東方霊眼魂   作:壁画(笑)

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この度は更新が遅れて申し訳ございません。風邪で更新休むとか……自分って本当に貧弱ですね……。反省。
今回も安定の急展開ご注意ください。それにしても、ニコ○コのみんなで見るディケイドは楽しいなぁ!?


今日のミュージックス○ーション、見とけよ見とけよ〜


第30話 「自由!革命の風雲児!」

 

「鈴仙さーん。零さんが時計とランタン忘れてますよ」

 

「あら妖夢。アンタが届けに行ったら?」

 

「でも何処にいるか分かりませんし……ってうわぁ!?」

 

「あ、そう言えば。その二つは生き物みたいになるんだったわね」

 

「へー、可愛いですねー。名前を付けましょうよ」

 

「良いわねそれ。じゃあ”時計コウモリ”と”ランタン蜘蛛”でどう?」

 

「そのマンマじゃないですか!レミリアさんもビックリですよ!」

 

「何でアイツの名前が出てくるの……あ、あの吸血鬼はネーミングセンスに定評あったわね」

 

「そう言えば、あともう一匹、鳥がいたはずなんですけど……」

 

「さあ?零が持っていったんじゃない?」

 

 

 

==========

 

 

 

一人の青年”アリオス”は数日前の事を思い出していた。

あの時、自らの育った”裂魔の世界”へと戻ってきたアリオスは裂魔を何体か作った後に、実の兄”アイゼン”に会うことにした。

アリオスが自分の世界に帰ってきた理由。それは裂魔を強化する事だけではない。帰ってきた最大の理由、それは”眼魂の力”についてアゼルスに訪ねに来たのだ。

 

幻想郷へと来たジャギルは、元々アイゼンの命令で幻想郷に来たのだ。そしてアリオス自身が知らない眼魂の謎についてジャギルは知っていたが、アリオスには話さなかった。

恐らくアイゼンがジャギルに「アリオスには黙っていろ」と命令したのだろう。とアリオスは睨んでいた。しかし、何故そうする必要があったのか。

 

疑心暗鬼になっていたアリオスは、兄であるアイゼンの座る玉座の場所へと向かう。

着いた場所には、周囲に様々なステンドグラスが貼られていて、明かりは少しもない暗い場所だった。

アリオスの目の前には、赤と黒で染められた大きな玉座、その玉座に座るのは、紛れもなくアリオスの兄、アイゼンだった。

ジャギルの着ている物とはデザインの違う、綺麗な黒色の軍服を着て、長い足を組んで座っているアイゼンの表情は、何処か冷酷だった。

 

「お伺いしたい事がございます。兄様」

 

「………何用だ」

 

「兄様。私に何故、眼魂の力について教えてくださらなかったのでしょうか」

 

アリオスは率直に疑問を実の兄にぶつける。アイゼンは不満の表情を浮かべ、手を置いていた玉座の手すりを人差し指で叩く。

そしてアイゼンは、アリオスに向かって冷たい視線を送る。その黒い目から伝わってくる威圧感はアリオスを震わせた。

 

「我々にとって肉体を手に入れる価値は……兵器としての力としてしか利用できんだろう」

 

「それ故に、私に告げずにジャギルに命令したのですか?」

 

「そうだが。我々の世界の為に、”向こうの世界の人間”が必要なのはお前も理解しているだろう?」

 

「……勿論でございます…兄様」

 

アイゼンの言葉には若干の怒気を含んでいた。だからこそ、アリオスはこれ以上の質問はしなかった。機嫌を損ねては、自分が何をされるか分からない。

表情を見られないように礼をしたアリオスだったが、その顔は『納得いかない』とでも言いたそうな表情だった。

 

 

 

『アリオス様。準備が出来ました』

 

人里からは大きく離れた位置、回想の終わったアリオスに向かって、牙裂魔が話しかけてくる。どうやらアリオスの計画している準備が終わったようだ。

牙裂魔の牙は様々な使い方ができる。例えば、自分の放つ牙に、裂魔を出現させる扉”裂魔ホール”を纏わせる事で、牙から裂魔達を呼び出す事も可能である。

 

