黒子のバスケ~ヒーロー~   作:k-son

54 / 98
バトンタッチ

「なっ...何だよ、今の...。前見たのよりも..。」

 

客席で見ていた高尾は驚愕していた。

以前、目の前で見たイグナイトパスよりも向上された強化版イグナイトパス。

詳しい詳細は見ただけでは分からないが、何かしらの特性を持っていることは分かる。

しかし、青峰は反応してしまった。

この2つの事で高尾だけでなく、全ての者が目を見開いていた。

 

「恐らく、今まで温存していたのだろう。このような事態にも対抗できるように...。しかし、今の青峰はそれを上回ってしまった。」

 

緑間も驚きながらも、状況を整理する。

 

「(どうする?今の青峰に多少の工夫や小細工は通用しない...。)」

 

今後の試合展開を予想するが、誠凛が勝つイメージが沸かない。

自分達ならどうするかと考えるも、直ぐにははっきりした対策は思い浮かばない。

 

「...っく。」

 

 

 

 

「へっ!やるじゃねーか、テツ。流石に一瞬ビビったぜ。」

 

青峰は嬉しそうに笑いながら、黒子を称えるが黒子にしたら笑えない。

前半で温存し、いざという時の隠し玉だったのだが、まさかの初見で防がれた。

ゾーンに入った青峰は既に全日本クラスをも超越しているかもしれない。

 

「これが、底か...凄いな。」

 

「英雄君...。すいません、こんなところで。」

 

「確かに、コースが甘かったね。もっと際どくてもよかった。」

 

今まで誠凛が何度も攻勢を仕掛けているが桐皇が跳ね返すという構図から脱却できない。

観客も沸いてはいるが、結局は桐皇が勝つのだろうと思っているだろう。

そんな中、英雄は青峰がどうとかそういう事ではなく、単純な戦略的な事で駄目出しをした。

 

「...はい?」

 

「やっとここまで来たか....もう少しだ、頑張ろう!」

 

ゲームは続いている。話を切り上げ、英雄はボールを貰いにいった。

スローインから再開。

日向が投げて、英雄が受けた。

 

「(今ので速攻に繋がらなかったんだから、ウチにもまだ流れは残ってるはず...。)」

 

桐皇はもう黒子のマークを完全に外して、英雄にダブルチームで臨んでいる。

 

「この1本は止めさせてもらうで。」

 

ショットクロックも大分少なくなっており、じわじわ追い詰められている。

今、桐皇が1番決められたくないのは3Pである。中に踏み込めば、青峰に捕まる可能性が高い。

それも計算内なのだろう。強気にガンガン前に出てくる。

 

「それじゃあ、こうでしょ!」

 

充分引き付けた後、フリーの黒子にパスをして得点を狙う。

 

「まだ分かっとらんのかい。そっちは鬼門やで。」

 

黒子は間違いなくフリーだった。近くに経過したDFがいた訳でもなく。

しかし、青峰の超反応は予想を遥かに超え、黒子との距離を一気に潰す。

 

バチィ

 

青峰のスティールは黒子に反応する事も許さなかった。

流れるように速攻、今まで以上のスピードは、誠凛どころか味方でさえ付いていけない。

位置的に英雄がなんとかDFに入れたのだが、今の青峰には障害にもならない。

 

「っく...。」

 

電光石火ともいえる青峰のワンマン速攻。

今まででも止めることが困難であったのにも関わらず、自身の最高のパフォーマンスを発揮できるゾーンに入った青峰。

こうなってしまえばノーマークも同然。

ボールをリングにたたきつける。

 

「まじかよ...。こんなんどうすりゃ!」

 

これまで何度も劣勢を跳ね返してきた誠凛。しかし、

 

「(DFにも積極的に参加しだしてる...。しかもあの反応速度。半端な攻撃...いいえ、ほとんどのOFは通じないかも...。そして、ボールを持たせてしまえば、止められない。)」

 

