大幅に遅れてすいませんでした!
これからはできるだけ早く更新できたらいいなと思っています。
「ハァッ……ハァッ……!」
真夜中の街角から、男の荒い息遣いが聞こえる。
男の体は血にまみれており、服は破け、左腕がおかしな方向に曲がっている。
時間が経つごとに男の体は徐々に治癒されているが、負っている傷が重すぎて治癒が追いつかない。
(なんなんだよ! あの
──そう、この
喰種としての血は強くないにしても、彼は大の大人である。
いくら何でも子供には勝てると思っていたが、それは思い上がりだった。
──あれは恐ろしい化物だ。
「とにかく、見つかるのも時間の問題だ……早くどこか遠くへ──」
「
背後から聞こえた、まだ幼さの残る少年の声。
男は、驚きで思わず心臓が止まるかと思った。
後ろを振り向く事が、なぜこれほどまでに恐ろしいのか。
しかし、ここで振り向かないままでいるのはもっと恐ろしい。男は振り向かざるを得なかった。
「何で勝手に逃げちゃうかなぁ。マジで困るんだよねー、あんま周りウロチョロされるとさ」
目の前に立っている
決して威圧しているようには見えないが、男にとっては、目の前の少年が何よりも恐ろしかった。
男は怯えた目で、少年を見る。
「な……何だよお前っ! 何で俺を狙うんだよ!!」
「え〜? それ答えなきゃいけないの?」
少年はあからさまに面倒くさそうな顔をする。
はぁ、とため息をつき、一瞬で表情を──冷たいものへと変える。
「……
少年は、無表情に揺るぎない信念を滲ませる。
男はその少年の言葉に目を見開く。
「“勝てば官軍負ければ賊軍”って、知ってるかな? どれだけ崇高な理念を掲げても、力が無ければ何の意味もないんだ。それがこの腐った世界の本質だろ? そいつがどんなに悪党だったとしても、力があれば生き残る。
少年は自分なりの理論を話す。
並べている言葉は、どれも子供が言っているとは思えないものばかりだ。
だが、なぜか目の前の少年がその言葉を言っても、不思議と違和感が無い。
「
もはやどこでそんな流暢な英語を覚えたのか、なんて疑問は湧いてこない。
男は少年にいいように言われ、下唇を噛む。
しかし少年の言う通り、今の自分は少年にされるがままになっている。
無力な自分が情けなくなった。
だが、情けなくなっている暇など、今の俺にはない。
ズズズズズズ……
少年は、
形が徐々に作られていき、腕の周りでとぐろを巻いたあと、三本の爪状に分かれた。
まだ小ぶりだが、その形や色のお陰で、何とも禍々しい雰囲気を放っていた。
三つの先端、刃は鋭く、月明かりに反射して光を放っていた。
その妖しくも美しい光を見ていると、これでどんな物でも斬れてしまうのではないか、と思えてならない。
しかし、男の意識は既に別の所へ向かっていた。
それは、目の前の少年が赫子を出現させた、ということ。この時点で、男は少年の意図を完全に理解した。
いや、理解
──コイツは、間違いなく俺を殺す気だ。
「悪いけど、あんたには俺が強くなるための犠牲になってもらう。悪いな」
「なッ!? い、嫌だ! ちょっと待ってくれッ!! 俺はまだ死にたくない!! 頼むから命だけは助け──」
「
──スパァン
少年は男の命乞いに耳を貸さず、右腕の甲赫を一閃した。
男が最後に見たのは、路傍の石を見るような少年の目と──首から上が無くなっている自分の体だった。
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龍哉Side
父さんの肉を喰らって過去との決別をしてから、しばらく時間が経った。
父さんのRc細胞は俺の体の一部となり、俺の喰種としての力を確実に強めていた。
間違いなく自分の体が強くなっている事を確信している俺は、それからというもの、夜な夜な外に出ては芳村さんに内緒で“共食い”をしている。
喰種の肉は不味く、決して食えたものじゃない。
が、俺はこの
“共食い”を続ければ、俺は大切な人を守る力を身に付ける事が出来る。
躊躇なんてものは無い。
俺はこれからも、俺の為に
芳村さんは恐らく、俺が秘密で“共食い”をしている事に気づいているだろう。
体に喰種の血を纏わせて帰ってくるのだ、当然同じ喰種である芳村さんは気づくだろう。
しかし芳村さんは、俺があれからどれだけ力を求めていたか、そしてどれだけ無力な自分を恨んだか……それを知っている。
だからこそ、敢えて知らないふりをしているのだ。
でも、“喰種を喰いまくって強くなりたい”なんて言えるわけないしなぁ。
こればっかりは仕方ない。
「……タツヤ? どうしたの?」
「……ん? ああ、何でもないよ、母さん」
俺は今、母さんと買い物をしに来ており、その帰りだ。
母さんは最近、ようやく精神的に安定してきて、外出も出来るようになった。
しかし、父さんを連想させるような物を見せると、精神状態が一気に崩れてしまうかもしれない、と医者には言われた。
だから、普段の生活にも細心の注意を払っている。
「今日の料理はどうしようかしら……」
「俺はいつも通り
無論、焼肉とは牛肉や豚肉ではなく、人肉だ。
母さんはただの人間だけど、俺は喰種だから、食事のメニューはどうしても違うものになる。
結局同じ時間に食べてるから、あまり関係ないけどね。
つい数ヶ月前までは、食事という家族団欒の場に父さんがいないことに気づいて、その度に泣き出すから本当に大変だった。
最近やっと落ち着いて来たところだ。
「さ、早く帰るわよ」
「うん!」
母さんがようやく、昔のような優しい母さんに戻ってくれた。
俺はそれが本当に嬉しくて、これ以上無いほどに上機嫌だった。
だからだろう。
俺はこの時──後ろから迫る気配に気づかなかったのだ。
「おお、随分べっぴんな人間がいるじゃねェか。ん? あのガキは……へぇ、珍しいな。少し
はい、次回戦闘回です。
更新が遅れてすいませんでした!
こんなダメ小説なんか見てる人ほとんどいないでしょうが、そのほとんどの方、どうかこれからも宜しくお願いします!