世界は変わらない。それでも人は変革を望む。
「彼等の死を無駄にはしない」
彼は涙ながらにそういった
「お前達はダイヤモンド」
灰となった仲間の遺骨を顔に塗ったくって
「俺のつぶれた右目にお前達は生き続ける」
彼は鬼になった
「絶対に忘れるものか」
その強い意志(ダイヤモンド)を持ち
「俺は認めない」
地域を
「この世界の全てを」
国を
「戦争のみでしか語れない」
世界を
「争いのみでしかわかり会えない」
彼は恨む、憎む
「何時までも平和を求められない」
その目に遺志を写らせて
「人間達を」
彼は黒い鳥へとなった
「俺達は今日からレイブンだ」
「御早うレイブンそれでは早速ブリーティングを始めよう」
暗い部屋そこに二人だけ、少年と一人の女性のみ
「ミッションの内容は旧アフガンで滞在している武装集団の排除と先月捕まっていた依頼主の仲間の捕虜の暗殺。まぁ汚れ仕事だがお前にできないことではないだろ?」
少年は顔を俯かせて表情は見えない、しかし絶対に成功させるという意志が感じられた
「ふぅ、そのいきだ。」
女性は彼の頭を軽く撫でてそっと抱き締める
ただ暖かい体温が少年を包み込み場が和む気がした
鉄でできた冷たい道を一人歩いていると広い空間に出る。
そこは天井に吊るされている電球が唯一の光源である空間、光源の真下には机に無造作に置かれている電子機器とその隣にしゃがんだ形で待機させている鉄の人形
肩の部分には彼が考えたのだろう夕焼け色の天使がラッパをくわえシャボン玉を作っている姿のエンブレムが
「行くよ、ヘイブン」
ヘイブンと呼ばれた鉄の人形はまるで意志があるかのようにカメラアイを青色に輝かせた
「もうすぐミッションに該当する地域だ」
暗く狭いコクピットの中、これから自らの手によって起こされる惨劇を頭に浮かばせ、いるわけがない神に懺悔をする少年にミッションが行われる地域に近づいてきていると伝えられる。
少年はもう一度目をつぶり懺悔をして目を見開く
そこには未来はなく
ただ殺しをするための
ドス黒く光のない
瞳が二つあった
「ミッション開始目標は武装集団の排除と捕虜の暗殺だ」
ハッチが開きそれにしたがって落ちていく機体
その光景をいち早く目にした敵が此方に発砲をするが弾は当たらずただ彼の脇をすり抜けていく
「…」
機体が地面に落ちその衝突により上がった砂煙と轟音に他の兵士も直ぐ様気づき此方に銃を向け発砲を始める
三十秒ほどで撃ち切られるマガジン
ただ砂埃の晴れるまで敵は待つ
そこに無惨に鉄の塊へと変わった侵入者の姿を頭に浮かべて
しかし次の瞬間砂煙の中からの発砲音と弾丸が射出された衝撃で晴れる砂煙から現れた傷ひとつない鉄の人形を見て仕留めきれなかったと気づき敵勢は物陰に我先と隠れようとする
「一」
敵に向かって銃を発砲すると狙いどうりに装甲を貫通させて動きを永遠に止めさせる
「ニ」
二回目も同じように装甲を貫き止めさせる
銃を向けられた恐怖からか此方に突撃をして来る敵を踏みつけて宙に跳び物陰に隠れていた敵に向かって一斉射撃をする
「八」
雨のように降り注がれる弾丸にみるみる穴だらけになり周りを巻き込み爆発する敵を片目で見て先程まで敵達が盾にしていた建物に足をつけ、肩にある武装を展開させる
「九、十、十一、十二、十三」
一斉に発射されるミサイルの群それが敵に向かって押し寄せる
着弾と同時におきる爆発と轟音
『よし、後は捕虜のみだ』
立ち上がる煙と物が焦げる臭いに目を瞑りまた目を開く、残りの目標を果たすために捕虜がいるであろう建物の前に機体を下ろし建物の中に入り込む
探敵をしながら建物の奥にどんどん進む
進むにつれ血の臭いが強くなっていき顔をしかめさせる
少しあるく広い空間に出てそこには牢屋に入れられている捕虜の姿が
「た、た……助か?」
「来たのか、…此方もた…のむ」
「か…えれる」
そこには数十人の男女が
もう一度目を瞑り捕虜の一人の眉間に銃口を突きつける
「そ…うか」
「…」
「恨んでやる」
引き金を引く
すると力なく倒れていく人間だった物それはただの肉塊へと変貌する
二人目
「糞が絶対に許さねえ!」
涙を流しながら捕虜の男は此方を睨む
引き金を引く
三人目
「ごめんね。」
引く
四人目
「少年は悪くない」
引く
五人目
「悪いのは依頼主だ」
引く
六人目
引く
七人目
八人目
九人目
十人目
引く
一人一人言葉を遺しそれを一心に耳にいれて引き金を引く、ただそれだけの行動
少年は目を瞑らず確りと目に焼き付けながら一人一人の死を見送る
弾を全て撃ち切るとそこには血が世界を彩ったかのような空間が出来上がる。
彼は目を瞑りその場を後にする
『……ミッション完了、お疲れ様』
ただ彼を心配してか女性が労の言葉をかける
ただ彼は戦うその目に遺志を死んでいった、殺してきた、人の遺志を精一杯に受け止め
「帰るか」
彼は進む自らの手によって焼き焦がされた世界を背後に作りながら。
……………ドミナント…………………………
彼はそう呼ばれ世界を救い、始めて出来た友を殺すその日まで