リコも現状を整理し、打破しようと思考の巡らせる。

今まで英雄が行ったようにパスの供給を妨げればと考えるが、今の青峰に通用するかどうか分からない。

それよりも青峰が火神へのチェックを強め、黒子への警戒をしている為、2人を使ったOFが制限されてしまう。

 

「(何より、英雄がどこまでも保つかが問題ね...。1度下げるか....。この第3クォーターでかなりの失点は免れない、でもここは!)」

 

英雄をこの場でベンチに下げるリスクも考え、それでも試合終盤に再度投入するべきかと判断し立ち上がる。

 

「伊月君!準備を...。」

 

ふいに英雄と目が合う。

 

「......にっ!」

 

英雄はリコの考えを察しそれを拒否するように首を振った。

そして大きく口を吊り上げ笑いながら、親指を突き出した。

 

「英雄?」

 

「はいはーい!あちらさんは手の内はこれで打ち止め!後は勝つだけ!イケるイケる!!」

 

両手でパンパンと叩きながら、チームを鼓舞する。

このまま何も出来ず試合が終わってしまう可能性が高い。青峰を止める事ができないのだから。

それでも、ここで消極的な方法と取るよりも勝算がある。

 

「今すべきは、ここを凌ぐ事。(ビビるな、最高の見せ場が来たんだ。考えろ、どうする?イメージするんだ...。)」

 

英雄はリコに意志を示し、再度OFを仕掛けるためボールを貰いに行く。

 

「(よし!!興奮してきた!)順平さん!パス!!」

 

「.....ああ!」

 

日向はその光景を見ながら、思い出していた。手に残る妙な感覚を。

 

 

今吉は、表情ひとつ変えない英雄の高いモチベーションに再度警戒していた。

 

「(...なんや、そのやる気マンマンな顔は?何をやらかす気や..!)」

 

英雄の顔から流れる少なくない汗を見て、桐皇の作戦が上手く行っていることを確信した。

しかし、同時に嫌な予感がした。それも今までより大きな。

 

シャッ

 

ドリブルの勢いそのままに、英雄は3Pを放った。

 

「くっ(警戒してたはずなのに...!)」

 

諏佐のブロックは間に合わず、リングを通過。

 

「気の緩みを突かれたか...。」

 

「すまん。」

 

「ええよ、気にすんな。わしも同じや。」

 

ゾーンに入った青峰を見て、桐皇も半ば勝ちを確信した。

だからこそ、プレーが雑になってしまい英雄に狙われる。

今吉の言葉に反応したのは諏佐だけでなく、若松や桜井も同様だった。

気を取り直し、再び青峰で点を取った。

英雄がパスカットを狙ったが、ゾーン状態の青峰のパスの受け方に隙がなくなっており、ボールに届かない。

 

「何度も同じ手が通用するか!」

 

火神がブロックに手を伸ばしきる前にショットを打つ。

 

「パス!!」

 

決められた直後に英雄がパスを要求。

速攻に慣行し、いち早く戻った桜井と今吉を前にステップイン。

 

「(これは...ヘリコプターショット!?)」

 

桜井は強引な英雄のシュートコースを読んだのだが、高さが足りない。

 

「うらぁ!!」

 

そこに青峰の手が割り込み、シュートを阻む。

 

「っくそ!」

 

「英雄君!まだです!!」

 

弾かれたボールを黒子がダイレクトで英雄にパス。

 

「ありがっと!」

 

「パスアウト!?」

 

そのボールを更にダイレクトで外に送っり、フリーの日向が受けて連続で3Pを決めた。

 

「英雄ナイス!!」

 

「俺よりテツ君ですよ。助かった。」

 

「いえ、英雄君のおかげでマークが緩くなりましたから。」

 

「それにしても、よく俺のいるところが分かったな。」

 

「え?ああ、なんとなくですよ。桜井が近くにいましたし。」

 

日向は今のファインプレーを称えながらDFに戻っていた。

 

「青峰の近くであまりプレーしないようにしましょう!だから順平さん、テツ君、力を貸してください。俺はプレーのリスクを上げる。」

 

 

 

今吉から青峰へと直接のパスはチェックできるが、それをしながら間接的なパス回しをチェックする事は難しい。

そこで、青峰へのパスコースのチェックを緩めた。

 

