篠ノ之家の猫はIS搭乗者(全話修正中)   作:たいお

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イベント中に緊急事態はお約束

「ふんふんふ~ん、なるほどーこんな感じになってんのかー」

 

 束ちゃんは不思議そうに白式のデータが載っているディスプレイを眺めながら、そのように独り事っぽく呟く。束ちゃん曰く、一夏少年の扱う白式は自己進化の道筋であるフラグメントマップが他のISとは大きく異なる構築となっているらしい。性別の違いによるものなのだろうか?

 

「結局のところ束さん、俺がISを動かせる理由って判明したんですか?」

「何の成果も、得られませんでしたぁぁぁ!!」

「何だろう、言葉は凄く悔しがってそうなのにこの満面の笑顔」

 

 今の束ちゃん、物凄くにこやかに笑っている。

 

「まぁ私も詳しく解ってないんだけどねー、ちーちゃんの血筋だからとかじゃね?あっ、解剖させてくれたら何か分かるかも!今なら終わった時には改造人間になって変身もできるようになるよ!」

「いや元のままでいさせてくださいよ!?いや、でも変身ヒーローとかは憧れますけれど」

「じゃあねー、スペードの剣士、メダルの戦士、フルーツ武者、好きなのを選んでね☆」

「全部最強形態がリスキーなヤツじゃないですか!?」

 

 でも一夏少年、割とどの変身も似合ってる気がするよ。私だけかな?

 そんな事を話しているうちに、束ちゃんはディスプレイを閉じた。どうやら見たい内容は見終えたみたいだ。

 

「まぁ、何か分かったら教えてあげるから気長に待っててちょんまげ。ところでいっくん、白式とはちゃんと上手くやっていけてるかな?」

「え?まぁ、それなりには」

「それは何より。私も作った甲斐があったってもんだねえ」

「えっ、白式って倉持技研が開発したんじゃないんですか?」

 

 研究者と政府の偉い人しか知り得ない情報をさも当然の情報のように喋る束ちゃんに、一夏少年は目を丸くしながらその話題に食いついた。

 

「ぶっぶー。あ、今のは車のモノマネじゃないよ?まぁ正確に言うと、あそこがポイしてたのを私が拾って完成に近づけたっていう今明かされる衝撃の真実ゥだったり。第一形態の時点でワンオフ・アビリティーを使えるようにする為に開発したみたいだけど、哀れにもその辺りの技術力は無かったみたいだねー、美味しい所は束さんが頂いたのでした、ナハナハ」

「機密事項をベラベラと喋るな馬鹿者」

 

 千冬嬢の拳骨が再び束ちゃんに炸裂する。

 

 先ほどの話は倉持技研、ひいては日本のIS技術力を低く見られかねない事と束ちゃんの手が加わったISという事の都合で、『倉持技研が白式を手掛けた』という情報のみを世間に公開する形となったのだ。束ちゃんの手が入っていると他の国が知れば、情報開示をしつこく要求されるだろうからね。

 

 もっとも、束ちゃんにとっては知った事じゃ無いようだけど。

 

「な……なんという速く重い攻撃だ……!!!カ、カカロットはこんな奴と戦っていたのか……」

「誰が魔人ブウだ。というかお前は何時になったら帰るんだ」

「え?久々に皆と会えたんだし、もうちょっと皆と居てから帰ろうかなって」

「……見学するのは構わんが、生徒たちの邪魔だけはするなよ。それと、騒ぎは起こすな」

 

 そう言って千冬嬢は仕方なさそうに束ちゃんの在席を許した。

 友人のよしみと言うよりは、束ちゃん相手では追い返す事は出来ないから放置しておいた方が良い、という判断故の結果なのだろう。幾ら帰れと催促した所で帰らないだろうし、あの子ほどゴーイングマイウェイを体現した子は世界中を探しても見つからないだろうからね。

 

 既に周りの一般生徒の子たちは真耶ちゃんと他のクラスの先生たちの指示によって作業を始めている。それでも世界的に有名な束ちゃんの事が気になる子も多く、先生たちも含めてチラ見している事が多いようだ。

 

 すると、専用機組の子たちの集まりから抜けてきたセシリア姫が私の方に近づき、屈んで身体を寄せて来た。

 

