篠ノ之家の猫はIS搭乗者(全話修正中)   作:たいお

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第45話 食堂と風呂と男装少女の行く末

 

◇   ◇

 

 事件翌日の昼休み。

 後日連絡が来るまで通常授業を行うという形でいつもの時間を過ごしてきた生徒諸君であったが、ついにその連絡の時が来る。学園各地に設けられている放送用スピーカーや、現在私がいる食堂に設備されているテレビによって、今回のタッグトーナメントは『突然の事故』により中止にするという旨が全校生徒のお嬢ちゃん達に伝えられる。

 流石にあのような事件があった後に平然と続きを始めるのは先生たちでも難しいと判断したのだろう。そも、今回のトーナメント自体は半分程度まで進行しており、各学年のデータは十分に取れている筈なので、再開する必要性も左程無い。そう判断したが故の中止指示なのだろう。

 

 そしてこの流れ、私やシャル・ガールの予想通りの展開であった。

 誰かがテレビの電源を切った事を皮切りに、私たちは互いに口を開いた。

 

「ふぅん……シャルルとテオの言ってた通りになったな」

「そうだねぇ。あっ、一夏、そこの七味取って」

「あいよ、ほら」

≪少年、そこの醤油取って≫

「あいよ……ってあれ、テオって醤油大丈夫だったっけ?」

≪いや、言ってみたかっただけ≫

「只の便乗!?」

 

 うん、少年のツッコミスキルは慌ただしい事件の後でもキレがあっていい。

 そんな冗談を捨て置いて、私は目前のキャットフードを一口。いつもはドライタイプだけど、今日は気分を変えてウェットを嗜んでいる。あくまで気分の問題なので特に深い理由は無いから、悪しからず。

 

「そう言えば一夏、箒は一緒じゃないの?」

「今日は剣道の昼練だってさ。朝自分で弁当作って剣道場に行ったよ」

≪少年も付き添えば良かったのに、昨日は箒ちゃんと2人きりの稽古をしてて疲れたからパスしちゃったんだよね。全く……≫

「いや、寧ろとことんまでやったんだから褒めてくれても良いと思うんだけど……シャルル、どうかしたか?」

「……別に」

 

 未だ男装をした状態のシャル・ガールは、ちょっぴり機嫌を傾けた様子でそう返すと追究は受け付けないとばかりに味噌汁を啜る。何時ぞやは箸が不慣れだった姿を見せていたこの子も、先程から随分と上手に箸を使えている。

 そういえばここ最近、一夏少年が他の女の子と楽しそうに話をしている姿を目にするとこういうリアクションをし始めるようになっている。ムッと面白くなさそうな表情を浮かべる辺り、まるで少年に惚れちゃったかのような反応だ。

 ……ようなも何も、完全に惚れてると見ていいよね。現在進行形で不機嫌なのも、少年と箒ちゃんが昨日は沢山2人きりで居たと知ったからに違いない。

 

 私はシャル・ガールの耳元に顔を近づけて、隣にいる一夏少年に聞かれない様に声量を下げてから言葉を発した。

 

≪……シャル・ガール、不貞腐れるのは可愛いけど、少年と愛で結ばれたいならこれ位は笑って流す器量がオススメだよ≫

「っ!?な、なっ!?」

「ん?シャルル、どうかしたか?」

「な、なんでもないよっ!一夏は知らなくていいからっ!」

「お、おう」

 

 やはりというかなんというか、一夏少年には私の台詞を聞かれていない。恋事に関すると突如難聴になる彼の特性は一体どういうことなのだろうか、それなりの付き合いである私にも訳が分からないよ。特殊なフィルターでも掛けてるんだろうか。

 

「……もうっ、いきなり何を言い出すの?」

≪いやいや、恋する乙女に単なるアドバイスだよ。老婆心ってやつさ≫

「こ、恋……」

 

