あと2話くらいはオリジナル裂魔出ません(白目)
「儂は『坂本龍馬』ぜよ!」
ユルセンが言うには、目の前の青年、”大梅友長”に江戸の英雄”坂本龍馬”の眼魂が憑依しているらしい。
自称協力者が言っていた通り、日本の革命児が動き出す。とはこういう事だったのか。
15個の眼魂を集めるて生き返るために、協力して欲しいのだが。
「な、なら俺に力を貸してください!」
「力を貸す……ふむぅ…お主はこの前、女子を生き返らせたんじゃったのぉ……」
女子とは、おそらくカナミちゃんの事だろう。確かにあの時、カナミちゃんを生き返らせた。
その為、眼魂は幻想郷中にバラバラに飛び散って、もう一度集めなければならなくなったのだ。別に後悔はしてないんだけど。
「そうです!今度は俺が生き返るために、力を貸してください!お願いします!」
絶対に俺は生き返る。そして家族の元に帰る。その為にも眼魂を15個集めるんだ。
俺は龍馬さんに向かって土下座しながらお願いする。
「……お主…視界が狭いのぉ」
「え?」
龍馬さんの言葉を聞いて、俺は顔を上げる。目線の先の龍馬さんは険しい顔をしていた。
「もっと周りを見るんじゃ。目先の事に囚われては行かんぜよ!」
「は、はぁ……」
目先の事に囚われる……俺が生き返るために眼魂を集める事が目先の事なのか?
それに視界が狭いとはどういう事なんだろうか。あの坂本龍馬が言う事だから何かしらの意味がある筈だ。
その言葉の意味を聞こうとすると、龍馬さんは何かを思い出したかのように、俺に向かって言葉を放つ。
「お、そうじゃ!お主、薩長同盟を成立させよ!」
「はぁ!?」
「………なんか俺が空気なんスけど」
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「で、その薩長同盟って何なのよ」
「薩長同盟って言ったら、坂本さんが薩摩藩と長州藩に手を組ませて、日本を大きく変える手助けをした同盟っスね!」
「……でもこの幻想郷で薩長同盟ってどういう事なの…?」
「さあ……一体何があるんでしょうかね?」
”英雄眼魂”が人間に憑依している。という一大事のため、妖夢、鈴仙にも来てもらった。
全員が集まると、龍馬さんの言った”薩長同盟”について七騎君が軽く説明する。
しかし、その龍馬さんが言っている薩長同盟。この事が何なのかはさっぱり分かっていないのだ。
その事を龍馬さんに聞こうとすると、突然、地響きが鳴る。
人里の中には地響きの原因となった物は見当たらない。俺は人里の外で何か起きたのだ。と理解して走る。
「あ、アニキ!待って下さいっス!」
「待ちなさい!妖夢!七騎の奴、人間だし危険よ!」
「はい!待ってください七騎君ーっ!」
俺に続いて七騎君、その後ろから妖夢と鈴仙が人里の外へと出ていく。
龍馬さんを置いてきてしまったが、この際仕方がない。
俺は両手を合わせて「ごめんなさい」と、その場にいない龍馬さんに向かって謝った。
「一度、事件があれば体が動くというわけじゃな。面白い!」
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人里の外に来た俺だったが、案の定、地響きが鳴ったその場所が分からない。
どうするべきか。と考えていた俺だが、まずこの地響きが裂魔の仕業なのかも分からない。
そこで、俺はユルセンを呼ぶ事にした。
「ユルセーン。おーい、ユルセーン」
『なぁんだよ!俺がいないとなんにも出来ないんだなぁ?しょーがないなあ。このユルセン様が協力してやるよ!』
「ゴタゴタ言ってねぇで、この近くに裂魔がいるか調べてくれよ!」
そう言って、俺はユルセンを掴んでブンブンと振り回す。アンクを掴んだ映司のように。
『だーっ!振り回すなバカ野郎ぅ!ほらー、零!後ろ後ろ!』
ザ・ドリフターズかお前は。と思いつつ、俺は後ろを見る。後ろからは、”牙”が迫っていた。
比喩ではなく、紛れもない本物である。それも一本、二本などではなく、”一度に数え切れないほど”である。
「っぶねぇ!?」
『ふん、交わしたか……』
