篠ノ之家の猫はIS搭乗者(全話修正中)   作:たいお

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天才と最強と猫

 ◇   ◇

 

 さて、箒ちゃんは一夏少年とよろしくやっているだろうか。

 本当はどんな会話をするのか気になる所だけど、2人きりの世界に水を差すのは紳士に反する行為だから帰ってきた箒ちゃんの思い出話で満足するしかないね。最近進展が無さそうだったから、その辺りがどうなったのか実に楽しみだ。

 

≪束ちゃん、紅椿の稼働率はどうだい?≫

「えっとねぇ、絢爛舞踏含めて62%だって!50%前後を予定してたけど、予想以上に高くて束さんマンモスうれピー!」

≪束ちゃん、それほぼ死語だから≫

 

 知ってる人いるのだろうかと思う程のジェネレーションギャップを感じさせる言葉を使う束ちゃんに、私はツッコミを入れる。

 私たちが現在いる場所は、旅館とは別の場所にある岬。転落防止用の柵に乗っかりながら束ちゃんは立体ディスプレイを弄っており、紅椿の戦闘映像も流れている。下は30メートル以上の崖で、束ちゃんと言えど普通に落ちたら只では済まないだろう。当の本人は全く気にしている様子が無いけど。

 

 そして私は、そんな束ちゃんの近くの地面に座っている。

 

「理想としてはいっくんの白式が福音との戦いで二次移行してくれたら良かったんだけど……ま、今回は見送るしかないね」

≪もう少し経験値が溜まっていれば可能性はあったと思うけどね。まぁ少年の様子を見る限り、学園に帰ったらいつも以上に特訓に励んでくれるはずだよ≫

「なら無問題!第二形態になった時のデータも頂戴ね~!」

≪あぁ、分かっているよ≫

 

 今回の事件で、一夏少年は力を伸ばす為に特訓に精を出すと思われる。そうなれば白式の二次移行もそう遠い話ではなくなるだろう。

 

≪それにしても≫

「うん?」

≪束ちゃんが確言してくれたから信じていたけど、紅椿が白式の生体再生機能を習得したと聞いた時は驚かされたよ≫

「んふふ~、テオたんビックリしてたもんね!束さん、嘘つかない!なんてね☆」

≪白式が生体再生機能を搭載してる、か……まるで――≫

「コア№001、【白騎士】の様だな。お前が最初に造り上げた、始まりの機体。なぁ束」

 

 私の言葉を乗っ取ったのは、森の中から姿を現した千冬嬢であった。この時間帯に足音が聞こえたから、予想通り彼女だった。

 

「ちーちゃんやっほ^^」

「おう……今のどうやった?」

「そこはほら、束さんだから」

「そうか……ところで外出禁止を破ってる割には堂々としているなぁ?テオ」

≪そこはほら、お互い様だから≫

「そうか……で済むと思うか馬鹿者め」

 

 駄目だった模様。

 千冬嬢は木に背中から寄りかかり、腕を組んでその場から動かなくなる。私も束ちゃんも、その場から動く様子は無い。

 

 数分の静寂の後、最初に口を開いたのは千冬嬢だった。

 

「で、どこまでがお前の……お前達のシナリオ通りだ?」

「と言うと?」

「福音の暴走、政府による専用機持ち達の指名、妨害者の出現、紅椿を得た箒の登場と重傷、そして復活。……報告に在った、撃墜後の福音に起きた謎の現象」

「ふんふんふーん……大体90%、と言った所かな?」

 

 千冬嬢の表情が、少しだけ険しくなる。

 

「……自分の妹を瀕死に追い込んだのも、シナリオ通りだというのか?」

「そうだねぇ……とりま順番に説明した方が吉、かにゃ?」

 

 束ちゃんはそう言うと身を翻し、海側から地上の方に身体を向け直す。不安定な足場に関わらず、危なげなく軽やかな身のこなしで。

 束ちゃんと千冬嬢が向かい合い、その傍に私がいる。そんな構図が出来上がった。

 

