マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ 作:しろっこ
「VIPから信頼されているとの判断ですね」
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「艦これ」的「みほ3ん」
EX回:第113話<最高指揮官>
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<<埠頭:見学場所>>
やがて私たちは、埠頭の脇にある建物に案内される。3階建てのこじんまりとした建物だ。漣が言う。
「午前中は、こちらから演習を見学します」
「見学……?」
微妙に違う気もしたが敢えて突っ込むのは止めた。漣だからな。
「では」
と言って、私たちが建物に入ろうとしたら、衛兵に制止された。彼らは何かIDカードがどうのこうの、言っているらしい。漣は英語は苦手らしく、ちょっとあたふたしていた。しかし彼女は、すぐに何かを悟ったような顔をして、脇のポーチからカードを取り出して振り返った。
「す、済みません!これ~忘れていました!」
そう言いながら漣は、私たちにIDカードを配る。ローマ字で刻印された名前を確認する……間違いないな。肝心なものを忘れていたんだな~ったく。
電がカード見ながら、それでも不安らしく、恐る恐る私にカードを見せて聞いてくる。
「良く分からないのですけど、自分の写真のカードでOKですね?」
「そうだよ」
私は確認してから彼女に返した。電も自分の名前のローマ字くらいは読めるだろうけど、基本的に英語はダメで、不安になったンだろうな。
私たちは改めて自分のカードを持つと、衛兵に確認してもらってから建物に入った。
「では、参りましょう」
漣がメモを見ながら先導する。私たちは小さいロビーから階段を上がっていく。
2階に着くと、正面の大きな扉の前に、やはり衛兵の立っている部屋がある。私たちはそこでまたチェックを受ける。今度は、身体検査もあった。艦娘に考慮したのか知らないが、衛兵の片方は女性だ。彼女は手際よく、艦娘たちのボディ・チェックをする。衛兵が何か英語で言っている。また漣と電があたふたしている。すぐに祥高さんが近寄って応対する。
やがて祥高さんが二人に説明をした。
「私たちの銃を、念のために預かるので、タグを付けて下さいって」
「タグ?」
漣が首を傾げる。
「これよ」
そう言いながら祥高さんは、衛兵が差し出したカゴから紐のついた紙切れを4枚取って私たちに配った。
<<見学場所:最高指揮官>>
「これに名前を書いて。ボールペンはありますよね。なかったら貸します」
彼女は自分の紙切れに記名をしながら言う。
「あ~、貸してください」
これは漣。
「日本語でも良いのでしょうか?」
電がまた不安そうに聞いてくる。
「自分のものだと分かれば良いので、大丈夫です」
さすが祥高さんは、てきぱきとして場慣れしているな。やはり経験があるのだろう。
やがて衛兵は、一つ一つの銃を確認しながら丁寧にカートに納めていく。祥高さんの銃は、彼らも初めて見るタイプらしく、衛兵は祥高さんと何か、やりとりをしている。恐らく保存時のセーフティの確認だろう。
私も銃にタグをつけて渡そうとすると、衛兵は英語で言った。
『提督、あなたは預けなくて結構です』
『あ……そうか』
私は、うなづきながら、銃を再びホルスターに戻した。
「え?そうなんだ」
漣が不思議そうな顔をして呟く。
祥高さんが説明する。
「美保の最高指揮官であることと、恐らく中にいるVIPから信頼されているとの判断ですね」
中にいるVIP?何となく想像はできる。
しかし、こういう扱いの違いを見ると、やはり司令官と言う位置の大きさ、責任の重さを改めて確認せざるを得ない。
やがて、衛兵が扉を開けてくれる。やれやれ、やっとのことで、中に入れるのか。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。