「お、おじ様」

≪おやセシリア姫。どうかしたのかい?≫

「いえ、あの篠ノ之博士が目の前にいらっしゃるので、折角なのでわたくしのISを見ていただけないかと思いまして……ですがやはり、突然ではご迷惑に思われますわよね?」

≪ふーむ……私や箒ちゃんや一夏少年ならあの子も二つ返事で了承してくれるだろうけど……あの子は少し人との関わりに疎くてね、自分の好きな人間以外に対してはあまり良い対応は出来ないんだよ≫

「そ、そうなのですか!?」

 

 そうなのである。そこが束ちゃんの難しい所であり、興味のある子に対しては無邪気に接してくるのだが、それ以外はそれの反動が入ったかのように冷たくあしらう傾向にある。

 昔は存在すら認識しないという事もあったらしいけど、千冬嬢のお陰である程度はマシになったのだとか。私も以前に直そうと試みたんだけど、やはり根本的な解決には至らなかったよ。残念だ、あの子の晴れ姿や子供が見れそうにないじゃないか。いや、義娘のクーちゃんがいるけど。

 

≪私の方で口添えすれば応じてくれない事も無いかもしれないけど……一応頼んでみるかい?≫

「は、はい!ありがとうございます!ではおじ様、わたくしの肩へどうぞ」

≪ありがとうね≫

 

 私はセシリア姫の身体を伝い、彼女の肩へと身体を預ける。

 ちなみに私は人に乗る時は大体肩を定位置にしている事が多い。座っている時は膝の上だけど。なお、ラウラちゃんだけ頭の上に居座らせてもらっている。本人曰く『何故か馴染み』のだとか。

 

≪やぁ束ちゃん。ちょっと良いかな?≫

「おぉテオたん!居たのに声を掛けてくれなかったから、束さんは寂しかったゾ☆」

≪ははは、それは済まなかったね。実はこの子が君にお願いしたい事があるらしくてね≫

「ん、そういえば誰?」

「セ、セシリア・オルコットと申します!かのご高名な篠ノ之博士にお会いできた事を光栄に思うと共に、誠に突然で勝手なお願いではございますが、もしよろしければわたくしのISを見て頂けないかと思いまして……!」

 

 セシリア姫の言葉を聞いた途端、束ちゃんの表情に少し変化が起きた。正確に言うと、姫の言葉の冒頭の時点で顔つきが変わったので、お願いの内容が原因ではなさそうに私は思えた。

 

「セシリア……オルコット?」

「は、はい!英国貴族の家系です!」

「へぇー、なるほどねー……」

 

 そう納得した様子で束ちゃんはジロジロとセシリア姫の姿を観察し始める。彼女が初対面の相手にこういった反応をするのは、非常に珍しい事である。

 やがて彼女は、ニコリと笑みを浮かべた後に口を開いた。

 

「良いよ。やったげるー」

「ほ、本当ですか!?」

≪っ!ほう……≫

 

 束ちゃんのこの対応には、長い付き合いである私は驚かされた。身内以外に厳しいあの束ちゃんが、こうも快く受け入れるとは思わなかったからだ。一度渋ると思って口添えに備えていたのだが、その必要が無くなってしまった。

 私以外にも、千冬嬢と一夏少年と箒ちゃんが同じくビックリした様子で束ちゃんの方を見ている。その気持ちは非常によく解るよ。

 

「でも今装備試験の最中じゃん?あんま他のことやってるとちーちゃんに怒られちゃうんじゃない?」

「あ……い、言われてみれば確かに……」

「ほんじゃあ今日はデータだけ頂戴な。色々解析し終えたらテオたんを通して伝えたげるから」

「あ、ありがとうございます、博士!」

「気にするな!(ジュラルの魔王様風)……という訳でササッとデータ貰うから機体を出しておくれぃ」

「はい!」

 

 トントン拍子で話が進んでいく中で、私は作業中の束ちゃんに声を掛けてみた。先ほどの話の流れの中に、気になる個所があったので。

 

≪一体どういう心境の変化だい、束ちゃん?君にしては珍しい対応じゃないか≫

「まぁちょっと理由があってね~。今度テオたんにはゆっくり話してあげるから楽しみにしててね!テオたんも間接的に関係してるから」

 

 私が関わってる?私はセシリア姫の実家と関わった事は無いと記憶しているけれど……間接的と言っていたから、私の知らぬ内、知らぬ所でという事なのかな?