「まず福音が暴走した原因だけど、これに関しては束さん無関係。手に掛かるタイミングは把握してたけどね」

「……やはり、亡国機業か」

「ピンポーン。やっぱりちーちゃんも勘付いてたね、暴走を引き起こしたのは奴らだよ」

 

 お互いが情報を引きだし、会話のやり取り全体が答え合わせとなる。

 まだまだ始まったばかりである。

 

「次だ次。いっくんたちを福音との戦いに引き合わせた件。これも私が直接関わった訳じゃないよん。日本が威信獲得に目が眩んだ結果であって、私はその結果を利用したに過ぎない」

≪確か……『銀の福音の撃墜には臨海学校に参加している専用機所持者と代表候補生を戦闘員として派遣せよ。また、今任務では日本国籍の者を任務貢献者として宛がう作戦を立てるように』政府が言い渡したのは、そんな感じだったかな?≫

「……テオ、何故お前が指令内容を知っている」

≪束ちゃんが教えてくれたからね≫

 

 先程私が言った指令は、日本政府とIS委員会日本支部の緊急会議によって発されたもの。欲が漏れ出ている後半の言葉はそのままの意味で『日本のIS搭乗者を活躍させて、今回の事件を把握している国に対して優位に立てるようにしろ』という薄汚い思惑だ。

 日本国籍の専用機持ちor代表候補生は1年生の中で該当するのは4人。

 日本国籍かつ専用機持ちの一夏少年。

 国籍は無いが、日本在住で専用機持ちの私。

 代表候補生ではないが、専用機持ちで日本とイギリスのハーフであるファーネス・金剛お嬢ちゃん。

 日本国籍で代表候補生だが、専用機を持っていないらしい4組クラス代表の更識 簪お嬢ちゃん。

 比率だけ見れば全体の約半分が日本関係の者なので、日本の戦力を過信してのそんな指令だったのだろう。実際、その内の2人は臨海学校を欠席してたのでその時点で思惑が半分破綻してるんだけどね。

 

「今回の事件では新しく専用機持ちになった箒ちゃんと、フィニッシュを飾ったいっくんにスポットが当てられる筈……結果的に政府に居座る無能達の思惑通りになった事だけは気に食わないけど、私は予定通りあの2人に良い戦闘経験が与えられたから、イーブンって所かな、by木の葉の黄色い閃光、なんちて」

「……作戦途中、所属不明のISが現れて先行していたテオを妨害した。お前の言う、予定通りの意味を推察するならば……」

≪私が単独で福音撃退を提案したのも、彼らの作戦同行を許したのも、私と束ちゃんの予定通りだったのさ≫

 

 そもそも、本気で彼らを戦わせないつもりなら私は有無を言わさずにあの子達を押し黙らせ、千冬嬢に監視させる等徹底させていただろう。そうせずにアッサリと彼らの参加を許容したのも、全ては束ちゃんの計画した方針に誘導させる為だったのだ。

 福音お嬢ちゃん撃退に意気揚揚と臨む私が、妨害者への応戦という自然な形で作戦を離脱。残された一夏少年達が戦う為のステージを用意する。それが、束ちゃんが私に依頼した一連の流れだ。

 

「……箒が瀕死の重傷を負った時、解せない点が幾つかあったがその中でも特に気になっていた事がある」

「何かな?」

「家族である箒の事を愛しているお前達が、その場に現れる事も無ければ安否の確認すらしてこなかった事だ。普段のお前達ならば血相を変えて飛び込んで来る程の重傷だったにも関わらずな」

 

 やはり、千冬嬢はそこを見抜いていた。

 確かに私達を良く知っている者にとっては、私たちの反応は異常だ。少年はそれどころでは無かっただろうし、他の子も福音と戦う為に一杯一杯だったのだろう。箒ちゃんは何も言ってこないが、もしかするとどこか気付いているか紅椿から教えられているか。

 

「……正気か?どんな理由があろうとも、家族が死に掛ける事を心配せず、それどころか予定として組み込んでいるなど有り得ないぞ……!」

 

 千冬嬢が静かに心の炎を燃やすのも当然だろう。彼女が目的の為に弟の一夏少年を犠牲に出すなど、私にはとても考えられない。それだけ千冬嬢は一夏少年の事を大切に想っている。

