零「そうだ大佐!早く登場させてくれ!」
あれは嘘だ。
零「うわぁーーーーーーーーーっ!!」
と言ったふうに流石にまだTVで登場していないロビンフッド魂を登場させるのには無理がありました。
いや、一応出ますよ?でも活躍はしないっていうか…………。
まあ、言い訳はこれぐらいに……。
「《射命丸 文》と言います!」
射命丸?どっかで聞いたような…………。あ、紫さん達が『気をつけろ』って言ってた人か!にしては、さっき空飛んでたし、黒い羽が生えてるし、人間じゃないのか? やっぱり幻想郷って不思議だな。
「え、あ、俺は碧天 零と言います」
「私は霧雨魔理沙だぜ?」
「魔理沙さんは知ってます!それより、その碧天さんに取材させて頂きたいんです!」
え?取材?何?俺、新聞にでも載っちゃうの?もしかして俺って有名人?んなわけないか。流石にゴーストの方を取材したいんでしょ。とりあえずココはゴーストについてだけ教えておきますか。
「おい零。アイツの取材受けない方がいいぜ」
隣の魔理沙が射命丸さんに聞こえない程度の声で俺に喋った。って何で取材を受けたらダメなんだ?別にいいだろ。個人情報教えるわけじゃないのに。むしろ『ゴーストというヒーローを皆に覚えてもらう』っていう点では素晴らしいと思うんだけどな。
「…………聞こえてますよ魔理沙さん」
「聞こえて結構!お前の嘘ばっかりの新聞には呆れてたんだぜ!」
「でも私の号外のおかげで貴方は謎の人物の正体がわかったんでしょう!?」
「それはそれこれはこれだぜ!」
あー、何か喧嘩が始まった。アニメでこういう時って確か《第三者に質問を投げかけられる》っていうパターンが多いんだよな。あの会話の第三者って…………俺か。とりあえず俺の中でスーパーベストな答えを言う準備をしておこう。
「零はどう思う!?」「零さんはどう思いますか!」
「それに俺って関係なくね?」
「大有りだ!」「大有りです!」
えー?本当に関係あるの?あの2人が喋ってるのって、魔理沙が『射命丸の新聞は役に立たないぜ!』って言って、射命丸さんが、『私の新聞はちゃんと役に立っています!』って言ってるんだよな。射命丸さんの新聞に関してだから俺には何も関係無いじゃないか。
「なかなか大変そうね」
突如、空間に亀裂…………いや、《スキマ》が開いて、中から焦ったような表情の紫さんが出てきた。『何でそんな顔をしてるんですか?』と聞こうとしたが、女性に向かってその手の話題はNGと知っていたので問わなかった。
「紫さんさっきはありがとうございます。無事に人里まで行けました」
「目の前にいる天狗がいる時点で無事じゃないんだけどね………。」
天狗?魔理沙は天狗だったのか?でも羽なんて生えてないし、じゃあ射命丸さんが天狗なのか。なるほど、その黒い羽は天狗だから有ったのか。これで1つ疑問が解決された。いやー良かった良かった。
「上司が迷惑かけて悪いね。零」
「あれ?にとり。怪我はもういいのか?」
「元から怪我は無いって言ってるのにあんたら2人が突っ込むから」
「oh……それは悪かった。」
にとりに怪我が無くて良かった。ん?さっきにとりは『上司』って言ってたな。もしかして魔理沙はにとりの上司なのか?ふーむ。謎が謎を呼ぶ幻想郷。まあ聞けばわかるか。
「なあ、にとり。魔理沙はお前の上司なのか?」
「へ?何言ってんのさ。零。私の上司は文様の方だよ?」
「え?どういう事だ?」
「それについてはさっきから空気だった私が教えるわ」
あ、紫さん。貴方はあの2人の喧嘩を見て笑ってただけでしょ?無視してないから安心してください。さて、上司がうんたらかんたらの話を聞かせてもらいますか。
「ここら辺の地域は《妖怪の山》と呼ばれていて、その妖怪の山には文字通り、妖怪達がいるのよ。例外として、この山の頂上に《守矢神社》があるわ」
