のび太戦記 AMAZING HEROS 作:じゃすてぃすり~ぐ
僕がドラえもんと一緒にこの能力をコントロールできるように練習が始めて3ヶ月がたった。部屋をクモの巣だらけにしたり壁紙を破いて張り替えたりと色々あったけど、努力の成果もあってかその能力をコントロールに成功。野球をはじめサッカー、テニス・・・何でもござれなスポーツ万能な皆のアイドル的存在になったんだ。
良い気分だった。ドジで間抜けな僕が皆から尊敬される人間になったんだからね。だけど、その時、僕は増長していたのかもしれない。僕があの時ああしていれば・・・あんな事にはならなかったんだ。
それはある日の午後だった。僕はサッカーの助っ人としてグラウンドに呼ばれていた。結果は僕達のチームの勝利だったよ。危険を察知した時に発動する感覚・・・名づけてスパイダー感覚で危険を察知し、アクロバティックな動きでチームを勝利に導いたんだ。
っと、本題に入ろう。その帰り道、近くの店で強盗が起こったんだ。その強盗と僕は擦れ違い、商店街へ続く道へと入っていった。
「おい!誰かそいつを捕まえてくれ!」
店員であろう男が強盗を息を切らしながら追いかけていた。が、僕は手伝わなかった。サッカーで疲れていたし犯人は銃を持っていたからだ。まぁ、僕の場合はスパイダー感覚があるから大丈夫だけど・・・そういうのは警察の仕事だ。僕じゃない。当時の僕はそう思っていたんだ。
そして、僕は家に帰った。
「ただいまー」
「お帰りのび太君」
家に帰った僕を待っていたのはドラえもんだった。いつもなら晩御飯を作っているママがいない。
「あれ?ママは」
「ママなら夕飯の買出しに行ったよ。・・・にしても遅いなぁ」
なんだろう・・・嫌な予感がする・・・。いいや、大丈夫だ。ママはすぐに戻ってくるさ。そう自分に言い聞かせてドラえもんに言った。
「多分、近所の人と話してるんじゃないかな?とりあえずテレビでも見て待ってようよ」
「それもそうだね」
テレビをつける。いつもなら、僕がよく見るアニメがあるはずなんだけど今回だけは違った。ニュース速報のようだ。
『すすきヶ原商店街にて銃を持った犯人と駆けつけた警察による銃撃戦が起きました』
「大量殺人だって!?しかも、この商店街はママが買い物に行くって言ってた商店街じゃないか!」
ドラえもんの言葉に、僕は心臓が止まりそうになった。そういえば、あの強盗は銃を持っていた。そして、あの商店街に続く道へと行ったんだった!巻き込まれていないでくれ!そう神に祈る。
『その際に、警官2名が負傷・・・居合わせた買い物客の野比玉子さんが死亡しました』
「そ・・・そんな・・・ママが・・・」
「だ、大丈夫さ!多分、同姓同名の別人だよ!そうに決まってる!」
テレビ画面を見つめ愕然とするドラえもんを僕は、なだめた。他人の空似であってくれ!そうであってくれとひたすら胸中で願う。
TRRRRRRRRRRRR・・・。
その時電話がなった。出ようとしたドラえもんに僕が出ると言うと、電話へ向かい受話器を取る。
『・・・のび太か?』
「パパ?どうしたの?」
電話の主はパパだった。しかも何故か声音が重苦しい。
『いいか、のび太落ち着いてよく聞くんだ。さっき、警察から電話があったんだが・・・玉子が強盗との銃撃戦に巻き込まれ・・・死んだそうだ』
パパの非情な宣告に僕は受話器を取り落としてし呆然とした。そして罪悪感で埋め尽くされる。あの時・・・あの強盗を捕まえていれば・・・。あの強盗を・・・。
「ッ!」
「のび太君!!!」
次の瞬間、僕は弾かれるように家を飛び出していた。・・・そう、あの強盗を捕まえる為だ。こんな事をしても、ママは帰ってこないって事は分かってる。・・・だけれど!
