一夏少年の特訓の日々はあっという間に過ぎて行き、ついに一夏少年VSセシリア姫の決闘当日を迎えた。
現在、アリーナの観客席は生徒達で賑わっている。
二人の決闘は授業が終わった後、つまり放課後に割り当てられており、今回は私が二人の相手をそれぞれ行うという頃で、千冬嬢が多少余裕のある時間で場所の使用許可をもらったらしい。感謝。
放課後なので授業では無いため、見学は個人の自由である。が、世界で唯一ISを動かせる男性とオスが試合をするということに皆は興味津々のようで、学年を問わず様々なお嬢ちゃん達がやってきている。
いやぁ、客寄せは中々大変そうだね。
『言っておくが、お前の姿を見ようと湧き上がっている生徒も大勢いるからな。これが織斑一人だけの騒ぎとは思うなよ』
≪ですよねー≫
まぁ、知ってた。
アリーナが生徒で埋まっている一方、私たち出場者はピットにて決闘の準備を行っている。
私と一夏少年と箒ちゃんの3名はアリーナ観客席ではなく控室で待機をしており、セシリア姫は一夏少年相手側の控室で待機している事であろう。
これから始まるステージを目前にして、一夏少年は顔を強張らせている。肩にも力が入ってしまっており、少しだけいつもより持ち上がっている。これほど大勢の人の前に出ることが無かっただろうから、さすがに緊張しているんだろう。
だが、まだ公衆の面前に出ていないのにその様子では、アリーナの歓声を受けた瞬間に倒れてしまうかもしれないよ?
「うぅ、結局ISに乗って練習出来なかった……本当にこれで戦うのかよ」
「シャンと構えていろ一夏。ISに乗れなかった分、やれるだけの事はやってきただろうに」
≪箒ちゃんの言う通りだよ、少年。箒ちゃんが剣道を通して身体のキレを取り戻させて、私が特別授業である程度知識を与えてあげたんだ。専用機のことといい、こんなに尽くしてくれるなんて君は間違いなく恵まれているのではないかな?≫
「……あぁ、その事に関しては二人には感謝してるよ。本当にありがとな」
先程まで緊張した顔つきの一夏少年であったが、私達に向けて爽やかな笑顔でお礼を言ってきた。こういう無意識なイケメンっぷりが、世の女性のハートを掴んでいるんだなぁと再確認させられる。私もメスだったら案外トキメいていたかもしれないし。なんてね。
「礼ならば勝った後にでも受け取ろう。今は勝利することに専念していろ」
イケメン顔負けのクールな笑みを浮かべながら、箒ちゃんはそう言ってのけた。以前までの箒ちゃんだったら一夏少年のスマイルを向けられただけで赤面していただろうに……成長したね。ただ赤くなった可愛らしいテレ顔が見れなくなったのは寂しくもあるテオでしたとさ。
≪まぁセシリア姫と戦う前に私がほぐしてあげるんだから、無理に気負う必要も無いよ。私もちゃんと手加減をしてあげるから、多分≫
「多分!?全力で仕留めに来る可能性が潜んでんの!?」
≪私も歳を取ったとはいえやんちゃは好きだからね。うっかりガチになってしまうかもしれないね≫
「俺、そうならないように祈ってるわ」
≪叶うといいね≫
「他人事みたいに言っておくけど、テオ次第だからなそれ!?」
などと少年の緊張ほぐし4割、私の愉悦6割によるトークが繰り広げられていた、その時であった。
『き、来ました!織斑くん、聞こえていますか!?織斑くんのISが来ました!』
管制室にいる真耶ちゃんが、焦りの含んだ声色で一夏少年に伝えてきた。彼のISの到来を。
真耶ちゃんの言葉の直後に、搬出口から彼のISである【白式】が姿を現していく。私も束ちゃんから話でしか聞いたことが無かったけど、随分かっこいいデザインになっているじゃないか。羨ましい。
『織斑、直ぐに準備を始めろ。テオも先にアリーナに行って準備を整えているように。織斑がアリーナに入ったら直ぐに試合を始めるぞ、アリーナを使用する時間も限られているからな』
