里を捨てた少年   作:落ち葉崩し

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中忍試験も最終戦を迎えた。

2次試験から1ヶ月、長きに渡る戦いに終止符が打たれる。


第44話 最後の戦い・始まりの道

「風遁・風弾空砲」

 

マツリの術がネジを襲う。

 

だがネジに術があたらない。ネジは回転ですべてを弾き返してしまう。

 

だが2人とも消耗はかなり激しかった。2人が戦いを始めてからすでに40分が経過していた。

 

「頑張れ、マツリ!」

 

陽光は試合を見ながら大きな声で応援するで応援する。

 

ネジの打撃を何度か食らったマツリだが、逆に2発だけ、ネジの攻撃の隙に乗じて術を直撃させていたが、マツリもネジも死力を尽くして今なお戦っている。

 

周りから歓声が響く。仲間達からの応援の声も。だが2人はそんな声に耳もくれず激しい戦いを繰り広げていた。

 

だが決着のときが来た。

 

「風遁・旋風切り」

 

風をまとわせたクナイでネジに襲い掛かるマツリだが、ネジがそのクナイを脇にもらいながらも半身でかわし、技を繰り出した。

 

「八卦空掌!」

 

「きゃぁぁ」

 

その術でマツリが吹き飛び、起き上がろうとするマツリの首にクナイが突きつけられた。

 

そこにシカマルの止めの声。

 

「そこまで。勝者、日向ネジ」

 

その声にマツリは悔しそうに唇をかむ。

 

悔しくてたまらなかった。

 

そこにネジが手を差し伸べマツリを立たせる。

 

「あの最後の攻撃が外れていたら俺が負けていた。そしてお前は強かった。これからも俺はお前に負けないよう努力する。だからお前も俺に負けないよう努力しろ。またやろう」

 

その声にマツリは勝気に反応する。

 

「次は負けません。私が勝ちます。それまでしっかり修行に励んでください」

 

2人は握手をして会場から離れる。その姿を観客達は暖かい拍手と声援で送り出す。陽光は急ぎマツリの元へ走った。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「マツリ、すごかったよ!」「マツリちゃん最後は惜しかったけどあの人とまともにやりあえてたのマツリちゃんとリーさんって人だけだったし。ホントにすごいよ!」

 

ユカタとサリの言葉にマツリは笑顔を見せるもどこか悔しそうに見える。

 

「大丈夫、私達これからもっと修行してもっと強くなろう!それで次は負けないように!」「そうだよマツリちゃん、次でリベンジだよ!」

 

二人は必死に励ますもマツリの表情は暗い。

 

コンコン。ドアがノックされユカタが見に行った。

 

「は~い」「ユカタか?マツリ、居るか?」「はい、あ、入ってください」

 

入ってきた陽光を見るとマツリはふいっと目をそらした。

 

「2人ともごめん、ちょっと席外してもらえないか?」

 

陽光の問いに2人はうなずくと、部屋を後にする。

 

2人残った部屋の中。陽光がマツリに話しかける。

 

「最後、惜しかったな。でも頑張ったよマツリはさ」

 

陽光に背を向けたままマツリは話に耳を傾ける。陽光はマツリと背中合わせにすわり話を続けた。

 

「でも負けたのは悔しいよな。いっぱい修行して、いっぱい努力して、いっぱい悩んでそれを解決してさ。やれることは全部やって臨んだ。そして最後お互いぎりぎりだったとはいえ負けた。悔しくないわけないよな?」

 

マツリはうなずく。大粒の涙をその目からこぼす。

 

「でもマツリ、俺はマツリが頑張ってきてたのも、努力してきたことも。これから絶対活きてくると思う。だから悔やむのは今だけにして、次にもっと強くなるためのバネにしないとだめだ。マツリは俺に追いつきたいんだろ?だったら明日からまた修行しよう。俺も一緒にやる。力になってやるからさ」

 

マツリは泣きながらひざに頭を埋めうなずく。そして心に誓う。強くなると。

 

そしてひとしきり泣き終えるまで陽光はただそばにいてあげた。

 

・・・・・・・・・・・・・

 

晴らした目のまま外に出るわけにも行かず、ユカタに頼んで医療忍術で直してもらう。

 

「ありがとね、ふたりとも。これからまた一緒に頑張ろうね」

 

マツリの言葉にユカタとサリはうなずき笑う。マツリも笑った。

 

「よぉし、じゃぁ明日からまた修行だ!頑張るんだから!」

 

マツリは気合をいれ、元気に叫ぶ。その姿を見て陽光は安心したように微笑んだ。

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

一方ネジサイド

 

 

「さすがはネジです。本当に優勝してしまうとは!」

 

リーがネジに賞賛の声を送る。

 

「ホントにすごいよ!私2回戦であのこと戦ったけど手も足も出なかったもの」

 

テンテンは少し悔しそうに話す。

 

「いや、次にやれば勝てるかどうかわからない。今回は少し運がよかったのもある。それに最後もわざとあたりに行ったがあれがもう少し威力が高ければ負けていた」

 

そういうネジは疲弊しきってはいるが満足そうな顔笑む。

 

そこに8班と10班の面々、そして担当そ上忍の4人が顔を出した。

 

「ネジさんおめでとう!すごい勝負だったわ!」

 

「ホントに!しかもあの子前の中忍試験よりまた強くなってたしね!それに勝っちゃうなんてすごいすごい!」

 

イノとサクラがネジに賞賛の声を送ると後ろからキバとサイもそれに同意する。

 

「ま、さすがはネジだ。俺に勝っただけのことはあるぜ」

 

キバは1回戦にネジに負けていた。

 

「さすがはネジですね。僕もあの子に負けたのですが本当に強かったですからね」

 

その声にカカシはつぶやく。

 

「あの子はもう並みの中忍ですら勝てるか怪しいくらい強かったよ。多分ね」

 

それに紅、アスマも同意する。

 

「あの子もっと強くなるわよ?あんた達も気を抜かずもっと強くならないとね!」

 

「そのためにもチョウジはまずはダイエットだな!いつまでもそのぽっちゃり系じゃあの子に追いつけないぞ」

 

そのチョウジは言葉に詰まる。チョウジはマツリに1回戦でコテンパンにやられたのである。

 

ヒナタはネジに向かいこう告げる。

 

 

「ネジ兄さん、私ももっと強くなりたい。あの子に負けないくらいに。だから」

 

その先の言葉をネジが言う。

 

「一緒に修行しましょう。そして日向家を、木の葉をハナビ様含めた3人で変えてやりましょう、ヒナタ様」

 

その言葉にヒナタは力強く返事をする。

 

ガイが最後に口を開く。

 

「ネジ、見事だった!今日は俺達4人のおごりで焼肉だ!お前ら全員お疲れ様会だ!」

 

そう言うと下忍の面々からは歓声、上忍からは非難の嵐が殺到するが、すでに後の祭り。

 

その日4人の財布からお金はほとんどなくなり、焼肉屋ではどんちゃん騒ぎが繰り広げられた。

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