水音の乙女   作:RightWorld

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第3章で登場した人も追加して改訂しました。
元ネタのある人はそのことも書いてます。
ネタバレな内容になってますので、まだ本編読んでない方でこれ見て興味持たれることがあったら、ぜひ第1章から読んでいただけると嬉しいな。




登場人物紹介・兵器紹介 第3章バージョン

 

 

☆☆ 特設水上機母艦「神川丸」 ☆☆

 

○一崎天音(ひとさきあまね)

 本編主人公。13歳。身長143cm。髪はこげ茶色のボブヘアー。

階級は一等飛行兵曹(軍曹)。出身は伊豆。使い魔は黒豹。使用機体は水上爆撃脚「瑞雲」。コールサインは「ウミネコ」。

 現在世界唯一の固有魔法「水中探信」の使い手。魔法波の波長が普通のウィッチより異常に長く、陸・空ともストライカーユニットを動かせられないことや、海にネウロイが出てこないといったこともあり、これまで軍隊に取られることがなかった。しかし潜水型ネウロイの登場でいよいよ海軍に召喚された。横須賀航空隊の横川和美が教官であり師匠である。

 地元の漁では漁船を魚群に導いて大漁をもたらしていた「水中探信」であるが、対潜水艦訓練を経て、その探知能力たるや最大15km先の潜水艦を探知したり、昼夜問わず海上に墜落した機体やウィッチも発見できる。深度、速度、針路を瞬時に計測するのみならず、表面の様子から内部の構造まで見透かすこともでき、天音の頭の中では水中を目で見ているのと変わらない情景が浮かんでいる。今は情景のカラー化を試みている。

複数の魔導探信波を駆使して、現代のソナーでも支障となる水温、塩分濃度、シャドーゾーンといった障害もまったくものともしない。

 性格は温厚。努力家。切れると怖い。意外とギャンブラーである。

 

○筑波優奈(つくばゆうな)

 天音の中学同級生。13歳、身長148cm。栗色の肩まである髪を左右にしばっている。

階級は一等飛行兵曹(軍曹)。出身は伊豆で、天音の隣村の出。使い魔はハクビシン(尻尾が全て真っ黒)。使用機体は零式水上偵察脚。コールサインは「キョクアジサシ」。

 マラソンが得意で“体力お化け”と言われるほどのスタミナを持ち合わせており、固有魔法ではないが通常の2倍の航続距離を出すことができる。

 性格は明るくて楽天家。中学に入ってすぐ魔法力が発現し、海軍にスカウトされた。脳筋人間なので考えるのは苦手。

 入隊後、海軍のおいしい食事にありついたせいか、お胸が急激に発達して天音に驚かれている。

 

○下妻千里(しもづませんり)

 15歳。身長155cm。髪は紫がかった黒のショートヘア。体系は華奢でスレンダー。

階級は上等飛行兵曹(曹長)。出身は上州。使い魔は雀。使用機体は二式水上戦闘脚。コールサインは「カツオドリ」。

 静かで落ち着いた雰囲気。だが空を飛ぶと言動態度はそのままで飛行が派手で過激になり、“静かなる暴走族”と言われている。

 痩せているが相当の大食漢&早食いで、おひつをご飯茶碗にするほど。

 固有魔法はなく、固有魔法持ちのエリートに対し少し劣等感がある。腕や度胸は非常によく、天音が捉えた水中のネウロイを的確に爆撃する。扶桑で最初に潜水型ネウロイを撃沈した。

 

○卜部ともえ(うらべともえ)

 22歳。身長165cm。黒髪のロングヘア。

 階級は少尉。出身は下総。使い魔はホンドタヌキ。

 第427航空隊の飛行隊長。現在は零式水上偵察機の操縦士。コールサインは「トビ」。

 ほぼあがりを迎えたウィッチだが、まだ飛ぶくらいはでき、水上ストライカーユニット使いとしては一目置かれている。水上ストライカーの衰退とともに失われつつある「魔法障壁着水法」や「推測救助法」などの水偵ウィッチの技を天音や優奈に引き継ごうとしている。特に卜部の勘ピュータ補正の入った「推測救助法」は、要救助者発見率が他の人3割のところ、4割に達する。

