銀魂単編小説   作:Gintoku

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後編です。


高杉 晋助 vs 坂田 銀時 後編

その死闘を見ているトキミは「(やっぱり高杉はスタミナ、剣技、スピード、防護のどれにおいても

銀時を一歩上回る。「銀時は押されている......‼︎)」と銀時が高杉にこの死闘で徐々に押されているのを見抜いた。

トキミは「(加勢した方が......いや、無意味ね。これはあの二人の戦い。私が出しゃばっても銀時はその勝利に喜びを得ない。それに、夜兎の喧嘩に人間が口出しするものじゃない、ってよく言われるけどあの二人の戦いには夜兎も口出しできないわ)」と心の中で考えを改める。

 

銀時も高杉も息を飲み込み、もう一度「うおおおおおおおおお!!!!」と大きな声をあげ互いに突進。再び斬り合う。交わりぶつかる剣と剣。斬られゆく肌、血を吐き出す身体。

全力の斬り合いはただただ周囲に血を撒き散らす。

 

斬り合いながら走ったり、止まったり、壁を挟んで互いの死角から壁ごと斬ったりと、常人とは思えない戦いを繰り広げる。

絶対に負けられない。信念を守る侍同士の斬り合いは続く。

そして最後に力込めた一撃の衝撃は大きく、二人は後方へ吹き飛び倒れる。

「う、あ」と二人は痛みのあまり声を零す。

そしてまた辛くもまた立ち上がる。

 

身体中にある無数の切り傷。深々と斬られる傷は当然かなりの血を吐き出し服を赤く染める。

血塗れの二人。立つのも辛いか二人は中腰。

二人は剣に全力を込め互いへ向けて走り出す。

どうやら最後の打ち合いの様子だ。

「うおおおおおおおおおお!!!!!!」そう叫ぶ修羅同士の剣はぶつかる。

 

その瞬間煙が巻き上がり、全方位を大きな衝撃が取り巻く。

トキミはずっと見ている。この再戦で勝ったのは誰か。

そして、煙は徐々に晴れる。

すると二人は互いを背に剣を降り終えた体制のまま立ち尽くしている。

 

銀時は下に振り終え、高杉は横に振り終えた様な体制だ。

左足が前、右が後ろで剣の鋒は地面に向けている。剣を振った右手に力が感じられない。それが銀時。

高杉は右足が前、左が後ろで右手の剣は斜め上に面している。これが高杉。

そのまま二人は動かない。

 

ブシュウウ!!!!!っと銀時から血が噴水の様に大量に飛び出る。臍から左肩へかけて大きく深い傷ができ、とんでもない量の血を吐き出している。

銀時は口からも血を吐き出しながら倒れる。

 

ピクリとも動かない銀時。高杉は剣を鞘に収め、妙な、虚しい目で銀時を見る。「俺の完全勝利だ......」そう言って高杉はフラつく身体を必死に動かし歩き出す。

トキミは「銀時ォォォォォ!!!!」と叫びすぐに銀時の元へ駆け寄る。

銀時の頭を膝に乗せ「目を開けて!!!!」と必死に叫ぶ。だが銀時は微動だにしない。

 

トキミは大粒の涙を流す。10年以上この男をただの誤解で憎み、真実を知った後の後悔がまだ残っているにも関わらず再びこの男を好いた。なのに、謝れぬまま、思いを伝えられないまま、その男は自分の膝の上で息を引き取って行く。

「嫌だ...嫌だよ!!!!」と大泣きしながら銀時を抱きしめる。

高杉はその慟哭を聞きながらただただ歩いて行く。

 

だがその足は止まる。何かを直感した。何かを再び感じた。

修羅の眼は再び背にする銀時の死骸へ向かれる。

大粒の涙を流すトキミの頬をそっと添える血だらけの手。

銀時は笑みを浮かべながら「バカ野郎......俺ァ......死なねェよ」声もほぼ枯れ、身体を動かすだけで全身に痛みを感じ呼吸すらままならない。

 

そんな身体でも、よろけながら銀時は立ち上がる。トキミは銀時を抱きしめる。「もうやめて!!もうこんな戦いやめて!!!!」と大泣きしながら銀時へ嘆願する。

だが銀時は笑みを浮かべながら「これで最後だ......俺の最後の喧嘩だ......頼む、やらしてくれ」と高杉を見ながら銀時はトキミへ言葉を向ける。

トキミはそっと手を引き「最後だよ?そして約束して......生きて帰ると」というと銀時は「あぁ、約束だ」と笑みを浮かべながら答える。

 