その牙を発したと思われる怪物、裂魔が物陰から出てくる。生物的な刺々しい姿、まるで牙そのものを模したかの様な腕。
間違いない。この裂魔が、俺に攻撃してきた奴だ。ゴーストドライバーを出現させ、オレ眼魂のスイッチを押す。
何故だろうか、体が痛い。以前の”体を蝕む痛み”とは違い、俺が死んでしまった時に受けた傷が斬られるように痛い。
それに、俺はあの裂魔の腕にある牙を、何処かで見た覚えがある。しかし思い出そうとするとさらに傷が痛くなる。
ふと、裂魔の方を見ると、顎に手を当て、首を傾げていた。
『おかしい……貴様には見覚えがあるのだが……』
「へぇ〜偶然だね。俺もそう思ってたんだよ……」
『………思い出した……お前は確か_____
_____私が”殺した”人間だったか』
===== 三人称 side =====
「………おいおい……マジかよ」
碧天零は驚愕していた。目の前の裂魔、『牙裂魔』の発した言葉に。
牙裂魔は、裂魔ライオットの時から、幻想郷を支配した後に裂魔が進行する外の世界の情報を集める為、外で活動していたのだ。
外の世界の人間を裂魔の力で殺し、その体を乗っ取って、外の世界の情報を集めていたのだ。それも、何人も。
その騒動に巻き込まれてしまったのが、碧天零という男である。
外の世界に進行しようとしている事を知った”自称協力者”が、零を幽霊として生き返らせて、イレギュラーな力も授けたのは言うまでもない。
その事も知らない裂魔達の前に”斎王”という男が出現し、器物を取り込んで裂魔を強化させた。
この斎王の技術によって、外の世界の調査員だった裂魔ライオットは”牙”という器物を取り込み、”牙裂魔”となったのだ。
その後も、牙裂魔は外の世界で活動を続けていたが、アリオスのピンチと知り、急遽幻想郷へと向かって来たのだ。
『ふむ……これも奇妙な運命。ここでもう一度殺してやろう!』
「………もう一回殺されてたまるか……変身!」
零はナンバリング状態となっているオレ眼魂をゴーストドライバーにセットし、カバーを閉めて、トリガーを可動させる。
ゴーストドライバーの目にあたる”グリントアイ”からはオレゴーストが出現し、トランジェント体となっている零に憑依する。
【カイガン!オレ!】【レッツゴー!覚悟!ゴ!ゴ!ゴ!ゴースト!】
仮面ライダーゴーストに変身した零は、グリントアイを通してガンガンセイバーを召喚し、右手に持つ。
ガンガンセイバーを構えて、牙裂魔に向かって走っていく零だったが、その進行を大きな壁が阻む。
『姿が変わろうと、私を突破する事は出来ぬよ』
「……何だよ…この壁!」
『私の能力で出現した”牙”。その牙を組み合わせて、巨大な壁にしたのだ』
「嘘だろ……ビクともしねぇ………」
牙裂魔はその名の通り、特殊な牙を無数に召喚することが出来るのだ。その無数の牙を使う事で、このように”牙の壁”を作ることも可能である。
ゴーストはガンガンセイバーで攻撃してみたり、突進してみたりするが、全く壁は倒れずに、壊れもしない。
『さらに、このように一瞬で攻撃に転じる事も可能だ』
「何だとっ!?ぐあぁっ!!」
牙裂魔が手を動かすと、牙の壁は一瞬で分解され、たくさんの牙になる。
その牙は一斉にゴーストへと向かっていき、牙の雨が降るかのように攻撃する。まさに”牙を剥く”という事か。
「ぐふぅ……予想以上に強い……外見があんなにクリーチャーな感じだし当然か……」
『少し遅れたが自己紹介しておこう。私は”牙裂魔”。お前を二度殺す裂魔だ』
「俺は碧天零……既に二回死んでるし………アンタとはよろしくしたく無いね!」
余裕そうに自己紹介する牙裂魔。その牙裂魔の対角線上にいるゴーストはボロボロになっていた。
しかし、まだ諦めてはおらず、ガンガンセイバーを杖替わりにして立ち上がっていた。そのまま牙裂魔に向かって突進していく。
『ほう、お前が碧天零だったのか。都合が良いな』
「お前の都合なんか聞いてない!これでもっ喰らえ!」
『残念だがこちらには関係があるのだよ!』
「あぐぁあぁああぁっ!?」
牙裂魔に攻撃の届く距離まで来たゴーストは、ガンガンセイバーを使って牙裂魔の脇腹を斬ろうとする。