「アイツは・・・何処だ!?」
スペアポケットから拝借したタケコプターで空を飛びスパイダー感覚を最大限にして『ヤツ』を探す。すると・・・居た。警察に包囲されているパトカーの中だ!あの銃撃戦の後、車で逃げこの家屋に逃げ込んだようだ。どうやら空家のようで、中には『ヤツ』しかいない。
警察に気づかれないように裏側にあった2階の窓から中に入る。そして、台所で冷蔵庫の中をあさっていた『ヤツ』を見つけた。
「おい!」
「わっ!?・・・何だガキか。ガキはおうちに帰りな。おじさんはこわーいオモチャを持ってるんだからよ」
すぐさま、躍り出て『ヤツ』の前に出る。最初は驚いたが、僕が子供と知るやバカにした様子で銃を突きつけ笑う。・・・だが、その笑いもここまでだ!
ダッ!
床を思い切り蹴り、駆け出す。丸腰で向かってきた僕を見て、バカが。と言いたげに『ヤツ』は銃の引き金を引いた。
BLAM!
マズルフラッシュと共に弾丸が僕の眉間に向かって放たれる。だが、僕からしてみればそんなものは止まって見える。頭を横に逸らし、銃弾を避けた。案の定『ヤツ』は先ほどまでの笑みを浮かべた表情を消し、ギョッとした感じで僕を見ていた。
BLAM!BLAM!BLAM!
続けて発砲。だが、無駄だ。僕にはかすりもしない。そのまま拳を振り上げ『ヤツ』の顔面にたたきつけた。
「ギャアアアアアアアアアアアアア!?鼻が!?鼻がァァァァァァ!!!?」
グシャリ!と嫌な音と共に、『ヤツ』は鼻から血を流し倒れた。僕は、そのままヤツに近づくと胸倉を掴み上げる。
「あ・・・が・・・!?ば、化け物・・・!?」
「化け物はお前の方だろう。・・・人の命を奪っておいて、この人殺しめ・・・。このまま警察に・・・」
「ま、待ってくれ!金なら半分・・・いや!全部くれてやるからさ!だから、頼む!見逃してくれ!助けてくれよぉ!」
「・・・助けて、くれだと?」
ママを殺しておいて身勝手な命乞いに僕のナニカが切れた。そして、そのまま拳を再び顔面に叩き込む。
「ぐげッ!?」
「僕の・・・僕の大切な人を殺しておいて・・・多くの人を傷つけて・・・それで助けてくれ?見逃してくれだって?・・・ふざけるな!!!」
「アガッ!?ギャベッ!?グギィ!?やめ・・・ガフッ!?たすけ・・・」
怒りで我を忘れた僕は倒れた『ヤツ』に馬乗りになり、一心不乱に拳を叩きつける。
「止めろ?助けろ?お前はどうなんだよ!?お前は止めたのか?僕を止められる理由はあるのかよ?言ってみろよ?僕に殺される理由なんかないって言ってみろ!!!」
僕の問いに『ヤツ』は答えない。答えられないのだ。僕の度重なる拳撃で顔面が原型がとどめないレベルに腫れ上がり、目も虚ろだった。後、何撃か食らわせれば死ぬだろう。だが、僕はそんなのどうでも良かった。ママを殺した『ヤツ』の息の根を一刻も早く止めたかった。その時だ。
「止めるんだ!のび太君!」
声と共に、僕の拳が誰かに止められる。声のほうを見てみると、ドラえもんだ。その手には僕の手が握ってある。
「放せよ!何でとめるんだ!?コイツがママを・・・」
「これ以上やると、死んじゃうぞ!」
「だからなんだ!?こんなヤツ、死んで当然だろ!?だから殺すんだ!ジャマを・・・」
「馬鹿野郎!」
ドラえもんの言葉に思わずビクっとなる。
「こんなヤツを殺してどうなる!?ママが喜ぶと思うか!?帰ってくると思うか!?いい加減目を覚ませ!」
そうだ・・・。確かにそうだ・・・、コイツを殺した所でママが戻る訳でもない。喜びもしないだろう。・・・僕が人殺しになってしまうだけだ。そんな事はママは望みもしない。
「あ・・・ああ・・・うぁぁぁぁぁぁ・・・うあああああああああああああああああああああああ!!!」
冷静になると同時に、ママを失った悲しみが一気に襲い掛かってきた。それと同時に、涙が滝のように溢れる。そんな僕は、ドラえもんは優しく受け止めた。
「・・・帰ろう、家に」
