うわっ!なんだこの空間!?目玉が沢山あって……それに何とも言えない色……。それにこの浮遊感!気持ち悪くて吐きそうだ…………。ここは確か八雲さんが作った亀裂から入ったはずだけど中身はこんなふうになってたのか………。八雲さん趣味悪いなぁ………。
「気分はどうかしら?零くん?」
「最悪です………」
「もう少しで繋げるから吐かないで貰えるかしら?」
繋げる?何を繋げるんだ?意味がわからない。全く、怪奇現象で突然死んで白玉楼に来て西行寺さんと魂魄さんに会って、いきなり八雲さんが出てきて、この空間に来て………何なんだ今日は?急すぎないか?しかも幻想郷ってなんだよ。もう意味わかんない!八雲さんに聞いとくか。
「すいません八雲さん」
「紫でいいわよ。それと、疑問は後で解決するって言ったでしょ?」
「いや、だから」
「よーし完成。零くん。ちょっとこっち来てくれるかしら?」
…………話を聞いてください。紫さん。
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ッ!?なんだこれ!?景色すげぇ!下見たら森が広がってる!めっちゃ高い!っていうかこっちにも空間に亀裂が入ってる!でもこの中の空間から外の空間を覗いてるから………つまり向こうから見たら俺が亀裂から顔を出してる感じか。
「あれが見えるかしら?」
紫さんに言われた方を見ると1人の女の子とその娘の周りに亀裂が沢山あることに気づいた。そして何故か女の子は傷だらけで何かを躱したり、お祓い棒を振り回していた。
「えーっと、傷だらけの女の子、それと沢山の亀裂が見えます」
「そう、じゃあ《亀裂から出てきた物体》は分かるかしら?」
物体?何言ってるんだ?紫さんは。あの亀裂からは何も出てこないし、それに亀裂が出現した瞬間に人は即死レベルの重傷を負うのに………?
………………待て。思い出せ。俺はあの時、あの親子を助ける時、俺は亀裂から《何か》が出てきたのを見た。あの《禍々しいヤツ》を俺は見たはずだ。それなのになんで今は見えない?
そういえば、あの時の《禍々しいヤツ》は、確か、色素が全く無くてうっすらとしか見えなかった。じゃあもう1回見れば見えるかも?
俺はもう一度さっきの女の子の方を見てみた。………ダメだ。全く見えない。また女の子が何かを躱したり、お祓い棒を振り回している姿しか見えない。
「いや、ただ、女の子がお祓い棒を振り回していること以外わからないです」
「そう。もうちょっと近くで見る必要があるかもね。零くん。この《スキマ》から飛び降りなさい」
へぇ、この空間《スキマ》って言うんだ。…………………………え?紫さんは今なんて言った?俺には『この《スキマ》から飛び降りなさい(ゲス顔)』って聞こえたんだけど?
「すいません紫さんもう1回言ってください」
「だからここから飛び降りなさい」
「…………もう1回」
「何回言わせるのかしら? 飛 び 降 り な さ い 」
俺の聞き間違いじゃなかったようだ。いやーよかったよかった。…………いや、よくねぇ。飛び降りろ?え?嘘?マジで?結構高低差あるよ?紫さんは俺に『死ぬがよい』って言ってるの?死ぬよ?こんなのどんな人でも死ぬよ?
「ほら行きなさい」
「うわぁぁぁぁぁぁ待って!流石に死ぬ!こんなの俺生きて帰れない!爺ちゃん婆ちゃんとか母さん父さんとか友達に会えなくなるのは辛いから!だからやめて!殺さないで!やめてって!この鬼!人殺し!悪魔!」
「何言ってるの?貴方もう幽霊よ?とっくに死んでるじゃない」
「あ、ほんとだ。じゃなくてぇぇぇぇぇぇぇえ!!」
「えい☆」
み"や"あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ!!待って!何が『えい☆』だよ!軽いよ!もうちょっと人の命に責任持てよ!死ぬじゃん!?こんな軽々しいことでまた死ぬの!?俺!?やめてよ!?ユルセンだって『お前はゴーストだから死なないけど攻撃を受けたら死ぬほど痛い』みたいな事言ってたじゃん!死ぬんじゃん!?うわ!ほらもう地面近づいてきてるじゃん!?やめてくれぇ!まだ死にたくない!死にたくなぁぁぁぁぁぁぁぁい!!
