マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ   作:しろっこ

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日向たちの索敵の後、赤城さんたちによる艦載機の攻撃演習が始まる。艦娘たちが、ちょっと誇らしくなった提督だった。


「みほ3ん」EX回:第121話<編隊と姉妹>

”姉妹艦は一緒に居たほうがいいのだろうか?”

 

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「艦これ」的「みほ3ん」

 EX回:第121話<編隊と姉妹>

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<<演習:正規空母>>

 

作戦参謀は、演台で解説を続ける。

『続いて、発見した敵に対する空母艦載機による攻撃を実施します。もちろん航空戦艦である日向や伊勢でも攻撃は可能ですが、今日は、わが海軍の誇る正規空母2隻による攻撃を披露いたします』

 

そこで、赤城さんと加賀さんがモニターに出てきた。この二人が出てくるとモニター画面でも独特の緊張感が漂う。だてに一航戦ではない。加賀さんも量産型だが堂々としている。レシピは上手くいっているな。

 

作戦参謀は続ける。

『この正規空母は、コンパクトながら通常艦艇と同等か、それ以上の打撃力を持ちます。状況によりますが通常の艦艇から艦娘への攻撃は、やはり艦娘という”標的”が小さいため、発見が困難です。仮に発見しても照準があわせづらく、艦娘自身による攻撃回避も容易です。ただ先程と同様、同じ艦娘や深海棲艦からは、容易に攻撃され得ます』

 

それを聞いて思ったのは、ブルネイに対する仮想敵国シナだ。彼らが通常兵器でこのブルネイに攻めてきた場合、迎え撃つブルネイ側に艦娘部隊がいれば、どうだろうか?平時の運用面だけでなく有事の際の防御および反撃と言う観点から見ても、かなり有利だ。なるほどブルネイ側が私たち海軍の艦娘部隊の駐留を希望し、その導入に積極的な理由も分かる。

 

やがて作戦参謀は”失礼”と言いながら、どこかと交信を始めている。相手は艦娘だろうか?しかし、その姿を見ても、この会場にいる武官たちは、彼女が艦娘だとは思っていないだろう。通信しているとはいえ、その姿は、超小型の無線機で通話しているようにしか見えないから。

 

もっとも彼女が艦娘と分かれば、後から質問攻めにも合うだろうし。何となく作戦参謀自身も、そういう応対は苦手そうだ。どことなく敬遠しているような印象もある。

 

そうこうしているうちに、作戦参謀は再び演台に戻る。

『空母と連絡が取れましたので、攻撃の前に、この会場の近くまで艦載機を廻します。皆さんの目で実機の勇姿を、どうぞご覧下さい』

 

勇姿とは、よく言ったものだ。そして私自身、妙に艦娘たちが誇らしく感じられるのも事実だ。

 

普段は赤城さんを始め、艦娘たちには散々振り回されているにもかかわらず、なんだか不思議な気持ちだな。一種の親心ってことか?

 

<<演習:編隊と姉妹>>

 

やがて編隊を組んで、艦載機がやってきた。普通の艦載機よりはエンジン音は小さいが、それでも編隊を組みキラキラ光る海上を飛翔してくる艦載機は、何ともいえない迫力だ。埠頭の手前で機体を回転させながら二手に分かれた編隊は、次々と上昇し反転していく。そのたびにキャノピーがキラキラ光る。

 

ブルネイの担当官をはじめ、各国の武官たちは一様に感動している。またブルネイの”王宮男性”と女性秘書官は、何か会話しながら何度も頷いている。

 

作戦参謀が続ける。

『では続けて演習用の擬似艦艇(標的)へ向けて、艦載機による攻撃を実施します。彼女たちが得意とする急降下爆撃をご覧下さい』

 

はるか海上に張りぼての”艦艇”が浮かんでいる。上空へ到達した艦載機の編隊は、そこへ目がけて次々と反転し急降下を開始する。距離はあるが、突入する艦載機のヒューという風切り音が聞こえてくる。

 

『小さくても運動能力や上昇能力、さらに攻撃力、どれを取っても通常の艦載機に引けをとりません。またあの風切り音は、敵が上空を確認しても、その小さな艦載機を確認しにくいため、相手に与える心理的な恐怖感と威圧感は、敵陣に混乱とパニックを引き起こします』

作戦参謀は妙に嬉しそうに言う。私はそれを聞きながら美保湾で先月、急降下爆撃を行った赤城さんを思い出していた。

 

モニターには、ズームアップで赤城さんが映し出される。長い髪が海上でたなびいているが、彼女自身は微動だにしない。凛々しいな。

 

そういえば、美保湾の戦闘での赤城さんも凛々しかったな。夜戦の時には、逃げようとする敵を黙って見逃す優しさもあった。そんな人間臭い対応は、普通の”空母”には到底、出来る芸当ではないだろう。

 

人間臭いと言えば日向にも散々、人間的に引っ掻き回されたよな。もっとも、ここには伊勢がいるから、彼女もちょっと落ち着いた感じがある。

 

私は何気なく、隣に居る祥高さんを見た。そうか、やはり艦娘というのは、姉妹艦同士なるべく一緒に居たほうが良いのだろうか?赤城さんと加賀さんも、同じ一航戦、一種の姉妹みたいなものだ。

 

そう思うと、ドイツやイタリアが、艦娘を連れて来たのも、艦娘同士が引き合ったのかも知れないな。そんな思いも湧いてきた。

 

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。

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