そうして、僕たちは空家を出た。警察が踏み込んだのは、それから数十秒後の事だった。誰も、僕たちが居た事は知らないし、僕が何をしたのかはドラえもん以外知らない。
この人殺し?ああ、飛んだ自己紹介だ。ママは僕が殺したようなものさ。そして後一人も殺しかけた。ドラえもんが止めなかったら確実に殺していた。
帰る際、僕はある出来事を思い出していた。
それは、僕が小さかった時の思い出。おばあちゃんがいたときの記憶だ。
「のびちゃんは大人になったら何になりたいんだい?」
「僕は、ヒーローになりたい!それで、悪いヤツラをやっつけたいの!」
おばあちゃんの問いに小さかった僕はそう答えた。そうか、と優しい笑みを浮かべながらおばあちゃんは言う。
「ヒーローを目指すのかい?良い心がけだけど、これだけは覚えておいてね、のびちゃん」
「なぁに?」
「大いなる力には、大いなる責任が伴う。・・・今はまだ分からないだろうけど、いつかきっと分かる日が来るよ」
そのおばあちゃんの言葉を思い出すと共に、僕ははっとした。・・・力と責任、そうだ。僕は忘れてた。
「大いなる力には大いなる責任が伴う・・・か」
「のび太君?」
「・・・独り言さ。なんでもないよ」
ふと口にした独り言に怪訝な表情を見せるドラえもんに僕はそう言って家に帰った。
あの後、ママのお通夜に葬式といろいろあった。ジャイアンやスネ夫、しずかちゃんを初めとする学校の友達も来てくれて、励ましてくれた。・・・ただ、ジャイアンの『例の歌』だけは勘弁願いたかったが。
少しずつだけど、僕も立ち直れるようになった。本音を言うと、まだ胸にぽっかりと空いた穴は塞がっていない。だけれど、いつまでもふさぎ込む訳にもいかないからね。
僕には責任がある。『力』を持ってしまった責任が。
『大いなる力には大いなる責任が伴う』
あの日、おばあちゃんがいった言葉。・・・その言葉の意味を僕はその日を通して理解した。今となっては遅すぎたかもしれないけれど。
生きている人々に対する責任。助けを必要としている人々に対する責任。過去の失敗を正すチャンスを掴むに値する、死に直面した人々に対する責任。・・・そして死んでしまった人に対する責任が僕にはある。
・・・だからこそ、この力を自分の為じゃなく人々の為に使いたい。それが、死なせてしまったママに対する償いでもあるから・・・。
そして僕はある『活動』を始めたんだ。
-それから二年後・・・。
『こちら、ドラえもん。のび太君、何か可笑しなことはないかい?』
「ああ、特に問題は・・・。いや、あるな・・・向こうだ」
真夜中の町の中、今現在僕は、日課の『活動』中。いつものコースをウェブを使ってスイングしながらパトロールをしているとスパイダー感覚に何かがヒットした。僕は通信を入れてきたドラえもんにそう返すとその感覚がする方に向かう。
あー、ちなみに今の僕の服装は赤と青を強調したスーツを纏い、顔には誰かに顔を見られてもいいようにマスクを被っている。
僕がこの『活動』を始めたいと言った時、ドラえもんには反対された。ママが死んだのは君の責任じゃない!いくら力を持ってても君では危険すぎる!と。だけど、僕の真剣な思いに遂に折れ、僕の行動を容認するだけでなく、協力も買って出てくれた。
それがこのスーツだ。未来の超技術で作られたこの赤と青で強調されたこれは、ちょっとやそっとのことじゃ破れない。いやぁ、未来の技術ってすごいね。
っと、話をしている場合じゃないな。スパイダー感覚が強く反応する方向を頼りに進んでみると、居た。路地裏だ!一人の気弱そうな少女を複数のチンピラ達が囲んでいる所を見るとカツアゲらしい。
「どんぴしゃりだ。それじゃいつもの如くちゃちゃっと終わらせてくる」
『了解、怪我だけはするなよ』
分かってるよ。とドラえもんにそう言って通信を切る。さぁ、お仕事の始まりだ。僕は、一番端っこに居たチンピラの背後に下りると、彼の肩をチョンチョンとつつく。振り返った瞬間に顎めがけ右フック!
