篠ノ之家の猫はIS搭乗者(全話修正中)   作:たいお

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珍しく2連続投稿です。結局前話と合わせると2万文字オーバーになっていますので、どうぞゆくりとお読みください。


VS.銀の福音 Part4

 いつの間にか箒は、自分が新緑の草原の中にいる事に気が付いた。

 そこは福音と激しい戦闘を行っていた海洋上でもなければ、旅館付近の浜辺でも無い。若草色の低い背の草々が一面に生い茂った、緑溢れる光景が周囲に広がっていた。果てに目を凝らしてみても、草が途切れている様子は見当たらない。唯一の共通点は、青い空と其処に浮かぶ雲と太陽だけ。

 箒は辺りを見渡しながら、色々な疑問を湧き起こす。

 

 何故目を覚ましたらこのような場所にいたのか。

 見覚えの無いこの場所は、一体何処なのか。

 いつの間に自分は制服を着ているのか。

 そもそも自分は、福音の攻撃を喰らって瀕死の重傷を負ったのではなかったのか。

 その筈なのに、今の自分の身体には痛みどころか傷一つすら無いのは何故なのか。

 これは、死の世界なのだろうか。

 

 様々な疑問を抱きながらも、箒は先ずは歩いてみる事にした。その場に立ち尽くしていても、何かが分かる訳でも無い。箒は歩きながら、自分の感覚を意識的に使って周りの自然を確かめる。

 春半ばのような心地よい暖かさを、肌で感じる。風の音と草たちの靡く音を、耳で感じる。自然の中の澄んだ空気を、肺で感じる。若々しい草々と土の感触を、足で感じる。

 

「……本当に、私は死んだのだろうか」

 

 気を失う直前の記憶を思い返すが、福音から受けた痛みは尋常ではなかった。ISが保護してくれていたとはいえ、嘗て味わった事の無い肉体的な痛みを箒はその身に体験した。正直な話、死んでいてもおかしくは無いと思える程に。

 もし、本当に死んだというのであれば。

 この世界は、非常に心地が良い。

 

 

 

―――チリン。

 

 

 

 鈴の音が、聞こえた。

 箒は突然現れた音に驚きつつ、音がした方に身体を向ける。

 

 其処にいたのは、青い空をジッと眺める1人の女性。

 艶やかな黒い髪を腰辺りまで長く真っ直ぐ伸ばしており、毛の先は綺麗に切り揃えられていて上品な印象を感じさせる。袖と裾に金色の和柄をあしらえた赤い着物と、白基調の帯が彼女の格好。足には現代人では滅多に見ない足袋と草鞋を履いている。先程の鈴の音の正体は、帯の装飾品の一部として付けられている2つの鈴だと思われる。

 端正な顔立ちとそれらの容貌が相まって、まるでその女性だけ切り離された世界にいる様な感覚を箒は感じ取った。

 

 箒は少し悩んだ末に、彼女に近づく事にした。

 赤い着物の女性の近くにまできた箒だが、彼女は相変わらず空を見続けている。

 

「綺麗な空……」

 

 ポツリと呟かれた言葉。発したのは箒ではなく、女性の方であった。

 そんな彼女の言葉につられて、箒も彼女と同じ方向に空を見やる。真っ白な雲が浮かぶ青い空が何処までも広がっていた。

 

「私はこの空が好きです。果てしなく広がる天の海……そこに優しく浮かぶ雲も、その純白な白色も」

「……私も、好きですよ」

 

 箒は女性が言葉にした物に自分なりの心当たりがあった。

 天の海が示すのは、最近になってちゃんと交流できるようになった姉や、今は離れた場所で暮らしている両親、IS学園で紡いだ友人たちや新しい義姉妹たちのいるこの世界。

 そんな世界の中で、箒にとって特に存在が大きい1人と1匹。

 白色を示すのは、幼い頃から好意を寄せていた幼馴染みである一夏。

 雲を示すのは、一夏に出会う前から一緒だった大切な家族、テオ。

 

 赤い女性とは異なった考え方だろうが、箒はそんな事を感じさせるこの空が確かに好きだった。

 

「ふふふ……ならば、大切に守らねばなりませんね」

 

 そこで初めて女性は笑ってみせた。箒に向けられたその笑みは、異性を容易く惚れさせてしまう程の美貌と魅力がある。

 

 赤い着物の女性がチラッと自身の右手に視線を向けたのに気付いた箒は、いつの間にか自分が刀を持っている事に気付いた。竹刀でも木刀でも無く、自身のISの武装の1つである、雨月がその手に収められていた。サイズは今の箒に合わせられているが。

 箒は刀を自身の顔の前に近づける。刀の腹を手前にすると、自分の顔が映り込んだ。

 

「ええ……私を信じてくれる皆の為に、私はこの意志を貫き通します」

 

 刀を持ったまま、覚悟を決めた表情でそう言い切る箒。

 その光景は、さながら誓いの儀式の様であった。

 