「ッ!……………アレ?生きてる?……お?お!?マジだ!生きてる!やったぁぁぁあ!」
「貴方ねぇ。幽霊っていうのは浮遊体なのよ?落下で死ぬわけがないじゃない」
「いきなり出てきてそんなこと言いますか?誰だって死ぬのは怖いんですよ!?」
まったく。元はと言えば紫さんが『飛び降りなさい(ゲス顔)』って言ったから悪いのに。俺は悪くねぇ!にしても幽霊ってホントに凄いな。浮いてるし。紫さんの言う通り死なないし。
ってまた紫さんがスキマ作ってるな。って事はまたあの気味悪い空間にいないといけないのか。あの空間が紫さんの個性そのものを表現してるなら紫さんってとんでもない人なのかもしれないなぁ。あれ?そういえば妖怪の賢者とか言ってたっけ?って事は妖怪?…………ありえるな。
「さて、零くん。さっきの場所の近くに行くわよ?」
「はーい。そういえばあの女の子を助けなくて良いんですか?」
「大丈夫よ。あの娘は強いから」
「はぁ、ならいいんですが」
っていうか女の子が危険だったら普通は助けるもんだと思うんだけどなぁ………ここの人はどんな考え方してるんだか。
===== 紫side =====
ふぅ。スキマを繋げ終わったわ。にしてもやっぱり私の能力は本当に便利ね。何でもかんでも隙間を操る事が出来るんだから。ちょっと頭を使ったらこんなふうに場所と場所の隙間を操って一瞬で移動できるんだから。確かこういうのを外の世界では《ちーと》って言うのかしら?まぁいいわ。じゃあ零くんを呼ぼうかしら。正直言って現状、この《亀裂異変》が外でも起こってる。って言ってる零くんは外での事件も知ってると思うからかなり重要な人物よね。幻想郷では最近からあの亀裂は出てきたし。それに彼処から出てくる《奴ら》を片っ端から倒すのはキリがないわ。彼が来た事で何かが変わればいいのだけれど………。
「さて、零くん。さっきの場所の近くに行くわよ?」
「はーい。そういえばあの女の子を助けなくて良いんですか?」
あの女の子……霊夢のことね。まぁ、あの娘は才能の塊だからね。何でもできちゃうような子だから。そういえば亀裂異変が始まってすぐあの娘は『あーもう面倒臭い!もう紫が犯人でいいわよね!?答えは聞いて無いわよ!』とか言ってたからわねぇ。あの後ボコボコにされたっけ。………あれ?なんだか悲しくなってきちゃったわ。何であんな娘に育っちゃったのかしら。
「大丈夫よあの娘は強いから」
「はぁ、ならいいんですが」
ええ。大丈夫よ。零くん。貴方が心配しなくてもあの娘は何でも弾幕ごっこですまそうとしちゃうから。弾幕ごっこでまったく。負けたことの無い霊夢ならこの異変も解決できるわ…………絶対。そういえば魔理沙の方はどうしたのかしらね。霊夢と行動してるはずなのに。
「着いたわよ。どう見えるかしら」
「うーん。これっぽっちも見えないですね。やっぱりあれは見間違いだったんですかね?」
どうしようしら。外での異変を見てる彼が奴らの事が見えなくては話にならない。霊力が少しでもあれば見えるはずなのに。もしかして外の世界の人間は霊力が薄いと言うの?確かに暫く前に守矢神社の面々を迎えに言った時も人間は大体を科学で何とかしようとしていたものね。それであの二柱も『信仰が手に入らない』と嘆いてたわけだし。
まぁもしかしたら、霊夢や魔理沙、それに紅魔館のメイド長や妖夢、それに守矢の現人神がこの異変を解決する可能性もあるから早急になんとかしなくてもいいかもしれないわね。
じゃあ私はゆっくりと霊夢達の活躍を見てようかしらね。
「紫さん。あの娘の様子がおかしいですよ」
「え?」
零くんに言われて慌てて霊夢の方を見ると明らかに霊夢の顔色が悪くなっている。何が起きたの!?あの霊夢が相手にしている奴らは《雑魚》が四体とその《強化版》が一体、たったの五体よ!?それなのに何で霊夢があんなに疲労しているの!?異変が始まった当初は弾幕を使わない奴らも瞬殺していたというのに!?もしかして相手も成長しているというの!?
そんな!?このまま対抗策が無いまま当てずっぽうに戦っていたら明らかに負ける!これは早く零くんの件をどうにかしなきゃ!!