 使っていた機体は零式水上水偵脚や94式水上偵察脚。

 男気で豪快な雰囲気。あまり深いことは考えないので、いい加減な行動を取っているように見られがちである。

 

○勝田佳奈子(かつたかなこ)

 22歳。身長154cm。セミロングのストレートな黒髪を左に束ねている。

 階級は飛行兵曹長(准尉)。出身は甲州。使い魔は甲斐犬。

 第427航空隊で現在は零式水上偵察機の通信士兼機銃手、たまに操縦士。コールサインは「K2」。

 ほぼあがりを迎えたウィッチだが、まだ飛ぶくらいはでき、卜部と同じく水上ストライカーユニット使いとして一目置かれている。

 使っていた機体は零式水上観測脚や95式水上偵察脚で制空担当だった。かつては勝田サーカスなどと言われたほど派手な空戦機動を取り、その高い技量は千里が「美しい」と表現するほど卓越した操縦センスを持つ。

 二十歳過ぎとは思えない軽い乗りと子供っぽさが特徴。

 

○葉山(妹)

 21歳。身長156cm。フルネームは葉山里見。髪はベリーショート。

 階級は少尉。12航戦の対潜指揮官。海軍水雷学校の出身。コールサインは「ミミズク」。

 ウィッチでもないのにウィッチ隊と対潜水型ネウロイ戦指揮官として配属されたのは、ウィッチの活躍を快く思ってない上層部の力が働いたためらしい。通常は神川丸で指揮を執るが、遠く離れた戦場では零式水偵に乗って最前線から指揮する。

 生真面目で常識通り行動しようとするが、思い付きと経験に裏付けられた適当な行動を取る卜部や勝田に持っていかれてしまうことも多々。

 いろいろと不器用(特に生活面)。双子の兄がいる。

 

○有間大佐

 神川丸艦長。無精髭を生やし、しゃがれ声で、どんな状況下でも不敵な笑みを絶やさない。

 神川丸が海運会社から徴用された時から乗り組んでいる。

 元ネタは神川丸第2代艦長 有馬正文大佐。

 

○三田村中佐

 神川丸副長。気配りがよく行き届き、艦長と12航戦を補佐する。

 

○一宮少年

 14歳。神川丸の整備兵。階級は2等兵。フルネームは一宮翔平(いちみやしょうへい)。武州出身。

 父親が神川丸の整備班長だったが、アリューシャン作戦後のドック入りの時に腰を痛めて下艦したため、代わりに乗艦した。

 一宮がネジを締めると性能がアップすると言われるほどの高い整備力の血を引いている。実家はあらゆる機械の修理屋で、一宮少年も車のエンジンなどに精通している。

 一宮少年を古参兵が虐めるのに天音が激怒して助けてから、天音とはお互い気になる間柄になったようで、度々夫婦漫才を繰り広げている。天音用に魔改造された零式水偵脚をもってしてもうまく飛べなかった天音だが、一宮が魔導波検波回路の最終チューニング方法を確立し、完全に魔法波を使いきれるようにした。以降、天音の専属整備士のようになっている。

 

 

☆☆ 第22駆逐隊とその艦長達 ☆☆

 

 神川丸を直衛する睦月型駆逐艦4隻で構成される。

 艦長はみな二十歳過ぎであがり間近の水雷ウィッチ。扶桑海事変直後の募集で海軍に入隊している。

 水雷ウィッチは酸素魚雷との相性が抜群に良く、発射する魚雷は海上すれすれをミサイルのように飛び、1発で戦艦を轟沈させる威力を持つ。だがネウロイが海に出てこなかったため、日の目を見ることなく多くの水雷ウィッチが既に引退している。

 

○駆逐艦「皐月」艦長

 飯野五月女(いいのさつき)。階級は少佐。

 容姿、性格とも艦これの皐月そのまま。

 香港の華僑料理店「娘娘」で、子供が酒盛りしていると香港警察に踏み込まれた時の身分証明書の生年月日によると、卜部より一つ前の年の生まれらしい。

 艦長名の元ネタは、戊号輸送作戦で凄絶な指揮を執った皐月艦長 飯野忠男少佐。名前の「五月女」は皐月=旧暦5月だから。

 