 女性は満足げに微笑みを浮かべると、両手で刀を持っている箒の手を下ろさせると、そのまま彼女の手を包む様に優しく握った。

 互いの瞳が、互いの姿を映していく。

 

「私も、貴女と共に歩きます……共に、貴方の進む道を歩かせてください」

 

 嗚呼、と箒は心の中で合点がいった。

 赤い着物の女性の格好を見た時から、彼女の正体について薄々見当がついていた。そして自身の手を握り包む彼女の手の感覚で、予測は確信へと成り代わる。

 この包まれる感覚を、箒は既に体感していた。

 

「はい、貴女の……いや、お前の力を貸してくれ――」

 

 

 

―――紅椿。

 

 

 

―――――――――――

 

 そして舞台は、福音との戦場へ戻る。

 

 駆けつけた箒の姿を見た一夏は、真っ先に彼女の元へと近寄った。

 

「箒!ホントに箒なんだよな!?あんなに怪我してたはずなのに……あてっ」

 

 酷く慌てた様子で箒の顔を覗き込んだかと思うと、今度は彼女が肌を露出させている個所を隈なく見回す一夏。

 そんな一夏の忙しなさに呆れた様子で溜め息を吐いた箒は、彼の頭に目掛けてチョップを入れる事で正気に戻させた。

 

「まったく、男子たる者が女子の肌をジロジロ見るのは感心せんぞ……見られるこっちの身にもなれ」

「わ、悪い……けど、ホントにどうやってあの怪我を……」

 

 軽く暴走気味だったことを詫びながらも、一夏にはそれが不思議でたまらなかった。何せ箒が負った傷は、完治するまで通常なら数か月以上は掛かるほどのレベルだった。医者も今後の様子が分からないと言う程に。

 だが今の彼女の身体には、見る限り傷らしきものは1つも見当たらない。まるで怪我などしていなかったかのように、綺麗な柔肌がそこにはあった。

 

「それについてはまた後で話す。今はそれよりも、この事態を収める事に専念しなければならない」

「え、あ、あぁ。そうだな」

「私はこのまま福音と戦闘を続ける。一夏は負傷した皆を海から引き揚げて、近辺の小島に集めて守ってやってくれ」

「なっ……馬鹿言うなよ箒!あいつはメチャクチャ強いんだぞ!俺たちだって、一瞬であいつに……」

 

 福音の力を、一夏は既にその身で味わっている。あれと1対1で戦うと聞いた瞬間、一夏は真っ先に反対した。正面切って福音と戦うのは無謀だと思ったうえ、傷が無さそうとはいえ箒はつい先程まで大怪我をしていたのだ。そんな彼女に戦闘を任せて、自分だけ救助に専念するわけにはいかない。

 

 反論を立てようとした一夏であったが、それよりも先に箒の手が彼の肩に置かれた。

 

「ならばこのまま逃げるか?そうすれば奴は今度こそ陸上まで到達し、確実に世界に被害を出すぞ。……私は、私に出来る事を為すだけだ」

「箒……」

「ならばお前も、お前が今出来る事を為せ。……信じているぞ、一夏」

 

 そう言って箒は一夏の肩から手を離し、既に体勢を整え終えた福音目掛けて飛んでいった。

 一夏は去り行く箒を止めなかった……と言うよりは、止めようと思えなくなった。確かに福音の力は第二形態に移行してから更に跳ね上がっている。一次形態の時点では押している場面を何度か見せていた箒であったが、今度はどうなるか想像がつかない。

 しかし、一夏は箒に言われたのだ。『信じている』と。

 

「……分かったよ、箒。俺も今自分に出来る事をやる。だから……絶対に無事でいろよ」

 

 箒が自分を信じてくれているのに、自分が彼女を信じられなくてどうする。

 そう自分に言い聞かせた一夏は、彼女の頼みを聞くために海に落ちた仲間たちの救助に向かう。未だ誰も浮かんで来ていないとなると、全員が気を失っている可能性もある。ISの保護機能があるので水中でも死ぬ事は無いが、助けに行かなければならない事に変わりは無い。

 一夏は残されたエネルギーを頼みに、全員の救出を始めるのであった。

 

 一方此方は、一夏と別れて福音との勝負に臨むところの箒。

 

「第二幕の開始だ……銀の福音!」

 

 右手に雨月、左手に空裂を携えた箒は、高速機動のスピードで福音へと迫る。

 

 そんな彼女の接近を許さず、福音はエネルギー翼から光弾を放って迎撃を行う。砲身では無く、翼の羽ばたきのモーションで射出されたそれらは、砲身による射出に劣らない速度で箒に向かっていく。

 

 箒は光弾の隙間を掻い潜り、刀の間合いに入ると雨月を振るう。雨月と福音のブレードが前回同様激しくぶつかり合う。

 福音の翼が動いたのを見た箒は、その翼が自分に襲い掛かる前に距離を取り、すかさず空裂を横一文字に振るい、刀身からエネルギーの波刃を撃ち出す。

 