 だが、千冬嬢も既に私たちと同じ事を行っている。政府の命令に従い、一夏少年を福音お嬢ちゃんとの戦いに参加させた事だ。

 

「けどね、ちーちゃん。福音との戦いで箒ちゃんが庇わなければいっくんがあの子と同じ傷を負っただろう事はちーちゃんも気付いてるよね?」

「っ!」

「それもこれも亡国機業のお騒がせと、政府のしょーもない見栄っ張りの所為だけど……そんなちーちゃんには政府に従わなければならない理由があった。そうでしょ?」

 

 首を傾げながら問いかける束ちゃんに対して、千冬嬢は何も答えず、昂ぶった感情を押し殺した表情で目を伏せる。

 何を言われたのかは知らないが、ある程度の予想なら私も束ちゃんも出来ている。恐らく一夏少年が関わってくる事態もあると、今はそれだけ言っておこう。千冬嬢の事情と彼女の愛機【暮桜】の事もあるのだが、この場で語ると少々長くなるのでね。

 

「あー、何処まで話したっけ?取り敢えず次の話題に移ってもいい?」

「……勝手にしろ」

「じゃあ、勝手にやらせていただくぜ!そうそう、箒ちゃんが生体再生機能で復活した件ね。ちーちゃんには既に紅椿の詳細データを送ってるけど、もう目は通したよね?」

「ああ。他ISの情報をコア・ネットワークを介して隅まで吸収、自身の経験として組み込み武装や機体性能に留まらず内部機能すら習得する、機体特徴である展開装甲と無段階移行が合わさって完成された、シェアリングの究極型……だったな?」

「イエスイエス。いっくんと密着した事によって白式のデータが細部まで紅椿に送られ、紅椿は白式しか持っていない生体再生機能を無事に習得し、完全に復ッ活ッ」

 

 そしてそれが、私と束ちゃんが重傷を負った箒ちゃんの元に向かわなかった理由。紅椿がその機能を身に付ける事を確信していたからこそ、私たちは箒ちゃんの復活を信じて待っていたのだ。

 

「……紅椿が生体再生機能を習得する確証はあったのか?万が一の事があれば、箒は今も尚ベッドの上で寝たきりだったかもしれないんだぞ」

「事前に検証を重ね続けて、可能性はほぼ100%に引き上げた。後は……産みの親である私がこの子たちを信じなくちゃ話にならないでしょ?」

 

 そう言って束ちゃんはニコニコと笑みながら、千冬嬢に1個のISコアを見せつける。

 彼女が持っているのは、私が渡しておいた銀の福音のコアだ。既に福音のコアと機体は束ちゃんの手によって分離されている。

 

≪私も束ちゃんと同類だよ。私が信じている束ちゃんがISの皆を信じているのなら、私が彼らを信じるのもおかしい話ではないだろう?≫

「テオたんが私を信頼してる……言葉にされただけで、トュンク……!」

≪ははは、家族である君を信じるのは当然の事じゃないか≫

「……」

「さってと、そろそろちーちゃんの質問も尽きる頃じゃないかな?残りは何だい?」

「……報告であった、戦闘不能になった筈の福音が復活した現象について」

「あー、それね」

 

 やや感情が薄れた様な反応を返す束ちゃん。普段なら先ほどまでの様にニコニコとした表情で受け答えしていたのだが、この件に関しては束ちゃんにも思う所があるのだ。

 私も事前に束ちゃんから教わっていたけど、確かにこれは面白くない話である。

 

 束ちゃんは、淡々と答え始めていく。

 

「まずこの現象の原因となっているのは、【コア・バイラス】と呼ばれる存在によるものだよ」

「【コア・バイラス?】」

 

 聞き慣れない単語を耳にして、千冬嬢が訝しげに目を細める。

 