「にとりは何の妖怪なんだ?」
「河童だよ?って魔理沙から聞いてなかったのかい?」
「説明を続けるわよ。その妖怪達の中でこの妖怪の山を統べるのが《天狗》と言う妖怪達なのよ。こいつらがまた頭が硬くてね…………」
今度は紫さんがその天狗達の事について愚痴り始めた。紫さんどれだけストレスたまってるんだよ。でもストレス消化のために何かしてるって感じじゃないからね。今度良いストレス発散方法を教えてあげようかな。
「それにしても零はよくここまで来れたね。普通は《哨戒天狗》のお世話になるはずなのに」
「哨戒天狗?そんなの見なかったけど? それに俺は魔理沙に付いてきただけだし」
「…………魔理沙、強運過ぎやしないかい?」
「それにしても紫さん何でそんなに焦ってるんですか?」
「え?…………貴方は私が人里に送る前に言った言葉を覚えてないのかしら?」
ん?紫さん何か言ってたっけ?えーっと…………紫さんと幽々子さんと妖夢さんが何か言ってたような………………あ。あれか。確か『射命丸 文に気をつけろ』みたいな事を言ってたんだっけ?
「思い…出した!」
「遅いわよ。というわけなので早くスキマの中に入りなさい。白玉楼に行くわよ」
「あ、ちょっと待ってください。すぐ終わりますんで」
悪いね。紫さん。俺はちょっとだけ射命丸さんと話してくるよ。
===== 文 side =====
くっ!魔理沙さんめ…………。的確に私の弱点を突いてきますね…………。しかし!このスクープがあれば魔理沙さんでも1発KOです!くらえ!私の全力全開!
「魔理沙さん。この前紅魔館の図書館から盗んだ本が三百冊を超えたとパチュリーさんから聞きましたが?」
「うぐっ!お前……………その情報をどこで………!」
ふふふ…………!私は新聞記者!私の前ではどんな些細な情報でも私にとって圧倒的有利に変えてしまいます!そう!私に勝てるのはこの幻想郷では誰もいませんよ!………いや、結構いますね。
「あのー、射命丸さん」
「零さん!やっと質問に答えてくれますか!」
「お、おいやめろ零!どうなるか知らないぜ!?」
「シャラーップ!魔理沙さんは黙っててください!」
やったぁー!新しいスクープゲットです!これで文々。新聞の購読者は跳ね上がりますよぉぉぉ!!残念ねはたて!貴方との勝負!私の勝ちよ!今日は気分がいいから帰りに八目鰻でも食べに行きますかね〜。
「その質問の件なんですが」
「はい!何でしょうか!」
「正義のヒーローについてはノーコメントで。あと名前だけ公開してください」
「はい了解しました!…………え!?」
ちょま、え?待って?名前だけ?ってことはスクープを逃すという事と同じじゃないですかぁぁぁ!!あややややぁぁ!!私にどうしろと言うのですかぁ!!
「え?え?嘘ですよね?」
「敵と同じような力を持ったヒーローだっていう事を知らない方がいいと思うんです」
「私からもお願いするわ。全く、貴方は勝手すぎるわ。零くん」
「ゆ、紫さんまでぇぇ。」
も、もしかしてこの正義の味方に変身し続けると奴らみたいになってしまったりするんですか!?皆に不安になって欲しくないから公に発表しないんですか!?…………それなら発表してはいけませんね。これは零さんの為であり、人々の安心の為に。
「…………ではそのヒーローの名前を教えてください。」
「はい。俺は謎の亀裂から人々を守る幽霊戦士…………
”仮面ライダーゴースト”です。」
「…………仮面ライダーゴーストですね。わかりました!後日の号外を楽しみにしておいてください!」
せっかくのスクープを逃してしまいましたが、これが幻想郷のためと考えれば良いのです!よし、それでは早速号外の作成に取り掛かりましょう!見出しは『謎の英雄の名前発覚!その名は《仮面ライダーゴースト》!』これで行きましょう!