「分かった。しかし、あれ程の距離があるが……お前は当てる事が出来るのか?」

 

『アリオス様のためならば』

 

「お前が衰弱してしまうと計画が無駄になってしまう。頼んだぞ」

 

『ッ!……もったいなきお言葉!』

 

奮起している牙裂魔の肩を2回優しく叩き、アリオスは森の中へと消えていく。

 

 

 

===== 零 side =====

 

 

 

我が弟子、七騎君のお陰で見事仲直りした友長君と薩来さん。二人がこれから外の技術に追い付くようなロケットを作ってくれる事を期待しよう。

二人が早速、新しいロケットをどうするか。と相談しているところを見ながら、俺は七騎君に駆け寄る。

 

「いやー、やるねぇ七騎君」

 

「アニキ……これで薩長同盟を成立出来たんスか?」

 

「勿論。それにしても、俺いる必要なかったよね……」

 

「何言ってるんスか!」

 

そんな風に七騎君と喋っていると、凄く視線を感じた。「一体何処からだ」と思って周囲を見渡すと、友長君が俺を見ていた。

だが、どこか変だ。まるで羨んでいるような、やきもちしているような。友長君が俺に向けていた視線は”嫉妬”である気がした。

何故嫉妬しているのだろうか。俺と七騎君が話しているのを見て嫉妬していたのだろうか。もしかして友長君は”そういう系”の人なのだろうか。

 

「ん、どうしたんスか。アニキ?」

 

「いや……何でもないけど……」

 

友長君から向けられる視線に戸惑いつつも、俺は七騎君に「何でもない」と答える。取り敢えず、薩長同盟の件はこれで終わりなのだろう。

後は、俺を殺した張本人。いや、張本裂魔である牙裂魔を倒さなければならない。ゴエモン魂でも勝てなかった強敵。俺一人では明らかに勝てない。

俺は懐からコンドルデンワーを取り出し、祐に連絡しようとする。しかし、薩来さんの動揺する声が聞こえた事によって、事態は急変する。

 

「なんだと!?」

 

「どうしたんスか、薩来さん?」

 

声のした方へと行く七騎君に俺もついて行く。そこには動揺した顔の薩来さんと友長君、あともう一人いるが、恐らく薩来さんの弟子か何かだろう。

 

「俺の作っていた試作品のロケットが何者かに奪われてしまったんだ……」

 

「試作品のロケット?薩来さん嫌々言いながらロケット作ってたんスね!」

 

「もしかしたら僕と和解出来るかもしれない……そう思いながら作ってくれてたんだって……」

 

「じゃあ何としても取り返さないとな……祐にも協力してもらおう」

 

取り出していたコンドルデンワーを取り出し、祐に電話をかける。二、三秒すると祐が電話に出る。

もしかしたら裂魔が関わっているのかもしれない。という事を伝えたが、どうやら祐は迷いの竹林で迷っているらしい。

 

「はぁ!?お前この前、妹の場所ぐらい分かる。とか言ってたじゃねぇか!」

 

『行きは分かるが帰りは分からん。つまりはそういう事だ』

 

「意味わかんないよ!取り敢えず早く抜け出してこい!じゃあな!」

 

「アニキ、今のって祐さんっスか?」

 

「ああ、祐にも協力してもらう事にしたんだ。七騎君達は先に試作品ロケットを探してて!」

 

「っス!任せてください!」

 

祐ってたまにわけわかんなくなるよね。などと思いつつ、七騎君が薩来さん達と、試作品ロケットを探しに人里の外へと行くのを見届ける。

その場に残った俺は、まず裂魔が関係している可能性があると思い、コンドルデンワーをガジェットモードにし、上空から裂魔を探してもらう事にする。

そして、正確な情報を手に入れる為、裂魔の位置をユルセンに聞いた方がいいのかもしれない。そう思った俺は大声でユルセンを呼ぶ。

 

「ユルセン!ユルセーン!」

 

『なんだよ零ぇ!相変わらず声がデカイって!』

 

「この近くに裂魔はいる!?」

 

『ん〜そうだな……向こうにいるぞ』

 