 そのワードを聞いたシャル・ガールは口元を手で隠しながら頬を赤らめる。男装をしてはいるが、その素性を知っている私からしたらその姿は何とも愛いものである。

 

≪まぁ少年を好いている子は箒ちゃんを始め沢山いるけれど、そんなライバルたちに負けない為には焦らないことが……おや?≫

「ん?」

 

 ふと視線を変えてみると、酷く落胆したオーラを纏うお嬢ちゃんたちが集まっている姿が見えた。その様はまるでソウルジェムが酷く濁った某魔法少女のような落ち込みっぷりで、今すぐにでも膝をついてしまう位に脆く感じる程であった。

 

「優勝……交際……チャンス……消え……」

「酷いよ……こんなの、あんまりだよ……」

「まどかぁ……」

「うおォン 私はまるで決壊したダムだ」

 

 絶望の言葉をそれぞれ口々にしながらお嬢ちゃんたちは走り去っていった。その規模数十人。多い。

 完全に忘れていたけど、今回のトーナメントの優勝者は賞品として一夏少年と交際出来るって話があったのを思い出した。肝心のトーナメントが中止となる以上、優勝も何も無いので景品も当然ながらお流れ。よって今のは一夏少年との交際を割と本気で狙っていた子たちの嘆きだったというわけだ。

 そんな裏事情を知らないシャル・ガールも一夏少年も、その光景を見てキョトンとしてしまっている。

 

「……なんだったんだ?今の」

「さぁ……?テオは何か知ってる?」

≪さぁ?≫

 

 私の口から彼女たちの敗北を語るのは可哀想だから、私からは言わないでおくとしよう。知らなくてもいいことって世の中に沢山あるしね。

 

「あぁ良かった。皆ここに居たんですね」

「あれ、山田先生?」

「手記業務があったんじゃ……」

 

 皆の癒し系、山田先生こと真耶ちゃんがファイルを片手に食堂に現れて私たちのいるテーブルへと歩み寄ってきた。昼休み前の授業、つまり4限目の授業の終了間際に『これからトーナメントに関する書類の処理をしないと……とほほ』と言いながら教室を出て行った彼女だったため、今日は昼休みをフルに使って作業を行うのかとクラスの子たちから思われていたのだ。

 

「ふふふ~。実は私、ああいう地味な作業が得意で、今日は調子が良かったのか予定より早く済んだんですよ。これでもこの学園の先生ですしね!」

 

 そう言って真耶ちゃんは誇らしげに胸を張る動作をする。その際にたゆん、と大きく揺れたのが良く分かった。何がとは言わないけど。

 

「……一夏のスケベ」

「ちょっ」

 

 どうやらお年頃な男の子の所作はバレバレな様子。まぁそんなあからさまに視線を逸らしてたら、ね。

 

≪それで真耶ちゃん、私たちに何か用事があったのかな?≫

「はい、実はですねぇ……」

 

 

 

――――――――――

 

「男子の大浴場使用解禁、万歳!」

 

 万歳、万歳……と少年のエコーがその場に生じる。

 昼休みに真耶ちゃんが持ってきた話は、今私たちがいる大浴場を男子である彼とオスである私が使用出来るようになった、という内容であった。本来は日程の調整等があって来月から使用可能になる予定だったみたいだけれど、どうやら本日はボイラー点検があって元々女の子たちは利用出来ない日で、作業が終わったものの折角だし男子に使わせてあげよう!という学園側からの計らいがあったそうな。粋だね。

 それを聞いた一夏少年は目を輝かせ、山田先生の手を握りしめて感動混じりの感謝をしていた。隣にいたシャル・ガールの視線がキツくなっていることに全く気付かず。

 そしてその後に相談した結果、少年と私が先にお風呂に入らせてもらい、シャル・ガールはその後で使うという段取りになった。男女で一緒に入るのは拙いだろうって、2人が慌てていたね。

 