トキミは涙を拭き再び戦場から身を退く。銀時は「はぁっ、はぁっ、ゼェ、ゼェ」と激しく息を切らしながら高杉を睨む。

高杉も笑みを絶やさないまま銀時睨み続ける。

 

高杉はそっと口を開き「なぜお前はそこまでして戦う?松陽先生の死の重みをお前に背負わせたこの世界に、何の思入れがある?」と銀時に問いかける。

銀時は溜め息を吐き出し「高杉......お前さんにはわからねーよ......俺は誰も斬ってなんかいねェ......もしあの時俺がお前を斬ってもあいつを斬るのと同じだった......ならあいつを斬ってあいつの魂を俺は生かしたんだ......確かにもっとマシな方法があったかも知れねェ......だけどその責任をこの国押し付けてぶっ壊そうと言う腹にはなれねェ......俺はこの江戸で生き、大事なもんを拾いそして拾われた。俺は"江戸で生きる侍"だ」と銀時は高杉に語った。

 

銀時は、剣の鋒を高杉に向け「この魂だけは、もう誰にも斬らせやしねェ......あいつ(トキミ)のいる世界をもう壊させやしねェ」と決意を新たにする。トキミは松陽の事を言っている様に思えた。だが高杉は知っていた。銀時のこの言葉は誰に向けられているのか。

 

フラつく身体。痛みが全身を駆け抜けている。出血多量になるほどの出血。霞む眼はまだ宿敵を見続ける。

そして、再び互いに突進し、全力で剣を互いへ横振る。

その衝動はそして双方の剣を吹き飛ばす。獲物を失った侍はそれでも互いの顔面に拳を振るう。

互いの顔面に浴びせられた拳は、その身体を舞う血飛沫と共に後方へ倒れ込む。

 

だが銀時も高杉も倒れ込む身体をガッと足を踏み込ませまだ身体を立たす。

「ずうおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」全力を込め、叫び共に二人の拳は互いの顔面へ向かう。

 

舞い戻る過去の記憶

 

竹刀で語り合った松下村塾。ただ一人の男の微笑みが銀時、トキミ、桂、高杉の生きる支えだった。

だがその夢は壊れた。天導衆が引き起こした世紀の大粛清、寛政の大獄。

師を奪われた4人が、仲間を集わせ引き起こした最後の攘夷戦争。だがトキミだけは初戦で重傷を負い、戦争を降りざるえなかった。

そして、3人は戦った。

銀時はその強さで白夜叉と異名を取った。

桂は狂乱の貴公子、高杉は鬼兵隊を率いて、鬼神の如き強さを見せ、鬼兵王を呼ばれる様になった。

 

最後の大戦時、銀時は桂に、もし負ければ、トキミに銀時は戦争から逃げたと伝えてくれと嘆願。そして戦場に自爆する天人が現れ、銀時は右腕を犠牲にし仲間を守った。

だが彼等は仲間を全て失い戦争で負け、天導衆が高杉と桂を捕らえ、捕縛中の松陽の3人を銀時の前に差し出し、銀時に仲間を斬るか松陽を斬るかの選択を迫られ、銀時は松陽と交わした約束、仲間を守ると言う約束のために、銀時は松陽を斬った。

孤児だった自分を拾ってくれた師の首をその手で斬った。

 

絶望したまま銀時は歩き、天導衆の襲撃を受けた。

胸に×字の傷を付けられ、銀時は生死不明になった。

 

だが銀時はトキミの前で全ての罪を背負い、仲間を守り師を斬り、そのまま行方不明となった。

 

高杉はそのまま幕府への復讐を止めず、絶対に滅ぼすと誓った。

 

そんな時を過ごし、

そんな過去を送った。

そして今は、トキミは真実を全て知り、高杉と銀時は互いの守るべきものために今は戦い続ける。

 

殴り合う血だらけの二人。

銀時は右拳で高杉の顔を殴り、右へよろけた高杉を左拳で殴り、そしてそのまま右拳で高杉の胸の傷を殴り、前へ倒れ込んだ高杉の上半身を、膝蹴りで顔を蹴り飛ばし、血飛沫が舞う中高杉は後方へ倒れ込む。

 

