銀魂単編小説   作:Gintoku

5 / 7
今回は間の話をまた飛ばして
酒呑童子との決戦を描きました。
酒呑童子のモデルはもちろん虚ですが、この話では虚も登場します。本誌でも壮絶な戦いになってますね。


酒呑童子vs侍と夜兎 序章

酒呑童子vs侍と夜兎 序章

 

小さな島。荒野と森が島を占める。

ここは虚との戦いで使われた島の正反対に位置する。

 

ここでは今、6人の者が酒呑童子と対峙している。

足を伸ばして座り込み、背後の岩に背を付けている信女。

目の前の敵、沖田・土方と対峙する神威。

傘を支えに立ち上がる時光と神楽。

 

信女と時光、神楽は立ち上がり酒呑童子と対峙。

土方・沖田は神威と対峙。

だが沖田は酒呑童子から何かとてつもない恐怖を感じ土方へ「土方さん、あんたは女どもに加勢して下せェ......このチンピラシータは俺が引き受ける」と柄にもなく汗を垂らし呟く。

土方はそれを一蹴し「バカか......俺とお前でもやばい相手だぞこの能天気は」と口走る。

 

沖田は笑みを浮かべ、その眼を土方へ向け「頼みやす」と一言を言い放つ。

その真意を理解した土方は、頷き酒呑童子側へ加勢する。

一対一の人殺しの眼を浮かべる2人。

沖田も神威も持っている剣を、傘の柄を握りしめお互いへ突進する。

 

そして酒呑童子はとてつもない速さで信女の首を掴みそのまま上へ上げる。

時光と神楽は全力を込めて傘の鋒を酒呑童子の顔面へ向かわせる。

だがもう片方の手で酒呑童子は2人の傘を同時に掴む。

夜兎2人の怪力を片手で簡単に受け止めいる。

そのまま信女を2人へ投げ付ける。

倒れた3人に剣を向ける酒呑童子だが、振り下ろされ迫り来る剣を土方の剣が止める。

 

全力を込めている土方の皮膚から血管が浮き出て見える。

酒呑童子は笑みを浮かべ「無意味」と呟きそのまま土方の顔面を鷲掴む。

身体へ迸る死への認知と感情。それは恐怖と諦めを一瞬で伴う。

 

だが地面から時光が酒呑童子の腹を蹴り、間合いを取らせる。

神楽や時光、信女も立ち上がる。4人とも今のやり取りで息を切らしていた。

酒呑童子は笑みを浮かべ「君ら雑魚が何匹集まっても、私には勝てないとなぜ分からない?」と口走る。

土方は悔しさのあまり歯軋りする。

 

その一方で響く鋭い音。剣と夜兎の傘がぶつかり合っている。

苦い顔をする沖田と余裕を持つ神威の笑み。

神威はその怪力を駆使して沖田を弾き飛ばす。

吹き飛びながら後方にあった岩山にぶつかり大ダメージを食らうと悟った沖田はその速さを自慢とする剣技で岩山を斬り裂き、そのまま地面へ剣を差し込み受け身を取る。

 

だが神威のスピードは予想以上に速く、その傘が沖田へ振り下ろされる。

周囲を包む煙。その中で沖田はバク転しながら退避する。

ギリギリで回避できていた。

舌打ちする神威へ、壁走りしながら飛び上がり、勢いを付けた剣を振り下ろす。

神威も傘を縦にしてその剣を受け止める。

視線すらも違いを殺そうとするほど鋭い2人。沖田は神威の腹を蹴って飛び上がり間合いを取る。

 

一方で土方が全力で斬撃を繰り出し、我武者羅に振るその剣を酒呑童子は軽く肘で受け流していた。

すると酒呑童子の背中へ迫る神楽の蹴り。酒呑童子は左肘で土方の剣を流しながら右手で神楽の足を鷲掴み身動き取れなくする。

 

両手が塞がった酒呑童子へ飛び上がり、剣を振り下ろす信女と傘を振り下ろす時光だが、酒呑童子は「甘い」と言ってそのまま神楽を2人へ投げ付ける。

バランスを崩した3人は再び倒れ、土方は渾身の一撃を酒呑童子へ振り下ろす。

 