そう言ってユルセンは裂魔のいる方角を指す。その方角の先には人里の外へと続く道があり、先程見送った七騎君達は人里の外へと行っていた。

つまりは、七騎君や友長君は裂魔のいる方向へと行ったという事だ。

 

「こりゃヤバイぞ……っ!」

 

 

 

===== 三人称 side =====

 

 

 

「マジっスか……」

 

人里の外へと試作品ロケットを探しに移動した七騎・友長・薩来。何とか試作品ロケットを見つける事には成功した。しかし、そこにあったのは、周囲には地面に刺さった牙。その牙から出てくる無数の裂魔達だった。

裂魔コマンド・裂魔ライオット……僅か二種類の姿の敵が、まるで例の黒い虫のように湧き出て、七騎達を囲んでいる。

 

「ひ、ひえぇ〜……」

 

「友長、七騎君!離れるなよ……!」

 

裂魔コマンドは、まるでゾンビのように不安定な歩き方で、裂魔ライオットは兵隊のように規則正しい歩き方で、それぞれ三人に迫ってくる。

怯える友長と硬直している七騎。その二人を離さないように、自分の近くに寄せている薩来。数を数えられないぐらいに増えていく裂魔。

このままでは零が来る前に三人共やられる。そんなピンチを救うかのように、一人の青年が現れた。

 

「ふっ!はぁっ!」

 

「祐さん!助かったっスよ!」

 

「お前達は離れていろ!」

 

二本角で鎖の巻かれた青いバイク、マシンフーディーを操り、この窮地を救ったのは七騎も良く知っている人物、海原祐だった。

三人に迫っていた裂魔達をマシンフーディーで吹き飛ばし、近くにいた敵とは格闘戦で勝負を仕掛ける。但し、完全に倒したわけでは無い。次々と立ち上がり、再び祐を狙っていく。

 

「悪ぃ祐!遅れた!」

 

「遅すぎるぞ零!」

 

人里で七騎達のピンチを知った零も、自分のバイクを走らせ、現場に到着した。しかし、それでも裂魔達は増え続ける。

どうするべきか、と悩んでいた零だったが、その場に刺々しいデザインの裂魔がやって来た事で、事態が急変する。

 

『ふむ……やはりココに来たか……』

 

「ッ!牙裂魔……何でロケットを奪ったんだ?」

 

『この近代科学が積み込まれているロケット、その機械に裂魔の力を宿す。そうすれば素晴らしい事が出来そうな気がしたのでな……』

 

とても巨大で科学の積み込まれているロケット。そのロケットに裂魔の力を与える事で、科学や自然現象を超越した裂魔が出来るのではないか。牙裂魔はそう思っていたのだ。

その牙裂魔の言葉に、零は怒りを感じていた。友長と薩来の親子の夢を、天へと登った友長の兄の夢を。裂魔などに邪魔されてはならない。と。

 

「お前はそんな理由で……大梅親子の夢を邪魔しようとしたのかっ……!」

 

『貴様ら人間の持っている夢というモノは、欲望を都合よく言いかえただけだ』

 

「……俺はお前に殺されて、持っていた夢さえも無くした。でもな。こんな俺でも、誰かを守れるんだ」

 

夢は欲望。そう言った牙裂魔。外の世界で活動していた裂魔ライオット時代の時に、”人間”というモノを見てきた牙裂魔だからこそ、語れることかもしれない。

しかし、零は反論する。その反論の内容は、一度死んで、やりたかった事も無くしてしまった零自身が語る、自分の意見だった。

 

零は、脳内にとある人物を浮かべていた。口が悪く、偏屈で、人付き合いも得意じゃない。だが、本当は心優しく、仲間思いな男。

自分が白い怪物と知っていても、人間の味方として戦い、最後まで人間として生きた、”怪物でありながら正義の心を持った狼”。

 

「……ある人が言っていた。『俺には夢はない。でもな、夢を守る事は出来る』ってな!」

 

零は胸のあたりが黄金に輝いているのに気づいた。一体どうしたのだろう。と思い、懐から一つの眼魂を取り出した。

その取り出したオレ眼魂は、まるで太陽の光のように輝いていた。何が起こっているのかは分からなかったが、零は一度それを懐に戻し、闘魂ブースト眼魂を取り出す。

 

