マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ 作:しろっこ
「あの金剛がなければ満点だったがな」
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「艦これ」的「みほ3ん」
EX回:第110話<会見終了>
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<<会見終了:三姉妹>>
正式に会見終了がアナウンスされ、記者たちも席を立ったり電話をかけたりしている。
私もホッとしていると、隣に居た祥高さんが珍しく話しかけてきた。
「司令、とても良かったです」
「ああ、ありがとう」
すぐに、ブルネイ司令が、席を立って私に手を差し出してきた。
「おう、良くやったな。俺に指名されたら、どうしようかと思っていたんだぜ」
「いや、まぐれだよ」
「まぐれなもんか、お前の飾らない気持ちがストレートに伝わってきたぞ。オレ的には、合格点をやっても良い」
「そう言ってもらえると助かるな」
「オレだけじゃない、最後は記者たちも総立ちだったじゃないか。あれが一番の証だよ。軍人なんて、飾る必要はない。むしろ、世界に向けて、わが海軍と艦娘への第一印象は、高まったと思うぞ」
すぐに、作戦参謀と技術参謀までやってきた。
まずは作戦参謀が口を開いた。
「意外と良かったな」
「恐縮です」
「あの金剛がなければ満点だったがな」
「反省します」
「まぁ、良いじゃないか」
技術参謀も、声をかけてきた。
「しかし、あのシナをガツンとやった秘書官、最高だったな~」
「姉貴も、そう思うかい?あれは痛快だったな」
「そうね。ブルネイと日本の関係が、ずっと良好であることを願うわね」
珍しく祥高さんが加わる。やはり姉妹だからかな?
……ふと気付いたが、ここに居るのはまさに”祥高型”三姉妹だ。秘書艦の言うことが正しければ、まさに世界最高水準の重巡が一挙に揃っているわけだ。何ともいえないものがあるな。
「五月雨も、うまく収まっていたな」
私は脇のブルネイ司令と五月雨に話しかけた。五月雨は恥ずかしそうにうつむいた。
それを見ながらブルネイ司令が応えた。
「まあな。だがお前の秘書艦様のほうが目立ってくれたからな。かえって良かったよ」
それを聞いて、祥高さんは会釈をしながら微笑んだ。
「ちぇっ、私も今からでも現役復帰すれば、勲章の一つや二つ、もらう自信があるんだがな」
作戦参謀が悔しそうに呟く。
「まあ、それを言うな。だいたい我々の艤装は廃棄されているだろう。そもそも燃費も悪いしな」
技術参謀が苦笑する。
「だけど姉貴、大和や武蔵だって五十歩百歩だぜ。同じ燃費なら、コンパクトな我らのほうが……」
そこで何かを察知したのだろう。作戦参謀は口をつぐんだ。私も今、気付いたのだが、すぐそばに、あのシナの記者が居たのだ。
「こういう話は、また今度にしよう」
技術参謀は、話題を変えた。
「そうだね」
作戦参謀も、大人しく従っている。私たちの気配に気付いたのだろう、そのシナの記者は、すぐに立ち去っていった。やはり油断ならんな。
<<会見終了:次官と秘書官>>
直ぐ私たちのところに海軍省次官が来た。彼はまず、私に握手を求めてきた。
「君が美保の提督か。話には聞いていたが、意外に……いや、失礼。実に良くやってくれた。あの演説は素晴らしかったよ」
「恐縮です」
「だが本番はこれからだ。演習のほうも、しっかり頼むよ」
「了解です」
彼は、作戦参謀を振り返った。
「作戦参謀、ではブルネイ武官との打ち合わせに行こうか。そろそろ時間だ」
「了解です」
直ぐに次官と作戦参謀、羽黒は連れ立って退出する。入れ替わるようにして、あのブルネイの女性秘書官が来た。
彼女もまず握手を求めてきた。私も今は妄想抜きで、しっかりと握手を返した。
『やはりあなた方は素晴らしい。今後も期待しています』
彼女の笑顔を至近距離で見ると、クラクラしそうだ。
『いえ恐縮です。私は艦娘たちの気持ちの上に立っているだけですから』
精一杯で答えた。
『その謙虚さゆえに、あなたたちの軍は輝くのだと思います。演習も期待しています』
『ありがとう御座います」
直ぐに彼女は、向こうに居る”王宮男性”を見た。彼も遠くから、手を上げてくれた。その場に居た帝国海軍関係者は、全員が一斉に敬礼をした。彼も敬礼を返してくれた。良いな、こういうのって。
直ぐに女性秘書官が立ち去ると、ブルネイ司令も「じゃあ、会場でな」と言って、五月雨を伴って去っていく。
私も祥高さんに言った。
「私たちも行こうか」
「はい」
「金剛たちは、もう準備に入っているな?」
「はい、比叡たちと、埠頭へ向かいました」
「分かった」
私たちは、会場を後にした。
<<廊下:青葉さんと>>
私たちが廊下に出ると、青葉さんが来た。彼女はちょっと、おどけるように敬礼をした。
「司令~、良かったですよ」
「お前に言ってもらえるのが、一番嬉しいな」
今は、本当にそう思った。
「え?……えへへ」
青葉さんは、いつものように、悪戯っぽく笑いながら舌を出した。
祥高さんも言った。
「あなたの質問も、良かったみたいですね」
「そうですか?いやぁ、まさか当てられるとは思っていなかったんですが正直、何も考えていなかったんです。でも、司令の顔を見ていたら、スッと、質問が出ました」
嬉しそうに答える青葉さん。良い感じだな。
「私、今回一緒にブルネイに来て、本当に良かったと思うんです。いろいろあって……こういう時間が、ずっと続いて欲しいって思うんです」
青葉さんが生き生きしている。彼女は、南方のほうが、性(しょう)に合っているのかもしれないな。
「お前が元気そうなのが、一番だよ」
私は何気なく言ったのだが、青葉さんは急に真っ赤になってしまった。あらら……。
「その……はい。嬉しいです」
青葉さん、下を向いて固まってしまった。可愛いところあるよな~青葉さんって。私は思わず、祥高さんと、顔を見合わせて、苦笑した。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。