 私は学園が用意してくれたミニサイズの湯船に浸かって、身に染みる暖かみを堪能する。猫は風呂嫌いってよく言われるけど、私は昔から習慣で行っていたので全く問題は無い。

 尚、私の浴槽は一夏少年が使っている湯船とは若干隔てられている。猫アレルギーの生徒に対しての処置とのこと。

 

「やっぱ風呂は湯船にどっぷり浸かるのが一番だよなぁ~。シャワーだけじゃ物足りないっていうかさ」

≪気持ちは分かるよ。私もシャワーよりはこういうのが好みだからね≫

「だろ!?いやー、テオはやっぱり分かってくれると思ってたぜ!」

 

 ザバァ、と湯船のお湯を溢れ出させながら此方へ身を乗り出してくる一夏少年。幼少時代は此処までお風呂を愛する子ではなかったような気がするんだけど、まぁ人の嗜好は時が経てば移ろい易いそうだしね。

 

「贅沢を言うなら、昨日の剣道の稽古終わりに入りたかったなぁ……ああいう時に入るコレが最高なんだよ。シャワーじゃ抜け切らない疲れが溶かされる感じがしてさ」

≪ちなみに猫なら桶さえあれば直ぐに湯船が出来るよ≫

「……確かにそうだな。え、じゃあ今入ってる風呂ってテオにとっては別に珍しくもなかったか?」

≪感覚的にはね。まぁ場の雰囲気っていうのもあるし、やっぱり今の湯の方が断然いいよ≫

「なるほど。……それにしても簡単に湯船に浸かれるって、テオみたいな猫や犬はいいよなぁ」

≪なら後で束ちゃんに頼んでおこうか?束ちゃん特製の薬とかナノレベル分解とかを超えた先に、猫になった一夏少年の姿が―――≫

「あ、やっぱいいや」

 

 即答か、残念だ。……という冗談はさて置き。

 

≪風呂と言うと、やはりあの時を思い出すね≫

「あの時?」

≪覚えていないかい?子供の頃、一夏少年が千冬嬢の都合で私たちの家に泊まりに来た時があったけど、箒ちゃんがお風呂に入ってるのに気付かないでバッタリ出くわしちゃったこと≫

「ぶほっ!?」

 

 私が過去の出来事を掘り返すと、一夏少年は思いっきり吹き出しながらお湯の中に沈んでいった。直ぐに身体を起き上がらせるものの、突然湯の中に身を投じたことで咳き込んでしまっている。

 

「ゲホッゴホッ……い、今思い出す話じゃないだろ、それ……」

≪いやぁ、ついね。その時は私も箒ちゃんと一緒に入ってたんだけど、中々面白い光景を見させてもらったよ≫

「他人事みたいに……その日から一週間は箒から余所余所しい態度を取られるわ、おじさんたちからは怒られるどころか何故か生暖かい視線を向けられるわで大変だったんだぞ」

≪束ちゃんなんて式場の準備を裏で進めようとしてたよ≫

「それは初耳なんだけど!?」

 

 『年端もいかない箒ちゃんの生裸を見たんだから、いっくんにはドンと責任を取ってもらわないとね!オゥ、これが所謂ヤマト・ダマシー!』って言いながら計画を進めようとしていたんだよね。今の私なら嬉々として協力してただろうけど、昔の私は流石に早熟すぎると判断して束ちゃんを説得し、計画を中断させたんだっけ。ちなみに、あくまで『中断』だからね、結婚式の用意自体はいつでも出来ているというのは私と束ちゃんだけの内緒。

 

 動揺していた一夏少年もやがて落ち着きを取り戻すものの、その顔にはお湯の暖かみ以外による赤らみが入っていた。彼は気まずそうに視線を私から逸らしながら口元まで湯船に浸かると、ブクブクと泡を立て始める。

 

 あの顔は、もしや…………。

 

≪……箒ちゃんの裸≫

「お、思い出してないぞ!?」

 