 福音は身体を逸らす事によってそれを回避。その間を縫って箒目掛けて再度光弾を発射した。両者、それから互いにエネルギー攻撃による応酬を繰り広げる。どちらも相手の既に把握している力、未だ隠している力を警戒して不用意に仕掛けず牽制を続けているのだ。

 

 そして先に別の動きを入れたのは、箒の方だった。

 箒はまた空裂で斬撃波を放つ。先ほど同様、福音はそれを躱すと同時に光弾の発射に備えようとする。

 

「そこだっ!」

 

 光弾が発射される直前、箒は雨月による刺突を行い、細長いエネルギー弾幕を展開する。それと福音の発射した光弾が衝突した個所は、福音の目と鼻の先であった。2つのエネルギーの衝突が激しい爆発を巻き起こすと共に、そこにいた福音がそれに巻き込まれる形となった。

 福音が背中に展開しているエネルギー翼は、確かに高い威力を誇る武装だ。しかし、欠点が無いわけではない。

 そのエネルギー性質には爆発属性があり、着弾や衝撃によって大爆発が生じるようになっている。その爆発は敵に齎せば強力だが、当然福音自身がその爆発範囲にいれば被害を被ってしまう。自らの武装とはいえそこまで耐性が加わっているわけでは無い、福音の高機動性能はこの爆風の被害に巻き込まれない為にもある。

 そして箒は光弾が福音から射出させて間もない瞬間を見計らい、攻撃のタイミングを合わせたのだ。誘爆は味方がいる時では細心の注意を払わなければならないが、現在は1対1。箒は周りへの配慮を気にせずに実行する事が出来る。

 

 爆煙の中から、福音が飛び出す。動きが鈍っている様子は無いが、確実に先ほどの爆発でダメージを受けている。

 

 箒は現れた福音を視界に捉えると、追撃を仕掛けるために加速していった。

 

「……すげぇ」

 

 全員を救出し終え、戦いの様子を離れの小島から見ていた一夏は、ポツリとそう呟いた。

 箒が現在相手にしているのは軍用IS。最初の戦いでは箒を瀕死に追い込み、今回の第2回戦では専用機持ちの代表候補生4人と一夏を戦闘不能レベルにまで追い込んだ。圧倒的な力を見せつけた過去最大級の強さを示したISだ。

 だが箒は、第二形態になって遥かにパワーアップした福音相手に、1人で互角以上に立ち回っている。下手をすれば代表候補生レベル……否、国家代表レベルの戦いを空中で繰り広げている。

 その様相を見せつけられた一夏は、息を忘れそうになる程にその戦いに釘付けとなる。

 

「う、くぅ……」

「鈴!?」

 

 そんな彼の意識を逸らせたのは、先程まで気を失っていた鈴の苦しげな呻き声。

 一夏が慌てて彼女の方を振り返ると、その双眸が僅かに開き始めていた。気を失っていた状態から無事に復帰したのだ。

 

「く……ここは……?」

「ラウラ!……シャルロットとセシリアも目が覚めたんだな!」

 

 鈴に続いて、ラウラたちも意識を取り戻していく。

 彼女たちの目が覚めた事に、一夏は深く安堵する。

 

「一夏さん、福音は……?」

「福音は……今、箒が戦ってる」

「箒が……!?」

 

 全員の視線が、上空の激戦に集まる。そこでは福音と箒が高速機動で切迫した戦いを繰り広げている所であった。

 

「ちょ、ちょっと。福音のあの光の翼は何なのよ、あんな武装まで隠してたっての?」

「いや……福音はお前が撃墜された後に二次移行を果たした。今の福音は2次形態で、あの翼はその形態特有の武装だろう」

「戦闘中に形態移行って、どこの漫画的な展開よ……っていうか、そんな奴相手に箒1人は流石にヤバいでしょ!加勢に行かないと!」

「……それが出来る状態なら良かったのだがな」

 

 ラウラの悔しげな言葉に心当たりを見つけた鈴は、自身のシールドエネルギーと損害状況を確認した。データに記載されていたのは、装甲部に多数の損傷が発生している事とシールドエネルギーが約10%しか残されていないという内容だった。そんな状態であの高速機動戦闘に加わろうものなら、一分も経たずにISのエネルギーは空になってしまうだろう。

 鈴は他の皆の表情を覗き込む。全員の表情を見て、彼女は察した。この場にいる誰もが、既に継続戦闘不可能な状態にまで追い込まれている事に。

 彼女は込み上げる悔しさを抑えきれずに、八つ当たり気味に地面を殴りつける。ISで殴られた地面には、くっきりと甲龍の拳の跡が残っていた。

 

「何が代表候補生よ……一般生徒の箒が戦ってるってのに、肝心な時にもう戦えないだなんて、とんだお笑い草よ」

 