 【コア・バイラス】とは。

 亡国機業のとある技術者が開発させた、ISコアにあらゆる干渉を起こすコンピュータウィルスの一種。

 そのウィルスに感染されたISコアは事前に設定された感染拡大の瞬間が訪れた後、そのウィルスの効果を受ける。その内容は、ISコアの精神に干渉して闘争本能を高める事によって機体攻撃力を倍増させる他、危機察知能力を高めて回避性能を上げる等、戦闘面に大きな恩恵を与えるようになっている。ここまでならまだマシのように聞こえるが、これには致命的な問題がある。

 

 1つ目。精神干渉と言うよりは精神汚染と呼んだ方が適切。

 実際は闘争本能への過度な刺激によりコアは正常な意識を失って暴走状態となり、機体出力の制限が出来なくなってしまう。私が戦った福音お嬢ちゃんの暴走具合を見れば、どれ程のものか分かる筈だ。戦闘力を上げると言うよりは、理性を失った獣の様な戦い方に変貌するのだ。そして戦闘終了後、コア・バイラスの影響が抜けたコアは長期間活動出来ない状態になってしまう。

 2つ目。搭乗者への負荷が大きすぎる。

 先ほど言った通り、ISコアの精神汚染によって機体は出力がメチャクチャになってしまう。それはつまり、搭乗者の身体的負担を一切考慮してない状態という訳だ。コア・バイラスが回った状態でまともに動けば、搭乗者の肉体は限界を超えてボロボロに朽ち果ててしまう。今回は福音お嬢ちゃんが発症前に自ら搭乗者と離れたので、搭乗者は巻き添えを食わずに済んだのだ。

 3つ目。コア・バイラスの影響が搭乗者にも及ぶ事。

 先の搭乗者への負担は、本人が痛みに気付いて稼働を止めれば解決する話だ。しかし、搭乗者はコア・バイラスに感染したISに乗った時点で影響を受けてしまっている。ISと同様に闘争本能を過度に刺激され、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンやβ―エンドルフィンなどの興奮物質が大量分泌された搭乗者は過剰戦意高揚状態に陥る。そして、自身の身体が悲鳴を上げている事に気付かず、戦いに耽ってしまう。

 そうなってしまえば、良くて心身ボロボロ、悪ければ……死ぬ。

 

 それらの説明を聞き終えた千冬嬢は、胸糞悪そうに顔を顰めている。無理も無い。

 

「……ふざけた物を造ってくれたな、奴らも」

「ホントは今すぐにでも研究所を見つけ出して、くだらない物全部消滅させたいけど……」

≪こういう輩は、その場で潰してもまた新しいのが必ず現れる。VTシステムなんて物を造ってる国もあるんだからね≫

 

 束ちゃん、クーちゃん、私の3人で世界に目を光らせているが全てを見通せているわけでは無い。私達の目を掻い潜って碌でも無い研究を進める者は後を絶たない、嘆かわしい事にね。

 

「ま、解決の為の計画はもう始まってるから、束さんも今は出来る事をやっていくだけだねぇ」

「計画……まさか束、お前は……」

 

 千冬嬢は束ちゃんの言葉に、心当たりが出来たようだ。彼女もIS誕生の立役者の1人だから、すぐに理解できたのだろう。

 

 束ちゃんはそんな千冬嬢にニコリと笑みを浮かべながら、ポツリと語る。

 

「この子達を、在るべき場所へと還す為に……鍵となるのは赤い花と白い刃、そして……黒い星を超えた先」

 

 

 

――――――――――

 

「……相も変わらず忙しない奴だな」

≪まぁ、それが束ちゃんだからね≫

 

 岬に残されているのは、私と千冬嬢の2人のみ。

 束ちゃんは先程の言葉を呟いた後、柵から身体を離して崖に身を投じて姿を消していった。普通の去り方をしない所も、あの子らしいね。

 

≪さて、それじゃあ私も戻るとしようかな。千冬嬢も遅くならない内に旅館に戻るんだよ≫

「待て、テオ」

 

 旅館に向かう私の足を、千冬嬢がその一言で引き留める。

 先程から変わらず木に寄り掛かっている千冬嬢と、暗闇が続く森に進もうとする私。互いに背を向けた状態で、言葉が交わされる。

 

