黒子のバスケ~ヒーロー~   作:k-son

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エンカウント

「みんなーそろそろ帰るよー。」

 

リコが更衣室のドアを開ける。

 

「ちょっと待て...。」

 

「王者2連戦だぞ...。」

 

「体が悲鳴をあげとる。」

 

「(うわぁ...ゾンビみたくなっとる。)あ、ごめん。」

 

緊張が解けた今、疲労が襲う。レギュラー陣はギリギリアウトだ...1人除いて。

 

「きょうは、とてもつよいちーむとたたかって、かちました○っと」

 

「マジでなんなのそのスタミナは!つか小学生の日記か!?」

 

メンバーは疲れきっているため、リコがつっこむ。

 

「SNSで日記つけてんだけど。」

 

「それじゃあ、内容がほとんど伝わらんわ!!」

 

「...あぁっ!内容が無いよう。っていうフリ?」

 

「...それ、いただき...。」

 

「伊月君しんどいなら、無理しない方がいいんじゃない?」

 

「...つか死ね。英雄も。」

 

「俺も!?」

 

低い声の日向。

 

「とりあえずどっか近い店に入ろうか?」

 

長い間更衣室にいることができな他、場所を変えることに。

 

 

 

ガラガラガラ~

 

「すいませーん。席空いてますかー?」

「お客さん、多いねー。」

 

試合会場近くにあるお好み焼き屋に到着。

 

「マジ腹減ったな....ん?」

 

「お。」

「ん。」

 

店内に見知った人物がいた。

 

「ってめ!黄瀬と笠松!」

 

「ちース。」

 

「呼び捨てか!?」

 

海常の黄瀬と笠松だった。思わず火神は笠松に敬語を忘れる。

 

「みんなーさっさと座ってー。」

 

 

 

大人数だったが、既にいたお客のご好意に座敷を空けてもらった。それでも全員が座れなかったので、別に相席することになった結果。

笠松・火神、向かい合わせに黄瀬・黒子というなんとも濃いメンバーになった。

 

「なんで相席なんスか?」

 

「あぶれたんだよ。」

 

「さっさと食わねーと、ゴゲんぞ。」

 

 

その様子を英雄は写メしてた。

 

「『お好み焼き屋なう。すっげー目立つ集団発見』っと。こうゆうのは傍観してる方が楽しいね。」

 

「英雄、私疲れてるから代わりに焼いて。」

 

「耳まで疲労してんのかな?この人の10倍くらいカロリー消費してるはずなんだけど...。」

 

「やれ。」

 

「はい。(やっぱ俺もあっちいけばよかった...。)」

 

権力者は絶対。

 

 

 

「おっちゃん。席空いてる?」

 

また新しく来店した。が...、先程対戦した秀徳の緑間と高尾だった。

 

「なんだここに!?つか他は?」

 

一同を代表して日向が問う。

 

「いやー、真ちゃんが泣き崩れてたらはぐれちゃって。」

 

「おい!」

 

「ついでに飯でもみたいな?」

 

「店を変えるぞ!」

 

「おい!」

 

緑間は翻し店から出て行く。

 

 

バシャーン

 

 

再び、ずぶ濡れになった2名が入店する。

 

「あ、海常の笠松さんじゃないですか!?折角なんでいろいろ聞きたいっす。」

 

「俺のこと知ってんのか?ってひっぱんな!」

 

高尾が笠松を引っ張っていく。

 

「あ、こっちいっぱいですね。」

 

「お~い、だったらこっちきなよ。」

 

英雄が手を振りながら呼ぶ。

 

「お、補照じゃん。さんきゅー。」

 

 

 

というわけで、テーブル席は緑間・火神、向かいに黄瀬・黒子。

 

「「「あの席ぱねー!」」」

「ちょっと!!なんかワクワクするわね!」

 

なんとも目が離せない。

 

「あれ、狙ってたろ。」

 

「えー、まっさかー。」

 

笠松は高尾に呆れていた。

 

「ぱしゃり。この写メ相当レアだよね。あ~高尾、アドレス教えてよ。よかったら笠松さんも。」

 

「ああ、そういや試合中にそんなことあったな。いいぜ。」

 

「別にかまわねーよ。つか、おめーら試合中に何やってんだよ!」

 

とりえず、濃いメンツはそっちのけで寛ぐことにした。

 

「そうそう、聞いてみたかったんですけど、キセキの世代と同じチームってどんな感じ?」

 

「うーんそうだな...。」

 

「ウチの真ちゃんは唯我独尊って感じで先輩達から浮いちゃってるけど、ツンデレってこともあるし見てて面白い。」

 

「それなんか違くね?」

 

「黄瀬も最初はそんな感じで生意気なヤローだと思ってたが、練習試合の後からなんか感じが変わったみたいだ。あとレギュラー争いが激化して、試合出るのも一苦労だな。生意気なのは変わらねーけど。」

 

「へ~。大変そうだね~。あちち、俺猫舌なんですよね~。」

 

英雄はもんじゃ焼きと格闘していた。

 

「いや、ちゃんと聞けよ!てめーからの質問だろうが!」

 

「聞いてます聞いてます!嘘ついてません!本当です!」

 

「あざとすぎてなんか腹立つな。」

 

笠松に睨まれて、ペコペコと頭を下げる。

 

「つか補照、お前中学で見かけなかったんだけど高校からか?だったら地味に凹むんだけど。」

 

今度は高尾からの質問。

 

「んな訳ない。中学はバスケ部に入らなかっただけ。一応ミニバスケから。」

 

「へー。ほっほっ。」

 

お好み焼きをひっくり返す高尾。

 

「高尾結構上手いな。」

 

「えーこんなもんじゃなっすよ。」

 

調子に乗り出す高尾。

 

「やんや、やんや~。」

 

煽る英雄。

 

「無茶すんなよ。」

 

笠松が止めようとするが...