「AUG!?」
クリーンヒット。そいつは脳震盪を起こし、そのままノックアウトした。彼の叫び声に気づいたチンピラ達がいっせいに振り返る。
「やあやあ、ちょっと失礼。ジャマしてゴメンね。見た所、その人をカツアゲしてるっぽいからさ。いけないよ、こんなか弱い女の子をよってたかって」
「何だテメェは!」
殴りかかろうとしてきたチンピラの拳をかわし背中めがけて回し蹴り。
「UH!?」
TWIP!TWIP!そのまま壁に叩きつけられた所をウェブを発射して蜘蛛の巣まみれにしてやる。
「やれやれ暴力はいけないよ、暴力反対。あ、でも僕は違うよ。仕掛けてきたのは君たちだし・・・」
「この野郎!よくも・・・Oof!?」
「これは正当防衛ってヤツさ」
近くに落ちてあった鉄パイプを拾い殴りかかってきたチンピラの顔面に、右ストレートをぶちかます。
「さて、どうする?ここいらで止めにしておく?」
「ひ、ひぃ!ず、ずらかれー!」
「はい忘れ物。あと、カツアゲなんて二度とやっちゃダメだよー?」
手下をことごとく倒され、恐れをなしたリーダーらしきチンピラは泡を食って逃げ出した。先ほどノックアウトさせたチンピラを投げて返す。ぎゃあ!と押しつぶされてずっこけるチンピラ達は見てて滑稽だった。
「あ、あの助けてくれてありがとうございました」
「いいっていいって。当然の事さ、それよりも夜道帰るときは気をつけたほうがいいよ。ああいうの多いからさ」
ふと、先ほどまでカツアゲされていた少女が声をかける。僕は笑って返すと、ウェブを使いこの場から去ろうとした。
「あの、貴方は一体・・・」
原作:ドラえもん マーベルコミックシリーズ Etc・・・
「僕が誰かって?」
っと、読者の皆にも僕のもう一つの名前を聞かせてなかったね。『もう、分かってるよ』何てことはいわないでくれよ?僕のもう一つの名前・・・それは・・・、
作:ハイド
「
のび太戦記 AMAZING HEROS
とまぁ、これが僕の
プロローグ 完。エピソード1に続く。
いかがだったでしょうか?
今回、本家のベン叔父さんポジでママを死なせちゃいました。当初のプロットでは、しずかちゃんか先生をベン叔父さんポジにしようかと思ったのですが、何を思ったのか私・・・『やっぱ、のび太をスパイダーマンにするには肉親とかを死なせればいいかな?』と思いこんな結果に・・・。
ママは犠牲になったのだ、のび太をスパイダーマンたらしめる・・・その犠牲にな・・・。
これって、原作キャラ死亡ってタグをつけたほうがいいのでしょうか・・・?(汗)
タグに多重クロスとありますが、ドラえもんとスパイダーマンのほかにクロスさせる作品は大体こんな感じです。
・アベンジャーズ他マーヴルコミックシリーズ
・リリカルなのはシリーズ
・ハイスクールD×D
・ナムコクロスカプコン
・仮面ライダーシリーズ
他にも、『これもクロスさせて』と言う要望がありましたらご応募下さい。
次回も楽しみに待っていてくださいね。それでは~(0w0)ノシ