 まぁ、今度話してくれると言っているし、その時が来るまで大人しく待つとしようか。

 

 

 

 

 

 そして、時はやって来た。

 

「お、織斑先生!!」

 

 真耶ちゃんがタブレットを片手に、慌てた様子で千冬嬢の元へ駆け寄ってきた。その瞳にはかなり動揺の色が混じっている。

 

「どうした、山田先生」

「こ、これを……」

 

 そう言って真耶ちゃんから差し出されたタブレットの画面を覗き込む。

 視線を動かして眺め読んでいく中で、千冬嬢の表情がみるみる曇り出していく。

 

「……一体どう言う事だ、これは」

「わ、分かりません。けれど確かにそのように載ってますし、電話の際も同様の事を……」

「ちっ……」

 

 内容に気に食わない事があったのか、千冬嬢は無間に皺を寄せながら舌打ちを吐く。見るからに嫌そうな表情である。

 

「専用機持ちは?」

「さ、3組のファーネスさんは日英親善大使の仕事で公欠、4組の更識さんは体調不良で欠席。それ以外は出席しています」

「分かった……全員、注目!!」

 

 ……さて、慌ただしくなってきたね。

 

 

 

――――――――――

 

「では、現状を説明する」

 

 旅館の一室にて、千冬嬢が立体スクリーンの横に立って説明を始める。一夏少年、セシリア姫、鈴子ちゃん、シャル、ラウラちゃんが最前列に座して並び、私も彼女たちの横に控えている。先生たちは私たちの後方にいる。

 

「一時間前、ハワイ沖で試験稼働にあったアメリカ、イスラエル共同開発の第3世代型軍用IS『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』が現場の事故によって制御下を離れて暴走、空域を離脱した。また、現在対象はこの近辺に向かって高速飛行中との情報が、衛星の追跡によって齎された。残時間は55分、我々の方でこの事態に対処せよと学園上層部から指令が下されている」

 

 学園上層部ねぇ。あの轡木殿が軍用IS相手に代表候補生とは言え修学中の生徒を向かわせるとは到底思えないんだけどね。

 彼ならもっと別の方法を取ると思うんだけど、もしこれが彼の思惑でないのであれば……いや、今はまだ深く考えないでおくとしよう。

 

「指令の内容によると、教員は学園の訓練機に搭乗して作戦完了まで空海域の封鎖を実行。福音の撃破は……専用機持ちの諸君らに任せるとの事だ」

 

 その言葉を聞いて、この場に居るほぼ全員が驚く事となる。目を見開く、口が僅かに開く程度の変化ではあるが、それでも十分伝わってくる。それほどまでに上層部の指示内容は異常なのだ。

 特にこの中で最も専用機持ちとしての経験が浅い一夏少年は、今にも吃声を上げかねない程にビックリしている模様。確かに彼は軍事訓練の経験も無いし、この中では最も一般ピープル寄りな人間だからね。

 

「それでは今から作戦会議を開始する。意見がある者は挙手を行う様に」

 

 最初にセシリア姫が福音のスペックデータを要求し、それの開示から相談が進められていく。皆は某機体の攻撃力、殲滅力、機動力に目を見張っており情報が明かされていない未知数の点にも注意を払っている。この辺りの思考の手際の良さは、流石代表候補生と言えるだろう。

 私は既に束ちゃんから知らされているので、確認気分でデータに目を通させてもらっている。

 

「偵察は行えないのですか?」

「無理だな。福音は現在も超音速飛行を続けている。現存するISではアプローチは一回が限度――」

≪おっと、ちょっと待ってもらおうかな≫

 

 そこに来て、私は今回の作戦会議で初めて口を開いた。

 私が千冬嬢の言葉を遮った事により、全員の視線が此方に集まっている。

 

≪私と【銀雲】なら、超音速中の機体程度は余裕で接触する事が出来る。≫

「あ、そっか!確かにお父さんの銀雲は全IS最速の機体だから、福音にも追いつける!」

「あー、ここ最近はテオがISで速く動いてる所見てないから、忘れてたわ」

「パパ、銀雲の最高速度は?」

≪そうだね、今の銀雲なら……高速機動モードで時速6,000kmは手堅いかな≫

「6,000km!?福音の倍以上の速度じゃない!」

 

