東方霊眼魂   作:壁画(笑)

11 / 32
さあて!今回と次回は《名もなきA》さんの怪人、カメラ裂魔が登場します。ご要望通りに活躍できていればいいな。それではどうぞ。


第9話 「狂愛!一眼の視線!」

 

幻想郷の静かな森林の中、金色の髪の青年と黒い衣服の男が会話をしていた。

この幻想郷には森林は数え切れないほどあるため、彼らがどこにいるかは不明である。

 

「で、貴方に任せましたが、上手く行きましたか?」

 

「……失敗したが成功したと言うべきか」

 

「? どういうことです?」

 

金色の髪の青年の曖昧な答えに黒い衣服の男は疑問の言葉をかける。

 

「取り込んだ道具によって性格も変わるとはな………」

 

金色の髪の青年は何も無い空間にボソッと呟いた。

 

 

 

===== 零 side =====

 

 

 

「地底?なんだそりゃ」

 

「ん。そこで悪質なストーカー事件が起きてるんだってよ。」

 

人里での一件から数日後、今日は鈴仙さんは永遠亭の手伝いをしに、妖夢さんは幽々子さんから呼ばれたため白玉楼に行っている。つまり今、俺の家には俺1人のはずだが、俺の家に魔理沙がやってきた。どこから入ってきたお前。

本人が言うには俺の家の場所を把握するためだとか。いずれ霊夢さんも連れてくるとの事だ。

さて、先ほどの話に戻るが、どうやら魔理沙の話では幻想郷の地下に広がる世界、旧都。通称《地底》でストーカー事件が起きているらしい。

 

「で、誰が被害にあってるんだ?」

 

「……《地霊殿》の主、《古明地さとり》だ」

 

「古明地さとり? そいつがストーカーにあってるって事か?」

 

「ああ。そうなんだが、普通ならアイツ1人でなんとか出来るはずなんだが……」

 

「1人で? つまりどういうことだ?」

 

「………アイツには《心を読む程度の能力》って言うのがあるんだ」

 

驚いた。どうやらその古明地さとりはとても汎用性の高い能力を持っているようだ。確かにそれほどの能力を持っているなら自分でなんとかする事が出来る。だが何故魔理沙は俺に相談してきた?

 

「それならなんとか出来るはずだ」

 

「でもアイツでも無理らしいんだ。今のさとりは地霊殿の中でストーカーに怯えててさ………」

 

そこまで言うと魔理沙は自分の無力さを呪うかのように俯き、拳を握りしめた。

 

「頼むぜ……アイツ、心が読めるってだけで恐れられて来たんだ……でもホントはすっげぇイイヤツで………」

 

「……わかった。案内してくれ」

 

こういう話に俺は弱いから、すぐにOKを出してしまった。大体この後の展開もわかっている。

 

「いやー!お前なら絶対そう言うと思ったぜ!」

 

「……やっぱり騙されたか」

 

「お? 何だわかってたのか」

 

「そりゃ何回も騙されたたらわかるわこんちくしょうが!」

 

そう。魔理沙がこの手口で俺を騙したのもこれで10回目である。ほら、喜べよ。記念すべき10回目だぞ。こんな喜べない記念はないがな。

 

「でもお前のそういう所嫌いじゃないぜ!」

 

「お前は泉京水か」

 

よく考えれば魔理沙とルナ・ドーパントは色も似ていた。

 

 

 

==========

 

 

 

「で、何だこの神社」

 

「博麗神社だぜ! おーい霊夢!魔理沙様が遊びに来てやったぜー!!」

 

以前紫さんが言っていた霊夢さんの神社ってココの事だったのか。しかし博麗神社に来た理由が不明なんだよな。魔理沙は何のつもりで来たんだ?

 

「あら魔理沙。煎餅はないわよ……ってアンタ」

 

「よ。久しぶり」

 

「こっちはアンタに会いたくなかったけどね……」

 

歓迎されてないなぁ。そんなに俺のこと嫌い?