===== 零 side =====
さてと、射命丸さんも帰っちゃったし、もう1回人里にでも行きますか。魔理沙に会った後から全く人里のお店を見てなかったからな。そこら辺、把握しといた方が後々便利だからな。
「で、これから零はどうするんだぜ?」
「そうだな、もう一度人里に寄るとするよ。紫さん。もう1回スキマ繋げてください」
「……………私はこれ以上の危険は求めてないからね。さっさと帰ってくるのよ私は用事があるから。」
「じゃーね!今度は私の発明見に来てよ!」
「おう!じゃーな。魔理沙、にとり!」
にしてもこのスキマの中、最初は気持ち悪くて吐き気がしたけど何度も通ってたらやっぱり慣れてくるな。うん。今の俺ならこの空間で1週間は過ごせるな。…………… ごめん。今の嘘。やっぱり無理です。耐え切れません。
==========
お、見えてきた。ココは………ちょっと人気のない裏路地って感じか?まあ、いいや。すぐに大通りに出れば怪しまれないでしょ。
「…………何してるんです?」
「うぉわあ!ビックリした………」
何でこんな所に人がいるんだ…………?しかも何この人。大きな笠で背中に葛篭を背負ってるけど………何かTHE・昔の人。みたいな感じがするな。あれ?よく見たら女の子?しかも何かうさぎの耳みたいな奴もあるし、誰だ。
「ああ、悪いね。ちょっとスキマで送ってもらってさ」
「スキマ…………っていうことは八雲紫の知り合いですか」
「うん。そんなとこ。俺は碧天 零。君は?」
「……………《鈴仙・優曇華院・イナバ》です」
「ん?れ、れいせんうどんげ?」
「…………鈴仙で結構です。それでは」
あ、行っちゃった………。鈴仙さんね。随分と長い名前だったな。髪の毛も紫色に近いし外国人の人かな?それにしても変なうさぎの耳してたけどあれってコスプレか何かなの?幻想郷にもコスプレっていう文化があるんだな。今度俺も仮面ライダーのコスプレでもしようかな?
お、やっと大通りが見えてきた。って何だあれ。何か人が沢山集まってなにか見てるけど。あれは《人形劇》?にしても賑やかだな。人形を操ってるのは…………あの人か。金髪でカチューシャしてるな。あの人も外人さんかな?随分と外人さんが多いようで。
ん?あれ、鈴仙さんじゃないかな?皆は人形劇を見てるけど鈴仙さんは見ないのかな。…………怪しい。ちょっと尾行してみますか。
===== 鈴仙 side =====
…………さっきから零さんがつけて来るんだけど。何あれ。もしかして私に気があるとか?いや、ない。私自身人間が苦手だし人間も私が苦手だろう。そもそも私と人里の関係が置き薬をあげるだけだから。さっき上白沢先生から感謝されたけど私からすれば師匠から受けた仕事だから感謝されるようなことじゃない。
…………さっきからあの人尾行ヘタクソ過ぎない?何あれ。ただの追いかけっこじゃない。ここで1発ガツンと言っとかないと。でもなぁ…………向こうから話しかけてくれないかなぁ………。あの人私が人間が苦手なの知らないから面倒なんだよなぁ…………。
「…………あの、零さん」
「え!?バレてた!?」
なんでアレでバレてないと思ったのよ!どう考えてもバレるに決まってるでしょ!!足音や気配でバレバレよ!もはやバラそうとしてなかったかしら!?この人の考えが全く分からない!