次の瞬間、霊夢が地面に倒れた。
「ッ!? 霊夢!!」
地面に倒れて起き上がることすらもできない霊夢の首を《強化版》の刀が切り裂こうとしているッ!?やめて!ダメ!霊夢を殺さないでぇぇぇぇぇぇぇ!!
「あッッッッッぶねぇ!!」
===== 零 side =====
「あッッッッッぶねぇ!!」
ふぅ。女の子が倒れたのを心配して助けようと近づいたら何秒間かだけアイツらの姿がうっすらと見えた。そしたらそいつらが女の子を集団リンチしてたから雑魚っぽいの殴って女の子助けて即脱出!もうちょっと遅かったらあの娘も俺も死んでたな!あ、女の子はお姫様抱っこです。だってしょうがないじゃん!遅かったら死んでたから!
「ねぇ、アンタどこから湧いて出てきたの?」
ん?何か女の子が俺に質問してきたな。って言うか口悪ッ!?どこから湧いて出てきたとか普通そんな言葉使わねぇだろ!!何?この幻想郷っていうところは女の子全員こんなのなの?ヤバイよ!?俺女子恐怖症になるよ?
「ちょっと。私が聞いてるでしょ?」
「ん?ああごめん。あの人が協力してくれたんだ」
視線で方向を示すとそこにはポカーンとした顔をしている紫さんがいた。あれ?紫さんもあんな顔するんだ。なんかあの人は年上の余裕みたいなのがあったからすごく意外だなぁ。
「紫があんな顔…………。プフっ」
アハハハハっと女の子は笑い始めた。そりゃもう豪快に。この笑顔を守れてよかった。と心のそこから思った。ふと紫さんの方を見ると笑われて恥ずかしいのか顔を赤くした紫さんがいた。あ、可愛い(確信)
「フフフっ…………一応礼は言っとくわ。ありがとね」
「!……どういたしまして」
あれ?何かこの子照れてない?あれかな?ツンデレかな?すっげ可愛い。もしかして幻想郷にはこんな女の子が沢山いるのかな?うわヤベェ。ちょっとモテるかな?とか期待した俺がいる。死にたい。お、やっと紫さんのスキマについた。
「はい。紫さん。その娘病院に届けてあげてください」
「え?あ、ええ。そうするわ」
よし。これでその娘は助かるだろう。良かった。誰かが死ぬのは見たくないからな。
「? アンタの鞄光ってるわよ。懐中電灯でも入ってるの?」
「……………え?」
俺は別にバックに懐中電灯なんか入れてないはず。あるのはゴーストドライバーとアイコンとガンガンセイバーぐらいだろ?それが何で光ったんだ?音声もなってないしドライバーが作動したとかじゃないと思うけど。
は?何これ?ドライバーが光ってるんだけど。
「あら?零くん?それは?おーい聞いてる?」
嘘だろ?なんで光ってるんだ?しかもいつもと発色がおかしい。なんかこう包み込む感じがする…………じゃなくて!電源切らなきゃ…………電源が無い………?嘘だろ?これDX玩具だぞ!?電源は絶対あるはずだ?それに腰に付けるためのベルトもベルト止めもない!?…………あれ?なんかよーく見たらドライバーちょっと大きくなってね?しかも素材もなんだか違う感じだな……………ッ!?まさか!?
「どーしたの?アンタ?いきなり鞄の中ひっくり返して?」
…………嘘だろ!?何でガンガンセイバーがこんなに重いんだ!?しかも長い!!それにアイコンもちょっと大きくなってる!?どういうことだよ!?こんなのおかしいぞ!?まるで全部《本物》みたいな感じが…………。あれ?待って?何だよ………これ。ドライバー持っても!ガンガンセイバー持っても!アイコン持っても!!……………奴らが………………《ハッキリ見える》!?
「あら。これは放心状態みたいね」
「そういえば紫。コイツもアンタが連れてきたの?」
「いいえ。違うわよ?」
もしかしてこれ、俺に奴等と戦えってことなのか!?これで《ゴースト》になって戦えって言うのか!?いや、そんなわけがない。DX玩具はあくまで《なりきるため》の物だ。変身なんかできない。でも、何でこんなふうになってるんだ?
…………………やっぱり俺ならこれを使って戦えるってことなのか……?