「ん?(そうきたか..。)」

 

今吉は英雄の意図に気付いた。

英雄は今まで青峰だけにはパスを与えまいとDFを行っていたが、今や桐皇はそれを全体へのパス回しと青峰のゾーンで解決した。

もう英雄のDFは効果を発揮してはいない、故に英雄は賭けに出た。

1つのパスコースを最優先でチェックするのではなく、4つ全てをチェックするつもりである。

 

「(....ま、それもええわい。こっちの予定以上に早まりそうやし。)なっ!」

 

チェックどころか、奪う為に手を伸ばしてきた。

間一髪で今吉はその手をかわしたが、すぐに体勢をステイローに戻している。

 

「(こいつ!玉砕覚悟か!?)」

 

英雄はひたすらボールに手を伸ばし続ける。

 

「(少しでもパスに遅れを作れれば、きっとみんなが何とかしてくれる!)」

 

英雄の負担は増しているが、それでも直接的な活躍は望めない。

あくまでも、切っ掛け作りでしかない。読みは何度も空振りをするだろう。

しかし、それでもいいのだ。

何故なら英雄はエースではなくキャプテンでもないのだから。

 

「はっ...はっ...はっ...。」

 

「っくぅ...!」

 

少しも息をつかせないようなプレッシャーにさらされながらも今吉はパスを狙う。

 

「キャプテン!!」

 

「!?若松!!」

 

見かねた若松がパスを受けに来ていた。

今吉は直ぐにパスを送るが、英雄の指が咄嗟に触れた。

 

「っちぃ!(このガキ触れやがった!)」

 

ルーズボールを若松が拾おうと、手を伸ばす。

 

ッチ

 

「このっ!!」

 

英雄が突っ込んで来ており、更にボールに触れて若松のキープを阻む。

 

「タラタラしてんな!!」

 

そこに青峰が拾い、英雄が削った残り時間で難なく決めた。

 

「くそっ!止められねぇ!!」

 

火神はずっと苦しんでいた。

徐々に青峰との距離を縮めていたのだが、ゾーンにより更に青峰の背から遠ざかってしまった。

火神個人の問題ならまだ良いが、チームが危機に陥ってのに何も出来ていない。

青峰のマークの為、パスもなかなか来ない。どうにも自分の不甲斐なさに我慢できない。

 

「分かってる!分かってるからもう少し待ってくれ!」

 

そこに英雄が肩を掴んで話しかけた。

 

「必ず俺とテツ君で最高のパスを送るから。任せてくれ!」

 

「...英雄。」

 

「勝つ為に火神、お前で点を取る。だから信じて走ってくれ!」

 

英雄の握る手に力が篭る。

 

「...分かった。とにかく走ればいいんだな?」

 

第3クォーターも既に終盤。

英雄の疲労も相当なものになっているだろう。

しかし、それを理由に躊躇っている訳にはいかない。

英雄をダブルチームから自由にする為、日向は諏佐にスクリーンを仕掛けた。

 

「(英雄!)」

 

「(あざっす!)」

 

そのまま中に入り込み、ミドルジシュートで得点した。

英雄は192cmであり、今吉と桜井に対してミスマッチを狙える。

これを基本パターンにOFを組み立て、盛り返そうとした。

しかし、DFは機能しきらず、青峰からの失点を許した。

両チームは互いに同じパターンで点を取り合った。

英雄はOF・DF共に軸となり、走り続けて支えた。

しかし、それでも今の桐皇OFは防ぎきれず、徹底的に青峰に点を取られ続けた。

結果、徐々に息が上がり始めていた。

 

そして再び、黒子のスクリーンにより侵入した。

そこに若松がヘルプでブロックに跳んだ。

 

「こんのっ!」

 

「鉄平さん!!」

 

その下を通し、木吉にまでパス。

 

スパァン

 

「何!?」

 

凄まじい反応速度で青峰がボールを叩く。

 

「まだ!」

 

それを英雄がフォローし、ボールを掴む。

 