 

「お? お? 2人は知り合いか?」

 

「まあな」「一応わね」

 

「あ! そうそう今から地底に行くんだぜ! 霊夢も来るか?」

 

「私はパス。今日はゆっくりのんびり過ごしたいの」

 

霊夢さんは来ないらしい。っていうかさっきから霊夢さんの視線が痛い。なんでそんなに睨んでくるの?物理的な痛みはないけど精神的にくるよ。怖いよ。

 

「……俺なにかした?」

 

「…………別に」

 

少しだけ会話をすると霊夢さんは神社の奥の方に消えて、代わりに魔理沙がやってきた。

 

「おーい零!こっちだぜ!」

 

「はいはーい」

 

魔理沙に呼ばれていくとそこには間欠泉があり、その間欠泉を指差し、魔理沙がこっちを向きこう言った

 

「あそこから旧都に行くんだぜ!」

 

「流石にないだろ」

 

「ほら!行くぜぇぇぇえ!!」

 

「あ、いや、待って、心の準備がぁぁぁあ!!」

 

 

あれ?なんかデジャブ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お茶用意したわよー。ってあら?アイツらどこいったの?」

 

 

 

==========

 

 

 

「………何だここ」

 

「間欠泉の奥の洞窟みたいなところだな。ここから旧都に行けるぜ。」

 

「へぇー。」

 

間欠泉を通って洞窟の中にいる俺と魔理沙。前が見えなく、暗い世界が広がっており、どうにも先がわからない。どう進めばいいのか。俺が悩んでいると魔理沙がミニ八卦炉を取り出した。

 

「うりゃ。どうだ明るくなったぜ?」

 

なんとミニ八卦炉に光が灯る。まるで懐中電灯のようだ。どんな原理だこの8角形の箱は。何でもありじゃねぇか。

 

「どうなってんだこれは」

 

「秘密だぜ。そういやこの辺って………」

 

魔理沙が何か言おうとした瞬間。俺の後頭部に強烈な痛みが走る。なんだこれ。ゲンコツが当たったような感覚なんだが。すげぇ痛い。

誰の仕業だ。と振り向くとそこには桶に乗った緑髪の少女がいた。

 

「お! キスメ! ひっさしぶりだなぁ!!」

 

「………………………………! ………………………………?」

 

「ん? おお。コイツは零っつってな!私の友達だぜ!」

 

彼女はキスメと言うらしいが、色々と不思議である。何故桶に乗っているのか。そしてもっと不思議なのが、何で魔理沙と会話が通じているんだ?明らかに喋ってないだろ。

 

「おお。そうか。ヤマメは今はいないのか。残念だぜ。じゃ、またな。行くぞ零!」

 

そう言って魔理沙は洞窟の奥の方に進んでいった。アイツ本当にマイペースだなぁ。

キスメの前を通ると小さい声でキスメがボソボソっと言ったのが聞こえた。内容はよく聞こえなかったがおそらく『頑張って』とかだと思う。いや、そう思いたい。

 

「じゃ。またね。」

 

 

 

==========

 

 

 

「お? 何だここ?」

 

「ここが旧都だぜ」

 

広々と広がる大地。奥に見える建物達、そして異型の者達。ここが旧都か。

ふと魔理沙の方を見ると橋の方に飛んでいった。そして不思議そうな顔をして俺に向かって手招きした。

 

「どうした?」

 

「いや、ここにはパルスィって奴がいるはずなんだけどさ……まいいか。行くぜ」

 

魔理沙、お前は楽観的すぎないか。そのパルスィさんとやらに失礼じゃないのか。流石に無断で橋を渡るのはいけないと思うぞ。俺はお前の将来が心配だ。

 

 

「んー?普段ならもっと賑やかなはずなんだがなぁ………」

 

俺と魔理沙が来た地底にはとても大きく地底都市と呼んでもおかしくないような大きさだった。しかし魔理沙は賑やかさが足りないと呟いた。まさかとは思うがこれはストーカーの仕業か?などと考えたがただのストーカー風情がこんな影響を与えるわけがない。

そんなことを考えていると変な感覚がある。なんだこれは。まるで何かに抱きつかれているような感じだが。

 

「なあ魔理沙。何か何かに抱きつかれている感覚がするんだが」

 

「はぁ? 何言って……あ。なるほどな。おい《こいし》 いるんだろ?」

 

「あれ? バレちゃった?」

 

ん?俺の後ろに何かいるのか?って誰だこいつ。なんか変な職種みたいなのあるし目ん玉みたいなのあるし。これアイコン?いや違うか。しかも閉じてるし。

 

「零。そいつは《古明地こいし》って言って《無意識を操る程度の能力》を使ってお前を無意識にさせたんだろ。」

 

「? よくわからんがこいしちゃん。女の子が男に抱きつくとかは行けないことだぞ。」

 

「ごめんごめん!でも《無意識》だから仕方ないよね!」

 

イマイチ話が噛み合ってない気がするが無意識だから仕方ないのか?あ、イカン。洗脳されてきた。ん?古明地ということは古明地さとりの家族か何かか?

