里を捨てた少年   作:落ち葉崩し

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第6話 団欒という幸せ

「わぁ、すげぇ」

 

テーブルに並べられたたくさんの料理を見てナルトが感嘆の声を上げる。

 

なるとは今までほとんどの食事をインスタントで済ませてきたのである。

 

なぜならそれ以外の方法がなかったからである。

 

木の葉の里の店では何も売ってもらえず、生活に必要なものはすべて火影であるヒルゼンやイルカが購入してきてくれていたのである。

 

ヒルゼン達はナルトの健康を考え野菜なども購入してはいたもののいつも一緒に食べるというわけにもいかず、ナルトの希望もあり大量のインスタント食品を買い込んでいた。

 

さらにナルトに里の者たちは冷たくするだけでは飽き足らず二人の目を盗み毒入りの食べ物を与えるということもあり本当に何度か死ぬような思いをしたこともあり、2人以外からは食べ物をもらわなくなってしまい、アカデミーの給食にもまったく手をつけなくなってしまったのである。

 

そのためだれかと大皿から分け合い食事をするということの無かったナルトにとってテーブルの上の食べ物はすべてが魅力的に見える。

 

またナルトは大人数でご飯を食べることも無く、大体が一人で食べるため味なんて気にしておらず、ただ食べないと死んでしまうから食べるという状態になっていたため、この日ナルトは久しぶりに食事というものの楽しさを感じたかもしれない。

 

 

「さぁ陽光、ここに座りな、今日からあんたの席はここだよ」

 

クッションの敷かれた椅子の背もたれをトントンとたたきながらテマリが笑う。

 

「今日はお前の歓迎会じゃん、速く始めるとするじゃん!」

 

カンクロウも待ちきれないとばかりにナルトを手招きしてくる。

 

「陽光、今日はお前が俺達と家族になった大切な日。それを忘れないためにも今日はたくさん食べろ。そして大きく、強くなれ」

 

我愛羅が背中を押しいすのところへナルトを押すとそのまま席に着く。

 

みんなが席に着いたところでテマリ達3人はグラスを掲げる。

 

それを見たナルトも同じようにジュースの入ったグラスを掲げた。

 

 

それを見たカンクロウが声を上げる。

 

「今日から我が家に新しい家族に陽光が加わった」

 

「俺達はこれから何があろうと家族であり兄弟であることにかわりは無い」

 

「俺達は陽光を歓迎する。乾杯」

 

「「乾杯」」

 

「・・・かんぱい?」

 

カンクロウの音頭のもと乾杯を行ったがナルトは乾杯という行為すら知らなかった。

 

不思議そうに周りを見ながらみんなの真似をしてグラスを合わせる。

 

「陽光、いっぱい食えよ、今日はお前のために腕によりをかけていっぱい作ったからな、好き嫌いせずに野菜も肉も魚もいっぱい食え」

 

テマリがナルトに声をかけたくさんの料理をよそったお皿を手渡した。

 

「ありがとだってばよ、俺ってばいっぱい食べるかんね!」

 

笑顔で返しそのままもくもくと食べ始める。

その様子を見てほかの三人は目を合わせて静かにほほ笑んだ。

 

その日の食事は夜遅くまで続いた。

 

カンクロウと料理を取り合う。

 

我愛羅が自分の苦手なものを皿に盛られナルトに食べさせるのを注意するテマリ。

 

ナルトが素手で料理を食べようとするのを注意する我愛羅。

 

みんなで食べるご飯は今までの人生の中でも一番おいしいものだった。

 

最後にデザートとしてケーキが出てきたとき、ナルトは泣いてしまった。

 

今まで我慢してきたものがあふれてきたのだった。

 

それを見てテマリが抱きしめる。

 

「今までつらかったね、大丈夫、あたしらがお前を守ってやる、お前の味方になってやる、お前の存在を認めてやる」

 

母親のぬくもりを感じたことの無いナルトにとって、テマリの優しさはまるで母性のようだった。

 

 

いつの間にかナルトの横に立ち頭をくしゃくしゃになでるカンクロウ。

 

我愛羅はろうそくに火をつけ部屋の電気を消す。

 

「ほら陽光、これは主役のお前の役目だ」

 

テマリが胸の中から開放すると暗い中にろうそくが1本ケーキの上で灯がともっていた。

 

少しの間なるとはこれを見つめていたがそれを吹き消すと我愛羅が電気をつけ、テマリが切り分けたケーキをみんなで食べた。

 

そのケーキは甘いはずなのに少しだけしょっぱかった。

 

 

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