≪了解です。では一夏少年、一足先にステージで待っているよ≫
「あぁ、俺もすぐに行くぜ」
彼が自らのISに向かっていくのを見送ってから、私もステージへと向かうべく足を進め始める。
「テオ」
その直後、箒ちゃんに声を掛けられたので、立ち止まって彼女の方に顔を向ける。
「……頑張ってくれ」
≪うん、ありがとうね≫
勝ってくれ、ではなく頑張れ……ね。
箒ちゃんにとってはどちらも見知った間柄だから、やはりどちらかの勝利を願うのは難しいかな?それとも一夏少年には勝て、とちゃんと言ってあげるんだろうか。
もしそうなら幸せ者だぞ少年、はっはっは。
アリーナへ入った瞬間、甲高い歓声が盛大に響き渡る。
「キャアアアァァァ!!ホントに猫が出て来たわぁぁ!!」
「可愛いぃぃぃ!!」
「抱かせて!!いえ、寧ろ抱いて!!」
「離せ!私はモフモフしに行くんだ!この手を離せ!」
「テオくーん!がんばれ~!」
中々にカオスな発言も飛んできている。1組の子は私と面識があるからか、単なる歓声よりも名指しでの応援が聞こえてくる感じだ。普通に嬉しい。
歓声飛び交うアリーナの中、私は悠々と中央に向けて歩いて行き、アリーナ中央付近に辿り着くと一夏少年の到来を待つ。
そして間もなく、一夏少年が白式をその身に纏いながらアリーナに姿を見せた。ISに搭載されている飛行ユニット【カスタム・ウイング】で空中移動を可能としている今の彼は、それを使って入り口から勢いよく飛び出してきた。颯爽、と言うには少々覚束なく見えたのは不慣れだから仕方がない。
しかしそれとは関係なく、私が入って来た時に負けない程の歓声が飛び交う。やはり彼もこの学園では珍しい部類として扱われている事に変わりはない。
勢いよく飛び出してから暫く飛び回っていた一夏少年であったが、飛んでいる最中に制御のコツを掴んだようで、その機体を止めることに成功した。
「よう、待たせたな」
≪なに、殆ど待っていなかったよ。……さて、始めるとしようか≫
【
私は首輪の形で待機状態になっている相棒を呼び起こす。首輪が光り輝くと共に私の身体を一瞬だけ包み込み、光が晴れたその時、私のISの姿が衆目に晒される。
その色は、太陽で輝きを増す銀。
機械的な素材で私の身を顔以外覆い隠す、西洋騎士を思わせる
背にはしな垂れた小さな翼が一組。
後ろには滑らかな曲線を描いた機械の尻尾が一本。
これが私のIS、銀雲だ。
「それがテオの……ガッチリ着込んでてカッコイイな」
≪おや、ありがとう。そういう少年のISこそとても似合っているよ、私みたいに顔を隠していると勿体無かったから、やはりそっちの方が丁度いいね≫
「何が勿体無いんだ?」
≪少年に理解してもらう期待はしてないから、気にする必要は無いよ≫
「なんか、サラッと酷いこと言われたような気がするんだけど!?」
気のせい気のせい。
さて。
こういう場で世間話というのも悪くは無いが、そろそろ試合を始めた方が良さそうだ。千冬嬢が先程言っていたように、アリーナを使える時間は限られているのだから。
アリーナの使用終了時間までに彼の一次移行完了とセシリア姫との試合、そしてメインである二人の試合をこなさなければならないのだ。駄弁ったせいで時間が押してしまい間に合わなかったとなれば、間違いなく千冬嬢の鉄拳がお見舞いされるに違いないだろうからね。一夏少年に。
「それじゃあ早速始めようぜ、テオ。やるからには勝つつもりで行かせてもらうからな」
≪ははは、随分と頼もしい言葉だね。だけどそう簡単に勝たせてあげるわけにはいかないのでね、私もそれなりに負けず嫌いだし≫
「男同士での勝負なんて、ここじゃテオとしか出来ないからなぁ。それじゃ早速…………え゛っ」
おや?何故少年は急に変な声を出したんだ?