だが高杉はガッと足を踏み込ませまだ身体を支え、銀時の深い傷に右拳を衝突させ、口から血を零す銀時の上半身は前へ倒れ込み、高杉はそのまま銀時の後ろ髪を掴み顔面を地面へ叩きつける。血飛沫が舞う中、高杉は地面へめり込んだ銀時の頭を引き抜き、再び叩きつけ、再び引き抜き叩きつける、それを何度も繰り返し血飛沫は飛び散っていた。

 

銀時は朦朧とする意識の中、両手を地面へ付けその叩きつけられる連鎖を止めた。

そして飛び起き高杉の顔面を殴り後方へ飛ばし自分もそのまま倒れる。

 

立てない身体のまま、匍匐前進の様な動き、地面へ刺さっている自分の剣へ各々が向かう。

目の前にあるのは高杉の刀。

「うおおおあああああああああああ!!!!!!!!」と叫びながら、高杉の剣を握り銀時は立ち上がる。

反対に高杉も銀時の木刀を握りしめ立ち上がる。

 

入れ替わった剣に全力を込め、銀時は右へ、高杉も右へ、互いへ向けて剣を振る。

刀身は激突。ぶつかり合う剣 その一瞬 修羅の眼は見合う。

そして砕ける剣は、両方。

 

木刀も、刀も折れる。銀時はすかさず高杉の脇腹に持っている折れた剣を突き刺す。「ゴホッ!!」咳と共に大量の吐血する高杉。

だが高杉はそんな状態でもまだ浮いている自分の刀の刀身を掴み銀時の左脇腹に突き刺す。そしてもう片方の手にある折れた木刀を銀時の左肩にほぼ同時に突き刺す。

「ガハッ」大量の吐血をする銀時。

だが銀時はまだ倒れず、未だ浮いている木刀の刀身を掴み、高杉も腹に刺さった剣を引き抜く。

 

短剣で戦う場合、こういう剣の打ち合いに置いて顔面に向かってくる剣。その肘を剣で刺し、痛みのあまり相手は剣を落としそのままそれを掴み相手の腹へ突き刺す高等技術。

修羅の考える事は同じか、互いに剣を握る右手の肘に突き刺す。

 

噴水の様に飛び出る血。痛みのあまり銀時も高杉も剣をそのまま手放し一歩退く。

だがまた前へ踏み込み二人の左拳が衝突。

弱り切ったせいか二人の拳は砕ける。

それも皮膚から血が滲み出るほど。また痛みのあまり一歩退く二人。

 

だがまだ二人は倒れず全力で額をぶつけ合う。

大量に舞う血飛沫の中二人は後方へ倒れる。

静まり返る戦場。

 

銀時

顔に太い血線が何本もあり口からも血が溢れており、殴りあったせいか顔に皮膚の大きな内出血も多数ある。

身体も血塗れで大きく深い傷が二つ、そして深い傷が多数で出血の量が尋常ではない。

右肘に高杉の刀の下側の部分が刺さっており

左脇腹に木刀の下側の部分、肩に高杉の刀の刀身が刺さっている。

倒れただけで、地面も染まるほどの大量の出血量。

呼吸困難に意識も不安定になっている。

それ以外にも身体に多数の刺された傷がある。

 

高杉

彼も顔に太い血線が幾つもあり、同じく顔の皮膚も大きく内出血している。

身体に大きく深い傷が一つ。

そして無数に深い傷がたくさんある。

口からも血を零している。

呼吸困難に陥っている。意識も朦朧としている。

右肘に木刀の刀身が刺さっている。

それ以外にも無数に刀が刺さった傷がある。

 

二人は左手から手首にかけて何箇所も骨折してる。

「ゴホッゴホッ」「ゴフゴホッ」二人は仰向けに倒れながらも血を吐いている。

 

高杉は空を見つめながら「なぜ変えられなかった......こんな運命を......俺ァ10年......その疑問を心に持ち続けた......なんでお前だけがそんな咎を背負う事になった......」

と一言を零す。

 

銀時も空を仰ぎ見ながら「さぁな......俺もわからねェ」と口走る。

高杉は「だからこそてめェがゆるせねェ......なんでこの国のために戦うのかと......なぜ俺を止めるんだ......なぜ倒れねェんだ」と言いながら、震える身体で必死に立ち上がろうとする。

 

銀時は「お前は見えてねェからだよ......松下村塾、俺たちが共に生きた奴がまだ欠けてるんだよ......そいつ(高杉)を取り戻すまでは俺は止まらねェ......そいつを取り戻すまで俺は、倒れねェよ」と言いながら銀時もまた何とか立ち上がる。