「行くぞ祐!」「ああ!」

 

「「変身!」」

 

【闘魂!カイガン!ブースト!】【俺がブースト!奮い立つゴースト!(ゴー!ファイ!ゴー!ファイ!ゴー!ファイ!)】

 

【カイガン!スペクター!】【レディゴー!覚悟!ドキ!ドキ!ゴースト!】

 

零は闘魂ブースト眼魂を、祐はスペクター眼魂を、それぞれ自分のゴーストドライバーにセットし、トリガーを可動させる。

零のゴーストドライバーからは、所々に炎のような装飾がされている赤と黒のゴーストが出現し、トランジェント体の零に憑依し、仮面ライダーゴースト・闘魂ブースト魂に変身する。

祐のゴーストドライバーからは、水色と黒色のゴーストが出現し、トランジェント体の祐に憑依して、仮面ライダースペクターに変身し、ガンガンハンドを召喚して裂魔に向かっていく。

 

「よし、俺も!」

 

「しばし待て、零!」

 

自分も戦線に行こうとしたゴーストだったが、後ろから「待て」という声が聞こえた。ゴーストはその声の主を確かめるため後ろを向く。

ゴーストの向いた方向には、友長が立っていた。しかし、眼鏡で前髪を掻き上げるようにしている為、恐らく龍馬が憑依している状態なのだろう。

 

「お主の夢への覚悟、見せてもらった!儂の夢も、様々な人に受け継がれ、この国”日本”を作り上げたんじゃ!」

 

「夢への……覚悟……」

 

「これからも、お主が繋げるんぜよ。人の夢を、お主の力で!その為に、儂の魂を使え!」

 

友長の身体から、一つの眼魂が飛び出した。水色の光を発し、綺麗に輝いていたその青い眼魂は、ゴーストの手の中に収まった。

 

「龍馬……!」

 

 

 

==========

 

 

 

「ムンッ!はあっ!」

 

スペクターは孤軍奮闘していた。無数の裂魔が襲ってくるが、ガンガンハンドを使い、光弾を撃ち、打撃を当てる。実際に、少しづつ裂魔の数は減ってきていた。

しかし、それでも裂魔コマンドも裂魔ライオットも増えていく。このままではキリが無い。そう思いながらガンガンハンドを振り回していた。

次の瞬間、スペクターが一度振り上げたガンガンハンドが振り上げた状態で固定されてしまった。突然の出来事に驚いたスペクターだったが、背後から攻撃を受ける。

 

「うぐッ……アリオス!?」

 

スペクターに攻撃を与えたのは、金髪の青年”アリオス”だった。スペクターとは知り合いであり、裂魔側の戦士である。そのアリオスは無言で無表情でスペクターに攻撃を与えていた。

しかしスペクターは珍しいと思っていた。普段は裂魔達に指令を下す、言わば参謀のようなポジションの筈が、今回は自らが戦っている。

だが、そのアリオスの攻撃が強いのは当たり前であり、スペクターは防戦一方の状態になっていた。

 

 

 

「おりゃあっ!せいやっ!」

 

『行け、裂魔達よ』

 

一方、ゴーストはサングラスラッシャーを使用して、周囲の状況をよく見ながら戦っていた。

何故こうも真剣に気を配っているのか。というと、牙裂魔がいるからである。

牙裂魔はゴースト一人ではどうする事も出来ないほどの強さを持っているため、牙裂魔に一方的に攻められてノックアウト。などという事も考えられる。

しかし、牙裂魔に気をつけているだけでは、裂魔ライオット・裂魔コマンドに隙を付かれる可能性もある。だからこそ、周囲に気を配って戦っていたのだ。

 

『ふむ、貴様にも危機感というモノが身についたようだな』

 

「っちぃ!舐めるな!」

 

『ッ!?ぐふぅっ!』

 

「チャンスだ!行くぞリョウマ!」

 