≪どうかしたのかね、何か不具合でも?≫
「いや、その、不具合っちゃ不具合みたいなもんだけど……マジかよ武器これしかないのかよ」
……あぁ、なるほど。
白式の装備がアレしかなかったから、驚いてあんな声を上げてしまったのか。まぁ確かに武装が一個だけなんて欠陥呼ばわりされかねない仕様だ、私もあの子の立場だったら似たような反応してたかもしれない。
一夏少年は渋々と言った様子で自らの手に刀――【雪片弐型】を出現させると、剣道の時のような構えをとった。
≪では、いつでも来なさい≫
「よし……それじゃ行くぜっ、テオ!」
私の言葉に促されて、一夏少年は勢い良く大地を蹴り込むと共にスラスターを噴かせて私に向かってきた。彼のISは現在進行形で調整を行っているところであり、いわば肩慣らしの段階に過ぎないのだが、それでもなお十分に速い。サラマンダーより(ry。
これがまだ本気でないとは、束ちゃんが手掛けたあのISはやはり驚くべきステータスを持っているみたいだね。移行する度にどれだけ化けるのか、今からでも恐ろしい。
「うおぉっ!」
少年の持つ刀が、私に向けて振り下ろされる。
私はそれに対して、当然回避を行った。
「えっ?」
間の抜けたような声を発したのは、少年の方であった。信じられないと言った様子で、私の姿をその眼に映らせていた。
何が起きたのか?その答えは単純なものだ。
先程も言ったように、彼の刃を躱しただけである。ただちょっと、躱す際の挙動が彼の目では捉えられなかったのだ。
私の動きが『速すぎて』……ね。
「ま、まだまだ!」
果敢にも一夏少年は振り切った剣を横に構え直して、地面に対して平行の軌道で私に斬りかかってきた。
しかし私も派手に動くことをせず、身を低めて刃を上に通り過ぎさせた。今度は逆方向から刃が襲い掛かって来るが、その一撃もヒョイと軽く後ろに跳躍することで避けてみせる。
それからも一夏少年は諦めることなく、私に向けて刀を振るい続けた。斬り、突き、薙ぎ、割り……あらゆる種類の刀撃を披露してみせた。
しかし、私はどの技も紙一重のところで躱してみせた。身を伏せ、首を傾け、身体を反らし、彼の技を全て避け続けている。
初めは少年も正確かつ冷静に刀を振るっていたのだが、今は悉く躱されてしまって剣閃に焦りが募っているというのも、私が容易に避け続けていられる要因となってくれているのだが。
◇ ◇
教諭、織斑 千冬は副担任の山田 真耶と共に管制室のモニターから一夏とテオの戦闘を観戦していた。
試合の状況は、まさにテオの思うがままといった様子だった。がむしゃらに刀を振るっては躱されている一夏と、ギリギリの所で避けつつもそれらの所作に切迫した様子は無い、余裕を感じられた。
「す、すごいですね……テオちゃんの動き。同じ一年生であんな動きが出来る子なんて、殆ど、いえ、きっといませんよ」
ほえー、と感嘆の息を零しながら真耶は試合風景を眺めている。
千冬は千冬で、真剣な面持ちで試合の流れを見つめている。
「大丈夫ですかね、織斑くん。まだISが調整途中とはいえ、この戦況は……」
「ここで何もせずに終わってしまうのであれば、あいつがその程度の才覚だっただけの話だ。多少なりとも死ぬ気で挑んで展開に刺激を与えるくらいの事はしてもらわなければな」
「て、手厳しいですね」
甘やかすのは性に合わない模様。もし彼の弟が異常に優しい姉の姿を見てしまったら、明日は槍が振ると覚悟するだろう。
「それにしても、テオちゃんのISはどれ程の機動力なのでしょうか?地上戦で、しかも必要最低限の動きしかしていませんが、ところどころとんでもない速度で織斑くんの攻撃を躱してますよね」
「最速だ」
「えっ?」
真耶が呆けたように口を開かせながら千冬に注目する。彼女が見つめた先にいる女性の表情に変化は無い。
「私は既に奴の機体の特徴を把握している。奴の専用機である銀雲は攻撃力、防御力共に全ISの中でも最下位クラスの性能だ……だが」