 普段のIS学園では最高速度を出す機会など無いので、その数値に皆が驚く。通常モードで動いてもISの3倍程度のスピードは出しているので、速いというイメージは既に定着してはいるけども。

 ちなみに福音の最高速度は時速2,450kmで、マッハ2以上の飛行が可能らしい。鈴子ちゃんの言う通り、マッハ5.0レベルを出せる私とは倍以上の差が広がっているのだ。

 

 しかし、銀雲の速度を聞いても千冬嬢の表情は優れないままだ。何を懸念しているのかも、私は既に分かっている。

 

「しかし、速すぎても他の者と統率が取れないのでは問題だな……先鋒として情報収集に努め、後続が来てからは支援に回すべきか……」

≪いやいや、そんな小難しい作戦も必要ないでしょう≫

「何、どういう意味だ?」

 

 非常に簡単な話だよ。

 

≪私一人で福音を撃破すれば良いだけの話だろう?≫

 

 その言葉を聞いた瞬間、専用機持ちの子たちが一斉に私に向かって反論を向け始めてくる。

 

「テオ、お前何言ってるんだよ!?」

「そうよ!相手は軍用ISなのよ!?さっきのデータ見たなら、1人で戦うのがどんだけヤバいか分かるでしょ!」

≪君たちこそ、既に気付いているんじゃないのかい?この作戦、余所の国の大人たちの不始末を君らのような無関係の子供たちに押し付けている事に≫

 

 やはり、皆どこか思う所があったのだろう。

 私の言葉を聞いた子たちは先程までの勢いが押され気味になってしまった。

 

「し、しかしそれはわたくしたち代表候補生及び専用機持ちとして力を持つ者の責任であって……」

≪無責任な大人に代わって責任を負う必要なんてどこにもないよ。それに私は、このような時の為にも生徒としてこの学園に入ったんだからね≫

「そ、それでもお父さん1人で戦うなんて危険すぎるよ!」

「シャルロットの言う通りだパパ!我々も協力して戦えば、勝率はもっと高く安定したものになる筈だ!そして何より、私もパパの力になりたいのだ!」

 

 私の力になりたい。

 発言したラウラちゃんだけではない。皆が彼女と同じ目をそこに宿して私を見つめてきている。皆がそう思ってくれていると解釈して良いのだろう。上層部からの指示とはいえ、この子たちが戦う必要性などどこにもないというのに。私に任せさえすれば、危険な戦いを避ける事が出来るというのに。

 本当に、良く出来た子たちだよ。

 

 だからこそ、心が痛む。

 これから起こる事を考えると、ますますね。

 

≪ふぅ、仕方ない子たちだ。なら先ほど千冬嬢が言いかけた内容で進めるとしようか≫

「っ!それじゃあ!」

≪そう。私がまず先鋒として福音を叩き、後続の君たちも合流し次第全員で連携して福音を撃破する……千冬嬢、それで良いかい?≫

「……良いだろう。専用機持ちの中で高速機動パッケージを準備出来る者は、高速戦闘下での戦闘訓練時間と合わせて申し出ろ」

 

 高速機動パッケージを用意出来る子はどうやらセシリア姫だけのようで、作戦開始には間に合うとの事。結果、出撃の順は以下のようになる。

 先ずは私と一夏少年とラウラちゃんが出発。ラウラちゃんは現役の軍人である為、現場での指揮を担当する為に少年と並行するのだとか。その次にセシリア姫が10分後に出撃、一夏少年たちが福音に辿り着く時間にタイミング調整する為だ。最後に鈴子ちゃんとシャルが更に10分後に進発。後詰として向かわせ、戦況に応じて臨機応変に動く様にするとの事だ。

 一斉に一同を向かわせない理由は、福音が多対一に対応するための武装を使用した際、なるべく最小限の被害とする為に人数を予め減らして初見を迎える必要があるからだ。もし私たちの予想を超えるデータで迎え撃って来て、全員がいきなり大ダメージを追うような事になれば作戦成功率は大きく低くなってしまう。後に鈴子ちゃんとシャルが控えているのは、その為だ。

 そして攻略のカギを握るのは、一夏少年の白式のワンオフ・アビリティー【零落白夜】だ。それ以外の私達で少年が必殺技を決められる様にサポートに回っていくのだ。全員一斉に強力な武装をバンバン撃ち込むより、こちらの方が他の子の攻撃に巻き込まれる心配も低い。