 

二人の眼は修羅でもない。今は松下村塾の弟子として、二人の眼に迷いは無い。

 

銀時も高杉も、歩き出す。血がぼたぼたと身体から落ちながら。この墜落した宇宙船で、兵も何人か死んでいる。

その兵の刀を、高杉も銀時も広い握りしめる。

血が流れて、そして意識もふらつき目すらももう全開に開けていない二人。

 

剣に力を込め、両手で握りしめ、2人の瞳孔も眼も全開し、残った最後の力を振り絞り、互いへ向けて走り出す。

「ウオオアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!!!!!!!」と2人の力を込めた雄叫び。

思いを込めた2人の剣は、お互いへ振り下ろされた。

 

ーーだがその時、上空から降ってきた爆弾が2人へ落とされる。

トキミは瞬時に反応し爆弾を蹴り飛ばす。

 

だが周囲に巻かれた爆弾は3人を吹き飛ばす。

とある者が上空から飛び降り、地面へ降り立つ。

そして黒い衣装に身を包み、編笠を被り、黒いドクロの仮面を被っている。

身長は180代。体型はスリムな筋肉質。マントに包まれた身体から見える肌は地球人と大差無い。

 

血だらけの高杉、銀時は何とか立ち上がる。

その謎の男を挟んで2人は対面している。

銀時は歯軋りしながら「てめェ、何者だ......」と口走る。

 

機械でいじった様な低い声で男は「我は天導衆の一角、酒呑童子と申す。鬼兵王、並びに白夜叉。2人をここで処刑する」

と言う男は眼にも止まらぬ速さで剣を抜き、高杉にとんでもない速さで突進し剣を振り付ける。

 

高杉も瞬時に剣を縦に立て、その素早い斬撃を受け止めようとする。

高杉はその素早い剣を一瞬受け止めるが、そのあまりのパワーと速さに全くついて行けず、後方へとんでもない勢いで吹き飛び壁に衝突し、壁も砕け「ガハッ!!!!」吐血しながら地面へ落ちる。

出血量は更に激しくなり、高杉は更に何箇所も骨折する。

 

酒呑童子は剣を鞘に収める。銀時は「てめェ!!!!何を!!」と叫ぶ。酒呑童子は静かに「愚か者に裁きを下したまで......次は君だ」と言い銀時へ突進する。

体がふらつく銀時は何とか剣を構える。

 

銀時の危機を悟ったトキミは、酒呑童子に夜兎独特の怪力を込めた傘を振り下ろす。

酒呑童子はそれほどの一撃を最も簡単に左肘で受け止める。

あの夜兎の一撃を。人間は普通は腕が切れ、そのまま体ごと切られ即死。

それを最も簡単に受け止める酒呑童子。

 

そのまま酒呑童子は傘の鋒を右手で握り、そのままトキミを地面に叩き付ける。

地面は地割れを起こす程の衝動。

その衝動で、トキミの腹に傘の柄が刺さりトキミも大量の血を吐き出す。

 

酒呑童子はそのまま「これは珍しい。夜兎か。それも白眼使いの者」と言い、そのままトキミの頭を踏み潰そうとする。

トキミの危機に反応した銀時は身体の傷を忘れ、我を忘れ酒呑童子に剣を振り下ろす。

 

酒呑童子は刀身を左手で鷲掴み、右手で腰に収めた剣の柄を握り「終わりだーー」と一言のみを銀時へ向けた。

銀時は掴まれた剣を右手に残し、自分の左脇腹に刺さった高杉の剣を引き抜き、酒呑童子の右肩に突き刺す。酒呑童子が右手の剣を引き抜く前に。

仮面の口から見える酒呑童子の唇は笑みを浮かべ、剣を引き抜き至近距離に居る銀時に横振る。

 

だがそれを見越していたのか銀時は酒呑童子の腹を台にしてジャンプして後退する。

だが見越していたにも関わらずあまりの速さに銀時の胸と臍の間に浅い切り傷が付く。

何とか地面へ着地する銀時はあまりの疲労と痛みに精神が負け膝を付く。

 

トキミは傘の柄が腹に刺さったままもがき、銀時は立ち上がれず、高杉はよろけながら立ち上がり剣を握り酒呑童子の方へ歩いていた。

酒呑童子は笑みを浮かべながら「消耗仕切った君らを処刑しても意味は無いんだがね......だがやらなきゃまた同僚に怒鳴られる」と言い、膝をついた銀時へ歩いて行く。

 