そこで一拍置いた後、千冬は言葉を続ける。
「スピード、機動面においてあれの右に出る者はいない。他の貧弱な性能を全て素早さで補っている、どこかの天災があいつに傷を負わせない為に導き出した末の力があれだ」
昨今のIS開発事情は、『後付武装による多様化』を目標にした第2世代から『操縦者のイメージ・インターフェイスを利用した特殊兵装の実装』の第3世代へと切り替わりつつある。ISの本体性能を盤石なものにしてから武装面に力を入れ、ビット兵器、衝撃砲、AIC等の特殊な装備で他国と差を付ける動きが主となっていった。
そんな中で束がテオの専用機である銀雲に施したのは圧倒的なスピード。いかに優れた武装を生み出そうとも、命中さえしなければそれはオブジェとなんら変わりない。
果てに束は、全てのIS兵装を封殺出来る程のスピードを銀雲に与えてみせたのだ。時代の流れに拘らない、束の着想が新たな次元を作り出したと言えよう。
その結果が、現在アリーナで一夏の斬撃を悠々と躱してみせているテオの姿であった。
◇ ◇
さて、少年を存分にからか……じゃなくて準備運動をさせてあげたことだし、そろそろ少しだけ本腰を入れるとしようか。
私の姿は、剣を振り切った直後の一夏少年の眼前にまで迫っていた。
「――え?」
先ずは一撃。
「ぐあっ!?」
私の武装の一つである、機体後部に尻尾のように取り付けられた鞭型の近接戦闘用打撃武器【ウィップ=ネコジャラシ】。
ISと同素材の金属でありながら本物の尻尾のようにしなやかな形をしており、非常に高い柔軟性を持ち合わせている。私が身体を鋭く動かすことによって、その武器は人間が使う鞭のような攻撃を発揮するのだ。
それから放たれた鋭敏な打撃が、一夏少年のシールドに直撃。彼のエネルギー残量を多少ながら消耗させた。
攻撃を喰らって後ずさる一夏少年に向けて、私は瞬時に肉薄する。そして再びネコジャラシを振るい、少年の機体にぶつけて行く。
更に後方へ下げられていく一夏少年へ、私は3度目の接近を行った。
「っ!」
私が迫ることを2度目の攻撃を受けた後に察知した一夏少年は、私の攻撃の軌道を感覚で掴んだのか刀を盾にするように構えた。
流石は少年、確かにこのまま私が攻撃すればネコジャラシは君の刀に防がれてしまうだろう。私の武器はどれも攻撃力が低いから、君の防御を押し切れるとは考えられないからね。
もっとも……瞬時に別の方向から攻めかかれば、防御も意味は無くなってしまうがね。
「え?ぐあっ!?」
私は脚部のブーストを使い瞬時に場所を移動すると、横から一夏少年に向けてネコジャラシをぶつけた。
私はそのまま着地を行い、後ずさる一夏少年の先へと降り立った。
一夏少年は攻撃を受けてたものの、その威力の低さが目立って難なく体勢を立て直すことに成功していた。
「い、一体何がどうなってんだよっ?急に目の前にいたり、そこに居たのに居なかった、って顔にされたり。テレポートでも使えるのかよっ」
≪そこは寧ろどこでもドアでしょう。私、猫だし≫
「猫型ロボットは別に関係なくない!?っていうかドアなんてどこにもないし!」
そういえば暫く彼とは会っていないけど、元気にやっているだろうか。まぁ今も眼鏡の少年の世話を焼いているんだろうから心配はしていないけど。
≪別にISに乗っていたら速く動けるなんて普通じゃないかい?あれくらいの動きをするなんて大体の人が出来る筈さ≫
「いや、絶対それは無いだろ。そもそも俺のISが警告を鳴らしたの、お前が攻撃してる最中だったんだぜ?ISの感知を上回って動けるなんて、警告の意味が無い以前にどんだけバカげた速度なんだよ」
バカとは失礼な。
≪なに、最も速く動けるISに乗っているなら、それくらいしてのけないと駄目だと思わないかい?≫
「いや、それでも何のための警告に…………おい、いやちょっと待て。今なんて言った?」