 どう見ても思い出しちゃってます、本当にありがとうございました。女心には鈍いのに、こういうことに関してはちゃんとお年頃な男の子らしい反応をするのだから中々に困った子だよ、この少年は。

 兎にも角にも、箒ちゃんたちには今後もアピールを頑張っていってもらいたいものだ。

 

≪それじゃあ、私はそろそろ上がるとするよ≫

「お、おう。それじゃあ俺はもうちょっと入ってるぜ」

≪了解。ちなみに私がつい口を滑らせて、風呂から上がった少年が女の子たちからスケベ扱いされていても、それは只の事故だよね?≫

「それ事故じゃねえから!っていうか絶対に喋らないでくれよ!?」

≪…………解ってる解ってる≫

「その長い間は何!?」

 

 まぁ、言うつもりはないけどね。

 後ろでやんややんや騒いでる一夏少年を放って、私はプルプルと身体を震わせて毛の水気を飛ばすとテクテクと風呂場を去っていくのであった。

 

 

 

――――――――――

 

≪さて……やっぱり来たみたいだね、シャル・ガール≫

 

 大浴場の脱衣所で、いつもの格好に戻った私はシャル・ガールと対面した。

 

 普段は留めている後ろ髪を今は解放させており、胸部は男装時とは違って女性特有の膨らみが生じている。手に持っている物は男装時に使用する小道具と、入浴に必要なタオルや着替え等で、単にこの場に来ただけというわけではないことが窺える。

 恥じらいと決意が入り混じった表情で私を見つめ返してくるシャル・ガール。今の彼女はシャル・ボーイではなく、本来の姿であるシャル・ガールとして此処に居るのである。

 

「一夏は、まだお風呂に入ってる?」

≪ああ。久々の湯船を堪能するぞーって嬉しそうにしていたからね、今から入っても充分間に合うはずだよ≫

「と、止めないの?男の子の一夏と女の子の僕が一緒に入るのに」

≪生憎、そういうのを邪魔するような性分は持ち合わせていないものでね。無論、これからの2人の合間に居座るような野暮もね≫

「そ、そうなんだ」

 

 顔を赤くしながら息を吐くシャル・ガール。

 しかしそれも束の間の表情。直ぐに顔を引き締めると、重々しく口を開き出す。

 

「此処に来る前に、生徒会長の更識さんって人に声を掛けられて生徒会室に呼ばれたんだ。僕の……デュノア社のことについての話があるって」

≪ふむ≫

 

 デュノア社の件がどうなったかについては、私も既に耳にしている。侵入者である桃髪のお嬢さんの事について轡木殿に報告した際、彼からその場で教えてもらっているのだ。

 

「テオ……本当にありがとう。テオが手を回してくれたお陰で、一夏が居るこの学園に残れる様になったよ」

 

 シャル・ガールも、私が轡木殿から既に話を聞いているということを生徒会長から伝えられていたのだろう。彼女の口から真っ先に出て来たのは感謝の言葉だ。

 

 デュノア社のこと、そしてシャル・ガールのことについて私の方から説明させてもらうとしよう。

 まずデュノア社についてだけど、シャル・ガールを男装させてIS学園に入学させた件とVTシステムを強制的に作動させてトラブルを発生させた実行犯がデュノア社社長の本妻であるマリーヌ・デュノア夫人だったことがIS委員会に知られ、社長辞任と他企業による吸収併合が言い渡された。

 デュノア社を吸収したのは、フランス国内で最も第3世代機の開発が進んでいる【エトワール技術開発局】、通称【エトワール技局】というIS企業で、そこの社長が今回の話を事前に耳通ししていて、社長を失った後のデュノア社員を会社毎引き取ると持ちかけて来たそうだ。規模縮小も対して行われていないというのに丸ごと引き取るその豪胆さ、嫌いじゃない。