 

「古明地ということは君は古明地さとりの家族かい?」

 

「ッ!?お姉ちゃんを知ってるの!?」

 

こいしの顔には驚愕、そして嬉しそうな表情があった。守りたい、この笑顔。まあ冗談はさておき、そんな顔をした後、しゅん。と下を向いてテンションが下がったような雰囲気をした。

 

「………お姉ちゃん今、ストーカーに追われてて大変なんだって。だから最近お話できてないの。」

 

「………そうか。ならそこの金髪が助けてくれるぞ」

 

「何で私なんだよ!」

 

「友達の頼みは聞くもんだぞ?」

 

「こんにゃろ……」

 

「魔理沙助けてくれるの?!」

 

「お、おう。」

 

うんうん。良かった良かった。これで一件落着。後は魔理沙に任せて帰りますかなっと………何か騒がしくなってきたな……まさかストーカーが出たわけじゃないよなぁ………。

 

「ちょっと見てこようぜ! 零!こいし!」

 

「うん!行こ。お兄ちゃん!」

 

「俺には零っていう名前があるんだがなぁ」

 

もうひと騒ぎ巻き込まれそうです。

 

 

 

==========

 

 

 

……なんだあの金髪3人? 1人は角が生えてて、1人は緑色の目で、1人は……あれ糸出してるのか?あれか?スパイダーマッ!って奴か?………許せる!って何考えてんだ俺は。

 

「おーい!《勇儀》《パルスィ》《ヤマメ》!!」

 

「お!魔理沙じゃんか!久しぶりだねぇ!元気してたか?」

 

「………こいしは今までどこにいたのよ……妬ましい」

 

「あ、あはははは」

 

「で、そこにいるのは誰だい?」

 

全員の視線が俺に向く。やめて。恥ずかしいから。こういうのなれないから。まるで転入生みたいな扱いはやめて。

 

「碧天 零 です。そこの魔女っ子に連れてこられました」

 

「魔女っ子てなんだぜ!」

 

魔理沙は魔女っ子だろ。そういえば何か魔女っ子で引っかかることがあるな……。こう、なんていうか……頭からガブッて喰われるみたいな……ダメだ思い出せない。

 

「じゃあ魔理沙と一緒に援護に来てくれたってわけかい」

 

「ええ。そんなところです。」

 

「わざわざ人間が来るなんて………妬ましい」

 

「何でも妬んでんなコイツ」

 

「じゃああの怪人ストーカーをぶっ飛ばしに行こうか!」

 

「怪人……? 零、まさか!?」

 

「ああ。かもしれない。すいません先行ってます。魔理沙案内しろ。」

 

「おう!行くぜぇ!!」

 

まさかここに来て裂魔に会うとは。幸運なのか不運なのか。よくわからんがとっとと殲滅しに行かなければ。ああ、こんな時にバイクがあればなぁ。欲しいよバイク。乗りたいよバイク………飛んでるのに贅沢かな? とりあえずマッハでその裂魔のいる場所まで来た。

 

「ここがあの女のハウスね」

 

「何言ってんだ零。ここは地霊殿だぞ。って開かねぇ…おいさとり!開けてくれ!」

 

ついに地霊殿まで来たが、そりゃ誰かの家に来たら言いたくなるだろ。ここがあの女のハウスね!って言いたくなるだろ。これがわからないか魔理沙には。そうこうしている内に、扉が開く。そこには________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ようこそ地霊殿へ………」

 

 

衰弱している古明地さとりと思われる人物がいた。

 

 

 

==========

 

 

 

「おいさとり!大丈夫かお前!」

 

「ああ……。魔理沙さんですか……。そちらの方は………?」

 

さとりはまるで生気のないような顔を俺に向ける。生気のない顔だが、美しいと思えるのは俺だけだろうか。だが本当に衰弱していて、今にも倒れそうな表情だった。これもストーカーの仕業なのだろうか。

 

「俺は 碧天 零 だ。それよりさとりさん。あなたは大丈夫ですか!?」

 

「だ、大丈夫ですから………あいつを……裂魔を倒して下さ…………」

 

 

 

 

『《俺のさとり》に何をやっているんだ?』

 

 

突如目の前に裂魔が出現する。容姿としては、黒いパーカーを被り、左胸には巨大なカメラレンズがある。顔にはオレンジ色の単眼を持った白いマスクがある。名前をつけるならば《カメラ裂魔》と言ったところか。

 

「何もんだアイツ…………ッ!? おい!! 大丈夫かさとり!!」

 

さとりさんの事を心配する魔理沙さんの声が気になってそちらを向くとそこには身体を震わせ、虚ろな目をしているさとりさんと必死に声を呼びかけ気を保つようにさせようとする魔理沙さんの姿が見えた。

 

「お前…………さとりさんに何をした?」

 

『俺の愛を伝えているだけだ。あいつの写真を撮り、裏に俺の思いを書き記したメッセージを毎週、いや毎日、いや一時間ごとに送っている。』

 

何てことだ。コイツのやってる事は怪人のする事じゃなく本当にストーカーじゃないか。しかもそれがストーカーと気づいてない最もめんどくさいストーカーだ!