ゴーストは赤黒い炎を右腕に纏わせて、力の限り牙裂魔を殴る。闘魂ブースト魂のパワーをその身一つで受けた牙裂魔は、隙を付かれた強力な攻撃によって大きく仰け反る。

それと同時に、周囲の地面に刺さっていた牙、もとい裂魔ホールが全て消滅した。かなりのダメージを受けてしまった為だろう。

そしてゴーストは追い打ちをするかの如く、リョウマ眼魂を取り出し、ゴーストドライバーにセットする。

グリットアイから現れたのは紺と白の色をした袴、肩には黒船の様なパーツのついた”リョウマゴースト”。しかし今までのパーカーゴーストとは違い、リョウマゴーストはなんと喋った。

 

『待っていたぞ、零!行くぜよっ!』

 

「応っ!」

 

 

【カイガン!リョウマ!】【目覚めよ日本!夜明けぜよ!】

 

 

リョウマゴーストがトランジェント体のゴーストに憑依する事で、ゴースト・リョウマ魂へとゴーストチェンジした。サングラスラッシャーはゴエモン魂のように逆手持ちせず、通常どうりの順手持ちだった。

折角ゴーストチェンジしたゴーストだが、牙裂魔は既にアリオスの元へと向かっており、ゴーストに向かって来ているのは沢山の裂魔コマンドだった。

 

「よっ!おりゃあっ!」

 

沢山の裂魔コマンドによる数の暴力が始まると思いきや、迫ってくる裂魔コマンドの肩を利用して、ゴーストは高く飛ぶ。

そして上空からサングラスラッシャーを使って上から斬っていく。これがリョウマ魂の能力の一つである、自由な攻撃である。

ある程度周囲の敵を倒したゴーストは、一度裂魔コマンドの集団から離れ、サングラスラッシャーの斬撃による赤い衝撃波を放ち、少しづつ倒していく。

そして最後に残った6体ほどの裂魔コマンドに向かって、サングラスラッシャーに紺色の衝撃波を纏わせながら一度に倒す。

 

「だぁあぁああぁっ!」

 

その場にいた裂魔コマンド達を全て倒したゴーストは、アリオスの元へと向かっていった牙裂魔を追い掛けていった。

 

 

 

 

「くっ!ぐあっ!」

 

「スペクター……君には心底失望したよ……!」

 

自分の武器であるガンガンハンドさえもアリオスに奪われてしまい、自分の身体のみで戦わなければならなくなったスペクター。裂魔の出現が止まったとはいえ、まだ数は多く、防戦一方の状態は変わらない。

ガンガンハンドを投げ捨てるアリオスを見ながら、スペクターは青い眼魂を取り出してスイッチを押す。しかし、ナンバリング状態にならずに、反応もない。

 

「これはまだ使えないのか……だったら!」

 

【カイガン!ノブナガ!】【我の生き様!桶狭間!】

 

反応の無い青い眼魂ではなく、紫色のノブナガ眼魂をゴーストドライバーにセットし、トリガーを可動させてゴーストチェンジする。

ノブナガ魂になったスペクターは、ガンガンハンドを手に取り、銃モードに変えて、裂魔コマンド達に一弾、二弾と撃ち込む。

黒い煙のように次々と消えていく裂魔コマンド。大方片付いた所で、スペクターはアリオスに向かって光弾を撃ち込んだが、残っていた裂魔コマンドがそれを防いだ。

もう一度。とアリオスに向かって撃とうとするスペクターだったが、再び裂魔コマンドに防がれる。その狙われていたアリオスは近づいてくる牙裂魔に気づいた。

 

『申し訳ございません……アリオス様……』

 

「ふん。さっさとロケットを頂くぞ」

 

「そうはさせるか!お前ら何かに大事な夢を奪わせてたまるか!」

 

アリオスと牙裂魔がロケットへと向かおうとするが、その前にゴーストが立ち塞がり、サングラスラッシャー・ソードモードで牙裂魔に攻撃しようとする。

しかし牙裂魔はその攻撃を特殊な牙で相殺し、ロケットへと向かっていく。

 

「しまった!」

 

『さて、貴様らには新たな可能性を秘めた裂魔の誕生に立ち会ってもらおう!』

 

 

 

____ゴォオォオオォォオォオオォッ!!

 

 

 

『む?』

 

「あれ?」

 