高杉は「待っ......」と言いながら倒れた。

酒呑童子は剣を引き抜き、眼前に膝をついて起き上がれない銀時を見ながら、首を斬る前の構えを取る。

銀時は何とか右手を動かし剣の鋒を酒呑童子の顔へ向かわせる。

 

酒呑童子は刀身を掴み、そのままグッと刀身を握り潰す。

ボロボロになりながら刀は地面へ転がる。

人間にとって剣を握り潰すなど想像絶する事象。

 

銀時の右手も動かなくなり、首は地面へ向く。

銀時は地面を見ながら目が血走り「(動け、動け、動けっ!!)」必死に心の中で叫んでいる。

 

酒呑童子は笑みを絶やさず

「さらばだーー」

その一言を銀時へ向け、銀時の首を斬る太刀は放たれたーー

銀時の表情は無になり「終わりか」と心の中で死を覚悟した。

 

ガギイィン!!

 

刀と刀のぶつかる鋭い音が周囲を駆け抜ける。

銀時の首に酒呑童子の刀が到達する寸前、それを阻む刀が一振り。

「そうはさせんぞ」

その刀の柄を両手で握りしめる男が口走る。

 

酒呑童子は「狂乱の貴公子、桂小太郎」と口走る。

酒呑童子の刀を止めた桂は、全力をかけてる影響か汗を垂らしつつ苦い笑みを浮かべ「こいつだけは殺させんぞ」と口走る。

酒呑童子は不敵の笑みを絶やさず「それが何だ」と言うと、自分の刀に少し力を込めると桂の刀にヒビが入り今にも折れて銀時の首が飛びそうになる。

 

ーーその瞬間、酒呑童子の右脇腹を小太刀が貫通する。

その柄を握るのは銀時。桂の腰にその小太刀の鞘が収まっているのを見た酒呑童子は瞬時に、銀時が左手で桂の小太刀を抜き自分の腹へ刺したと理解し「(この男、まだ身体が動いたのか)」と心の中で驚きを零す。

 

その隙に桂はヒビの入った剣に力を入れ酒呑童子の剣を振り払い、自身の剣は折れる。酒呑童子も後退する。

銀時は桂を見ながら「ヅラ......」と彼を見てそう言う。

 

桂は笑みを浮かべて「ヅラじゃない......桂だ」と一言だけ口走る。高杉も何とかもがきながら起き上がり「お前、なんでここに」と桂に問う。

桂は「かつての仲間がここで殺し合ってると聞いてな......観戦に来たつもりが、どうやら事情は違う様だ」と言いながら酒呑童子を睨む。

 

酒呑童子は「桂、貴様が来たところで何になる......屍が一つ増えるだけだ」と言う。

すると酒呑童子の耳に声が届く。「屍は確かに増えるけど、その長髪君じゃくて君だよ」

その声のする方角へ振り向くと、銀時との戦いでボロボロの神威が夜兎の軍勢を連れてその場に来ていた。

 

酒呑童子は笑みを浮かべ「ほう、これは珍しい。歴戦の夜兎がこれほど」と口を開く。

神威は笑みを浮かべ「悪いがその今にも死にそうなバカ侍2人は俺が殺すんだ横取りしないでくれよ......そして人の妹にも何してくれてるんだい」と銀時、高杉、トキミを見ながら口走る。

 

酒呑童子は「ほう」と一言のみ口走る。

神威は酒呑童子を見ながら汗を流す。

「(この男......戦ったらこの場にいる全員が皆殺しは間逃れられない)」と神威は酒呑童子の放つ圧倒的な気迫にやられ、思わず心の中で焦る。

 

酒呑童子は笑みを浮かべながら「なるほど......これほどの人数が命をかけこの2人のサムライを助けるか」と口走る。

「良かろう」と言い、剣を鞘に収めこの戦場を背にする。

去り際に酒呑童子は「気が変わった......君たち2人が全快の時にもう一戦したい」と言い放ちその場を去る。

 

その後高杉も銀時もトキミも気を失う。

そして神威は銀時とトキミを江戸の病院に入院させ、高杉を連れて鬼兵隊と合流する。

 

銀時と高杉はこの戦いで負った重傷で2ヶ月以上昏睡に陥り、怪我も全治3ヶ月を言い渡された。

 

 

-fin-

 

 

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