 その言葉は鈴だけでなく、この場にいる代表候補生の少女たちの心にも突き刺さる言葉であった。

 確かに福音を形態移行させるまで追い詰めたのは、間違いなく彼女たちの功績だ。しかし、今こそ共に戦わなければならない時だというのに戦えないというもどかしさは、彼女たちに重く圧し掛かる冷めた現実だった。

 

「信じよう、箒を」

 

 そんな中、一夏は重くなり始めた空気の中でハッキリと言葉を発した。

 全員の視線が、一夏の方へと集まっていく。一夏は真っ直ぐに、箒の戦う姿を見守っていた。

 

「俺は何があっても、あいつを信じる」

 

 一夏は自身の肩にそっと手を添える。そこは先程、箒が手を乗せた場所であった。

 

 そしてその時、不思議な事が起こった。

 なんと、この場に居る全員の身体とISが黄金色に淡く光り出し、黄金の粒子がポツポツと溢れて来たのだ。加えて身体の奥が熱くなる感覚と、全身に微弱な電気が奔る感覚が同時に発生し、全員が驚きながら自身や互いの体を見比べている。

 

「な、何が起こっていますの……!?」

「身体が熱い……それにこの感覚は一体……!?」

「だが、不思議と不快感は無い……寧ろ何処か、温かいような……」

「っ!皆、ちょっとISのシールドエネルギーを見てみなさい!」

「ISの……?」

 

 鈴の言葉に従って、一夏たちは再度ISの状態を確認する。そこには、驚くべき変化が起こっていた。

 なんと、先程までシールドエネルギーが空寸前だった筈が、急速に回復し始めているのだ。その上昇速度は目を見張る物があり、通常の補給よりも忙しなく数値が変動していた。

 

「エネルギーが……」

「……満タンになった!」

 

 間もなく、全員のシールドエネルギーが満たされる。身体から放たれていた光も、そこでフッと消え去る。

 その瞬間が訪れた時、全員は互いの顔を見合わせると同時に頷き、そして浜辺に並び立った。全員の心は、既に一致している。

 

「装甲はちょっと痛んでるけど……シールドエネルギーが戻ったならこっちモンよっ!」

「ああ……皆、行くぜっ!!」

『応っ!!』

 

 少年と少女たちは、再び空へと駆け出した。

 先程の自分たちと同じ光を放っている、少女の元へと。

 

 

 

――――――――――

 

 一夏達の身に不思議な現象が起こる、ほんの少し前。

 

 箒は再び福音との接近戦に挑み、互いに剣技をぶつけ合っていた。福音のエネルギー翼の所為で一撃離脱の戦法を主とさせられている為、この衝突も既に数えるのに苦労する回数となっている。

 戦いの最中、隙を見計らって箒は自身の機体の状態をザッと見で確認する。

 

「(残りのシールドエネルギーは……25%か)」

 

 出力の調整は一度目の出撃前に束が行っており、その時から殆ど弄っていない。束がベストなコンディションに仕上げると宣言してみせたので、彼女の言を信じている箒は自分から出力を弄るつもりがない。だが高速機動による戦闘となると、やはりその消耗は激しい。1対1となって自身が攻勢に出る機会も増えたため、尚更に。

 しかし、箒に不安の色は無かった。

 シールドエネルギーの残量を見た彼女は、まるで『減っているという事実だけを受け取っているかのような反応』であった。

 

「強いな……福音よ」

 

 箒は自身と対峙している、福音に向けて素直な賛辞の言葉を掛ける。

 そして直ぐに、憐れんだ瞳を向けた。

 

「だが、今のお前は独りで戦っているに過ぎない。お前の搭乗者の意思を無視して暴走しているお前は、独りぼっちなんだ」

『……aaaaa!!』

 

 その言葉に反応したのかは分からないが、福音は雄叫びを上げながら箒へと斬りかかっていく。

 箒は焦る事無く、落ち着いた様子でその斬撃を刀で防いだ。

 

「私も、以前は独りになっていた時があった……だが、今はもう違う」

『っ!!』

 

 箒は福音のアームブレードを腕ごと上に逸らし、がら空きになったボディに目掛けて一発のミドルキックを放った。脛のアーマー部を展開させてそこからエネルギー波も同時に飛ばしたその一撃は、福音の身体を大きく吹き飛ばした。

 

「私には、共に居てくれる仲間がいる。この先の進むべき道を共に歩んでくれると誓ってくれた、相棒がいる」

 

 刀先を真っ直ぐ前に突き出しながら、箒は紅椿の腹部ボディに手を添える。

 

「彼らとの繋がりこそ、私の力だ。軍用として誰かを傷つける力ではない……皆を守る為の、絆の力だっ!」

 

 その瞬間、紅椿の装甲が赤色の光を纏い、その輝きに混じって黄金色の粒子が溢れ出す。

 機体が輝いた途端、紅椿のシールドエネルギーが急速に回復していく。

 展開装甲とのエネルギーバイパスを構築させ、機体内でエネルギーを増幅する事によって回復。これこそ、紅椿のワンオフ・アビリティー【絢爛舞踏】の力だ。

 

