マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ 作:しろっこ
「私は良いけど、あいつ、ブルネイ司令はどうするんだ?」
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「艦これ」的「みほ3ん」
EX回:第106話<”開かれた”海軍>
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<<食堂:”開かれた”海軍>>
「ちょっと済みません」
突然、無線を受信したのだろう。祥高さんが、どこかと交信を始めている。
「はい。そうです……はい、はい」
これは艦娘の大きな特長だろう。特にここブルネイのように、遠方にある鎮守府や、作戦地などでは、無線がいつでも使えるというのは便利だ。しかも、艦娘の無線は軍用だから、基本的にスクランブルもかかっている。傍受もされにくい。
ただ、それを良いことに、作戦中に好き勝手な雑談をしている艦娘も、少なくないという。まあ、そのくらいは大目に見よう。
「はい、了解しました。ありがとうございます」
祥高さんは、通信を終わったようだ。すぐに私に報告をする。
「司令、0900からの記者会見には、司令も参加するようにとの指示が出ました」
「あ、そうなんだ。やっぱり」
私のこの反応に、彼女はちょっと意外な顔をした。
「司令、予想されていたのですか?」
「ああ、最近の本省は、”開かれた海軍”を目指しているらしいからね」
「そうなんですか」
「ああ。まあ私も正直、人前に出るのは苦手なんだが、それも司令部の命令だろ?」
「はい、そのようです」
「今回は、中央から連合艦隊司令部の要人たちも来ているからな」
「では、なおさら拒否は出来ませんね」
「ああ。そもそも記者会見とかも苦手だけど、軍命なら仕方ないね」
私は、水を飲んでから続けた。
「最近、都会のほうでは艦娘も徐々に認知されているらしい。呉とか佐世保のような大きな鎮守府で開催される地元との交流イベントでは、積極的に艦娘をアピールしているようだし。中には、特定の艦娘のファンクラブも出来ていると言うよ。一部では、鎮守府がそれを公認しているとか」
それを聞いた祥高さん、明らかに引いている。
「そんなの、本当に良いんですか?姉や妹は、絶対に反対しそうです」
私は彼女の反応を見て、そうだろうなと思った。
「”開かれた海軍”とか言うが、軍人としてはどうなんだろうね?まあ、上の制服組の考えることは分からんよ」
「司令……」
突然、祥高さんが懇願するような眼をした。私は想像して答えた。
「大丈夫だよ。美保ではファンクラブどころか、お祭りすら開ける状態じゃないし。仮に余裕が出来ても、私は認めない」
「そうですか」
彼女はホッとしたようだった。ただ、美保鎮守府の艦娘の中には、そういう”アイドル”まがいのことが好きそうな艦娘も居るだろうな。いろんな艦娘がいるから。私も今は否定したけれど、将来は分からない。
気を取り直すように、時計を見ながら祥高さんが言った。
「いま0840ですから、そろそろ身支度をしたほうがよろしいですね」
「そうだね。そろそろ行こうか」
私も応えて立ち上がった。
<<GR(ゲストルーム):伝達事項>>
本館のそれぞれのGR(ゲストルーム)に戻って、私は手早く身支度を整えた。そのとき、内線電話が鳴った。受話器を取ると、五月雨だった。
「五月雨です。失礼いたします。司令に伝達事項が御座います」
相変わらず、きびきびしているな。
「なんだい?」
「艦隊司令部から追加事項として、記者会見及び、演習観覧中は、秘書艦を同伴するようにとの事です」
「は?」
一瞬、わが耳を疑った。だが、艦隊司令部からの通達なら仕方がない。やれやれ……。
「分かった」
想像するに、マスコミへの露出を機会に、”艦娘(秘書艦)=女性もいる=ソフトイメージ”を、アピールしようという魂胆ではないだろうか?まあ、国民の信頼やイメージも大切だから、仕方がないよな。
だが、私はちょっと疑問がわいた。
「ちょっと質問してもいいかな?」
「何でしょうか?」
「私は良いけど、あいつ、ブルネイ司令はどうするんだ?」
「はい」
五月雨は、ちょっと言葉に詰まっているようだ。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。