【凍結】元一般人の下剋上   作:モッピー(国内産)

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作者は原作未所持+未読です。
アニメのみの知識となりますし、そのアニメも朧げな部分があります。白騎士事件のミサイルの本数あたりがそれになります。そう言った箇所はぼかす、もしくは独自解釈で通しますのでよろしくお願いします。


第3話 歪み出す世界

白騎士事件。

 

ある日、世界中が同時にハッキングされて、2000を超えるミサイルが東京に向けて発射された。

その報を受けて日本政府はすぐに避難勧告を発令したが、ミサイルの第一陣の着弾の予測時間はその5分後。

いくら何でもそんな短時間に1335万以上の人間を避難させるのは不可能だった。

ミサイル着弾というタイムリミットが迫り、東京にいる人々の中には諦めている者も少なく無かった。

そんな時どこからともなく一つの人型のナニカが現れる。

 

口元以外を隠すバイザー。

何処と無く西洋の騎士を彷彿とさせる機械染みた白い鎧。

手に持つは大剣。

 

そのナニカは迫り来るミサイルを斬り伏せ、薙ぎ払い、叩き潰した。

時に何処にそんなモノを隠していたのか疑問を覚える程の大砲を取り出し、撃ち落とした。

そうして4時間の激闘の末、見事そのナニカはミサイル全てを撃墜してみせたのだ。なにより恐ろしいのは、この件にて犠牲者が1人もいない事。

 

だがそのナニカの独壇場はそこからも続いた。

日本国内では軍事開発が禁止されている。それを行ったとしてナニカに対して、自衛隊、アメリカ軍が攻撃を仕掛けたのだ。

それに対してもそのナニカは圧倒的な戦力差を見せつけた。またも犠牲者無しで切り抜けたのである。

そして全てを叩き伏せたそのナニカは日が沈むと共に消え失せた。

 

その事件の翌日、ナニカとは篠ノ之 束(しののの たばね)が開発した機動力・火力・防御力全てにおいて現状存在する全ての兵器を凌駕し、量子変換により規格外の装備を携帯でき、その他様々な能力を持つ反面、女性にしか使えないという致命的な弱点を持つスーパーマルチスーツ、I S(インフィニット・ストラトス)だと篠ノ之 束自身が発表。

戯言だ世迷言だと決めつけていた世界を再び震撼させることになる。

 

その後、467個のISコアが国連に譲渡され、篠ノ之束は姿を消した。彼女曰く

 

「疲れちった♪」

 

だそうだ。

以上が世界を「男女平等」から「女尊男卑」に変えた(狂わせた)白騎士事件である。

 

そして此処に1人、それに疑問を覚えている人物がいる。それが彼……

 

「ここがISの世界か……いや何年も前からいるけど」

 

ISというライトノベルの世界に迷い込んだ元一般人の転生者・守崎 康介である。

彼の疑問……それは世界中でまことしやかに言われている『束がISの性能を見せつける為に、世界中をハッキングしミサイルを発射したのではないか』という噂についてだ。

真相は定かではないが、もし仮にこの噂が真実ならば……

 

(俺との会話がミサイルブッパのスイッチになったんじゃ……?)

 

それはまずい。非常にまずい。何がまずいって全部まずい。

アレの所為で世界情勢がどれほど変わったと思ってやがる。

あの事件から3年たった今では女性優先法が制定され、男達の地位はドン底まで落ちた。無能な女性平社員にパシられる有能な男性部長、なんて話もザラに聞く。マジ世界怖い。

だが

 

(あの人()はそんな事するような人に思えないんだけどなぁ)

 

彼女(生きている束)と直接あった康介だからこそ分かる既知の彼女(キャラとしての束)との違和感。

その差は僅かなようで大きい。そもそも彼女(キャラ)なら康介と会話すること自体異常なのだ。

 

だが彼女()彼女(キャラ)と変わっていようがそうでなかろうが、世界は小説通りになってきている。

 

かく言う俺の周りだって変わった。今はまだ小説程ではないが、女性教師は意味の分からない事を言うし、同級生の一部もその色に染まりつつある。

この3年で仲良くなった奴らの中にもそれに被害を被っている奴だっているのだ。

 

もし、もしもだ。仮に、万が一にでもその原因の一端を俺が握っていたとしよう。焼き土下座では済まない。いっそローストしてこんがり美味しくいただかれないと話にならない。いや死にたくないから嫌だけれどさ。

 

と訳の分からない思考に陥る程、疑問に思っていた。

 

「よし、父さんも言っていた。こういう時は木刀を振るに限る、って」

 

こうして今日も木刀を振る。雨の日も風の日も、嵐の日も雷の日も。

無心でただただ降り続ける。

その身は、その思考はますます脳筋に近づいていく。

そして、その剣はどれ程の高みに上っているのか。本人にはまだ分からない。

 

 

 

 

 

 

「おーい!こーちゃん!あそぼーぜー!」

「んー、ちょっと待っててー」

 