 だが箒は、まるで最初から知っていたかのようにその事実を受け止めていた。落ち着いた様子で片方の刀を召喚し直し、改めて両手に刀を携える。身に纏っている機体は今も尚黄金色に輝いている。

 

「行こう、紅椿」

 

 その言葉に反応する様に、機体の輝きが少し強くなる。

 

 そして、決着を着けるべく動き出そうとした箒の元に彼らが駆けつける。

 

「箒!」

「一夏っ、それに皆も……まさか絢爛舞踏は、味方にもエネルギーを分け与える事が……?」

 

 絢爛舞踏がエネルギー増幅の効果だという事は理解していたようだが、どうやら味方にも影響を与える事までは知らなかったらしい。箒は既に離脱推奨状態の仲間たちが現に駆け付けた事に少なからず驚いている模様。

 

「箒、どうかしたの?」

「ん……あぁいや、何でもない。それより皆、もう大丈夫なのか?」

「ええ。どうやら箒さんのお陰で、まだ戦う事が出来そうですわ」

「お姉ちゃんには助けられっぱなしだからな……今度は私が、お姉ちゃんを助ける番だ」

「やられたまんま終わるなんて、あたしの性に合わないのよ。あたしにもあいつをブッ飛ばすのに、一枚噛ませなさい」

「ははは……まぁ皆こんな感じだよ。僕も、ラウラを見習ってお姉ちゃん孝行しないとね」

 

 セシリアが、ラウラが、鈴が、シャルロットが。皆が戦う意気込みを示している。全員に機体の損傷が見受けられるが、誰も止まるつもりはないようだ。

 そして箒は、一夏にも顔を向ける。

 箒の視線を受けた一夏は、ニコリと口元を緩ませて、力強く頷く。

 

「やろうぜ、箒。俺たち『皆』でな」

「……ああ!」

 

 そして、6人は空に並び立つ。

 その先に待ち構える相手、福音を倒すべく6人は一斉に空を駆けた。

 

「ラウラさん!」

「ああ!」

 

 砲戦仕様パッケージに切り替えたラウラとセシリアが、遠距離支援の役を取って射撃を開始。2人の精密な射撃術が福音の機動を妨げ、自由に飛ばせない環境を生み出す。

 

「っ……福音の翼が動いた!」

「来ますわよ皆さん、ここで落ちたら恰好が付きませんわよ!」

 

 やられっぱなしでは終わらず、福音はエネルギー翼から光弾を一斉射出。前衛の4人に向かって雨の様に光弾が襲い掛かる。

 

「鈴!」

「あんがと!」

 

 鈴の傍を飛行していたシャルロットがガーデン・カーテンのエネルギーシールドを1枚鈴に投げ渡し、自身は残りのシールドを1枚展開する。

 盾を受け取りながらシャルロットに礼を述べた鈴は、シールドを所持したまま光の弾幕を掻い潜り、薄くなってきた所でシールドを前方に立て、守る姿勢に入る。そして最後尾の光弾が鈴の持つシールドとぶつかり、爆発が起こる。

 生じた黒煙の中から飛び出した鈴は、衝撃砲の準備を完了させていた。

 

「とびっきり熱いの、かましてやるわっ!」

 

 拡散衝撃砲が、福音目掛けて炸裂する。巻き起こる赤い炎の渦から抜け出した福音。

 その直後、背後からいつぞやに受けたのと同じ衝撃が襲ってきた。

 

「一度ならず二度までも……なんてね」

 

 衝撃砲の余波から抜け出した福音の上部にて待ち構えていたシャルロットが、2つの銃口を向けて連続射撃を行ったのだ。先程の光弾の雨の意趣返しとばかりに、実弾の雨をお見舞いしてみせた。

 

 シャルロットに光弾をばら撒きながら、その場を離脱する福音。シャルロットは光弾を捌くために追撃を行う事はしなかった。

 そして、その役目は最後の2人へと託された。

 

「一夏!」

「おうっ!」

 

 赤と白の機体が、福音を目指す。

 周りに舞う羽根に当たらず、迫り光弾を次々と躱していきながら、2人は目標に向かってひたすら駆けて行く。

 

「零落白夜!」

 

 白式のエネルギーはほぼ満タンなので、残量を気にせず最大出力で実行される必殺技。通常よりも強く、大きく刃が光る。

 一夏はそれを両手で確りと握りしめ、福音へ一直線に向かっていく。相手も翼とアームブレードを構え、一夏の攻撃に備えている。

 

 そして、一夏は福音に向かって、零落白夜の斬撃を振り下ろす。

 

「……なんてな」

 

 と、思いきや。

 一夏は途中で振り下ろすのを止めたかと思うと、軌道をずらして福音の横を通り過ぎて行った。攻撃を仕損じたわけでは無い、明らかにわざとそのような行動を取っていた。

 