○駆逐艦「長月」艦長

 高山穂長(たかやまほなが)。階級は少佐。

 容姿、性格とも艦これの長月そのまま。

 艦長名の元ネタは、長月初代艦長 高山忠三中佐。名前の「穂長」は長月(旧暦9月)の語源の一つ「穂長月」から。

 

○駆逐艦「文月」艦長

 長倉秋初(ながくらあきは)。階級は少佐。

 容姿、性格とも艦これの文月そのまま。

 お酒は好きなようで、あの緩い調子のままほろ酔いしてる姿が見られる。

 艦長名の元ネタは、皐月艦長の飯野少佐の同期にして戊号輸送作戦で一緒に大奮闘した長倉義春少佐。名前の「秋初」は文月=旧暦7月の異称「秋初月」から。

 

○駆逐艦「水無月」艦長

 磯部あやめ(いそべあやめ)。階級は大尉。

 容姿、性格とも艦これの水無月そのまま。

 作品中で水雷ウィッチの真骨頂『魔法魚雷戦』を最初に披露してくれたのはこの人。

 艦長名の元ネタは、水無月最後の艦長 磯部慶二大尉。名前の「あやめ」は水無月(旧暦6月)が季節七十二候だと夏至~小暑の辺りで、第二十九候(6月26日頃)「菖蒲華(あやめはなさく)」から。

 

 

☆☆ その他扶桑組 ☆☆

 

○葉山(兄)

 葉山(妹)の双子の兄。フルネームは葉山聡志。階級は少尉。海軍水雷学校の出身。

 入隊前の天音が、水中探信魔法が潜水艦探しに使えるかのテストに立ち会った。

 欧州の高い対潜関係技術を学びに磐城と共に欧州へ向かった。

 

○磐城浅子(いわきあさこ)

 16歳。身長140cm。階級は一等飛行兵曹。

 優奈と同期入隊。一家がみな陸軍なので口調が陸軍調の「xxであります!」になっている。その口調から優奈には“陸軍”と言われている。

 横川少佐が天音のスカウトに行ったとき、運転手権雑用係りとして同行した。固有魔法はないが、魔力の波動を肌で感じることができ、天音の魔導波の波長が普通のウィッチと違って周期が異様に長いことを突き止めた。

 天音のサイン色紙第1号にしてキスマーク入りのものを秘蔵している。葉山(兄)と共に欧州へ向った。

 

○千早艦長

 潜水艦「伊401」の艦長。階級は中佐。

 アルペジオの群像ほど若くはないが、かなりの若手にして卓越した指揮能力を持つ優れた艦長。潜水型ネウロイとの水中戦闘で2隻を沈めている。

 

○霧間伊緒菜(きりまイオナ)

 階級は少尉。容姿、性格ともアルペジオのイオナそのまま。

 潜水艦「伊401」搭載の水上攻撃脚「晴嵐」を駆るウィッチ。

 狭くて蒸し暑い潜水艦での生活でも清楚感を保つため、たとえ戦闘時に枯渇しようとも身だしなみ維持に魔法力を回している。

 

○西條中尉

 航空巡洋艦「最上」搭載の水上爆撃脚「瑞雲」を駆るウィッチ。

 容姿、性格とも艦これの最上そのまま。

 HK02船団護衛で中破した最上がドック入りしてる間、瑞雲2型の評価と天音への瑞雲の指導のため、暫らく427空に参加した。

 

○鹿島少尉

 練習巡洋艦「香椎」搭載の零式水上偵察脚を駆るウィッチ。

 容姿、性格とも艦これの鹿島そのまま。

 

○秋山典子

 16歳。雁淵ひかりの同級生で、ブレイブウィッチーズ第1話に佐世保航空予備学校の生徒として苗字&全身が登場しているモブキャラ。

 本作では既に卒業しており、階級は上等飛行兵曹(曹長)。表にあまり出たがらない性分で、前面に出されるとすぐ他の人に代わってもらおうとする。

 そんな性格だから後方部隊志望だったが、そこそこ飛行センスがあったので、佐世保の358空に所属し大村飛行場に駐屯、そこで局地戦闘機脚「雷電」を履いて本土防空に就いた。しかしすぐに新型高高度局地戦闘脚「蒼莱」のテストパイロットと戦術研究に携わり、高空を飛ぶようになったネウロイを迎撃する新部隊へ転属するため、HK06船団に参加の特設航空機運搬艦「名古屋丸」で欧州に向かっていた。