 

「あ。」

「あ。」

 

加減を誤りお好み焼きが宙に舞った。そして、緑間の頭の上に

 

 

ベチャ

 

 

「高尾ちょっと来い!」

 

緑間が高尾を外へ引きずっていく。

 

「わりーわりー。ごめん.....ごめん。補照マジ助けて....って目ぇ逸らすな!お前も原因の一旦だろうが!」

 

英雄は先程の場所からリコのところに行き、もんじゃ焼きを作っていた。

 

「いやゴメン!リコのもんじゃ焼くのが忙しくて....。ってもう聞こえてないか...。ふむ...『お好み焼き屋でヤキ入れられてるなう。』アップアップ♪」

 

 

 

音がしなくなり、緑間だけ戻ってきた。

 

「火神、忠告してやるのだよ。東京にいるキセキの世代は2人。俺と青峰大輝という男だ。そしてお前と同種のプレーヤーだ。せいぜいがんばるのだよ。」

 

「緑間君。」

 

店を出ようとする緑間を黒子が呼び止める。

 

「...また、やりましょう。」

 

「...当然なのだよ。次は勝つ。」

 

「お返しに俺からも1つ忠告しておくよ。」

 

英雄が座敷から呼びかけ、緑間が振り向く。

 

「パスを選びすぎて、ぶっちゃけ読みやすかったよ。あとチームにもう少し馴染んだほうが良いよ。相方を大事にね。」

 

「ふん、余計なお世話なのだよ。...補照とかいったな。お前もせいぜい馬鹿面を晒すんだな。」

 

言い捨てて去っていった。

 

「ひどいお言葉...。まぁいいか。おっす黄瀬。」

 

「うぃス。そういや、補照っちとまともに話すの初じゃないっスか?」

 

「あ、確かに。なんやかんやで火神がカラミまくってたからね。てか”っち”って何?」

 

「俺、認めた人に”っち”って付けるんス。」

 

「そかそか。よろしくっす黄瀬っち。」

 

「あーマネしないで欲しいっス。」

 

「ん~。『コピーする人のマネしたら嫌がられたなう。』っというか、俺『なう』ってやつ嫌いかもしれない。なんか言っててイライラする。」

 

「だったら止めればいいじゃないっスか!なんなんスかこの人?」

 

楽しい食事を終えて誠凛は帰宅した。

帰り際、黒子が犬を拾った。どことなく黒子に似ていた為、情が入り捨てづらくなり部で飼うことに。名前は『2号』。今後、物語に絡んでくるかは不明。

そのときに、火神が犬嫌いなことが発覚した。英雄が美味しくいただきました。(ネタ的に)

 

 

 

 

遂に誠凛バスケットボール部は予選トーナメントを勝ち進み、次は決勝リーグ....

 

 

おまけ

 

 

「の前に期末試験よ!これ落としたら、試合出られないんだから!」

 

「つーわけで、中間でやばかった奴は勉強合宿だ。つか火神お前だ。」

 

リコと日向が今回の企画を発表する。

 

「なんで俺だけ...。つか英雄は?アイツの答案見てないぜ。...です。」

 

火神が英雄を指差す。

 

「英雄は分かってるからいいの。ちなみに、38位よ。」

 

「な...そんな馬鹿な...同類だと思ってた...。」

 

火神はショックを隠しきれない。英雄は火神の肩をポンポンと叩き、火神が振り向く。

 

「どんまい。」

 

この言葉は火神に精神的なダメージを与えた。

 

「こいつ、本気で腹立つ!!」

 

英雄は誠凛に確実に受かる為、リコ(学年2位)に勉強を教えてもらっていた。しかし、合格ラインを超えたにも関わらず、『中途半端は認めない!』と言われ、リコのシゴキが収まらず、結果なかなかの点数が出せるようになっていた。

 

「ちなみに、好きな戦国時代の偉人は竹中半兵衛。」

 

「「「いや知らねーし!知りたくねーし!」」」

 

「マジでか!?」

 

日向のみ食いついた。

 

 

期末試験は、黒子が持っていた『緑間特性コロコロ鉛筆』が炸裂し、無事パスした。

コレを機に日向と英雄は戦国武将トークをするようになった。日向が練習中にシュートを外すとなぜか英雄が持ってきたいた幕末志士アイテムを破壊された。(高杉晋作)




英雄と他校のメンバーを絡ませたかったので、お好み焼きのくだりを使いました。

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