 突然の攻撃キャンセルに、動揺した様子を示す福音。すぐに通り過ぎた一夏に向けて砲口を向けようとする。

 だが、福音は1つだけ失念していた。自分に向かって来ていたのは、一夏一人ではないという事に。

 直後、福音に鋭い斬撃が迸る。

 

「篠ノ之流双刀術……【一会風(いちえのかぜ)】」

 

 2本の刀を居合の要領で構え、相手の胴部に目掛けて一気に両の刀を振り抜いて斬る斬術。極限の所ですれ違う刀は、2つの手数を1つに集束させた威力を秘めている。

 篠ノ之流双刀術・居合の段【一会風(いちえのかぜ)】。箒はISに乗った状態で、その技を見事に放ってみせたのだ。

 

 そして、最後の一手が打たれた。

 

「これで……終わりだ!」

 

 一夏による、零落白夜が銀の福音の機体を斬り裂く。福音のエネルギーシールドを超え、絶対防御を発動させられたことにより、福音のエネルギーは蒸発する様に消滅していく。

 

 そしてついに、福音は機能を停止。装甲は消え、スーツ姿の搭乗者がISの消失によってその場から落下し始める。

 

「あ、しまっ……」

「案ずるな」

 

 既に箒が駆けつけ終えており、搭乗者をお姫様抱っこで抱えて救出する。

 

「やぁっと終わったわね……っていうか一夏、最後の最後で締まらないわね」

「い、良いだろ別に。勝てば良かろうなのだってよく言うだろ?」

「それ、悪役の台詞ですわよね」

「む、その話ならば私も知っているぞ。ドイツの方で紫外線照射装置を準備すれば良いのだろう?」

「しなくていいから……色んな意味で」

 

 

 戦いが終わったことにより、全員が2人の元に集まってくる。会話の内容こそ他愛の無いものだが、皆その表情にはかなり披露が蓄積している。連戦だった上に、途中紅椿の絢爛舞踏で回復したのはシールドエネルギーのみ。搭乗者の体力までは回復の対象外だったため、仕方ないだろう。

 

「箒、福音の操縦者さんはどこか怪我してないか?」

「ふむ……見た所目立つ傷は負っていないようだが、あの高速機動を長時間続けていたのでは見えない部分が痛んでいる可能性も高いな」

「ホント、すばしっこいわ攻撃力高いわ攻撃範囲広いわタフだわ……つくづく軍用ISってバケモノみたいなスペックよね」

「本当に、一部性能解除したとはいえ競技用メインのISでよく戦い抜けましたわ……」

 

 願わくば、2度とあのようなISとは戦いたくない。

 この場にいる全員に共通して湧き上がった願望がそれであった。

 

 そんな中、ラウラはかなり注意深く福音の搭乗者の身体を観察していた。

 

「ラウラ、どうかしたのか?」

「ん?あぁいや、少し疑問があるのだが……」

「疑問?」

「……福音の待機形態はどこにある?」

 

 作戦会議時におけるスペック開示の際、福音の待機形態に関する情報も備考として載っていた。こうして戦闘終了した際、搭乗者の手元にちゃんと戻っている事を確認する為でもある。

 福音の待機形態は両耳のシルバーイヤリングらしいが、全員が見てもそれらしき物は無かった。

 

「もしかして……」

「待機形態の時に外れて、そのまま海に……?」

 

 誰かがそう呟いた途端、この場にいる全員の顔色が真っ青に塗り替わる。

 ISの紛失、運が良くても広辞苑並の厚さで反省文と始末書のタバが出来上がってしまう程の問題だ。運が悪ければ……。

 

「い、一刻も早く探しましょう!見つかりませんでしたなんて笑い話にもなりませんわ!」

「わ、私は一旦この人を島に置いてから捜索に加わる!」

「まずいよまずいよ!無断出撃に加えてISを失くすなんて!」

「落下地点が絞れても、海流で場所が移動していたら……いや、よそう私の勝手な推測で皆を混乱させたくない」

「あーもう何でこんな事になったのよ!?普通、待機形態を身に付けたまま装着したなら外れるなんてありえないのに――」

 

 その瞬間、事態は更に変化が起きた。

 突如海面で強烈な水しぶきが発生。空に浮く一夏たちに届かんばかりの勢いで吹き上がる。その様は、つい先程一夏たちが目にした光景とデジャヴを感じる程に似通っていた。

 福音が2次移行を行う時と、同じような光景が。

 

 そしてその水しぶきの中から、無人の状態で展開している福音の姿があった。本来ならば人の身体が納まっている場所には、黒い靄が塊となって各パーツを繋ぎ止めているように見える。更に時折、機体の周りに電気がバチバチと走っているのが確認できた。

 

 2度目の復活を見せる福音の姿に、全員は非常に複雑な表情を浮かべる。驚愕、困惑、辟易……少なくとも、福音の再復活は誰にとっても嬉しくない事態である事だけは確かだ。

 