「…………なんで尾行してたんですか?」
「え、何か人を避けてる感じがしたから何でかなーって」
「人間にはわかりませんよ。私の気持ちなんて」
「え?俺幽霊なんだけど」
「え?」「え?」
===== 零 side =====
「へぇー鈴仙さんはお医者さんさんをやってるのかい?」
「いえ、私はまだ雑用のようなもので。」
いやー。誤解はあったけど仲良くなれて良かった。鈴仙さんは《玉兎》という妖怪で、どうやらこの竹林、《迷いの竹林》の奥の《永遠亭》っていうところに鈴仙さんは住んでて、そこの雑用をやってるんだってさ。……自分で雑用って言って悲しくないのかな。鈴仙さん。
「まだ幻想郷に来たということは亀裂異変についてはご存知でしょうか」
「…………うん。俺のいた世界でもあったから」
「…………そうですか。実はその亀裂は全てとある集団が作っているんです」
「ッ!?本当か!?そいつらの名前は!?」
「《アイツら》の名前は《裂魔》と言います」
裂魔…………か。そいつらがこの事件の主犯か。もし俺達のいた世界でも裂魔が事件を起こしているなら今すぐ止めないと。誰かが悲しむ姿を見て楽しむような奴らは許さない。俺がゴーストになってなんとかしなくちゃ。
「あ、着きました。ここが永遠亭です」
「へぇー。なかなか大きいんだね」
そこには大昔の日本の立派な屋敷が建っていた。よーく見てみると傷一つなく、全く古びた様子を見せない。こんな豪邸は今まで見たことが無い。早速中を拝見したい。が、俺をそうさせてくれない一つの問題があった。それは…………。
(これ絶対落とし穴だよな…………。)
目の前にとんでもなく怪しい落とし穴があった。流石にこんなに露骨な落とし穴は見たことが無い。もはや落とし穴とさえ言えない。こんな阿呆らしい落とし穴に落ちる人はそうそういないはず。
「うわぁ!」「鈴仙さァーん!?」
前言撤回。まさか引っかかる人がいたなんて。あれは誰でも分かるはずでしょ。もしかして鈴仙さんって少し抜けてるのかな?でもまさか引っかかるとは思わなかったなぁ…………。
「ふふふ!鈴仙まぁーた引っかかった!」
「あっ!てゐ!またあんたの仕業ねぇー!」
え?てい?何か《い》の発音だけよく分かんなかったんだけど。ちょっと待って練習するから。てぅい?違う。てうい?違う。てぇい?これじゃない。てゐ?お、言えた。随分と面倒臭い発音だな。
「全く、ダメだなぁ鈴仙は。そこのおにーさんも引っかかってないのに」
「え!?あれ!?何で零さんは引っかかってないんですか!?」
「いや、バレバレだったじゃん」
「嘘でしょ!?全く見えなかったんですけど!?」
「それはない」「それはないウサ」
なかなかてい…………じゃなかった。てゐちゃんとは気が合いそうじゃないか。ただ、落とし穴の作り方がダメだなぁ。もうちょっと相手に範囲をバレないようにしないとね。
「2人して否定しないで!ってすみません零さん。手貸してくれませんか?」
「良いよ。はい」
「ふぅ。ありがとうございます」
「で、おにーさんは永遠亭に何の用ウサ?今お師匠様は大事な会議中ウサ」
「え?そうなの?困ったなぁ。せっかくここまで来たのに…………」
「ま、バレなきゃ大丈夫だよ。じゃあついてくるウサ」
俺達はてゐちゃんの後を追い、永遠亭の中に入っていった。
==========
中に入ると随分と綺麗な畳が広がっていた。あれ?これは待機室か何かかな?あ、一応病院みたいな役目があるからこの待機室は患者の為の部屋か…………。
「どうやらここで会議してるウサ」
「へぇ。ちょっと見てみようか」
「だ、ダメだって2人とも!」
「静かに!鈴仙さん!」「静かにするウサ!鈴仙!」
「え!? あ、えーっと………ゴメンナサイ」
襖を少しだけあけて、その隙間から周りを見てみる。へぇー随分と広い部屋ですねぇ…………。中には………何だありゃ赤と青の変な服着てる人がいるんだけど。ヒートトリガー?やっぱり仮面ライダーのコスプレか何か?