しかし、ゴーストの攻撃は、牙裂魔の左腕にある牙に防がれていた。
攻撃した直後で隙だらけのゴーストに向かって、牙裂魔の右腕の牙による斬撃がヒットし、ゴーストは大きなダメージを喰らってしまう。
『これで終わりか?ならばその変な姿も解いてしまうか』
「させるかっ!」
ゴーストへと近づいて、ゴーストドライバーに攻撃を当てようとする牙裂魔に光弾があたる。
一体何処からの攻撃なのだ。と思って周囲をみる牙裂魔。すると、青い武器をもった男が見えた。
「祐っ!助かったよ!」
「礼は要らん……変身!」
【カイガン!スペクター!】【レディゴー!覚悟!ドキ!ドキ!ゴースト!】
二本角で鎖の巻かれた青いバイク”マシンフーディ”に跨って、ガンガンハンド・銃モードで攻撃した人物、”海原祐”こそ、先程、牙裂魔を攻撃した本人である。
祐はバイクから降りる。手に持っているスペクター眼魂をナンバリング状態にしてゴーストドライバーにセットし、カバーを閉じ、トリガーを可動させる。
グリントアイからはスペクターゴーストが出現し、トライジェント体の祐に憑依し、仮面ライダースペクターに変身した。
「うりゃあっ!」「はあっ!」
『同じカラクリを持った奴がもう一人いるとは……気にすることではないな』
ゴーストはガンガンセイバー・ブレイドモードを持ち、牙裂魔を切り裂く。
スペクターはガンガンハンド・ロッドモードを使って、牙裂魔に攻撃を当てる。
しかし、そんな二人の攻撃さえも、牙裂魔は両腕の牙で往なし、そのまま振り払った。
「がぁっ!」「ぐおぉっ!」
「あっ!アニキ!今こそゴエモンの力を!」
牙裂魔に振り払われたゴーストとスペクターだったが、その場に槌鉄七騎が参上する。
七騎のその手にはゴエモン眼魂が握られており、ゴーストに渡そうとしていた。
「っちぃ!エジソン!」
【カイガン!エジソン!】【エレキ!ヒラメキ!発明王!】
「来い!ノブナガ!」
【カイガン!ノブナガ!】【我の生き様!桶狭間!】
「ファッ!?」
しかし、ゴーストはエジソン眼魂を取り出し、エジソン魂にゴーストチェンジ。スペクターはノブナガ魂にゴーストチェンジする。
生憎だったが、ゴーストは七騎の事に気づいていなかったのだ。
『ほう……他にも姿が変わるのか』
「そうだよ!だからとっとと倒れろ!」
『そうはいかんな……む、挟まれたか』
「ふん、早く退場してもらおうか」
牙裂魔を挟んで、ゴーストとスペクターは対角線上に位置して、それぞれ武器の銃口を牙裂魔に向けていた。
ゴーストは電気を帯びた光弾を遠距離から放ち、スペクターは至近距離で紫色の光弾を放つ。
これなら、あの牙裂魔でもダメージを喰らうはずだ。そう思った二人の仮面ライダーは、次の瞬間の牙裂魔の行動で驚かされた。
牙裂魔を中心としてドーム型に広がる無数の牙。その無数の牙によって、二人の仮面ライダーの攻撃は防がれてしまったのだ。
これではキリがない。とゴーストとスペクターが光弾の嵐を止めると、その一瞬で牙裂魔は無数の牙のドームを解き、その場から去った。
「っく……駄目だったか」
【【オヤスミー】】
「いやー、ありがとな。祐」
「気にするな」
牙裂魔は既に遠くへ去ってしまい、追いつけも出来ないので、ゴーストとスペクターは変身を解いた。
変身を解いてすぐに、祐は仕留め損なった。と後悔していたが、そんな祐に零はありがとう。と礼をする。
流石に二回も礼をされるのは予想外だったのか、気にするな。と一言言って去っていった。
「アニキぃ!何でアニキはゴエモンを使わないんスか!」
「あれ?七騎君いたの?」
「俺にすら気づいてないんスか!」
離れていった祐と入れ替わるように来た七騎は、零の目の前にボヤける程にゴエモン眼魂を近づけ、疑問をぶつける。
しかし、零は七騎が来たことにさえも気づいておらず、戦闘に夢中だったのだ。この事を知った七騎は項垂れた。
二人がそんな事をしていると、妖夢と鈴仙、そして大梅友長に憑依している坂本龍馬がやって来る。
「ほぉう?なかなかやるようじゃのぉ!」
「あ、はい。ありがとうございます」