 ネウロイに襲われたHK05船団で「蒼莱」が運ばれていると分かり、救援ウィッチとして選ばれ、伊401によって船団泊地へ送り込まれた。HK05船団の泊地脱出作戦の先鋒を務め初陣を飾る。

 

○鶴田正子

 358空隊長。階級は少佐。

 黒髪の長髪だが、普段は後頭部に小さくお団子にまとめている。

 秋山の上官で、「蒼莱」の開発に携わっていた。秋山いわく「瞬間湯沸かし器」というくらい素早く戦闘モードに切り替わるらしい。腕も抜群。秋山と共に欧州に向かっていた。

 元ネタは別作品「紺碧の艦隊」で蒼莱のテストパイロットだった鶴田正敬。ちなみに鶴田正敬も転生者で、震電の開発・テストパイロットだった鶴野正敬が元ネタ。鶴野正敬は紺碧の艦隊世界に兄弟となって転生し、弟の正敬はパイロットの能力を、兄の正親が開発の能力を継いでいた。

 

 

☆☆ ブリタニア連邦海峡植民地軍 ☆☆

 

いわゆるシンガポールのブリタニア軍。

 

○シィーニー・タム・ワン

 14歳。身長144cm。

 階級は軍曹。シンガポール航空隊に所属するマレー人植民地兵。使い魔はハクビシン(尻尾は黒で先端が白い)。

 使用機体は超旧式の複葉戦闘脚「グラディエーターMkⅡ」(海軍仕様に改造済み)。最近複葉雷撃脚「ソードフィッシュ」が届いた。夜間戦闘脚「ボーファイター」を使っていた時期もある。卜部・勝田に妖刀の鍛え方を教わってから、ヤシの実を割るのに使っている大ナタを腰にぶら下げている。

 欧州のウィッチ不足でブリタニア人ウィッチが本国へ帰還してしまったため、シンガポールの空の防衛は彼女一人で担っていた。ブリタニア兵(主にバーン大尉)から雑に扱われる中、植民地兵の悪待遇下で必死にマレーを守っている。

 ボーファイター使用時に世界で初めて潜水型ネウロイを撃沈した(陸上で動けないところに爆弾を仕掛けて沈めた)のだが、植民地兵だったことから名前も伏せられており、まったく名は売れてない。その時の戦果のおかげで本国から再び新人ウィッチが配属されるようになったが、ボーファイターを取られてしまった。

 HK05船団の危機に際しブリタニア空軍代表で派遣され、グラディエーターで大活躍したが、またも名は伏せられている。この後ソードフィッシュとともに12航戦に参加する予定。

 ストパン作品の中で植民地兵やアジアの途上国出身というのを売りにしたキャラとしては先駆的? 今や本作第2の主人公。

 

○ロジャー・バーン大尉

 シンガポール航空隊の指揮官。

 植民地派遣軍というブリタニア本国に帰ることもできない左遷組にいてやさぐれている。シィーニーをはじめ植民地兵に冷たく当たっているが、決して蔑ろにしているわけではなく、シィーニー曰くその言葉は9割の皮肉と1割の真実でできている。

 

○スミス大佐

 ブリタニア連邦海峡植民地軍司令官。本国からも左遷組トップという見られ方をしているが、ブリタニアから心が離れつつある植民地に憂慮しており、シィーニー達植民地兵への気遣いは忘れない。

 よく基地を留守にしている。

 

○ジェシカ・アンウィン

 階級は曹長。

 久々にシンガポール航空隊に配属されたブリタニア人の新人ウィッチ。シンガポールのブリタニア空軍が潜水型ネウロイを次々とやっつけているという記事(バーン大尉の報告を元に誇張発表されたもの)を見て、志願してやってきた。使用機体はシィーニーから取り上げたボーファイター。