牙裂魔が裂魔眼魂をロケットに憑依させる。その瞬間、ロケットは強烈な爆煙と共に、宇宙へと飛んでいった。牙裂魔をつれて。

突然の出来事に驚きが隠せないゴーストとスペクター。「飛んだ!ロケットが飛んだよ!」とはしゃいでいる友長を落ち着かせている七騎と薩来。驚きの表情を見せず、その場を離れていくアリオス。

 

「う、うわぁあぁああぁ!ユルセン!ユルセン!」

 

『はいはーい!まっかせな!キャプテンゴースト!』

 

宇宙へと行ってしまった牙裂魔を追いかける為、ユルセンに頼ろうとしたゴーストだったが、ユルセンはその期待に応え、キャプテンゴーストを呼び出す。

キャプテンゴーストは屈強な腕でゴーストを掴み、宇宙へと向かって行く。

 

「っちょ!やめて!息がっ!息が出来なっ!……あ、俺ゴーストだから大丈夫なのか……」

 

 

 

==========

 

 

 

「おぉ……宇宙だ……」

 

地球からは離れ、星が輝く空間、宇宙。その宇宙へと来たゴーストは、無限に広がり続ける空間に感動を覚えていた。

そんな時、ゴーストは一人の仮面ライダーを思い出した。宇宙のパワーを纏って変身する、情に厚い高校生ライダーの決めゼリフを。

 

「宇宙キター!!」

 

『何?ここまで追ってくるのか……!』

 

ロケットの壁を牙で砕き、外へ出てきた牙裂魔は、ゴーストの姿を見て驚愕した。何故ここまで人間が来ることが出来るのか。そう思っていた。

しかし、牙裂魔は大きな間違いをしていた。それは、零が、ゴーストが幽霊だという点だ。既に死んでいるゴーストには、呼吸が出来ないだろうが何だろうが、関係ないのだ。

 

『……ふん…ならばこれで終わらせる!』

 

牙裂魔は特殊な牙をゴーストに向かって放つ。通常のオレ魂の状態ではかなりのダメージとなった攻撃だが。

 

「効かないよ」

 

『何!?』

 

リョウマ魂のもう一つの能力、砲撃にも耐える鉄壁の防御力の前では、牙裂魔の攻撃はダメージにもならない。これには流石の牙裂魔も驚く。

隙を見つけたゴーストは、サングラスラッシャーをブラスターモードに変え、サングラスを可動させ、二つの装填スロットの左側にナンバリング状態のオレ眼魂、右に闘魂ブースト眼魂をセットしてサングラスを閉める。

 

【メガマブシー!メガマブシー!メガマブシー!メガマブシー!】【闘魂ダイカイガン!】

 

「はぁあぁああぁあ……」

 

『ぐぉおぉっ!はぁあぁああぁあぁ!』

 

【メガ!オメガフラッシュ!】

 

サングラスラッシャー・ブラスターモードの銃口に赤色の目の紋章が展開され、その目の紋章は真っ直ぐと牙裂魔を狙っていた。

対する牙裂魔は、最後の悪あがき。とでも言わんばかりに牙を発射し、ゴーストへと向かっていく。

そんな最後の足掻きも虚しく、サングラスラッシャーから発射されたオメガフラッシュは向かってくる牙を消滅させながら牙裂魔へと向かっていく。大きな灼熱の弾丸は牙裂魔に当たり、燃え盛るように牙裂魔を消滅させた。

 

 

『がァあぁああぁあぁああぁあああぁ!!』

 

「んなっ!?」

 

 

はずだった。通常ならば裂魔眼魂ごと砕け散っている筈の牙裂魔は、牙のパーカーゴーストと裂魔眼魂に別れる。ここまではいつもと一緒だった。

しかし、残った裂魔眼魂は破壊されるはずが、壊れずに裂魔眼魂の状態で残ったのだ。驚きを隠せなかったゴーストを置いて、牙裂魔だった眼魂はロケットを操り、地球の方へと戻っていった。

 

「一体何が起きたんだ……!?」

 

『そんな事より、見ろ!零!地球は青かったんじゃなぁ……』

 

パーカーゴーストとしてゴーストに憑依しているリョウマの声が聞こえる。ゴーストからは見ることは出来ないが、リョウマが喋る時はパーカーの頭部の辺り、ペルソナドリーマーが青色に光る。