『aaaaaaaa!!』

 

 先程以上に狂った獣の如き咆哮をあげる福音。つんざく様な雄叫びに一同は耳を塞ぎたくなる衝動に駆られる程の衝撃を受けた。

 

「どうなってますの……!?」

「有り得ない……織斑 一夏の零落白夜でエネルギーは尽きた筈!」

「まさか、また形態移行か!?」

「それこそ有り得ないわよ、人が乗ってない状態で形態移行なんて、前代未聞どころじゃないわ!」

 

 皆が動揺する中、2人だけどこか引っ掛かるものを感じていた。眼前の光景を冷静に観察していたシャルロットと箒……否、何か思う所があったからこそ、2人は冷静になれていた。

 

「ねえ箒……あの福音の姿、何か感じない?」

「……あぁ、感じる。まるでタッグトーナメントの時のラウラの異変の様な……」

 

 搭乗者や機体の仕様では無い『何者かによる介入』がそこにあるかのような、そんな感覚。勿論、これといった確信を2人は持ち合わせていない。

 だが、先程から発されている福音の悲鳴は……。

 

『aaaaaaaaa!!』

 

 まるで、何かに苦しんでいるようだ。

 

 そして全員のISに警告表示が現れる。福音がこの場にいる全員を認識し、敵と定めたのだ。

 

「くそっ、またやるしかないのか!!」

「箒、あのシールドエネルギーが回復するヤツもう一回使える!?」

「それは大丈夫だが……エネルギーが回復した所で、我々の体力が保たないぞ!」

「こうなりゃ根性論よ!あたしは体力が空になるまでやってやるわっ!」

 

 その言葉を聞いたセシリアは、美しくないが悠長は言えないとぼやきながら鈴の言葉に賛同する様に銃を構える。他の者達も、目の前の危機に受けて立つべくそれぞれの武装を展開する。

 

 そして、今にも戦いの火蓋が再度切られようとした時――。

 

 

 

 

 

≪そこまでだよ、銀の福音≫

 

 彼が、この戦場に現れた。瞬時に出現するかのようなスピードで、両者の間に立つように降り立つ。

 その姿を見た一夏たちは驚き、そして歓喜した。

 

 人間よりも2回りは小柄な体格で、4足歩行で宙に浮くそれは人間とは異なる分類に当て嵌まる。その小柄な身体に不釣り合いな銀色の全身武装が、太陽光に当てられて光り輝いている。

 IS学園唯一の、人外――猫のIS搭乗者が、この窮地に駆けつけて来たのだ。

 

「テオ!」

≪やぁ皆、どうやら私がいない間に随分と頑張ったみたいじゃないか。流石は将来を担う若者たちだ、元気があって感心感心≫

 

 福音が復活して今にも襲い掛かってきそうだというのに、6人は大分毒気を抜かれてしまった。緊張状態の中でも日常の様な接し方をして来る上に、つい最近まで音信不通だった者が何事も無く姿を現したのも、理由に含まれている。

 

「テオ、今まで連絡も無しでどこに居たのだ?」

≪いやぁ、ちょっと野暮用でね。あぁ箒ちゃん、その新しいリボン似合ってるよ≫

「あぁ、ありがとう……いや、そうではなくてだな」

「パパ、野暮用とは?」

≪ん?あぁ、妨害した子をちょっとね……詳しい事は後で話すから、皆はここから離れていなさい。ここからは私が福音の相手をしよう≫

「お、おじ様だけであの福音と戦いますの!?危険すぎますわ!せめてわたくしが遠距離支援を……」

≪いや、それは駄目だ≫

 

 テオはセシリアの提案をバッサリと断ってみせた。普段はやんわりと断る傾向にある彼だったので、ストレートに否定された事にセシリアは思わず面を喰らってしまう。

 

≪福音のあの状態は、もう数で解決出来る問題では無くなっている。寧ろ私1匹で戦った方がずっとやりやすいんだ……優しいセシリア姫のお誘いを断るのは、とても心苦しいけどね≫

 

 最後の最後で、少しおどけた様子でセシリアの気持ちを汲んだ台詞を吐いたのは、彼なりのフォローの仕方。

 支援不要と言われて落ち込み気味のセシリアだったが、その言葉で沈んだ気持ちが幾分か楽になった。

 

≪他の皆も、分かったね?もう福音が待ってくれているのも時間の問題だ。さぁ早く避難を≫

「……皆、行こう」

「箒……」

 

 真っ先に撤退の準備を始める箒。

 途中で彼女はテオに視線を向けると、互いの視線が重なり、2人同時に頷く。最早この2人の間に、余計な言葉は不要だ。

 

 他の者達も、名残惜しそうにしながらも一番に飛び出した箒に続いて撤退を始めていく。

 

≪あ、そうだ。シャル≫

「えっ?」

 

 最後に出発しようとしたシャルロットに対して、テオは【ビット=コネコ】の片割れを飛ばして彼女に持たせる。

 