で、もう片方には………何でまた紫さんが………。あの人ずいぶん活発だね。他には………あ、霊夢さんがいるな。後は………狐の耳と九つの尻尾がある女の人!?何なの幻想郷!?何度もありだな!
さて、肝心の会話の内容は?
『で、妖怪の賢者様が永遠亭に何の様かしら?』
『一つだけよ。私達で、裂魔に対抗する手段を作り出すのよ!』
『は!?ちょっと紫!聞いてないわよそんなの!』
『霊夢。座っていろ。して紫様。その手段とは』
『今から説明するわ。《永琳》貴方は先日突如この幻想郷にやってきた謎の人物について知ってるかしら?』
『ええ。鈴仙が持ってきた天狗の新聞の号外にそんな奴がいるって書いてあったわね』
『単刀直入に言うわ。その謎の人物の正体…………』
そこまで言って会話が途切れた。現時点、分かったのはあのヒートトリガーの格好をしてる人が永琳といってあの人達は俺について話している。という事だけだ。
そこまで考えた俺は突如浮遊感を感じた。ふと下を見るとスキマが展開されていた。
「ぎゃぁぁぁぁあ!!」
俺がスキマを使って落とされたのはさっきの紫さん達が会話していた部屋のド真ん中。勿論視線が全てコチラに向いていた。次に紫さんが言葉を発した。
「この子。碧天 零に協力して欲しいの」
「ゆ、紫様。何が何だかサッパリなのですが」
「あら、まだ紹介して無かったわね。彼は碧天 零。私の言ってた《仮面ライダーゴースト》の正体よ。」
「そうですか。私は《八雲 藍》という。紫様の式神だ。よろしくな」
「あ、はい。碧天 零です」
狐の耳と九つの尻尾を持った女の人は八雲 藍というらしい。式神ってなんだ?紫さんの従者って事か?うーんよくわかんね。まあ、後で教えてくれるでしょ。
「で、そこの巫女が前に会ったでしょ。霊夢よ」
「…………………ふん」
「久しぶり。身体は良くなった?」
「……………アンタに言われずとも問題無いわよ」
「そう。それは良かった」
また随分と不機嫌な…………。俺何かした?誰か教えて。俺分かんない。この迷える子羊に何で霊夢さんが怒ってるか教えて?俺に女子の気持ちなんて理解不能だよ…………。
「そして、その霊夢を治療したのがそこにいる《八意 永琳》よ」
「よろしくね」
「はい。碧天 零です。よろしくお願いします」
「彼女には貴方の戦闘をサポートする役に回って欲しいの。どうかしら」
サポート……………ねぇ。ここで木野さんみたいに『アギトは俺1人でいい』ってな感じのカッコイイ言葉を言えればいいと思うんだけどなぁ。今の俺は自分の力を把握してないからサポートは必要だよなぁ…………。
「まあ、出来ればサポートして頂きたいですけど…………」
「悪いけど、それは無理よ。」
サポートが入ると期待していた俺達に、永琳さんは非協力的な言葉を叩きつけた。
「ど、どうしてですか師匠!」
「あーあ。自分からバラしてどうするウサ。私は知らないよー」
さっきまで一緒に襖の隙間から見ていた鈴仙さんが一気に襖を開けてしまった。その姿をてゐちゃんはやれやれと言った表情で見ていた。
「…………先日、うちの《姫》がその裂魔に狙われたの」
「ッ!?あの《輝夜》が!?」
紫さん達が驚いているけどまず輝夜って誰だよ。もしかして竹取物語の《かぐや姫》?幻想郷には随分とキラキラネームの方が多いんですね。でも正直言ってその竹取物語のかぐや姫がいても幻想郷だからありえるんだよなぁ………。
「どういう事ですか!師匠!聞いてませんよ?!」
「貴方達が心配するからって姫から言うなと言われていたのよ」
なかなか弟子思いな人だね。永琳さんって。ただ、その輝夜さんがどんな人か分かってない俺にとっては何が何だかわかんないんだけどね。