リョウマが生きていた時代には宇宙へと行く手段は勿論無く、地球の姿を見たのはこれが初めてなのだ。恐らく感動しているのだろう。

そして丁度、零達が地球を見ているタイミングで、地球の背後から暖かな光を持つ球体。”太陽”が現れた。

 

『これが、地球の地球の夜明けぜよ……!』

 

「凄い……これが、宇宙……」

 

 

 

==========

 

 

 

「えぇ!?零さんは宇宙に行ったんですか!?」

 

「宇宙はどんなだったの!?」

 

「すっごく綺麗だったよ……」

 

牙裂魔との戦いから帰ってきた零は、妖夢と鈴仙に宇宙の事を聞かれ、自分の腕で宇宙の大きさを表し、宇宙の幻想な光景を話していて、机には9つの眼魂が並べなれていた。

 

「アニキ!アニキ!友長達がロケットの制作に取り組むらしいっスよ!」

 

「遂にだね!楽しみだなぁ……」

 

牙裂魔だった裂魔眼魂の乗ったロケットは幻想郷の森に不時着し、一騒ぎ起きた。そのロケットを大梅家が引き取り、それをプロトタイプとして、新しいロケットを作るそうだ。

なお、大梅親子が確かめてみた時には、既に牙裂魔だった裂魔眼魂も、ロケットに憑依させた裂魔眼魂も無かったそうだ。

 

『いや〜、面白いのぉ。こうして夢は継がれていくんじゃ。あの娘はどんな夢を叶えるのかのぉ……?』

 

「友長君の夢が叶うと良いね……え、待って、今”娘”って言わなかった!?」

 

あの後からは、リョウマ眼魂が喋るようになった。本当の意味で零に力を貸した英雄達は眼魂の状態でも喋れるという事だ。

しかし零はそれどころでは無かったのだ。何故ならば、男として接していた大梅友長が、女だったという事実に驚きを隠せなかったそうだ。

 

「七騎君!友長君は女の子だって!」

 

「はぁっ!?そんな事聞いてないっスよ!」

 

「もしかしてそれを知っていて友長さんに憑依したんですか……?」

 

『違うぜよ!儂も気づいたのは後からじゃき!何かあの七騎とやらへの態度が違うなぁ。と思ってたらそうだったんじゃ!』

 

「英雄の威厳は何処に行ったのかしら……」

 

 

 

大梅家は鍛冶屋である。そして大梅家では、古来より男が当主となって鍛冶屋を継ぐという掟がある。しかし、友長は女として生まれてきてしまったのだ。

何としてでも大梅家の掟を守らなければならないため、仕方なく、友長は男として育てられる事になってしまったのだ。尚、その事を友長は知っていた。

しかし、寺子屋に通っていた友長は、一人の男に恋をしてしまう。それが七騎だったのだ。なので人里の皆は、友長と七騎の事をカップル(ホモ)と勘違いしていた人が何人かいた。

 

「はぁ……父さんにも知られちゃったし……でもまさかあんな事を言われるとはなぁ……」

 

今回の事件によって、父親である薩来にその事を知られてしまったのだ。そして薩来は友長に向かってこう言った。「これからは女として生きろ」と。

 

「うーん……でも自由になったし、これで七騎君に潔く告白できるかな?いや、でも……」

 

大梅友長__改め、”大梅龍香(オオウメ リョウカ)”。ただ今、槌鉄七騎に片思い中。

 

 

 

【GHOST・・・『01 MUSASHI』『02 EDISON』『03 ROBIN HOOD』『04 NEWTON』『05 BILLY THE KID』『06 BEETHOVEN』『07 BENKEI』『08 GOEMON』『09 RYOMA』】

 

【SPECTER・・・『11 TUTANKHAMEN』『12 NOBUNAGA』『?』】




何時から友長が男だと錯覚していた?



またオリジナル裂魔の登場が遅れます。さらにストーリーの進行上、とある方の裂魔を優先させていただきます……本当に申し訳ございません!(地面に頭がめり込む程度の土下座)

-追記-
次回から更新速度が不定期になります。いや、もうホント…迷惑かけすぎぃ!(白目)
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