≪それがもう片方のコネコの戦闘画面を映し出してくれるから、どうしても気になるようなら使ってご覧≫

「……うん、分かった。お父さんが苦戦してたら、迷わず助けに行くからね」

≪ははは、それじゃあ苦戦する事無く決着をつけないといけないね≫

「……気を付けてね、お父さん」

≪ああ。心配は十分掛けてしまったから、安心して見ていると良い≫

 

 力強く頷いたシャルは、そこで飛び去っていった。

 現場に残っているのは、テオと福音の2名のみとなる。

 

≪さて、銀の福音……呼び名はどうしようか、無難に福音お嬢ちゃんかな?≫

『…………』

≪ありがとう……抑え込む(・・・・)のも辛いだろうに、私たちの為に良く頑張ってくれたね≫

『……ぁ……』

 

 先程までテオ達が会話をしている間、福音は攻撃を仕掛けてこなかった。新たな敵であるテオが突然現れた事によって、警戒して迂闊に手を出さなかったのだと他の皆は考えていた。

 だが、その認識は誤りである。現在暴走状態にある福音に、警戒するという思考は存在しない。福音が手を出さなかったのは、IS解除によって一時的に暴走が収まった福音が、新たに塗りつぶそうとする暴走の力に必死に抵抗していたのだ。

 今もなお懸命に抗い続けている福音は、テオに向かって弱弱しく手を伸ばす。

 

『お……ねが……い……』

≪…………≫

『……わ…………たし、を……』

 

 これまで無機質な音声と獣の雄叫びの様な悲鳴の2種類のみを発し続けていた福音。

 だが、今の彼女が放つのは普通の女の子の声だった。掠れる様に途切れ途切れだが、テオにはハッキリとその意思が伝わっていた。

 

『……とめて……』

 

 そして、ダランと腕を下ろす福音。

 

『ぁ……a……aaaaaaaaa!!』

 

 意思の籠った声は消え、再び本能のままの雄叫びが福音から発せられる。

 暴走を抑え込んでいた福音の限界の瞬間であった。

 

 その姿を目の当たりにしたテオは息を吐き、頭部装甲の奥に隠された瞳を強く閃かせる。

 

≪君の願い、確かに受け取ったよ…………銀雲、【第二形態移行(セカンドフォーム・シフト)】≫

 

 

 

――チェック。機体機動率クリア。第二形態への移行を開始。第二形態【天臨(てんりん)】、機動。

 

 

 

 機械音声が通った後、テオの機体が大きく光り出し、光はそのままボディ全体を包み込んでいく。輝きは一秒にも満たない時間で収まるが、それが消えた時、そこにあった銀雲のボディは変化を遂げていた。

 以前の第一形態を堅実な鎧と表現するのならば、こちらは鋭く尖った装甲と言えよう。各部のパーツはまさに押し寄せる風を切り裂く鋭利な刃を彷彿とさせる形状となっていた。更にカスタム・ウイング部には鋭角なV字型の機動補助装備が追加されており、ウイングの名の通り翼が新しく彼に宿っている。

 

 これが【銀雲】の第二形態【天臨】の姿だ。

 

≪やれやれ……理由があるとはいえ、こういう非常時でも自分の歩幅が決まってるんだから、世話の焼ける子だね≫

 

 実の所、銀雲はとっくに第二形態に成る為の経験値を取得していた。しかし、今の今まで第一形態の姿を保ち続けていたのは、銀雲のある意味致命的な欠点が原因となっていた。

 マイペース。自分の決めたペースというのを確立させ、周りの干渉を気にせずにそれを実行させていくスタイル。銀雲はその性分故に、機体を一定時間稼働させないと調子が出ないとして、始めは第一形態を保持するという面倒な機体性質を確立させていた。

 つまり銀雲は、『世界でも数少ない第2形態移行済みISの中で唯一、自分の意思で形態を変える事が出来る』『一定時間身体を動かして漸く正式なギアを上げる』という特殊な内容となっているのだ。

 テオもISと対話して、非常時くらいは最初から全力を出してくれないかと提案したのだが、諸事情もあって不可能なのだとか。

 

≪よし……では行こうか、天臨≫

 

 目の前で苦しんでいる子を解放する為に、

 今、正真正銘最後の決戦が始まろうとしていた。

 

 

 

―――続く―――

 




 次回、テオがその実力を発揮する!
 いや、テオが戦闘で活躍するのホントに久々なんですよね……記憶が正しければ、クラス代表対抗戦の裏で無人機2体と戦った16話以来です。一応、ラウラ対一夏&ヒロインズのバトルを止めたりのほほんさんと一緒にタッグトーナメントで戦ったけど、活躍というほどではありませんでしたし。
 というわけで、次回は蛇足感溢れる戦闘を使ってオリ主TUEEEE!!的な感じです。福音ちゃん、何度も戦わせてゴメンよ……。
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