「私も必死に対抗したわ…………。でもアイツらには特別な《何か》があった。それのせいで私達は勝てなかった。」
「そんな…………永琳達でも勝てないの…………?」
「私の弓矢でも勝てなかった。姫のおかげで退けたけどその姫は重症…………もう…………私じゃ無理なのよ…………」
_____永琳さんが自身を無くした言葉を発した時、永遠亭が大きく揺れた。
==========
『ケハハハハ!!早く出てこい!そうしないとこのボロっちい家がどうなっても知らんぞぉ!?』
続けて永遠亭は大きく揺れ始める。どうやら外に裂魔がいるらしい。ここに裂魔と戦う術があるのは俺しかいない。紫さんにアイコンタクトを送り外にスキマを開いてもらう。
「行ってらっしゃい。零くん!」
「はい!行ってきます!」
永遠亭の外にはやはり裂魔が一人いて、永遠亭を揺らしている。どうやら地面自体を動かし、小さな地震を起こしているようだ。少しすると俺がいることに気づいたらしい。
『ケハァ?なんだお前。どっから湧いて出た?』
「俺はお湯じゃねぇっての!【《霊魂》単眼の不思議なゴースト】!」
俺はすぐにスペルカード、【《霊魂》単眼の不思議なゴースト】を繰り出す。不規則な弾幕がアイツに飛んでいき、俺の手の平にゴーストドライバーが出てくる。
『ケハハァ!!弾幕なんざ使わずに持っとガンガン来いよぉ!!』
【アーイ!】【バッチリミナー!バッチリミナー!バッチリミナー!バッチリミナー!】
「言われなくともそうしてやるよ!変身!!」
【カイガン!オレ!】【レッツゴー!覚悟!ゴ!ゴ!ゴ!ゴースト!】
あの裂魔を早く倒さないと永遠亭が倒壊しそうだから変身プロセスは大幅に省いた。先ほど、目の前の裂魔が『ガンガン来いよぉ!!』と言っていたので、俺もガンガン行くために2枚目のスペルカードを使う。
「さて、ガンガン行かせてもらおうか!【《霊魂》四段変形オメガウエポン】!!」
今度は相手に向かって4つの弾幕が飛んでいった。相手に着弾した後、俺の手元にガンガンセイバー・ブレイドモードが出てくる。相変わらず謎原理だがかなり便利なのは違いない。
「よし!命、燃やすぜ!」
『ならば燃やしてここで死ねぇ!!』
相手が地面を揺らし俺の動きを封じてくる…。残念だね。俺はゴースト。つまり幽霊さ…………。地面からの攻撃なんて俺には意味が無いよっと!!
『何ぃ!?浮いてやがる……!?』
「ほぉーら、こっちこっち!おりゃ!」
『グホァッ!?なかなかやるじゃんかよ!』
「お褒めに預かり光栄です。ってね」
『なかなか舐めた口聞くじゃんかよぉ!?』
だから地面を揺らしても意味無い…………ってええ!?岩がこっちに飛んでキタァーー!?どうゆう原理だこの野郎!世界中の科学者に謝りやがれぇ!!
「痛ぇ…………」
「大丈夫ですか!?零さん!?」
「お、鈴仙さん。そっちは無事みたいで」
永遠亭の中から全員が出てきた。永琳さんが背負っているのがさっきの輝夜さんかな?おっと、そんな事言ってる場合じゃないや。ちょっと離れて貰わないと。
「ごめん皆。ちょっと離れてて。行ってくる」
『ふぅん。仲間の力を借りずに自分だけで戦いに来るか。なかなか勇ましいじゃねぇか!』
「はいはいありがとね。うりゃぁぁぁぁぁぁあ!!」
『ムグゥォ!?』
ガンガンセイバーで裂魔の心臓部分を切り裂いた。その一瞬、白いアイコン。恐らく、仮面ライダーゴースト第1話に出てきた《何の英雄の魂の入っていないアイコン》だと思う。あのアイコン、もしかしたら使えるかもしれない。
『油断したなぁ!?』「な、嘘だろ!?」
しまった!ガンガンセイバーを取られちまった!これじゃアイツと素手で戦わなきゃダメなのか!?でも近づいたらアイツの地震にやられる!どうすりゃいいんだ!?