龍馬は零に近づき、なかなかやるな。と褒めながら、零の背中をバンバンと叩いた。
「お主なら任せれるじゃろう!今一度!薩長同盟を成立させるんじゃ!」
「まあ、やるだけやってみますけど……」
そこまで言って、龍馬の様子がおかしくなる。放心状態になったかと思いきや、前髪をかきあげていた眼鏡を下ろして、目に掛ける。
「へ?こ、ここは何処ですか?」
「おお!戻ったんスね!友長!」
「え?あれ?七騎君どうしたんですか?」
どうやら坂本龍馬から大梅友長の意思に変わったようだ。二重人格で例えると、人格を入れ替えた。という感じである。
七騎が友長との再開を喜んでいる裏では、零と妖夢と鈴仙は、坂本龍馬の言っていた薩長同盟について相談していたのだ。
「とりあえず俺は友長君について行って薩長同盟の意味を調べてみるよ」
「一応、七騎も連れていきなさい。アイツがいた方がいろいろ便利だと思うわ」
「人を道具みたいに言わないでください。それじゃあ、お願いします零さん」
「うん。人里に裂魔が現れたら呼んでね」
そこまで言ってその場を離れようとする零だが、妖夢が不思議そうな顔をしているのに気付いた。
「どうしたの妖夢?」
「い、いや、何でもないんですけど……」
一瞬だけ、零が”消えそうになった”のは妖夢だけが気づいていた。
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「ぼ、僕の体に坂本龍馬が憑依してる!?本当ですか!?」
「信じられないかもしれないっスけど……」
人里の大通り。友長の家へと向かっている最中に、友長の体に、あの偉人”坂本龍馬”が憑依していると言う事を話す。
「最高です!僕、昔からずっと坂本龍馬に憧れてたんです!」
「「あれ?」」
もっと驚いたり、嘘だ。と否定したりするのだろう。と思っていた零と七騎の予想は裏切られた。
その後、延々と坂本龍馬について語る友長だったが、その過程で、自分の夢を語った。
「僕は昔から”空”に行きたかったんです」
「空……飛びたいってこと?」
「はい。そんなところです」
友長は空に行きたい。という龍馬が協力しようとする程の大きい夢を持っていた。
しかし、ただの人間である友長が空を飛べるはずも無く、夢は夢のままという事だったのだ。
「やっぱり普通の人間である僕には、空も飛べるわけがなくて……でも、そんな僕でも空を飛べる方法があるんです!」
「七騎君、そんな方法なんてあるの?」
「さあ……でも友長は嘘はつかないっスよ」
次の瞬間、友長はとんでもない事を言い始める。
「以前、紅魔館の魔法使いが月に行くために作成したロケット!それを参考にして人間が空へと行くロケットを作ろうとしております!」
「……あぁー、あったっスね。そんな騒動」
「え!?幻想郷でロケット!?どういう事なの!?」
零は幻想郷に来たばかりで知らないが、霧の泉の近くにある紅い館”紅魔館”で、月へ行くためのロケット開発&発射があったのだ。
友長が言っているのは、そのロケットを参考として、人間を空へと向かわせるロケットを”人間だけ”で作ろうとしているのだ。
「ですが、その計画には必要な人材が協力してくれないんです……」
「必要な人材……一体誰なんスか?」
友長はゆっくりと口を開き、こう言った。
「僕の”父親”です」
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友長の家に着いた零達。家の中からは金属と金属がぶつかり合うような音が響いていた。その家を一言で表すならば、”鍛冶屋”である。
中に入っていく友長を追って零と七騎も中に入る。そこにいたのは、鉄を加工している屈強な男だった。
その屈強な男に友長が話しかけようとするが、友長が話す前に屈強な男が言葉を放つ。
「お前に話すことは無い」
「父さん!僕達の夢じゃなかったのか!あの大きな空へと行こうって!」
友長の言っていた、必要な人材である父親。それがこの屈強な男であり、その姿から、頑固な人物が伝わってきた。
「大体、鉄を加工して作ったロケットで空に飛べるわけがないだろう」