肘で軽々と止めた酒呑童子は土方を蹴ると、土方は途轍もない勢いで吹き飛び岩山にぶつかり吐血する。

目が霞み、頭からは血が流れ出す。

そのまま酒呑童子は剣を抜きその鋒を倒れた神楽の顔面へ向かわせる。

神楽はその一瞬で悟った。自分は後1秒以内に死ぬと。身体から力を抜き目を瞑る。

 

ーー次の瞬間、地から天へ振り上げられた一撃が酒呑童子を襲う。

咄嗟に酒呑童子は剣でそれを受け止め、反射的に距離を取る。その一撃を放ったのは神威だとすぐに見えた。

そうしているうちに酒呑童子へ放たれた超速の太刀。剣を盾にして受け止める酒呑童子。

超速の太刀の先には鋭い表情の沖田がいた。そのまま酒呑童子は沖田を振り払う。

 

その場に居る6人は酒呑童子と対峙する。

酒呑童子は笑みを浮かべながら「神威君、君ら鬼兵隊は私と手を組むんじゃなかったのかい?裏で天導衆の崩壊を目論むこの私と」と口走る。

神威はいつもの笑顔を絶やさず「確かに同盟は組んだね、酒呑の旦那......だけど俺の妹達を殺す条件はいつから入ってたんだい?」と酒呑童子へ問うと「ほう、その小娘達はお前の妹だったのか......だが残念だがそいつらはここで殺す......楯突くならお前もただでは済まないぞ」と言い放つ。

神威は笑みを浮かべ「上等......」と口走る。

 

沖田は笑みを浮かべて「一時休戦だなチンピラシータ」と言い放つ。神威は「ああ」と答える。

剣や傘を酒呑童子へ向ける6人。

酒呑童子を中心に衝撃周囲を取り巻く。「どうやら次元の違いか分からないみたいだ......良いだろう......貴様らの屍に教えを授けてやる」と言い放つ。6人の身体を恐怖が駆け巡る。今まで幾多の戦場を潜り抜けたこの剣でも、この男には届かないかも知れない。そういう感覚を6人は覚えていた。

震える身体を抑え、沖田は「侍の最後の喧嘩、見せてやらァ」と口走ると、6人は各々が獲物に力を込め「うおおおおおお!!!!!!」と力を込めて酒呑童子へ突進する。

 

6人はバラバラに肉弾で素早く攻撃する。酒呑童子はそれを受け止め軽く振り払いその一瞬の隙をついた1人、または2人の同時攻撃が放たれても酒呑童子は余裕と共にそれを裁いて行く。

しばらくそれが続くと、酒呑童子は剣を収め沖田と土方の顔面を鷲掴み、神威と神楽へ2人を投げ付け、そして飛び上がって攻撃しようとしていた時光と信女に素早く接近し、途轍もなく速い居合いの斬撃で2人の横腹を斬り裂く。

2人は吐血しながら地面へ落ちる。

 

倒れた6人を見渡す酒呑童子は「こんなものか?」と彼等を嘲笑う。

6人とも、頭から血を流して倒れている。

その中、神威だけ歯軋りしながら立ち上がり、眼が血走らせる。

そして表情は鋭く、不気味な笑顔は絶えない。

酒呑童子はそんな神威を見て「どうした小僧......死ぬ時となれば夜兎でも恐怖するか?」と問う。

 

神威は笑みを絶やさず「何を世迷言を......これが死ぬ人間の表情に見える?」と口走って飛び上がり、力を込めた傘を酒呑童子へ振り下ろす。

酒呑童子は片手で刀を握りしめ、その一撃を受け止める。最も簡単に。

酒呑童子は笑みを浮かべながら「なら気でもふれたか?」と神威へ問うと、神威は「あぁ......俺がここまでやれるなんて今までなかったから!!」と喋り、傘を我武者羅に酒呑童子へ振り出す。

幾多の戦場を潜り抜け、多くの血を吸った酒呑童子にはそんな攻撃が意味を成さず、かわされたり流されたりと簡単に裁かれて行く。

 

酒呑童子はそのまま神威の顔面を掴んで地面へ叩きつけてグッとめり込ませる。「さらばだ」と言い放ち、もう片方の手で握っている剣の鋒が神威の喉へ向かった。

眼前で兄が死と直面しているのを見た時光は「やめて!!!!」と騒ぐも、酒呑童子の剣は止まらなかった......。

 

 

続く......。

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