≪ん?だから最も速く動けるISに――≫
「そう、そこそれ!どういう意味だよそれは!?」
どう言う意味って……普通に言葉通りの意味なんだから説明し直す方が難しいと思うんだけど。
まぁなんだか少年も混乱しているみたいだし、頑張って説明させてもらうとするかな。
≪そう言えば私のISの事は言っていなかったね。私の相棒であるこの銀雲は現存するISの中でも最も速い速度を出せて、最も高い機動力を備えているIS、いわゆる『最速のIS』とも呼ばれる存在なのだよ。尤も、これまでずっと秘匿されてきたからそう言われるのはこれからになるだろうけどね≫
「……最速の、IS?」
≪うん、そう≫
ちなみに銀雲を世界最速だと評価してくれたのは束ちゃんである。設計者のお墨付きとなると、冗談でもなんでもないだろうね。やった。
それにしても若者ではなく私が最速の称号を得ることになるとはね、年寄りがここまで出しゃばってしまっていいのだろうか?いや、寧ろ先達として先を進んでいるというのも手か。
「………かっ」
≪か?≫
「勝てるかそんなチートにぃぃぃぃ!!」
チートだなんてまさかそんなまさか。そのようなことがあろう筈がございません。他のISよりも力の劣る銀雲が、チートだなどと……さぁ、ベジータ王、宮殿へお戻りを。
という1人コントはさて置き、ここから更に頑張ってくれたまえよ?一夏少年。
――続く――
【名前】銀雲(しろぐも)
【世代】第1世代(唯一世代)
【色】銀
【装甲】全身装甲型(フルスキンタイプ)
【武装】
・近接戦闘用鞭型打撃武器『ウィップ=ネコジャラシ』(常時開放装備)
・???『???』
・???『???』
・???『???』
【単一仕様能力】『???』
【詳細】
テオが使用する第1世代相当のIS。
過去に束がテオ専用に作った特別なISをそのまま機体のメインとして使用しており、第1世代扱いという事もあって第2世代のような基礎的な重火器、第3世代のような目新しい特殊機能はほとんど搭載されていない。
しかしテオが本格的にISを着けるようになった【とある事件】以降から、束がちょくちょくグレードアップを行ってきたため、一部のスペックは極めて高い数値を誇っている。一部だけは第4世代である白式、紅椿ですら上回る数値である。開発者の束は自身の手で強化を繰り返したこの機体を、家族の一員であるテオのためのISであることから『唯一世代機』と呼んで気に入っている。ちなみに全身装甲型である理由は『銀雲特有の神速に身体が耐えられるように全身を装備で補助する必要があるから』と『もふもふで可愛い(通常時)と凛々しくてカッコいい(IS時)で2粒の味を楽しめるから』の二つ。
特筆すべきその性能は、機体スピード。現在世界に存在するISの中でも最も早く移動することが出来、本気を出せば撃ち出された銃弾を追い越せるほどの速度も発揮することが出来る。なおISすべてに取り付けられている【カスタム・ウィング】はこの機体には搭載されておらず、足の裏など身体の数か所に装着されている高機動ブースターを代わりに使って飛行を行っている。ホバー機能も取り付けられているため、空中でも安定した状態で浮き続けることが出来る。
しかしその一方で攻撃力自体は高くは無く、高速移動によって撃ち出される近接攻撃も、銀雲に搭載されている身体安全装置によるセーブが掛かってしまい従来のパワーを発揮できなくなっている。また防御力は現存ISの中でもとりわけ低く、2、3回攻撃を受けただけでもシールドエネルギーを使い果たしてしまうほどに脆弱になっている(シールドエネルギー量自体は平均だが、シールドに割り当てる量が高いのが理由)。まさに『当たらなければどうということはない』理論を踏まえた仕様。
『攻撃力:D 防御力:E 速度:S 精密動作性:A 攻撃範囲:D 装備数:C エネルギー維持率(燃費):A』