クラスの人気者、と言えるほどでは無いがそれなりに仲のいい友人ができ、使っている木刀が一回りも二回りも大きく、それに従い重量も重くなってきた頃、康介は小学6年生になっていた。

 

死ぬ前の知識があるので社会、特に歴史には誤差があったが、それ以外では優秀な成績を収めていた事、それに加え一度『死』を体験してからさらに冷静で穏やかになった性格でクラスを纏めていたらいつの間にかクラス委員になっていた。

おかげで周りから頼られたり、喧嘩などを仲裁したりで交友関係が広がったのは僥倖か。

そんな彼の今のところ唯一苦手なモノはこういう遊びの誘いや、体育であった。

 

「おっしゃー!今日は鬼ごっこな!」

「じゃんけんするぞー!!」

「じゃんけん!じゃんけん!」

「はいはい」

 

康介を含む同級生の仲良し4人組。大抵集まるといつも外で遊ぶ程のワンパクぶりだ。今日は鬼ごっこをするつもりのようである。

 

鬼ごっこ。そう鬼ごっこである。普通にやれば康介が負ける訳がないのだ。

何せ体質に加え日々の鍛錬によりその身体能力は100m14秒を切るほどまで成長している。そのスピードで10分間走り続けられる体力もある。

だがそれで全力を出すのは大人げない。いやまだ小学生だから大人も何もないが。

 

(どこまで手加減すれば良いものやら……未だによく分からんな)

 

とりあえず捕まえられそうでギリギリ捕まらない。その辺りを目指す。

守崎 康介12歳。そこで捕まらない辺り大人げない。

 

 

 

 

 

 

 

「む〜。やっぱこーちゃん速すぎるよ」

「伊達に毎日鍛えてないからね」

「今度やるときは絶対タッチしてやるからな!ガードとかシールドとかナシだかんな!」

「あはは、当然だよ。鬼ごっこでガードありとか訳わかんなくなるじゃんか」

 

17時になろうかといった時間帯。

そろそろ帰らないと怒られる、というのでみんなで仲良く帰宅する。

その道中、何やら怒鳴り声が聞こえてくる。

 

「何よ!アンタ男でしょ!!私が誰だか分かんないの?!?」

「す、すいません……」

 

そう言って怒鳴り散らす30歳前後の女性と、その女性に後ろ頭を掻きながら頭を下げる男性。

 

ISが世に広まるのと同時に、女尊男卑といういき過ぎた風潮も広まった。

ISという超兵器が男に反応しないのは男が女より劣っているから。故に女は選ばれた人種であり、男が女に尽くすのは当然のことだ、というものだ。

 

こういった風景も見慣れてしまった。決して気分の良いものでは無いが、何度も何度も見ているとそうなってくる。

本当に一体何度見ただろう、その問いに答えを出そうとした康介はその思考をやめた。それと同時に答えが浮かぶ。お前は今まで食べたパンの枚数を覚えているのか?という答えが。

 

「あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛イラつく!!

アンタみたいなノロマが私の周りうろちょろしてんじゃないわよ!汚らわしい!!!」

「っ!!……すいません……!」

 

男性は頭を下げる。が、康介は見逃さなかった。彼がキツく、キツく握りこぶしを握っている事を。

周りの人たちも彼らを避けて通っている。誰も、彼を助けようとはしない。

そんな中、4人は目配せをし、ニンマリと嗤いながらその2人の側を通りかかる。

すれ違う瞬間、康介は女性に聞こえるように、こう呟いた。

 

「そんなにツバ撒き散らして奇声あげてると婚期逃すよ。お、ば、さん♪」

「なぁ?!?!」

 

言うが早いか4人は走り出す。

運の悪い事に女性はハイヒールだった。遊び盛りの男子小学生が運動靴で全力疾走なのだ。女性が追いつけるわけも無い。途中までは追いかけるがやがて走るのをやめた。

4人は走っている間も、

「香水クッサ!鼻イカれてんじゃねぇの??」

「化粧ぶあついね!それじゃ作品じゃん作品!」

「そんなぶっとい足してんのにおっそー!ブタの方がまだ早いよー?」

と大声で笑いながら煽る。

曲がり角に着くと、じゃあねぇ〜♪と手を振るのも忘れずに。

 

「ハァ……ハァ……あ……あっのクソガキ共ガァァア!!!!ちょっとアンタ!アイツら捕まえ……って何処行ったぁぁぁあ!!!」

 

男性はその隙に逃げたしたようで、女性が振り返るともういなかった。

その後女性は、騒音が過ぎるとの事で駆けつけた警察官に厳重注意をされた事は全くの余談である。

 

 

 

 

 

 

 

こうしてその幼少期を楽しく過ごしていた守崎 康介も、遂に中学生になるのであった。

 

 

 




原作までが長い…………
おそらく次話で原作前の下準備が終わりますが。
………………終わると良いなぁ。
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