 

「知ってるか? アンタのやってる事は世間一般ではストーカーっていうんだぜ。」

 

『何とでも言え。この気持ちは俺にしか理解出来ん。』

 

そう言うとカメラ裂魔は視線をさとりさんに向け、少し近づきこう言った。

 

 

『分かっている。安心しろ…俺が受け入れてやる。お前の髪の色もお前の瞳の色も、肌の色もお前の腕も、足も、能力も、その容姿も。そして俺への嫌悪も、恐怖も。みんなみんなみんな…… 俺 が 愛 し て や る 』

 

カメラ裂魔がそこまで言うと、さとりさんは何かがプツンと切れた様にバタッと倒れた。

さとりさんを心配し、声をかけ続ける魔理沙。高らかに笑い続けるカメラ裂魔。駆けつけた勇儀さん、パルスィさん、ヤマメさん、こいしちゃんはその光景に唖然とし、さとりさんの元に駆け寄る。そして俺は________

 

 

 

「お前のそれは愛とは言わねぇ……!! 独占欲って言うんだ!!!」

 

 

 

________どうしようもない怒りに襲われていた。

 

 

 

===== 三人称 side =====

 

 

 

少年、碧空 零 は怒っていた。どうしようもなく怒っていた。その怒りの矛先は目の前のカメラを模した怪人、カメラ裂魔に向けられていた。怒りの原因はカメラ裂魔の古明地さとりへの愛。いや、独占欲である。そのカメラ裂魔のせいで古明地さとりに精神的な限界が来てしまったのだ。

怒りを発散するかのように零はカメラ裂魔に向かってスペルカードを発動した。

 

「【《霊魂》単眼の不思議なゴースト】ォォォ!!」

 

スペルカードを発動したことで出現したゴーストドライバーを零は腰に巻く。それと同時に弾幕はいつもの不規則でユラユラと揺れる弾幕ではなく、直線的で人を傷つけるような弾幕に変わり、カメラ裂魔に命中する。

零は懐からオレゴーストアイコンを取り出しスイッチを入れる。そしてゴーストドライバーのバックルのカバーを開け、オレゴーストアイコンをセットしカバーを閉め、トリガー部分を引く。

 

【アーイ!】【バッチリミナー!バッチリミナー!バッチリミナー!バッチリミナー!】

 

ゴーストドライバーの目からオレゴーストが出てきて周囲を飛び回り、先ほど引いたトリガー部分を押し込みこう唱える。

 

 

「変身」

 

【カイガン!オレ!】【レッツゴー!覚悟!ゴ!ゴ!ゴ!ゴースト!】

 

零の身体が1度不完全な状態、《トランジェント》に変わり、その姿の零がオレゴーストを纏う。これにより仮面ライダーゴースト・オレ魂には変身できた。続けてもう1枚のスペルカード、【《霊魂》四段変形オメガウエポン】を唱えようとするが、

 

『悪いが俺はこんな事で負けてられないんでね。退散させてもらうよ。』

 

カメラ裂魔はそう言い、左胸のカメラレンズに手をかける。するとカメラレンズが虹色に光り、強烈なフラッシュが周囲を照らす。そして全員の目が慣れた頃にはカメラ裂魔はおらず、そこには仮面ライダーゴースト1人がポツンと立っていた。

 

 

 

【GHOST・・・『01 MUSASHI』『02 EDISON』『03 ROBIN HOOD』『04 NEWTON』】

 

【SPECTER・・・『12 NOBUNAGA』】

 

 

=====次回予告=====

 

 

「お姉ちゃん…………」

 

「……………私、怖いんです」

 

「さとり様を助けてください」

 

『じわじわ追い詰められて怯えたあいつの顔は最高だ!』

 

「 絶 対 に 許 さ ね ぇ !! 」

 

 

 

《第十話「激昴!怒りの幽霊戦士!」》




カメラ裂魔の活躍は少なくとも与えた被害はとことん大きい。と思う。

名もなきAさん。どうだったでしょうか。「もっと活躍させろや!」とかご要望がございましたらコメントしてくだされば幸いです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。