 

「よし。ではこれより各員、作戦準備を始めろ!」

 

 作戦内容が固まったところで、各自千冬嬢の号令によって散開し準備を開始していく。

 私も私で、備えを万全にしておかなければね。

 

≪では、私は銀雲の最終調整を頼みに行ってくるよ。束ちゃんなら呼んだら直ぐに来てくれるだろうからね≫

「ああ。ただし周りに騒がれるような場所でやるなよ」

≪分かっているよ。では皆、また後でね≫

 

 私は皆に一言告げてから、部屋を出ていく。

 

 それから廊下を少し歩いて、周りに誰の気配も無い場所まで来た所で、私はポツリと口を開いた。

 

≪……こんな感じで良いのかな?束ちゃん≫

「グレイトだぜぃテオたん!」

 

 天井の板をグルンと忍者の様に裏返して、その穴からニョキッと身体を出してきた束ちゃんが私の前に降り立ってきた。天井の板はそのままクルリと一回転した後、元の形に戻っていた。何時の間にこの旅館は忍者屋敷になっていたのか。

 

「この段取りならいっくんたちも福音と戦わざるを得なくなるだろうね!計 画 通 り」

≪こちらは取り敢えず大丈夫そうだけど……肝心の箒ちゃんは本当に紅椿を受け取ってくれそうかい?≫

「そこも無問題!この後の展開と箒ちゃんの心境から推測すれば、束さんがちょっと後押しすれば、自分から乗る決意を固める筈だよん!」

 

 束ちゃんが自信満々にそう言うのなら、本当に問題は無いだろう。束ちゃんが『こうなる』と言った後、それが外れた事など過去に一度しか無い程だ。実際の数値で表すと、9割は超える的中率である。

 

 そして束ちゃんは日中、私と会っていた時にこのような予測を立てていた。

 『やつらが待ち構えているから、テオたんはそいつらの妨害で福音に辿り着けなくなる』と。

 

 その予測も当たっているのであれば、福音との戦闘に私は参加できず、一夏少年たちのみで戦わなければならなくなる。

 『福音との戦いはいっくんたちに任せてあげて欲しい』束ちゃんがお願いしていた内容にピッタリ叶うステージが既にこの先で整えられているというわけである。

 

≪獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす、か……いざ自分がその獅子の場に立つと、やり切れないよ≫

 

 何にせよ、私は私のやるべき事を為さなければならない。

 

 これから先……福音を退けた更なる先に待ち構えている脅威に対するためにも。

 

 

 

―――続く―――

 




 途中のセシリアと束のやり取り、完全に原作最新巻のエクスカリバー編の伏線ですね。回収するまでまだまだ先なので、時が来たらまた振り返りがてら読み直してみても良いかもしれませんね!(露骨な再読促進)
 あ、でも私の下手くそな文がまた読み返される……(絶望)

 ちなみに、チラッと出て来た高速機動モードについて、解説をば少々。

【高速機動モード】
 ……宇宙空間での活動を目的としていたISの本来の機動力を持ったモードです。しかし現在では地上での活動が専らとなっているため、篠ノ之 束がISの機動能力に制限を掛けた【通常機動モード(通常モード)】を開発。それがIS学園や国家のISでデフォルトとして設定されています。モードの切り替えは搭乗者本人で行えますが、ISによっては開発者(整備者)によってロックが掛けられており、通信で承認を得なければなりません。
 高速機動モードはどのISでも音速を超えるスピードを出す事が可能となりますが、高速機動用のパッケージが別添えで必要な場合もあります。超高感度ハイパーセンサーは要必須で、中には機体に既に備えているISもあります(一夏の白式は搭載済み)。
 前述の通り、高速機動モードはその名の通り音速を超える超スピードが特徴ですが、出力をシールドエネルギーから捻出しないといけない為、動くだけでも通常モードより大きくエネルギーを消耗します。宇宙活動を視野に入れずに国家が開発指示しているケースが多いため、通信範囲の一部規制、短距離内での小回り等も通常モードに比べて劣っているなど、発展途上な点が幾つか見受けられます。それ故に、現在では各問題点を補う為の高機動専用パッケージが基本的に必要となってきます。

 以上です。
 原作にモードの切り替えとかは無かった(と思う)ので、独自設定として今作品では取り扱わせていただきます。
 
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