 HK05船団救出では、リベリオンのジェシカ・ブッシュ少尉とこんがらがって、シィーニーの代わりにブリタニア側の救援ウィッチとして新聞記事に載ってしまった。

 元ネタはイギリス軍エースパイロット ジョージ・アンウィン。

 

 

☆☆ リベリオン海軍第77任務部隊第1群(TF77.1) ☆☆

 

○ジェシカ・ブッシュ

 12歳。身長160cmくらい。髪は肩まである少し癖のあるブロンド。「やだ」というのが口癖。

 階級は少尉。使用機体はTBFアヴェンジャー雷撃脚。母艦は護衛空母「サンガモン」。

 固有魔法「水中透視眼」を持っていることから、リベリオン初の対潜ウィッチ部隊メンバーとなった。実質見習い中だが一応空母航空団CVW771の隊長というだけあって、12歳という割にしっかりしている。頭の回転が早いのはいいが、先読みし過ぎて悪い結論に向かうことが多い。

 天音と共闘してその技に感服し、対潜ウィッチの師匠として崇めることとなり、天音の事を「先生」と呼んでいる。

 元ネタは、WWⅡの米軽空母「サン・ジャシント」第51雷撃飛行隊の艦上攻撃機アヴェンジャーのパイロット ジョージ・H・W・ブッシュ中尉。そう、第41代アメリカ合衆国大統領パパブッシュさんだ。

 

○ジョデル・デラニー

 階級は少尉。使用機体はTBFアヴェンジャー雷撃脚。母艦は護衛空母「スワニー」。ジェシカには愛称で「ジョディ」と呼ばれている。

 固有魔法「水中透視眼」を持っていることから、ジェシカと共にリベリオン初の対潜ウィッチ部隊メンバーになった。同じ対潜ウィッチである天音にライバル心を持っていたが、HK05船団救援にやってきた天音の固有魔法の能力と技量、そして実戦経験に圧倒されてしまい、一時投げやりになったが、それが天音の逆鱗に触れ、その後共闘する中で固有魔法の違いを尊敬し合えるようになった。「震電」の部品を取りに来た501JFWの坂本美緒に魔眼の使い方を教わり、水中透視眼の本来の力を知ることになった。

 元ネタは、パパブッシュさんが小笠原沖で2度目の非撃墜となった雷撃機の通信士ジョン・デラニー軍曹(Radioman Second Class John Delaney)。デラニーさんはこの時戦死している。

 

○レア・ナドー

 身長180cm弱くらい。

 階級は少尉。使用機体はF4Uコルセア艦上戦闘脚。母艦は護衛空母「サンガモン」。

 固有魔法はなし。一人称は「オレ」で、自分でも自覚しているくらい女性ホルモン少な目らしく、体格も相まって中性的。実際、気象制御ネウロイへの奇襲で秋山の事を男目線で見ていて惹かれてしまった。この戦いで被弾して炎上、左足切断に迫る大火傷を負ったが、「震電」の部品を取りに来た501JFWの宮藤芳佳の治癒魔法で切断を免れる。

 元ネタは、パパブッシュさんが小笠原沖で2度目の非撃墜となった雷撃機の本来の機銃手レオ・W・ナドー軍曹(Ordnanceman Second Class Leo Nadeau)。

 

○ウィラ・ホワイト

 階級は中尉。使用機体はF4Uコルセア艦上戦闘脚。母艦は護衛空母「スワニー」。

 正規空母「サラトガ」からジェシカの教育を兼ねて来ている。真面目で規律にも厳しい。豊富な実戦経験を持ち、CVW771の影の隊長。気象制御ネウロイへの奇襲では、左右上下も見失う暗雲の中を成層圏まで秋山とレアを先導した。2人は被弾墜落したがウィラは被弾せず、最後まで敵を引きつけ戦ったことからも高い技量が窺える。

 元ネタは、パパブッシュさんが小笠原沖で2度目の非撃墜となった雷撃機の機銃手ウィリアム・ホワイト中尉(Lieutenant Junior Grade William White)。本来の機銃手はナドーさんだったが、直前に交代して乗り込んだ。この時戦死している。

