綱手はすんでのところでかわす。
「俺だってなぁ、木の葉の里が大好きなんだよ!ナルトのことは知らなかったとはいえ、傷つけたのは事実だ。だがこれからはそんなことしねぇしさせねぇ、俺たちが木の葉を作るんだ!」
「その通りだ、なぜなら俺たちはあいつと友達になろうとしなかった。もしも、友達になっていたらこんな結果は迎えなかったはずだ」
シノも力を振り絞り立ち上がる。
「僕はナルトくんのことは全然知りませんが、彼も元は木の葉の仲間、ナルトくんのような存在をこれから作るわけにはいきません!」
リーが立ち上がるとテンテンもゆっくりと立ち上がる。
「これから、、里を作るのは私たちよ、そしてこれからの未来を決めるのも私たち!」
「俺は一度戦ったからわかる。あいつはあの時悲しい目をしていた。あいつが言いたかったこと、今ならわかる気がする」
ネジも立ち上がる。
「めんどくせーけど、この問題からは逃げらんねーよな、人としてさ」
「僕も逃げないよ、もっと強くなって里を支えられる忍になるんだ」
「私も…まだまだ弱いけど。それでも、大好きな里を良くするためなら。頑張れる」
3人は支えあいながらも立ち上がる。
「サスケを守れなかったのも自分が弱かったからだ。だからそれも含めて僕は強くなりたい」
サイが立ち上がるとサクラも立ち上がる。
「私たちはナルトの仲間になりたい、そしてこの里に、笑顔でナルトが帰ってこれるように!」
11人は並び立つ。
綱手が笑う。
「いいじゃないか、その目。さっきまでのあんたたちにはなかった目だ。強い意志を持つ目」
綱手は一歩前に出る。
11人も一歩前に出た。
「よかろう、合格だ」
その言葉に全員が理解が追いつかない。
「最初に言ったはずだろう?お前達を試すと。いわばこれは試験だったんだ。まぁ残った時点で合格ではあったんだが力を試してみたくてな。まだまだ弱いがそこは修行あるのみだな。精進しな」
それだけ言うと綱手は笑いながら去っていった。
そこに担当上忍がやってくる。
顔を見て安心したのか、11人はその場で気を失うのであった。