一瞬、視界の端に永琳さんが持っている《弓矢》が見えた。
「ッ!!それだ!永琳さん!それかしてください!」
「これ?弓矢よ?あなた使えるの?」
「やらないよりやる方がマシです!」
永琳さんから弓矢を貰い、素早く構える。一応弓道はやった事がある!3日だけ!もう全部忘れてるが当たりゃそれでいい!下手な鉄砲数うちゃ当たる!
「おりゃぁあ!!喰らえぇぇい!!」
『ハッ!!』
え!?嘘でしょ!?アイツの体に防がれた!?どんだけアイツの体硬いんだよ!筋肉モリモリマッチョマンの変態か!?何もんだよアイツ!こうなったら永琳さんに撃ってもらうしか!
「永琳さん!これ、アイツの心臓目掛けて撃ってください!」
「貴方聞いてなかったの!?私じゃ無理なのよ………」
「撃ちなさい…………永琳」
永琳さんが背負っている輝夜さんと思われる人が永琳さんに語りかけた。
「永琳。貴方はいつからそんなひ弱になったの?しっかりなさい」
「ですが、私では…………」
「あぁぁ!!もう焦れったい!たった1回だけでいい!アイツに向かって撃つんだ!」
ほら!早く!せっかく対抗策があるのに手を伸ばさないのは馬鹿のやる事だ!今アイツに勝つための方法はそれしかないんだ!お願いだ!永琳さん!
「…………紫、姫を頼んだわよ」
「ええ。わかったわ」
「零くん。貴方のやりたい事は分からないけどしっかりやり遂げなさい」
「ッ!!ハイ!!」
永琳さんが弓矢を構え、アイツの心臓に標準を付ける。そしていってらっしゃいと小声で俺に耳打ちしてくれた。これを合図に俺はアイツに向かって走る。
走る途中、顔の横を凄いスピードで飛んでいった矢が見えた。
『グ、グオアァァァァァァア!!』
「今だぁぁぁぁぁぁあ!!」
永琳さんによって放たれた矢が裂魔の心臓部分を貫いた。それにより、裂魔の中にある白いアイコンがよく見える。俺はそれをすぐ様奪い取り、距離をとる。
「ん?何だ?」
突如白いアイコンが《緑色のアイコン》に変わる。俺は本能でこれは使えるアイコンだ。と理解した。すぐにバックル部分のカバーを開け、中に入っているオレゴーストアイコンから緑色のアイコンに入れ替える。
【アーイ!】【バッチリミナー!バッチリミナー!バッチリミナー!バッチリミナー!】
バックル部分の《目》から緑色のゴーストパーカーが出てきた。このゴーストパーカーの正体は知らないが恐らく協力的なゴーストパーカーだと思う。俺はバックル部分のトリガーを引いて、もう一度押しこむ。
【カイガン!ロビンフッド!】【ハロー!アロー!森で会おう!】
【GHOST・・・『01 MUSASHI』『02 EDISON』『03 ROBIN HOOD』】
=====次回予告=====
「もしかして、これが武器!?」
『ピィェェェェ!!』
「一瞬だけ隙間が生まれます!」
『もっとガンガンかかってこいよぉ!』
【オメガストライク!】
《第六話「参上!森の守護者!」》
何か色々申し訳ございませんでした。
もう少しで10000文字行くところでした。いや、行ってたわ。ちくしょう。
書いてる内に射命丸さんのキャラが分かんなくなりました。
それと人里での鈴仙さんの格好は東方鈴奈庵の鈴仙さんの格好です。
次回予告はありません。次回は勿論ロビン魂の無双回です(多分)