「…………………紫さん達」
「? どうしたの?」
「…………………俺。アイツらと戦います」
今を変えるにはこれしかない。俺がこのドライバーをアイコンを、武器を使って戦えば、ひょっとしたらアイツらを倒せるかもしれない。たった一つの対抗策が成功するかもしれない。
「ッ!?何言ってるのアンタ!?私が戦っても勝てなかったのよ!?アンタじゃ無様に死んで終わりよ!!」
「待ちなさい霊夢…………対策が浮かんだのよね?零くん」
「………………はい。これでもダメだったら俺はもちろん死にます」
そうだ。これでダメだったら俺はその娘の言う通り無様に死ぬ。所詮『人間1人じゃあんな怪物に勝てませんでした。』で終わる。
「だったらやめときなさいよ!!そんな危険な賭け!!ホントにアンタ死んじゃうのよ!!」
「今、外の世界でもこの亀裂が出てきています。その中には何も悪いことをしてないのに死んでいった人もいるんです。そしてこの幻想郷でも同じ事が起きてるんです」
今、やっとこの事件を止めるための、誰かを救うために伸ばすための《手》が出来たんだ。この手を伸ばさなきゃ、一生後悔する。それが幽霊でもだ。
「アンタは外の人間なんでしょ!?なら私達の事なんか関係ないじゃないの!!」
「これ以上!……………これ以上誰かの涙は見たくないんです」
何度も亀裂が出現する事件の中でその被害者の親族が泣いてる光景をテレビの前で何度も見た。その悲しみはテレビ越しでも感じ取れるほどに強かった。
もし、この方法でその悲しみが消えるなら、俺はこの命を燃やし尽くしてやる。
「じゃあ、見ててください。俺の《変身》」
俺はこの《ゴーストドライバー》で変身する!偉人の魂をその身に宿す《仮面ライダーゴースト》に!そして、誰も救えずに願うだけしか出来なかった《弱い俺》から!誰かを救い、護ることの出来る《強い俺に》ッ!
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ゴーストドライバーのバックル部分を腰にかざすとまるでブレイドのブレイバックルの様に腰に巻き付く。バッチリとフィットしている。
そして、ベルトのカバーのような部分を開けるために上部のスイッチを押し、カバーを開く。アイコンをセットするために手元にあったオレゴーストアイコンの右スイッチを押し、ナンバリング状態にする。《G》のマークが浮き上がる。
アイコンをセットし、カバーを閉める。
【アーイ!】
【アーイ!】の音声により何もアイコンをセットしていない素体の状態《トランジェント》に身体が変わる。さらにゴーストドライバーの《目》にあたる部分からオレ魂に変身するための《パーカーゴースト》が出現。そして変身可能になった事を示す待機音が流れ始める。
【バッチリミナー! バッチリミナー! バッチリミナー! バッチリミナー!】
右側にあるハンドル部を引き、準備は出来た。戦う覚悟も出来ている。さあ、変身だ。ハンドル部を押し込む。
「”変身”ッ!!」
【カイガン!オレ!】【 レッツゴー!覚悟!ゴ!ゴ!ゴ!ゴースト!】
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あの独特なラップ調の音声が流れた後、つまり変身した直後、俺は目をつぶっていた。やっぱり変身できてないかもしれない。あのパーカーゴーストも俺の幻覚かもしれない。そんな恐怖に震えながらも目を開けて自分の姿を見る。
胸には大きな目のようなマーク、まるでスーツを着て、その上にオレンジと黒色のパーカーをカブっている感じの姿、頭を触ると一つの角の様なもの。そしてオレンジ色のマスクに大きな黒い複眼。
間違いない。俺は変身できた!《ゴースト》に変身できたんだ!!
『貴様は何者だ……?』
「おっと。喋れるのねアンタ」
話しかけて来たのはさっきの女の子を襲っていた怪人だ。掛け声だけで喋れないと思ってたがそんなことは無かったぜ。だが女の子をよってたかって集団リンチするのは許せねぇなぁ。俺が正しい女のエスコートっていうのを教えといてやるよ。
「俺は『仮面ライダーゴースト』___」
「ゴーストだけど...…命 、燃やすぜ 」
【GHOST・・・NO DATA】
=====次回予告=====
「偽善者なら今すぐ戦いから降りなさい」
「…………人の命を守る正義のヒーローだ」
「もうちょっと素直になれないの?」
『そのまま朽ち果てろ!』
【決闘!ズバット!超剣豪!】
《第三話「戦闘!二刀流の剣士!」》
なんか打ち切りっぽくなってしまった。すいません。
本来は雑魚どもとの戦闘シーンまで書こうと思ってたのですがなんか長くなってしまったので切りました。ごめんなさい。
それじゃあ次回までゆっくり待っていただけると幸いです。