 

○トーマス・スプレイグ少将

 TF77.1司令。旗艦空母「サンガモン」に座乗し、HK05船団護衛の指揮を執る。

 元ネタは、レイテ沖海戦時の第77任務部隊司令 トーマス・L・スプレイグ少将。

 

 

☆☆ ストライクウィッチーズ原作 ☆☆

 

特に濃く絡んでいる人たち

 

○横川和美

 海軍横須賀航空隊の教官。階級は少佐。

原作ではイラストコラムで飛行学生時代の西沢義子(後のリバウの三羽烏の一人でリバウの魔王)と中間練習脚で飛ぶ姿が描かれている。

 本作においては優奈のウィッチ適性検査をした人。同時に天音も検査し、その固有魔法と洗練された能力に目を見張った。潜水型ネウロイが出現したことにより天音をスカウトしに行くとともに、その後の指導に当たっている。天音のウィッチ師匠である。

 

○竹井醇子

 504JFW戦闘隊長。階級は大尉。

 天音が9歳のころウィッチ適性検査をし、その固有魔法の貴重性に気付き、必要となる時が来るまで力を磨いておくようにと告げた。天音が水中探信を洗練させたのはまさに竹井のこの一言があったからである。潜水型ネウロイの出現で真っ先に天音を召喚するよう進言した。

 

○黒江綾香

 陸軍航空審査部のテストパイロット。「魔の黒江」と恐れられ、坂本とは扶桑海事変で一緒に戦った仲で、アニメ第2期の前に久々の再会をしている。

 坂本の連絡を受けて、零式水偵脚が使っている金星系エンジンを持って霞ヶ浦で訓練中の天音を訪れ、実際にストライカーユニットを履かせてチューニングポイントを探り出し、天音に最適なのは金星6型エンジンと瑞雲の組み合わせだと導き出した。

 

○坂本美緒

 501JFW名誉戦闘隊長。階級は少佐。

 竹井や横川から天音の話を聞き、天音がストライカーユニットを動かせられるようにするには、魔導波検波装置のチューニングが肝だとアドバイスした。そしてそのチューニングの為、黒江綾香と連絡を取り、天音のもとに向かわせた。

 扶桑からの補給が細くなり、芳佳の「震電」の部品がなくなってしまったため、同じ部品を使っている「蒼莱」が輸送されているHK05船団へ直接部品を取りに行き、HK05船団の泊地脱出戦に巻き込まれる形になった。その際、「水中透視眼」の使い手ジェシカとジョデルに魔眼の使い方の指導をしている。超巨大要塞型ネウロイとの戦いで臨時に指揮を執った。

 

○宮藤芳佳

 501JFW所属。階級は少尉。

 言わずと知れたストライクウィッチーズの主人公。

 扶桑からの補給が細くなり、特に扶桑食材の枯渇での騒動では度々出演している。

 「震電」の部品がなくなってしまったため、坂本と共にHK05船団へ直接部品を取りに行き、泊地脱出戦に巻き込まれる形になった。自慢の強力シールドで超巨大要塞型ネウロイのコア爆発から天音とシィーニーを守り、脚切断の危機にあったレアを治癒魔法で治療するなど、僅かな出演の中で大活躍していただきました。

 

○金子主計中尉

 陸軍アフリカ独立飛行中隊「砂隊」の補給や経理等を担当している。「ハナG」とのあだ名もある。

 潜水型ネウロイの出現で補給が途絶えることをいち早く察知し、武器弾薬は目途をつけたが、扶桑食だけはどうしようもなく扶桑まで戻った。だが物資を持ち帰る手段がなく、アフリカ軍団総司令のロンメル将軍の手を借りて、潜水艦U-3088、その補給船の「アルトマルク」へと荷を載せた。アルトマルクは12航戦に加わり、HK02船団と共にシンガポールへ無事到着。喜望峰経由で「アルトマルク」まるごとの補給物資を無事北アフリカへ届けた。

 ネウロイのガリア再侵攻に際し、隠匿していた陸上戦闘脚「チハ改」が西隊長率いる知波単戦車部隊に渡り、反撃に一役買っている。

 欧州の扶桑食材枯渇に乗じて加東圭子隊長と一儲けしようとしたが、調達した物資が凝り過ぎて万人受けせず失敗した。

 