「やってみなくちゃ分からないじゃないか!……もしかして、まだ”昔の事”を気にしているのか?」
「何だと!?」
「うわぁ!やめて下さいっス二人共!」
友長の父親”大梅薩来(オオウメ サツキ)”は、鉄の塊のロケットが飛べるはずがない。と言うが、アポロ計画の事を思い出した零は、そんな事は無い。と論しようとする。
しかし、友長が”昔の事”というワードを口に出した瞬間、薩来は友長に掴みかかろうとした。
その二人を七騎が止めようとするが、零には気になることを薩来に聞いた。
「すいません、薩来さんの”さつ”っていう字……薩摩の”薩”って書きますか?」
「そうだが、誰だ君は」
友長の”長”という字と薩来の”薩”という字。零はこの二つの文字を脳内で組み合わす事で、とある一つの言葉が頭に浮かんだ。
「”薩長同盟”……ってこの事か!」
友長に憑依している坂本龍馬の言っていた”薩長同盟”とはこの事だったのだ。
「だから誰だね君は!」
「薩長同盟の手伝いに来ました!碧天零と言います!」
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「帰れ、ここにもう用は無いだろう」
「ふん!アンタみたいな堅物頑固者には分かんないよ!」
あの後、すぐに零達は鍛冶屋の外に出され、戸を閉められた。薩来は意地でも話を聞かないようだ。
そんな父親に向かって、もう二度と来るか。などと言っているの友長。これでは薩長同盟を成立させる事も難しくなってしまった。
「薩長同盟に気づけたのはいいんスけど……これじゃあ薩来さんが納得してくれないッスよ?」
「うん……にしても、なんで眼魂を手に入れる為に親子喧嘩に付き合ってるんだろう……」
零と七騎が悩んでいると、友長が眼鏡を上に挙げて、前髪をかきあげる。目は青色に変わっている。
「かぁ〜!そんなんじゃいつまで経っても薩長同盟は成立出来んぜよ!」
「そんな事言っても……」
意志が坂本龍馬に変わる。龍馬は腕を組み、零に不満を言った。しかし交渉術などない零にはどうする事も出来ない。
薩長同盟をどうやって結べばいいのか。と、悩んでいた零は、背後から近づいてくる影に気づいていなかった。
『ムン!』
「え?おわぁ!!」
背後から近づいてきた影は牙裂魔であり、腕の牙で零を切り裂こうとしていたのだ。
攻撃を受ける直前に気づいた零は何とか躱し、七騎と龍馬をこの場から離れろ。と指示した。
「二人共逃げて!」
「押忍!逃げるっスよ龍馬さん!」
「ちょ、ちょっと待たんかい!引っ張るな!痛いじゃろが!」
零はゴーストドライバーを出現させ、懐から闘魂ブースト眼魂を取り出し、スイッチを押す。
スイッチを押した瞬間、闘魂ブースト眼魂を中心に炎が舞う。
「変身!」
【一発闘魂!】
『ほう、まだ他の姿があるのか。面白い』
ゴーストドライバーに闘魂ブースト眼魂をセットし、カバーを閉めてトリガーを可動させる。
グリントアイからは、赤と黒色の闘魂ブーストゴーストが出現し、トランジェント体になった零に憑依する。
【闘魂!カイガン!ブースト!】【俺がブースト!奮い立つゴースト!(ゴー!ファイ!ゴー!ファイ!ゴー!ファイ!)】
「行くぞ!敵討ちだ!」
『返り討ちにしてやろう!』
===== 零 side =====
「ぐっ……そんな姿の癖になんて速いんだよ……!」
『敵討ちするのでは無かったのか』
人里の外、闘魂ブースト魂の俺と牙裂魔と戦っているが、苦戦していた。
サングラスラッシャー・ソードモードで牙裂魔に何とか応戦しているが、牙裂魔は、その姿からは想像出来ないほど動きが速い。
これでは駄目か。と思い、俺は一度距離を取ろうと後退するが、牙裂魔は牙を飛ばして追撃してくる。
「っちぃ……厄介すぎる……」
「おお!アニキここにいたっスか!」
人里の方角から七騎君がこちらに来る。さっき龍馬さんと一緒に避難させた筈なのだが、何故ここに来てしまったのか。
早く逃げろと言おうとした瞬間、七騎君は一つの眼魂を取り出した。
「苦戦しているようっスね!こんな時こそゴエモンの素早さっスよ!もともと石川五右衛門は忍者との説もありまして……」