ッチッ

 

それでも青峰からは逃げられない。

青峰の手はボールを捕らえる。

 

「ま..だ!?」

 

英雄の膝がカクンと落ちた。倒れかけてコートに手を付く。

 

「(足が...。不味い!ここで青峰に渡したら...。駄目だ!手も足も出ないなら)頭がある!!」

 

青峰に渡る前にヘディングでボールを飛ばした。

そしてそのボールはコントロールされており、ぽっかり空いたスペースに向かった。

 

「英雄!ナイスパス!!」

 

受けたのは火神。

青峰のブロックを受けないようにジャンプシュートを決めた。

 

『頭で!?』

『す、すげぇ...。』

 

観客は思わず立ち上がった。

見ていた選手を含めてである。

 

 

「見たで!(残り第4クォーターで一気に突き放せる!)」

 

今吉は確認した。英雄の足が縺れて倒れかけたところを。

作戦の成功を確信した。

 

「英雄!大丈夫か!?」

 

「あと少しくらい保たせるよ。」

 

「(残り50秒...。)」

 

何度目だろうか、うつ伏せになった英雄を火神が引き起こす。

 

グググッと、火神の力を借りて起き上がった。

 

「...すまんね。」

 

「お前...。」

 

「残り、しっかり締めていこう。」

 

火神の視線を背に受け、今吉のマークへ向かう。

 

 

「なんて男だ...。」

 

「あの状況で、あんなプレーが...。」

 

大坪や中谷も立ち上がっていた。

 

「どうしてそこまでできる...。」

 

そして緑間も

 

「あいつはな...お前等と違って跳び抜けた才能を持ち合わせていなかった。」

 

そんな中、景虎は語りだした。

 

「それでも、止まらないし、躊躇わない。誰よりも上手くなりたいはずなのに、プレーが通用しない前提で試合をするような大馬鹿野郎なのさ。」

 

景虎は昔から英雄を知っている。

決して慢心せず、バスケットに対して嘘をつかず、どれだけキツイ練習に積極的に取り組んだ。

身長を伸ばす為に、プロテインなどの薬剤を一切口にせず、運動後の補給を必ず行ったりもした。

スカウティングや戦術研究、イメージトレーニングも欠かさなかった。

トレーニングメニューも任せたままにせず、思った事は意見として申し出たりもしていた。

それだけの事を行いながらひたすら上を見続け、遂に実力者にも認められ始めた。

そんな英雄にいつしか見ていた夢を預けた。

 

「お前等がどう評価してるかは知らねぇが。....あいつはお前等が思っているよりも、ずっと...誇り高い。」

 

景虎は1人立ち上がらず、静かに見ていた。

 

 

先程のプレーから英雄の動きはややではあるが低下していた。

動き出しが遅れて、今吉に楽にパスを通された。

青峰に意識を集中させておいての桜井の3P。

 

「ここまでや。お前はようやったと思うで?お前がおらんかったらここまで点差を保ててへん。」

 

「...ぜぃ..はぁ..。」

 

「...わしの勝ちや。」

 

攻守交替のすれ違いで、今吉の勝利宣言。

言い返そうにも、呼吸が荒くてしゃべれない。

 

「点...とらなきゃ...。」

 

足は重く、肺も痛い。しかし、ぼんやりと頭にインスピレーションが宿る

 

「.....。」

 

「(英雄?なんだよ。)」

 

きょろきょろとこれまで通り辺りを見回す最中に日向と目が合う。

そこに今吉と諏佐が割り込み、英雄を囲む。

 

「(これなら奪える!)」

 

2人に押されるように後退させられるが、ボールを強くついてドライブを警戒させようとする。

 

「(抜きに来たら、わしが奪う。今のスピードなら充分や。)」

 

諏佐が先行し、詰めた瞬間。

 

ピッ

 

英雄が股を通してパスを出す。

 

「(でも甘いわ!)」

 

ギュン

 

「(スピン!?)」

 

そのボールにはスピンが掛かっており、結果、諏佐と今吉2人の股を抜いた。

 