「先程訊きそびれていた事があったから、最後に答えてもらおう。一夏達が福音と2度目の戦闘を行っていた時、お前はどこに居た?」

≪束ちゃんの所だよ。福音お嬢ちゃんがコア・バイラスの影響に呑み込まれた時、タイミング良く現れたのもそこで現場の様子を把握していたからさ≫

 

 正確に言うと、束ちゃんと共に移動型ラボ【吾輩も猫である(名前は既にある)】で少年たちの戦闘風景をモニターで見物していたのだ。ちなみに合流したのは、妨害者であるロゼお嬢ちゃんを退けて、千冬嬢たちとの通信を切った後すぐである。

 撤退したロゼお嬢ちゃんを追跡するというのは只の建前。全ては福音の事態への準備に過ぎなかったのだ。

 

 大怪我をした箒ちゃんの元に行く事が出来なかったのは心が痛んだけど、束ちゃんが大丈夫だと言った以上、私はそれを信じるまでだ。

 束ちゃんの言葉も、箒ちゃんの復活も信じる。それが彼女たちの家族である私の役目だ。

 

≪言っただろう?家族を信じるのは当然だと≫

「家族だから、か……」

 

 背中を向け合っている為、千冬嬢の表情は分からない。だがその声色は、どこか含みがあるような印象だった。

 

「お前のそれは、ある意味『盲信的』とも捉えられるな」

≪……くっ、くはは≫

 

 私は彼女の言葉を聞いた瞬間、笑いを堪えずにはいられなかった。盲信、盲信か。確かに、それは私も否定しきれない面はある。

 いやぁ、中々に手厳しい事を言われてしまったね。その様に言われるのは初めてだ。

 

 けれど……。

 

≪私はそれで構わないさ≫

 

 過去に2度閉ざされかけた私の人生は、あの子達によって繋げられた。

 そんな彼女達の為ならば、私は盲信的であってもこの身を尽くすと決めている。

 

 私は森の闇の中へと、その身を潜ませていった。

 千冬嬢はそんな私を、振り返る事無く見送るのであった。

 

 

 

―――続く―――

 




 今回の事件の裏側その1、テオと束と千冬による味方サイドによる説明会でした。
 最後のテオの盲信云々のやり取りは『テオの中にある、芯とも歪みとも言える面』という描写でした。これまでの話でも家族や友人を大切にする姿勢を見せていたテオですが、極稀に『家族>友人』の感覚で物事を測るシーンも(多分)ありましたが、それはこの片鱗でもありました。根底は家族第一、と言う感じです。
 ……紳士キャラにそぐわなくない?と言われると何とも言えない設定にしてしまったかな?

 今作品の動乱の主格となる、【コア・バイラス】の説明を再度説明させていただきます。

【コア・バイラス】
 亡国機業の研究者【???】が開発した、ISコアに悪影響を及ぼすコンピュータウィルスの一種。
 ウィルスが組み込まれたIS(というよりISコア)は闘争本能を大きく刺激され理性が緩み、攻撃力や危機察知による回避能力等が急増するようになる。しかしこの仕様には欠陥が多数存在し、理性を失って暴走状態となる、機体の出力限度や人間の稼動範囲を超えた動きを発揮して身体を損壊させる、それに気付かない程の過剰戦意高揚状態となり、痛みに気付かないまま搭乗者は身体を朽ちさせていく、等が現時点で挙げられている。ISの精神は人間のそれよりも強い為、精神崩壊には至らないが反動で長期間稼動不可能及び療養による一定期間意思疎通不可の状態となる。
 また、IS経由ではなく直接人間に投与する研究が秘密裏に行われており、束たちはまだその点にまで辿り着いていない。

 以上になります。言わずもがな、当作品のオリジナル設定です。

 今回の事件でまだ不明瞭な部分(突然な密漁船の出現と消失、妨害に現れたロゼの戦闘と撤退後の動向)などは、事件の裏側その2として亡国機業サイドで描写していく予定です。
 ですが、次回が臨海学校編の締め回でその次がテオの過去編(数話分)、そして第2章突入という構成になりますので、第3章の冒頭が亡国機業回となります。

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