 

☆☆ 登場兵器 ☆☆

 

○水上ストライカーユニット

 本作で基幹となるストライカー。水上艦からの偵察や着弾観測の為に開発されたが、小型空母の大量投入が始まり、水上機母艦ともども衰退に向かいつつある。

 扶桑では偵察脚型(零式水偵、零式水観、94式水偵、95式水偵)だけでなく、攻撃脚型(晴嵐)、爆撃脚型(瑞雲)、戦闘脚型(二式水戦、強風)と様々な機種が開発発展し、空母や飛行場がないところでも多彩な作戦が取れる。登場させてないが飛行艇脚というのも考えていた。

 ストパンオリジナルでは水上機型ストライカーは名前は登場しても、実際運用している場面の描写がないので、形状や運用方法は全て想像。

 全体の形は飛行状態ではフロートのような形状になり、脛側が船底となる。着水時に90度開く。本体とはアームで繋がっており、瑞雲はここにダイブブレーキが付いている。小さい翼が付いており、爆弾や増槽、運荷筒などを装着できる。

 

○特設艦船

 戦時改装船のことで、本作こだわりの一つ。正規の軍艦の不足を補うため、民間の商船を徴用して改装し(僅かな改装から徹底的な改造まで程度は様々)、いろいろな艦種が作られ陰で戦争を支えた。生き残れば改装されたところは元に戻され、元の船会社に返還される。

 補助艦艇と侮るなかれ、史実でもドイツの仮装巡洋艦や、日本の特設水上機母艦、アメリカ・イギリスの特設航空母艦の活躍は、正規の軍艦にまったく引けを取らない。

 

○マイティラット

 リベリオン製のロケット兵器。正式名称はMk4 FFAR。

 直径2.75インチ(70mm)、全長約4ft(1.2m)、重量8.4kgで、弾頭は2.7kgの榴弾。

 元々航空機用で、翼下に直接、またはロケットポッドに装填して搭載する。これをウィッチ用に転用するため、ロケットポッドの7連装、12または13連装、19連装タイプにグリップと照準器、トリガーを付けたものを開発した。魔法力を事前に込めておくことで、戦闘時に魔法力を消費することなく、中型ネウロイなら1発で撃墜できる威力がある。これによって貧弱な武装しか使えなかったシィーニーのグラディエーターでも十分戦果をあげることができた。

 元ネタは米軍のMk4 FFAR、愛称「マイティマウス」。

 WWⅡ時に開発されて、その後も改良が続けられ、特に対地攻撃で威力を発揮し、戦闘機や武装ヘリに搭載された。現代の戦闘ヘリAH-1コブラの小翼に取り付けられているロケットポッドとロケット弾はその発展形。あのロケットポッドをウィッチは直接担いで使っていると思えばいい。

 ロケットポッドのモデルは、7連装「XM157 Rocket Pod」、12連装がF-94スターファイアが使用したタイプ。

 

○蒼莱

 扶桑海軍の高高度局地戦闘脚。二重反転6枚ブレードのプロペラ呪符を発生させ、スーパーチャージャー、ターボチャージャーによる強制魔力注入器で強力な上昇力を生み出す。高度8千から1万4千メートルでの戦闘を想定して作られた。

 母体は「震電」で、大魔力を持つウィッチでないと動かせられない欠点を強制魔力注入器によって克服したが、その分魔力消費が激しく、航続距離は380kmしかない。魔法力枯渇には特に注意を払っており、一定以下に魔力が落ちると帰還する魔力を残すため強制魔力注入器が働かなくなり、戦闘できなくなる。

 ウィッチの標準武装は5式30mm機関砲。

 元ネタは別作品「紺碧の艦隊」の高々度迎撃戦闘機「蒼莱」。こちらも転生者達が「震電」のメタ情報を元に開発したもの。57mm機関砲、二重反転8枚ブレードプロペラ、ターボチャージャー、速度時速760kmというスペックで、高度1万3千メートルからB30(B29相当)をバッタバタと叩き落した。

 

 

 


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