「(俺は今、英雄と同じ事を考えてると思った。)」

 

空白とも言えるスペースに絶妙のタイミングで日向が走っており、シュートを放った。

 

「(今まで何本も決めてきたけど、何だこの興奮は?やっぱりお前は最高だ...。)」

 

誰にも遮る事を許さず、しかし味方を押し上げる。

 

『なんだ今のは!?』

『2人抜き!?マジかよ!』

『DF、誰もついていけなかったぞ!』

 

そんな優しい最高のパスであった。

 

 

「まだ、時間は残っとる!!」

 

ブザービーターを狙った桐皇の速攻。

 

「だぁあああああ!!」

 

英雄が突進ともいえるDFで迫り、今吉の手ごとボールを弾く。

誤審の可能性を感じたのか、ボールに飛び込み、サイドラインを割った。

 

『ファウル、DF白15番。』

 

ファウルアウトに躊躇いはないのか、強引にピンチな場面を潰した。

 

「はぁ...ぜぃ....ぜぃ...。」

 

ボールを腹に抱えながら、仰向けに寝転がっている。

 

「....(点はとれへんかったけど、まあええ。)」

 

今吉の言葉通り、そのまま第3クォーター終了しインターバルに入った。

桐皇学園 75-69 誠凛高校

 

 

「少し危ない場面がありましたが、まあいいでしょう。第4クォーターは攻勢を強めますよ?」

 

桐皇ベンチでは原澤がいつも通りのOF重視の作戦を言い渡す。

 

「分かってます。補照がおらんのんだったら、いくらでも点を取ったります。」

 

「っち、こんなもんか。けどまだ諦めてないみてぇだし。」

 

「そや。勝手に冷めるのは止めとけよ?」

 

今吉は汗を拭いながら、青峰の独り言に相槌を打つ。

 

「これからは、11番に今吉さんがマークをついてください。」

 

「ああ、ええよ。」

 

桃井の提案により、再び黒子封じを行う方針である。

 

 

 

誠凛ベンチでは、よろよろの英雄がベンチに深く腰掛けた。

 

「ぜぃ!せぃ!」

 

酸素という負債が一気に体を蝕み、顔を上げる事もできない。

 

「...英雄はここまでね。伊月君、お願い!」

 

「ああ!」

 

この勝負所での投入に対して、伊月は力強く返事をした。

 

「けど、こっからどうやって攻める?」

 

「もうミスディレクションを切れさせても、間に合わないかもしれません。」

 

「また、黒子封じが来ると思うしな。」

 

不安要素は尽きない。

小金井、黒子、伊月は頭を巡らせるが、青峰と桃井のデータ予測によるDFから点を取るのは簡単ではない。

改めて英雄の負担の大きさを思い知らせる。

 

「かぁ....ぜぃ...みぃ...。」

 

「どうした英雄?お前はしゃべんなくていい。休んでろ。」

 

日向が静止を呼びかけるが、英雄は火神のユニフォームを引っ張る。

 

「...ビビるな...ぜぃ...お前なら...でき..る...ゾーンは...必勝じゃ..ない。」

 

「(こいつ、こんなボロボロになってまで...俺は..)任せろ!お前は休んでていい!」

 

「..任せた。」

 

火神は英雄の両肩をもって答えた。

 

「ッテツ君...みんなを...信じて...目に見えなくても....信頼で繋がってるから...。」

 

「...はい!」

 

「鉄平さん...膝はどうですか?」

 

「お前のおかげで大分楽をしたからな。」

 

「順平さん..。」

 

「何だ?」

 

最後に、日向に向き直し、英雄なりの激励を掛けた。

 

「俺....日本代表に...なりたいから...お願いします。」

 

「....おせえよ。..ま、一旦バトンタッチな。」

 

拳を作り英雄の額にコツンと当てていた日向はやはり嬉しそうだった。




桐皇戦で考えていた事は、ミスディレクション・オーバーフローを使用しない事でした。そして、その代用案が英雄の奮闘しかなかったので、ここ最近の話が一辺倒になってしまいました。申し訳ございません。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。