「だっら頂戴!ほら、パス!」
「おりゃあっ!」
七騎君の石川五右衛門についての話も聞かずに、ゴエモン眼魂を投げてもらう。
俺はゴエモン眼魂をキャッチし、ゴーストドライバーの闘魂ブースト眼魂と入れ替え、トリガーを可動させる。
グリントアイからゴエモンゴーストが出現し、トランジェント体の俺に憑依する。
【カイガン!ゴエモン!】【歌舞伎!ウキウキ!乱れ咲き!】
「はあっ!」
『ぬっ!?』
サングラスラッシャーを逆手で持ち、牙裂魔に攻撃する。いつものゴーストより速く攻撃している気がする。
それは牙裂魔の反応からも明らかに動揺している為、攻撃は早くなっている事が分かる。
「せいやっ!」
『ぬおっ!?』
牙裂魔に素早く攻撃する。その攻撃に牙裂魔は怯み、一旦退こうと木の上に飛び移ろうとするが、ゴエモン魂の跳躍力を舐めてはいけない。
俺は木の上へと飛び移った牙裂魔を追って飛び、サングラスラッシャーで攻撃して撃ち落とす。
落ちた牙裂魔に止めの攻撃を仕掛けようとするが、その前にユルセンが俺に話しかけてくる。
『なあ零!その武器、サングラス付いてるんだな!』
「ん?あれ、何か眼魂が入りそうだな」
『気付かなかったのかよ……』
「うっさい!」
ユルセンに言われて、サングラスラッシャーに付いているサングラス部分のパーツを弄っていると、サングラスが可動し、二つの装填スロットが出現した。
眼魂を入れてみようと、オレ眼魂をナンバリング状態にして左の装填スロットに、闘魂ブースト眼魂を右の装填スロットにセットしてサングラスを可動させる。
【闘魂ダイカイガン!】
闘魂ダイカイガンの音声と共に、俺の背後に赤色の目の紋章が出現し、俺を通じてサングラスラッシャーにパワーを送って来る。
サングラスラッシャーの刀身に炎を纏わせて、牙裂魔に二回斬撃を喰らわせる。
【メガ!オメガシャイン!】
「うぉりゃあぁああぁあぁっ!」
『ぐおぉおおぉおぉおおっ!』
「絶景かな!絶景かな!ってね!」
確か歌舞伎では、こんな掛け声もあったなぁ。と思いながらうろ覚えで叫ぶ。
これで牙裂魔に勝ったのだろう。と思っていた俺だったが、実際は違った。
本来、裂魔を倒すと、取り込んだ器物と壊れた裂魔眼魂があるはずなのだが、その場には一つも残されてはいなかった。
「あちゃー、逃げちゃったか……」
【オヤスミー】
「アニキぃ!カッコよかったですぜ!」
「うん、ありがと。でも牙裂魔に攻撃を当てたはずなんだけどな……」
牙裂魔は一体どこに言ってしまったんだろうか。また俺を倒しに来るのだろうか。
まだ分からないが、一度殺された分の敵討ちをするためにも、強くならねば。
「……特訓とかした方がいいのかな」
「どうしたんスか?アニキ?」
===== 三人称 side =====
赤黒い空間、水色に発光し浮かんでいる鳥籠。それを見ながら、金髪の青年は言葉を発した。
「……コイツは失敗作かもしれないな………処分しておけ」
金髪の青年、アリオスは、裂魔コマンドに鳥籠の処分を命令した。
命令を受けた裂魔コマンドは、目の紋章を作る。その先は幻想郷へ繋がっており、そこに鳥籠を置いて目の紋章を閉じた。
その時、鳥籠が少し動いた。
【GHOST・・・『01 MUSASHI』『02 EDISON』『03 ROBIN HOOD』『04 NEWTON』『05 BILLY THE KID』『06 BEETHOVEN』『07 BENKEI』『08 GOEMON』】
【SPECTER・・・『11 TUTANKHAMEN』『12 NOBUNAGA』『?』】
===== 次回予告 =====
「行けばいいんじゃない?」
「友長君の目的を何とか果たしてあげて!」
「どうして夢のために協力出来ないんスか!」
「こんな父親を許してくれるのだろうか……」
「お父さんの背中を追っていたのだから!」
《第二十九話 「協力!空への挑戦!」》
七騎がゴエモン殿を使って欲しかったのは自分が見つけた眼魂だからだと思う(小並感)
紅魔館のロケットがどうこうの話は東方儚月抄参照です。