 そして解任されたデュノア社長についてだが、シャル・ガールへの男装強要によってIS委員会に組織している警察機関の管理下での10年の懲役が下された。本来であれば現代兵器を凌駕するISに関連した罪科のため、倍以上の懲役期間が言い渡されてフランスの牢に入れられてもおかしくは無いのだが、【亡国企業】の息が掛かっていたことを踏まえられ、IS委員会が性別詐称の罪科における最大懲役期間に収めてみせたらしい。また、フランスではなくIS委員会の警察機関が社長の身柄を預かることになったのも、今回の一件でフランスが社長に対して物騒なアクションを内密に仕掛ける可能性を危惧したため、保護の意味も含めての管理だそうだ。

 そんなフランスは当初の予定通り『亡国企業の暗躍に巻き込まれた被害者』という看板を立てられ、大事には至らなかった。とはいえ、亡国企業やデュノア社の動向を見逃していた責任までは無視出来ず、一先ずはイグニッション・プランの参加条件をフランス限定で更に厳しくすることによって手打ちとなった。実質参加不可能を言い渡しているようなものである、フランスもこれには遺憾の意を表明せざるを得ないだろう。

 

 次は、シャル・ガールについて。

 デュノア社によって男装を強いられ、一夏少年及びISのデータの入手を命じられていた彼女であったが、転入から私と一夏少年に真実を自ら明かした日の間で、デュノア社にコンタクトを取った形跡が一切無かったことが確認出来ている。以降は学園がシャル・ガールの名義で虚偽の報告を代理していたため、彼女が今日までデュノア社の命令に従わなかったことを無事に証明。曰く『周囲の視聴が危ぶまれる為、報告は緊急時と作戦成功時のみとして極力控えるように』というデュノア社からの指示があったらしいが、それが円滑に事を進めてくれた一因となってくれたようだ。

 IS委員会の議会の末、シャル・ガールは今迄通りIS学園での生活を許されることとなった。また、代表候補生の座に関しても会議の内容の1つとして含まれていたが、最終的に現行維持を提示されたためガールは晴れて代表候補生を続けられるとのこと。尚、今まではデュノア社の非公式テストパイロットを務めていた彼女だが、エトワール技局における立場は今後の社長との相談で決定するそうだ。

 

 以上が、デュノア社とシャル・ガールの処置についてである。

 

「エトワール技局の社長さんにはもう電話で挨拶を済ませてるんだけど、優しそうな感じが電話越しでも伝わったよ。きっと今迄みたいな扱われ方よりはいいと思う」

≪そっか。まぁもしも何かあったら、また私に相談するといい。幾らでもシャル・ガールの力になってあげるよ≫

「…………」

≪ん?≫

 

 シャル・ガールの表情に少しだけ陰りが生じる。何か都合の悪いことを言ってしまったのかと思いながら彼女の顔を覗き込んでいると、彼女はスッと唇を持ち上げる。

 

「……テオみたいなお父さんが居てくれたら良かったなぁ……」

 

 か細い一言であったが、私はハッキリと聞き取れた。

 

 社長である父親とは実母が亡くなった後も分厚い鉄の壁のような隔たりを続けられ、デュノア社のIS開発に貢献するためだけに扱われてきたというシャル・ガール。その関係には普通の家族の様な温情が無く、両者の間で繋がれているのは冷え切った細い糸が一本だけ。

 今しがたの吐露は、取り繕う必要の無いシャル・ガールの本心なのだろう。大切な母を亡くし、唯一の血縁である父親から愛情を注がれることが無かったが故の真なる思い。柵から解き放たれた今も尚、彼女の笑みは儚げであった。

 

 だから私は、目の前に佇む少女に告げることを決めた。母を喪い独りきりで生き続けてきた彼女の心を、ほんの僅かでも救えるようにと願いながら。

 

 それは―――。

 

 

 

 

 

≪なら……私の娘にならないかい?≫

 

 

 

―――続く―――

 




 いつから娘候補がラウラだけだと錯覚していた?

???「なん……だと……」


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