マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ   作:しろっこ

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再び高まるうねり。援軍を見送りながら司令たちは改めて嵐への突入を決意した。



EX回:第38話(改2)<嵐へ発進>

 

「お前の判断は、正しかったかもしれない」

 

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マイ「艦これ」「みほちん」(第3部)

 EX回:第38話(改2)<嵐へ発進>

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 かなり波が高くなってきた。

 

窓から外を見ると島風は手を振り武蔵様は敬礼をしている。

機内の皆も敬礼をした。

 

「ありがとぉ」

これは夕立だ。

 

その手がバシバシと私に当たるる。

「おい、私に当たってるぞ! 痛いって」

 

「ぽい?」

夕立と言えども駆逐艦だ。彼女の空手チョップは十分過ぎる威力だ。

 

 さらに波が高くなってきた。

 

「まさか……」

副長と機長が気象状況を確認して言った。

 

「嵐が……こちらへ引き返して来ます!」

 

技術参謀は縛られたまま呟く。

「あの嵐は意地でも私たちを、この時代から排除したいようだな」

 

「排除?」

金剛の言葉に比叡が応える。

 

「私たちが邪魔だから何処かへ行けっていうことですよ」

「フーン」

ホントに分かっているんだか?

 

私は命令を出す。

「全員着席。これより嵐の中心に向け突入をする」

 

『はい』

艦娘たちは敬礼して散らばっていく。

 

それから私は直ぐに技術参謀の縄を解いた。

「失礼しました参謀。どのような処分も、お受けしますが今は……」

 

「分かっている」

彼女はスッと立ち上がると、いったん操縦席に入って機長に気象状況や周りの状況を確認。

 

その後、着席してから話しかけてきた。

「この状況を脱するまでは、お前が指揮官だ」

 

「ハッ」

それを受けて私は機長に命令した。

 

「機長、離水だ」

「はい、発進します」

発動機の回転数が上がり機体は加速し始めた。

 

 窓から見下ろすと、うねりが出て白い波が立つ海上に武蔵様と島風の背中が見えた。手を振る島風と背を向けたまま手を上げた武蔵様がいた。

 

私は改めて窓から敬礼するのだった。

 

技術参謀は言った。

「私の印象だが、あの嵐は美保の艦娘たちが揃っていないと、うまく働かないようだ」

 

「はぁ」

根拠はよく分からないが、それは確かにそうだろうと自然に思えた。

 

「悔しいが、お前の判断は正しかったかもしれない」

参謀が軽く頭を下げた。

 

「恐縮です」

謙虚な彼女の姿は少々意外な印象だった。

 

参謀は外を見ながら呟く。

「予定調和か。やはり我々は元の場所へ帰るべきなのだ」

 

それを聞くと私も安心感を覚えた。

「はい」

 

予定調和だとすれば、元の時代に戻ることも必然に違いない。

 

あまり過剰な期待は禁物だが、無事に帰ることが出来るだろうという期待が高まった。

 

 思い起こせば突然放り込まれた異世界は、とても不思議な時間だった。

しかし、すべては必然であったようにも感じられた。

 

 機体は強い風を受け揺れつつも徐々に高度を上げる。

機内に緊張が走る。やがて機体は前方の積乱雲の中へと突入していった。

 

「しっかり掴まっていてください」

機長が叫ぶ。

 

一度通ってきた道とはいえ万が一の事も無いとは言いきれない。

 

 私は念のために技術参謀に聞いておきたい事があった。

「一つ伺っても宜しいでしょうか?」

 

「なんだ?」

彼女は腕を組んで難しい顔をしていた。

 

「なぜ……舞鶴ではなく山陰に実験の為の鎮守府を設置されたのですか?」

「ああ、それか」

参謀は、こちらを向き直ると案外機嫌よく答えてくれた。

 

「山陰は僻地だろう? 極秘の研究には、打って付けの環境なのだ」

この質問は聞いて欲しかったのだろうか?

 

だが地元出身者には複雑な回答だった。

 

(聞かないほうが良かったかも)

私は内心苦笑していた。

 

 やがて風雨が激しくなり機体の揺れが激しくなってきた。

 

「おぉえ」

あれは夕立だ。

 

絶対、お前は自分の名前に合ってないよな。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。


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